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食べ物レポート, 旅をする

バスセンターのカレー

店名は看板に書いていない  のだと思う

今やコラボ製品も出現する「新・新潟名物」と言わなければいけない。バンダイシティーバスセンターの端にある立ち食いそばの店にカレーを食べに行った。ただ、看板をよくみるとそば・うどん・カレーとなっているので、カレーはそばと並ぶ三大主力商品の一つであることに気がついた。
たいていの立ち食い蕎麦屋では、ライスメニューとしてカレーが置いてある。カツ丼や牛丼を名物にしている立ち食いそば店もあるから、カレーが名物になっても当たり前と言えば当たり前なのだが。そういえば日本橋の某立ち食い蕎麦屋もカレーが名物だった。
朝8時の開店時にはすでに行列ができていたが、これは全員観光客と見て良いだろう。8時15分くらいになると地元のサラリーマン的な客の姿が増えてくる。
改めて看板を見ていたら「安い、早い、うまい」と書いてある。言葉の順番が、お店側の感じる重要度順だとすると、やはり価格が第一ということだ。同じキャッチフレーズを使う牛丼の全国チェーンでは「うまい、安い、早い」だから、その差が微妙な感じで面白い。まあ、牛丼の旨さの定義も、これまた難しい気がするが。
この店のカレーの「うまさ」は、店からすると「安さ」が重要で、それには勝てないらしい。

福神漬けが救済だった

2度目のバスセンターカレーだが、今回はカレー単品なので普通盛りを注文した。しかし、カウンターに置かれた「普通盛り」を目にすると、しっかりと後悔してしまった。これはふつうもりといってはいけない、正しくは大盛り、あるいはごはん特盛と言うべき盛り方だろう………
ご飯の量が丼で二杯分くらいある。体育会系運動部の現役選手向きだ。あきらかに自分には………向いていない。そして、残念ながらカレールーとご飯のバランスが悪い。米が多すぎる。
その上、バスセンターカレーのルーは、そばつゆを使っている甘めの優しい味だ。大量の米と合わせて食べるのにはあまり向いていないように思う。前回頼んだ時は、小盛りだったのですっかり油断してしまった。
救いだったのは豪快に盛られた福神漬けで(これはお店の人が乗せるのだが)、間違ったかと思うほどの大量提供だった。弁解するようだが、セルフサービスの福神漬けを自分で山盛り取った訳ではない。
カレーを食べながら福神漬けで味変を試み、なんとか完食手前まではこぎつけだ。武蔵野うどんの店でも麺の量に騙されることは多い。普通盛りを頼んでも、通常で言えば大盛り扱い、麺が2-3玉分でてくる店がほとんどだ。これは痛い経験を通じて学んでいるので、武蔵野うどんでは麺量を確かめてから注文する。「麺の量は、どれでも同じお値段ですよ」などという甘い言葉には騙されない。
しかし、カレーで同じ目に合うとは予想もしていなかった。事前学習が足りなかったと反省するしかない。結局、この日の昼飯は抜きになってしまった。バスセンターカレー、恐るべし。でも、この優しい味はしみじみ旨いんだよね。

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古町 夕方そぞろ歩きは失敗?

古町のバス停で降りたら高層ビルにお出迎えされた

新潟には何度も仕事で来ている。が、意外と古町界隈をぶらついたことがない。仕事が片付いた後、古町まで車で連れてこられて、店の前で下ろされて、会食が終わるとタクシーでホテルに帰るみたいな行動は何度かしたことがある。だから、街の雰囲気というか、様相というかは全くわかっていなかった。そこで、夜になり少し気温が下がったら古町という繁華街を探索してみようと思ったのだが………
結論を先に言うと、暑さに負けて逃げ帰ってしまった。

いかにも高そうなお店だが、ぶらりと行って入れてくれうだろうか

暑さのせいか、街の特徴なのか、ともかく通りを歩いている人が少ない。夕方の7時前だから、普通は飲み屋を目指すサラリーマンなどがたくさんいそうなものだが。
あちこちにおしゃれな、そして高そうな店はたくさんある。この中にはすでに客がいるのだろう。

通りのハズレにある、良さげなラーメン屋は混雑していた

大通りからブラブラ歩いて反対側の太い道に出るまで、およそ10分ほど。距離にして500mもないはずだが、暑さに負けてしまった。暑さと言うより湿気の多さに閉口したと言う感じもする。風は吹いているが生ぬるい。良さげなラーメン屋を見つけたが入る気力も湧かない。残念だった。

よくわからない空間オブジェ? 

歩道には屋根がかかっているので、この通りは冬でも歩きやすいだろうから、次は冬に来ることにしようと思い、さっさと撤収することにした。次回はもう少し事前に研究をして、良い店を予約しておく方が良いかもしれない。どうも、飛び込みで入れそうな店はラーメン屋くらいだったし。

意味はわかるが、言葉としては謎な………

そんな新潟の繁華街で見つけた不思議看板。なんとなく利用の動機や使い方は理解できるが、午前1時が早朝宿泊になるのかと、あれこれ考え込んでしまった。午前1時は深夜という気がする。おまけに全日受付と言うのも、早朝宿泊とは関わりなさそうだし。
そもそも「早朝宿泊」とは日本語として正しいのか、悩ましい言葉だ。この辺りの「新造語」は、やはり夜の街らしい気もする。モーニングが、いつの間にか喫茶店の朝食を意味する代名詞になったように、「早朝」という言葉が新潟(古町)限定で違う意味を持っているのかもしれない。結局、古町探訪は次回に大きな宿題を残したまま終了してしまった。散歩としても不発だった。これまた残念。

ちなみに、水島漫画キャラの銅像は、下調べをしていないため未見だった。ちょうどこの歩き回った通りの反対側の端にあるらしい。これも次回の宿題だ。

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万代シティーの2階あたり

新潟て泊まったホテルの3階がフードコートになっていた。一回からエスカレーターでホテルのフロントに登っていく途中でいきなり出現する、仰天立地というべき場所だった。ただ、バンダイシティーはバスセンターを中心に周辺の商業ビルがペデストリアンデッキ、つまり空中回廊で結ばれているので、その回遊路からは直結する場所だから、無理な立地てはないと思う。
そこで出会ったのが、この「怪人」だ。なんだこれと思ったら、まぜそばの店だった。この方がどんな方なのか説明もないが、新潟では有名人なのかもしれない。

ペデストリアンデッキからみた入り口の看板

フードコートにはラーメン屋もあり、人気の回転寿司屋で注文したテイクアウト用の寿司を食べることもできるようだ。なかなか、快適空間のようでたくさんの客がくつろいでいる。
フードコートの真下は全国チェーンのハンバーガー屋とドーナツ屋があるので、けっこう立派なフードビジネス集積地だった

その空中回廊をバスセンターに向かえば、新潟ファストフードのイタリアンが食べられる。実にファストフード店らしい見かけだが、立地的には一等地になる。全国チェーン店を押し除け、新潟ローカルは実に強しだった。

この新潟では名物化している焼きそばを食べるのもよいだろう。店内は比較的空いているので、のんびりとした雰囲気がある。この店の下には、今や全国的知名度を持つにいたったバスセンターのカレーを提供する立ち食い蕎麦屋もある。結局、2時間近くかけてバンダイシティー周りを歩き回ってしまった。やはり、バンダイシティー周辺は密度の濃い外食地帯なのだなあ。 

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利酒の楽しみ 新潟駅でホロ酔い

新潟駅に、その名も素敵な「ぽんしゅ舘」という日本酒の販売施設がある。新潟にある蔵元の酒を集めている。酒の肴になりそうな食べ物もたくさん置いてあるので、日本酒ファンにとっては、目移りしまくりのワンダーランドだ。
その館の中に、これまたご機嫌な施設がある。

利酒をする場所と言えば良いのだが、利酒をしているうちにほろりと酔いが回る。なんとも、酒好き泣かせな設備だ。仕掛けは簡単で、五百円払うとコインが5枚もらえる。それと小ぶりなぐい呑みを一つ渡される。利酒をするには、お酒を注いでくれるマシンの所定の場所にぐい呑みをおく。マシンにはぐい呑みを差し込む窪みがあり、そこにぐい呑みをセットした後でコインを一枚投入すると、25mlのお酒が出てくる。つまり、五百円でぐい呑み五杯、計125mlの日本酒が堪能できる。

酒マシンには番号が振ってあり、それぞれの番号には新潟の酒蔵の酒が割り当てられている。同じメーカーでも純米酒や吟醸酒など複数の異なる酒が楽しめるものもある。5枚のコインを握り締め、ぐい呑みを抱えてマシンの前をうろちょろしながら、最初の一杯はどれにしようと悩む。まるで十円玉を何枚か握りしめて駄菓子屋に行った時の気分だ。
今風だなと思うのは、お酒チョイスアプリがタブレットにセットされていることだ。いくつかの質問に答えると、3種類ほどの日本酒が「おすすめ」される。このリコメンド機能は遊び心をくすぐる。

今回試した5種類で、一番のお気に入りは「055 越の寒中梅」だった。001天領杯は、かなりクセの強い酒で、久しぶりに個性的な酒に出会った感じがする。049 加賀の井は、マッチングアプリ推薦の酒だった。どの酒もユニークで、実に楽しんだ。
日本酒好きでも、お気に入りの酒は個人で大きく差があるものだ。甘めが良い、米の香りが……、スッキリと辛口が、などなど酒飲みとは実にわがままなものだといつも思う。
だから、自分の好みを人に押し付けることはしない。また、おすすめの酒を教えてくれと言われても、自分で飲んで決めろと突っぱねることにしている。最近はそんな会話すら面倒になり、一人で飲みにくのが一番良いと思っている。
誰かと飲むのであれば、誰が飲んでも答えは同じな炭酸系にする。ハイボールや酎ハイのたぐいだ。あれにはうまいもまずいもない。炭酸系でもビールになると、また蘊蓄を語り始める奴がいるので、最近は「とりあえずビールを」ということもしない。

そういうコミュニケーションが面倒くさいと感じるダメ人間なので、こういう素晴らしい施設には一人で来て、一人納得して楽しむことにしている。楽しみをシェアするのは、まだフェロモンたっぷりな若い方達にお任せしよう。(不思議と、店内にはカップルが多い)
昔、東銀座にあった日本酒センター?にも似たような仕組みがあったが、こちらの方がはるかに重宝する。1日五杯ずつのお試し・利酒をして、全種類制覇するには20日以上かかる。コンプリートに20日もかかれば、最初に飲んだものの味などすっかり忘れてしまうので、21日目からはまたフレッシュな気分で利酒サイクルが開始できる。
まさにエンドレスで楽しめるではないか。おまけに定期的に、試飲の酒は入れ替わるらしい。なんと夢のような………
やはり、新潟に住んでいる人が羨ましい。雪さえ降らなければ移住しても良いと思うほどだ。次はいつ新潟に行こうかな。

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佐渡の鮨は回っているか

新潟でおすすめの鮨屋はと尋ねたら、この店を勧められた。佐渡の魚を食べさせる回転寿司屋だった。人気店なので、1時間待ちも当たり前らしい。ということで、夜のピーク前に出かけたが、すでにカウンターには3組いて、ボックス席もほぼ埋まっているようだった。注文はタッチパネルだが、その中に佐渡沖の魚コーナーがある。なるほど、確かに佐渡の鮨屋らしい。
日本酒はカップ酒での提供で、よくみると佐渡の酒蔵限定のようだ。とりあえず一番名前の知れたブランドを注文してみた。記憶にあるより遥かにうまい気がするのは、店内に漂ううまそうオーラのせいだろうか。

鮨の前に何かつまみにと思ったら、刺身盛り合わせというのがある。一人前でも注文できるので、それを頼んで見たのだが、なんともコスパの良い一皿が登場した。居酒屋でもこの値段では無理だろうという低価格だった。

「自家製」の言葉に惹かれて追加で頼んだイカの塩辛は、塩味控えめで胃パン的に売られている製品特有の「塩辛い」感じがしない。イカの味を感じる逸品だった。これだけでも買って帰りたい。
福岡で有名な行列のできる天ぷら屋も、自家製塩辛を販売していた。天ぷら定食はネタの組み合わせで何種類かバリエーションがある。券売機で食券を買うスタイルの店だが、その券売機の一番目立つところに、「塩辛」のボタンがある。かなりの客がテイクアウト用に買うのだろう。店内では卓上に塩辛が置いてあり、天ぷらと共に楽しめるようになっている。ご飯の上にたっぷり塩辛を乗せて食べる客が多い。あの塩辛は記憶に残るうまいさだが、それに負けずこちらもうまい。塩辛の名品だった。

一通り酒を楽しんだ後、一気に握りタイムに突入する。まずは絶対定番であるイカからの発進だ。普通にうまい、という一段上のうまさだった。イカの甘さ、ねっとりとした歯触りは文句なしだ。

鯖も締め具合がちょうど良い。シメサバは鮨屋によっては酢がきつすぎることがある。大手チェーン回転寿司の店では美味いシメサバに会うことは全く期待していない。この店の鯖は「うまし」だった。

地元ネタということで佐渡沖の魚をいくつか堪能した。好物の鮑は当然だが、予想外の美味さに感動したのがアジだった。好みによっては、ノドグロやブリを注文する人も多いだろう。佐渡沖の魚を楽しむだけでも来た甲斐があった。

二杯目には初見の佐渡の酒を頼んだ。これもまた特徴のある酒だったが、魚にはよく合うような気がする。小一時間の滞在で、会計を終え店の外に出たら長蛇の列ができていた。
観光客も多い場所だろうが、どうも地元民、特に若い世代の方に支持されているようだ。確かに、このレベルが回転寿司で食べられるのであれば、居酒屋に行くよりよほどよさそうだ。新潟に住み人たちは幸せだなと、かなり本気で羨ましくなってしまった。良い店でした。

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新潟五大ラーメンで失敗した話

新潟にはラーメンの5大流派があるそうだ。いわく

  • 新潟あっさりラーメン
  • 燕三条背脂醤油ラーメン
  • 長岡生姜醤油ラーメン
  • 新潟濃厚味噌ラーメン
  • 三条カレーラーメン

詳しくか 観光協会のサイトで https://niigata-kankou.or.jp/feature/5big_ramen/top

魚介出汁のラーメン チャーシューが売り物のようだった

今回は長岡生姜醤油ラーメンにトライした。満足するうまさだったので、できればもう一つくらい名物ラーメンに挑戦してみたいものだと思った。が、事前調査もしていないので行き当たりばったりで、お城見学に行った帰りに見つけたラーメン屋に入ってみた。
新潟五大ラーメンではないようだが、新潟県でチェーン展開しているブランドだった。売り物は辛味噌ラーメンだった。
というのは、食べた後で調べてわかったことで、店に入って単純に新潟あっさり系ラーメンだと思い込んで、醤油ラーメンを頼んだ。チャーシューが売り物の店なので、チャーシューメンを頼めばよかったと食べた後になって後悔した。
醤油ラーメンは、不通に美味しく食べたのだが、おそらくイチオシの辛味噌ラーメンを食べるべきだったのだろうし、さらに考えれば、チャーシュー辛味噌ラーメンにすればもっと良かったのだ。
美味いラーメンは食べたのだが、あれこれ心残りが多い。もう一度新潟に行った時には……………とも考えたが、その時は、他の五大流派を試してみたい。特にカレーラーメンは次回の宿題にするべきだろうし。
サイトで調べてみたら、このブランドは関東一円にも出店しているので、比較的近場にある支店に行って辛味噌チャーシューメンを試してみようと決めた。

やはり下調べはしないと、あれこれ失敗してしまう。準備8割という言葉は、まさに至言でありますよ。「たかがラーメン」を食べる時にも当てはまる、というか、「たかが」ではなく「されどラーメン」と考えるべきなので、下調べは入念にしましょう。
ついでに、この辛味噌ラーメンは「新潟濃厚味噌ラーメン」の一族なのかもしらべてみなければなあ。

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いかの墨 居酒屋ではない居酒屋

新潟のナイトライフで外してはいけない名店がある。(らしい) 新潟に住む家族によれば、なかなか予約の取れない名店とのこと。居酒屋というにはレベルが高い、お手軽な割烹といった感じの店で美味しい晩御飯を食べることになった。
調べてみると新潟では複数店を展開している外食企業だった。店の名前に魚の一文字が入っているが、店名は別々なのでちょっとチェーン店とは異なる。去年の夏に行ったのは駅の反対側だった。今回は、新潟駅北側の一角にあるビルの中の店だった。

ファサードと入り口の作り込みが上手い。これから出てくる料理に期待が高まるというものだ。一般的に、居酒屋はファサードの作りに手を抜きすぎる。意固地な経営者がレストランや居酒屋は味が勝負、味で勝負などとと思い込んでいるせいだ。
客の目線に立ってみれば簡単に理解できることだが、味だけで店を選ぶのはごく限られた変人だけだ。一般的には味と雰囲気と接客のバランスで、また来る店にするかどうかを決める。今風に言えば、トーラルバランスと映える料理とコスパによる統合された判断だ。「味」は、必要条件であるが、十分条件ではない。
故に、入口の見かけはもっとも重要な顧客との接点、First Impresion の勝負点だ。この店は、入り口に入る前ですでに合格している。

料理も同じで、見栄え8割くらいに思っていてちょうど良い。とくに、料理の質を感じさせる「器」が重要だ。この店では席に案内されると卓上に大きな土鍋が置いてある。
これはお通しの魚を蒸すもので、最初にザルに盛った魚のあれこれを従業員が持ってきて見せられる。その中から一人一品を選び、土鍋の中で蒸しあげる。10分ほど待つと蒸し上がるようだ。
この日選んだのは、こぶりなふぐの干物で塩加減がちょうど良い塩梅だった。この蒸したフグを肴に、ちびちびと新潟の地酒を飲んでいた。店内は冷房がよく効いて爽やかなので、ぬる燗にしてもらう。
隣のおっさんたちの蛮声さえなければ完璧になるくらい良い店なのになあ。コロナの後、あれほど静かだった居酒屋が、また元の大音量絶叫空間に戻ったのは残念で仕方がない。ただ、どこの居酒屋でも店内の光景を見ている限り、若い方たちはそれなりに静かなのだ。絶叫系オヤジ、オバンはだいたい四十代後半から五十代に多い。学習効果が足りないのか、学ぶ気がないのか。「羞恥心」とか「たしなみ」という言葉を学ばないまま、歳をとってしまったのだな。きっと。
おそらく現代日本では、その人生で一番恥を知らない年代なのだろう。

キジハタ(たしか中央)という魚は初見だった

刺身の盛り合わせにのどぐろを追加したものがこれで、新潟の地魚を組み立てたもののようだ。面白いなと思ったのが、佐渡島沖の魚が珍重されているらしい。佐渡島沖と言っても南側の海は新潟との間の海だから、どこまでが新潟沖でどこからが佐渡沖か、クイズみたいなものだろう。おそらく珍重されるのは、佐渡島北方海域、つまり大陸との中間点あたりが、佐渡島沖扱いになるのだろうと思った。ただ、付きせぬ疑問だが、そこで獲れる魚はどんな種類なのだろうか。
皿の上を見る限り少なくとも太平洋で採れた魚は並んでいないようなので、ちょっと嬉しい。ただ、日本海に紛れ込むマグロを一本釣りした、みたいな伝説的マグロであれば歓迎するが。

今ではすっかり漁獲高が減ったらしいイカだが、日本海側の各所ではまだそこそこ採れているようで、この日は地元イカの天ぷらを注文した。イカはいつ食べてもうまいなと(個人的な嗜好が入るが)、バリバリと頬張る。天つゆではなく塩で食べるとうまいとも言われた。確かに、天ぷらは塩で食べるとうまいネタは多い。
その塩についても何やら蘊蓄を聞かされたのだが、隣のおっさんの蛮声に遮られよく聞き取れなかった。残念。ただ、塩て食べた天ぷらはあっさりとして、大変美味いものだった。(特にゲソ)

後になって気がついたが、ビル全部が一軒のお店?みたいだ

新潟駅北側にある飲屋街は、新幹線駅によくある新興繁華街のはずだが、新潟の伝統的繁華街である古町界隈を超えた賑わいのようだ。新潟市は政令都市とはいえ、いささか小ぶりな町だが、駅前とバスセンターと古町という三つの繁華街が併存している。
この町で住む人たちには当たり前なのだろうが、あちこちの地方中核都市を見てきた経験からすると、街におへそがないちょっと不思議な都市だ。
この暑い時期をずらして、もう少しのんびりと街歩きをしてみたいとは思う街だ。ちなみに、新潟は「あぶさん」の出身地だということを思い出した。新潟市内のどこかにあぶさんの銅像でもないのだろうか。個人的にはあぶさんの話が水島野球漫画の最高作品だと思っているのだけれど。

追記:気になって調べてみたら、なんと古町のアーケードに銅像があるらしい。古町には夜に行ったので気が付かないまま帰ってしまったようだ。実に、また残念。

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新潟の謎 イタリアン

新潟ローカルのファストフードチェーンで、新潟県民だけが食べている食べ物がある(多分だが)。ずいぶん昔にその話を聞きつけて、わざわざ食べに行ったこともある。不思議な食べ物だと思ったが、あえて新潟人には感想を尋ねなかった。ローカルフードの批判は、喧騒の種にしかならないからだ。それくらい微妙な食べ物だった。

おそらく、新潟県以外では見つけられないと思う「ローカル焼きそば」の専門店だ。バーガーでもサンドイッチでもない。丼でも寿司でもない。焼きそばだ。そして、そのバリエーションは焼きそばの上にかかったソースにより作られている。店内のメニューポスターを見ても、焼きそばで全面が占められている。

そして、そのオリジナルというか元祖というものが、こちらの「イタリアン」だ。焼きそばの上に、スパゲッティに乗るようなミートソースが載っている。食べてみるとわかるが、間違いなくミートソースだ。そして、その下にあるのはソース味の焼きそばなのだ。麺は平麺で中太だから、パスタで言えばフィットチーネ的な雰囲気が(多少ながら)醸し出されている。が、味も食感も明らかに焼きそばだ。
このミートソースと薄味の焼きそばのバランスが、これまた微妙すぎて、なぜミートソースなのかという疑問が湧いてくる。
ソースのラインナップを見ると、カレー味もあればカルボナーラ風もあるので、やはりパスタの横展開考えても良いのだろうか。店内の雰囲気だが焼きそば屋感は全くない。焼きそばの代わりにバーガーとポテトが出てきて全く違和感がない。店内では女子高生が複数グループくつろいでいるので、やはりファストフードな雰囲気なのだ。

とりあえず久しぶりの試食体験の感想はかなりアレな感じだた。レア物を食べた時の、表現の難しさというべきか。その一切を飲み込みつつ、表に出てみたら驚くべきポスターを発見してしまった。
ソフトクリームのテイクアウトではないか。テイクアウトしたソフトクリームの生存時間は一体どれくらいあるのだろう。5分は持たない気がする。そうすると事前に製造したものを冷凍しておくのだろうか。おまけに、イチオシと思しき商品は何と8段もある背高ではないか。これはどこかでみたことがあるような気がして、撮り溜めた写真をひっくり返してみたら、岩手県花巻のマルカンビル大食堂で食べた「箸で食べるソフトクリーム」に似ている。新潟と花巻、どちらも老舗の店なので、並行進化というものだろう。
今さら店内に戻って注文するわけにもいかないと諦めたが、ますます新潟のファストフードに対する謎と疑惑は深まってしまったのだ。新潟、恐るべし。そして、新潟市民がちょっと羨ましい。

街を歩く, 旅をする

新潟平野で駅前のイオン

城巡りの後、西新発田駅前のイオンでバスを降りた。以前に秋田から新潟に移動する各駅停車の旅をしている時に、このイオンショッピングモールが気になっていたからだ。
駅から見ると普通の郊外型ショッピングモールだが、とにかく「駅前」にある。地図で見ても駅併設型に見える。最近はイオンの主流になった感がある立地だ。
埼玉の巨艦店である越谷レイクタウン店に似た立地だと思うが、越谷店は周りに新興住宅地を配置しながらの住宅地立地だ。この店はどんな感じになるのか興味があった。

答えは意外と簡単に出てしまった。イオンの前にある駅は無人駅だった。乗降客数は決して多くないということだろう。イオンに着くまで乗ってきたコミュニティーバスの経路沿いには新築の住宅地が広がっていたので、新発田市では西新発田駅周辺が現在進行形で開発されている新興住宅地ということらしい。
しかし、駅前立地というのには無理がありそうだ。無人駅の前は、決して繁華街には当たらないだろう。

駅の向こうにには、見える限り、つまり山の端まで田んぼが続く。周りは全部田んぼだった。さすが米どころ新潟という風景だ。全国のあちこちにあるイオンショッピングモールの周りは、まさにこういう光景なのでようやく納得した。やはり、当初のコンセプト、インターチェンジ近くで狐と狸が出没する場所に店を出すのだというイオンの出店原則は守られているらしい。
たまたまこの場所には、駅があったということなのだ。駅があるから出店したのではないと思う。

イオンのモールがあることは忘れて、ホームから新潟方面を見ると、ここが新潟市の衛星都市、郊外住宅地に当たるとは全く思えない。ただ、イオンモールの中は夏の暑さを逃れて涼みにくる人で溢れていた。
今の日本では典型的な姿なのかもしれない。古き良き時代の駅前商店街はシャッター街として寂れてしまい、ショッピングモールの中が人工的な商店街になっている。ただ、モールの中には駅前で商売を営んでいた店はほとんど見当たらないようだけれど。
モールの中で一番混んでいたのがサイゼリヤだった。妙に印象的だが、日本全国で同じ光景が見られる。サイゼリヤは国民の支持を得ていると言い切って良さそうだ。地元のレストランでは勝てないという、リアルな世界を見せつけられた感じがする。

旅をする

新発田城に行ったついでに

8月も下旬になれば多少は涼しくなるだろうと旅に出たのだが、とてつもない悪運に見込まれたらしく、毎日移動するたびに移動先が日本一暑い場所になっていた。最終目的地の新発田城は午前中に見て回ろうと思ったのだが、昼前にも関わらず気温はその日の最高温度に達していた。新発田城を見た後で、コミュニティーバスで駅まで戻ることにしたていたのだが、多少待ち時間があり、日差しを遮るものがないバス停でバス待ちをしていると倒れてしまいそうだった。
そのバス停の前に、自衛隊の広報資料館があるので、待ち時間の間に見学をすることにした。館内はとてつもなく涼しく、まさに生き返るありがたさだった。

資料館の中には、新発田城の解説もあるが、主な展示物は明治以降に設置された帝国陸軍のもので、その時代にはこの建物が兵舎だったようだ。帝国陸軍は新発田城の本丸から後ろの部分を駐屯地として利用した。そのため城は、大手門付近(城廓の前部分)だけ残されているが、現在ではその先が自衛隊の施設となっている。本丸跡地は壁で仕切られているのが悲しい。
この兵舎跡はその城の後ろ半分にある。自衛隊敷地内にあるため、城からはぐるっと堀沿いを回ってこなければならない。(現在は陸上自衛隊第12旅団第30普通科連隊が駐屯しているため、一般人の立ち入り、通り抜けは難しい)

資料館の展示物は、なかなか興味深い。明治時代の軍服、そしておそらく鹵獲兵器である洋式短銃のコレクションなどがある。ひょっとすると帝国陸軍将校からの供出物なのかもしれない。ただ、手入れをしていないせいか(あるいはすでに銃口を埋めるなどの不使用化がされているためか)見た目が相当悪い。そこが残念だ。
また、展示に関しては現役自衛隊の設備として、どうだろうかと思われる表現も散見する。言葉狩りの対象になりそうな、危ない用語だらけだった。良くも悪くも、帝国陸軍の跡という感じが滲み出ている。戦後の民主日本を基盤とした自衛隊の広報施設としては、他にある施設と比べると微妙な差異がある。これまであちこちで見てきた自衛隊の広報施設とは、ずいぶんテイストが異なる。
同じ陸上自衛隊の広報施設でも練馬第1師団近くにある「りっくんランド」と比べると、これが同じ組織なのかと思うくらい見せ方が異なっている。ただし、バスの時間待ちでたまたま入っただけなのに、ずいぶんお勉強になった。ちなみに海上自衛隊の広報施設では、佐世保にある博物館的な資料館が、これに似た雰囲気だった。やはり自衛隊(防衛省)にも、それなりの思惑があるのかもしれない。家族向けの大規模広報施設とマニア向けの小規模な施設みたいな区分だろうか。軍オタであれば、諸規模施設の方がワクワクするだろう。
この資料館は、もう一度しっかり時間をとって見に来たい施設だと思った。ちなみに、案内してくれた自衛官の方はとても親切だった。

徳川時代を無事凌ぎ切った新発田城も、戊辰戦争の動乱で明治政府に接収され帝国陸軍駐屯地となってしまい、お城の姿を変えてしまった。その後は自衛隊の駐屯地になり、城の前面しか残っていないが、一度も戦乱に巻き込まれていないと思えば、城の使命を全うしたと言える「幸せ」な城なのかもしれない。
大手門前に「城の完全復旧」を目指す幟が立っていた。明治の怨念が、まだ残っているのだろうか。しかし、自衛隊駐屯地の移設には、ずいぶんと金がかかりそうだが。