街を歩く, 食べ物レポート

狸小路7丁目の居酒屋

札幌の中心部に東西にほぼ1km続くアーケード街「狸小路」は、バブルの後しばらく頑張っていたが、平成時代に古くからやっていた店が次々と潰れていった。昔は1丁目から5丁目まで映画館があった。スターウォーズ第1作、エピソード4は狸小路1丁目の帝国座でオールナイトでやっていた。7丁目以降は、小ぶりの居酒屋と連れ込み旅館があるイカガワシイ?エリアだったようだが、すっかり寂れて空き地化していた。それがここしばらく若者向けの飲食店がずいぶん開いて、何やら賑やかさを取り戻している。

そんな狸小路7丁目の「男の居酒屋」に入ってみた。名前からしてストロングスタイルだ。どれだけごっついおやじが店をやっているのかとおもったら・・・。
なんと、この店、外見と全く異なるイタリアン系な居酒屋らしい。店に入り熱燗を頼んだ。男の居酒屋だし。出てきたお通しはモツの煮込み。これはなかなかよろしい濃厚系な逸品だ。確かに男の居酒屋らしいぞ。しかし横につけられたバゲットのトースト、これはおしゃれすぎないか?などと、疑問符が出はじめた。東京下町森下の有名店でもモツ煮込みにはガーリックトーストだけど・・・。男の居酒屋だしだし、それはないか??

モツ煮込み

とりあえず目についたので注文した「和え物」の一品が妙に綺麗だ。これが男の居酒屋?と言いたくなる。味も繊細だ。

続いてお代わりした熱燗に自家製しめ鯖とポテトサラダを追加。ああ、これはうまい。しめ鯖は自家製と工場生産の違いは一口でわかる。自家製しめ鯖は、酢は洗う程度、塩で締めているから酸っぱくない。脂が甘く感じる。ちなみに日本海産のサバはアニサキスが別種らしいので、安心?して生サバが食べられる。(当たる人は当たるらしいけれど)ポテトサラダは、ご飯のおかずにはならない大人向けで、ちょっとねっとりした口当たりが意外と日本酒に合う。ポテトサラダのうまい居酒屋は、何を食べてもうまいはずだ。(独断と偏見です)

ポテトサラダは好みの味だった

焼き鳥とか焼き魚とか、普通の居酒屋メニューに混じってイタリアン系の創作料理風な品々が並んでいる。こと食べ物に関しては摩訶不思議という感じだが。次々と予約の宴会客が入ってくるのは繁盛店の証拠だろう。しかし、この店は、ぶらっと入ってきて男一人でカウンターに座ってちびちびやるのが良さそうな気がする。

狸小路7丁目には、こんな感じの店がたくさんあって、ススキノではなくオフ・ススキノで飲むには絶好の場所だ。ディープな札幌の夜に遊びに行くには良いよね。

Uncategorized, 書評・映像評

ラノベの共振軸とは (表紙で判断してはいけないよ)

ラノベ、ライトノベルと言われる小説の一ジャンルだ。昔はジュブナイル(青少年向け)として描かれていた文庫形態の小説でシリーズ化されるものが多い。大体のお約束として、主人公は高校生から大学生くらいの年代で、異世界だったり超能力者のいる世界だったり、冒険と人間関係の軋轢の中、ちょっとだけ恋愛モードもありながら精神的に成長していく(大人の階段のぼる)SF的なお話だった。

それがここ数年で、web小説の一ジャンルとして急成長し、ウェブサイト経由で書籍として出版される、アニメ原作になるなど一躍現代的なメディアミックスの各商品となってきた。そして、その主たる構成が「転生もの」だ。ある日突然、なんらかの理由で主人公が現実の世界から訳のわからん、魔物がいたり、超能力者がいたりする世界に飛ばされる。主人公が死んで転生するパターンが多いが、タイムスリップしたり、魔界の誰かに拉致されたり、理由ははどうでも良い。そして、なぜかその異世界では日本語が通用し、なぜか善良な悪魔みたいな異生物が仲間になる。身もふたもない言い方を知れば、異世界を用意した上での願望充足小説といえば良いか。
そして、もう一つの共通項が表紙(あるいは本編内の挿絵)で、アニメ系美少年美少女、たまには成人美人が描かれている。この辺りは登場人物造形のお約束ごとでもあるようだ。

エルフと人が住む世界で、エルフに育てられ人的思考ができなくなった
適合不全な若者が再生?する物語

さて、芝村裕吏作「やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい」は、このラノベの約束事をずいぶんはみ出している。人族と魔族が共存している異世界で、捨てられた人間の子が、自分を人間と思わないで育ったらという設定の主人公がいる。その主人公(ただし自分は人間ではないと信じたまま)人族側に立って悪戦苦闘する話だから人間と噛み合わない。おまけに超絶的な力(いわゆるチート)は持たず、誰に習ったわけでもない軍略を極めていくという話だ。唯一ラノベのお約束を守っているといえば、登場女性キャラに大モテなのだが、そのまとわりつく女性キャラの誰をも迷惑に思っている。ストイックぶりというか、自分は人間ではないぞ的意識が不思議な雰囲気を出している。そんな人間には同調しにくい性格をしているくせに、いつの間にか人族以外のはぐれた魔物はどんどん仲間にしている。このまま行くと人魔獣連合による世界統一目指してい口ことになるだろう。この女性キャラ取り巻き問題は、芝村裕吏のヒット作「マージナルオペレーション」シリーズとも共通している作者独自のスタイルだ。しかし、この「やがて僕は・・・」の原型は、佐藤大輔の「エルフと戦車と僕の毎日」にあり、そのオマージュというか対応作品であるような気がする。

エルフ世界でガチの戦車戦を展開した。佐藤ワールド全開。

さて、芝村裕吏作「やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい」は、このラノベの約束事をずいぶんはみ出している。人族と魔族が共存している異世界で、捨てられた人間の子が、自分を人間と思わないで育ったらという設定の主人公がいる。その主人公(ただし自分は人間ではないと信じたまま)人族側に立って悪戦苦闘する話だから人間と噛み合わない。おまけに超絶的な力(いわゆるチート)は持たず、誰に習ったわけでもない軍略を極めていくという話だ。唯一ラノベのお約束を守っているといえば、登場女性キャラに大モテなのだが、そのまとわりつく女性キャラの誰をも迷惑に思っている。ストイックぶりというか、自分は人間ではないぞ的意識が不思議な雰囲気を出している。そんな人間には同調しにくい性格をしているくせに、いつの間にか人族以外のはぐれた魔物はどんどん仲間にしている。このまま行くと人魔獣連合による世界統一目指してい口ことになるだろう。この女性キャラ取り巻き問題は、芝村裕吏のヒット作「マージナルオペレーション」シリーズとも共通している作者独自のスタイルだ。しかし、この「やがて僕は・・・」の原型は、佐藤大輔の「エルフと戦車と僕の毎日」にあり、そのオマージュというか対応作品であるような気がする。

ファンタジー世界で落ちこぼれ高校生が転生し復活する物語

しかし、佐藤大輔の「エルフと戦車と・・・」には、もう一段、伏線が潜んでいたと思う。豪屋大輔作の「A君(17)の戦争」が下敷きにあると推測しているからだ。実は豪屋大輔は佐藤大輔の別のペンネームであるという噂が作品刊行時からずっと流れていて、どうやら本当らしい。作品の語り口や登場する兵器に対する描写、戦術や戦略論などはまさしくファンタジー世界版の第二次世界大戦だった。「A君・・」の世界は魔族が戦うファンタジー世界だが、魔法を動力とした怪しい兵器体系があり、そこに転生したA君17歳が、現実世界で感じていたコンプレックスをバネにファンタジー世界でそれなりに尊敬を受け成長していくという話だ。そして、これも佐藤大輔諸作品と同じく途中でバッサリと話が止まる。中断してしまう。未完のまま10年以上放置される。(ちなみに佐藤大輔最後の作品は恒星間宇宙もので、第1巻で終わりになってしまった)

おそらく佐藤大輔は、多少考えるところがあり、「A君(17)の戦争」を書き直すつもりで「エルフと戦車と僕の毎日」に取り掛かり、おそらくは完結するつもりで書いていた。これが終わったら「皇国の守護者」も面倒を見る気だったのだと思う。それが、果たせないまま絶筆となった。そして、芝村裕吏がファンタジー世界という出版社からの注文に対して「やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい」で、佐藤大輔の描ききれなかった転生高校生のファンタジー世界成功物語を、完結まで語り尽くそうとしているのではないかと個人的に想像しているのだ。

佐藤大輔ファン、そして芝村裕吏ファンとしての妄想だが、この三作品は共振を起こしているように似ているのだ。今度こそ完結編を読んでみたい・・・。

追記
「蜘蛛ですがなにか」は「転生したらスライムだった件」の影響から生まれた作品だそうだ。このジャンルの作家は、熱狂的なジャンル作品のファンでもあるから、佐藤大輔・芝村裕吏のリレーもありそうな気もするのだけれど。

食べ物レポート

札幌で食べるラーメン 二題

札幌はラーメンに関して寛大な市場だ。何が寛大かというと高い価格を受け入れる広い客層があるということだ。東京の激戦区で競争しているラーメン屋と札幌のラーメン屋は価格帯がほぼ同じ。店によっては札幌の方が高いかもしれない。個人的な相場感で行くと、札幌のラーメンは2割くらい高い。つまり、札幌のラーメンファンはお店に対して寛大なのだよね。

さて、そのラーメンヘブンな札幌で知らない間にずいぶんたっぷりと店が増えた老舗 「さんぱち」だが、その存在意義は時代に媚を占い、昔通りの味噌ラーメンを提供し続けていることだ。と断言する。(したい)
札幌に数々ある味噌ラーメンの名店に共通するのは、減塩とか脂肪カットとか言い出さないことだ。味はあくまでガツンと濃い味で、ネギをたっぷりケチケチしないで、チャーシューは店によってそれぞれだが厚切りが多い。ブルーカラー系の味だといえば、確かにそうなのだが、これがうまいぞ、これが好きだぞという男性中心の顧客層に支えられている。老舗というにはちょっと荒っぽいという感はあるが、ススキの周辺にあった古いラーメン屋が次々と変身していく中、さんぱちの変わらなさは貴重だと思う。
ただし、店による味のばらつきもそれなりにあるので、自分の好きなさんぱちを発見するのがちょっとたいへんだ。

札幌 さんぱちの味噌ラーメン

全く知らないラーメン屋に初見で入るのはかなり気合のいる博打だと思うが、札幌ではたまに博打してみることがある。勝率は五分五分という感じなので、あまり良い博打ではない。だから勝った時は実に嬉しい。「辛いラーメン14」というずいぶん変わった名前のラーメン屋に入ったんのは土曜の昼だった。近くには北海道庁がある札幌のオフィス街で、「土曜に店を開けているというのが立派だ」という心意気に負けて入ってみたのだが。これが大当たりだった。

辛さは10段階くらいで選べる。取り合えず無難なところで普通というか中辛にしたが、これが顔から汗が出るほどの辛さだった。人によっては辛さをレベル下げすることも必要だろう。それでも周りの客は5辛くらいが結構いたので、辛いもの好きには中辛では物足りないのだね。ただ、単純に辛いのではなく旨辛系なので、ちょっと水を多めに補給すれば大丈夫だと思う。チャーシューがうまいと感じたのは久しぶりで、辛さによく合うチャーシューという珍しい一品だった。これはまた行きたくなる、後を引くうまさを感じる。札幌では「辛さ」を押し出したラーメン屋は珍しい。

普通のラーメン屋でも辛味噌程度は提供するようだが、辛さ専門は嬉しい。近郊の北広島には地獄ラーメン的な辛いラーメンもあるが、あまりにも遠い。札幌で辛いラーメンがメジャーになる日までぜひ頑張ってもらいたい。

旅をする

札幌にてビル地下にある角打ちを訪問する

角打ちといえば、普通は酒屋の片隅に立ち飲みカウンターがあり、缶詰とか乾き物を肴にチャチャっと飲むイメージがある。東京下町門前仲町あたりにあるちょっと大ぶりな店は別として、小体な店という印象しかない。

どうみても美容室の入り口

偶然札幌の観光ブログで見つけた角打ちの店も、いつも時間が合わず、たまたま行った時はなぜかお休みだったりして、随分と時間がかかったがようやく入ることができた。しかし、この扉の向こう側は美容室の入り口に通じる廊下だ。入って大丈夫かと思う。扉を開けて左側には酒樽が置いてあり、どうやら階段を降りていけば飲み屋なのだろうと安心する。しかし地下に降りて角打ちとは。

階段を降りて突き当たるのがこの扉だ。普通の防火扉・スチールの扉だ。営業中とは書いてあるが。この扉の左右にもスチールの扉がある。右側はビルの保守管理室、左のドアは他の飲食店の事務室らしい。なんとも扉を開けるのが怖くなるが。やはり、怪しげだ。

この入り口が凄すぎる

扉の中は、角打ちと言いながらテーブルと椅子がある。立ち飲みはしなくて良いようだ。お店の奥には大きな冷蔵庫があり、中には日本酒が満タンに入っている。一升瓶の首に値札がかかっていて、一杯幾らかは日本酒の種類次第だが、300円から800円くらいまで。梅酒も何種類か置いている。

種類は豊富、弘前の豊盃もあった。

まずカウンターで1000円を支払い100円の金券を10枚購入する。あとは、金券で酒やつまみを交換する。ちなみに、お通しというか入場料というか、最初に300円分支払う。これで漬物や豆などの簡単なつまみが取り放題。あとは、1000円単位で追加購入する仕組みなので、飲み過ぎになることはないと思う。酒のつまみは他にもいろいろあるし、なかなか日本酒に合っているグッドなチョイス。

つまみはオクラとガリ

さくっと日本酒を飲みたい時には便利な店だと思う。ただし、初めて一人で入る時はちょっと緊張するかもしれない。どうみても酒が飲める場所という感じがしないからだ。札幌ではなかなか少ない角打ちだが、ここなら安心していけそうだ。ただしトイレはビルのダンジョンの反対側にあるので、トイレに行く前にチャチャっと飲み終えて帰ったほうがよさそうだ。

食べ物レポート

千歳空港のラーメン二題

千歳空港の観光客向けラーメン横丁は、フードコートとして日本屈指の売り上げがあるのではないかと推測しているのだが、その中でもいつも混雑している店とまあまあの客具合の店があるのは、資本主義社会としては仕方のない競争原理が働いているのだ。

などと小難しいことを考えながらラーメンを食べるわけではないのだが、なんとなく何度も使ってしまう店と、一度も使っていない店があるのは、ある意味マーケティング的にはブランド形成の問題だと思っている。
つまり旅行者という一過性の客にとっては、コスパ、価格対経験満足度合いという公式が働かないのだろうということだ。平たくいえば、「多分、今日食べるのが最初で最後の札幌のラーメンだ」と思えば、あまり金額にこだわる必要もないので、うまければそれで良いという考え方になる。そうなると、売り手側が考えるのが、「安くてうまいものを食べてもらい何度でもきて欲しい」ではなく、「豪華で付属品満タンな、お高いラーメン開発」になる。結果的にリピーター(例えば札幌で仕事に来る人とか北海道大好き旅行者とか)をなくしてしまうので、ブランドが立たない、有名にならない、口コミに載らないという現象が起きているのではないか。

ラーメン横丁に出店している店は、本店が行列ができるほどリピーターに支えられているからこそ力があると言えるので、この横丁の中だけでは「強いブランド」になることはできないのではないかという疑念だ。ちなみにススキノ周辺にある有名店でも、トッピング大盛りをやっている店はどうにもいただけない気がする。(まあ、全部乗せが流行であることは認めるけれど)
などと考えてこれまで利用したことがない店を順番に回ってみようと行脚を開始した。

その一番目が弟子屈ラーメン。
弟子屈という場所はわかるが、そこにある特産品はなんだったかなあ、摩周湖の霧かな、みたいな冗談しか思いつかない。なので、さっそく実食。味噌ラーメンでした。普通にうまいが、特徴はよくわからない。どうやら柔らかいチャーシューが店の自慢らしい。北海道で特別の味噌の産地は記憶にないので、土地柄の味噌を使ったということもないだろう。ラーメンの上に乗っている味噌玉は、北海道ではあまり見ないトッピングだ。山形の龍上海の影響なのかなと思いつつ、味噌玉自体はあまり強烈な味ではない。普通に美味しいラーメンだと思うが、この店の特徴というやつはあまり記憶に残らないかな。

その二番目、ラーメン空。大きいチャーシューが特徴らしい。もやしとメンマは札幌味噌ラーメンでは標準形の一つだ。スープの味は、これも普通。どこか尖っているというところはない。問題は麺で、茹ですぎ。伸びている。札幌ラーメンは少々硬めの歯応えがある麺が特徴だと思うが、明らかに柔らかい。今回は調理ミスなのであれば、次回は期待できると思うが、これが標準であるのであれば、好みとは違うなあという感じ。関東圏のラーメン屋はこれに近い柔らかい麺を出す店も多いので、一概にダメだとは言わないが、札幌的ではないような気がする。でも、それを確かめるためにもう一度たべてみるというのも気が進まない。

食の機会は一期一会だから、残念な経験をしたら、それまでよということで良いとは思うけれど。

食べ物レポート

鮨とザンギと中華麺  偉大なコラボ

札幌の都心部から少し離れたところにある町中華「布袋」は、何軒か支店を出しているが、そのうちの一つ「福禄寿」が鮨と中華料理を一緒に食べられる実にありがたいお店だ。雑居ビルの中層階にあるが、札幌駅前通り沿いに面していて、店内は小洒落た感じの「ジャパニーズ・チャイニーズレストラン」だ。カウンターに座ると鮨バーという仕掛けで楽しい。

窓の外は駅前通り

ランチには、鮨セット、鮨・中華セット、中華セットがある。今回は初めてのお試しなので、鮨中華セットにしてみた。遅めのランチということで店内は空いていたが、昼時はかなり混みそうな感じだった。その鮨・中華セットは握り4巻と巻物、中華麺、ザンギという取り合わせ。量的にはちょっと多いかなというところだが、まずは麺の伸びないうちに中華麺がから片付けることにした。

奥の皿がザンギ

あっさり系のスープと細麺で、強いて言えば味噌汁かわりみたいな感じだったが、これは好みだ。昼にガツンと食べる時には、太麺でつけ麺にするという満腹コースもあるが、細麺で量半分をスープとして食べる方がお腹に優しい。トッピングもない「素ラーメン」だが、横についているザンギがスーパーヘビー級なので、この具なし麺で良いのだ。布袋のザンギ(鳥唐揚げの北海道版)は、自分の中の全国鳥唐揚げベスト3のトップランクなので、なんの問題もない。「布袋のザンギ」は、おそらく札幌でも相当に評価が高いと思うが、ガツン系ランチとして布袋で「ザンギ定食」を食べると絶妙な幸福感を得られるという優れもの。それがラーメンのサイドとしてついてくるのであれば、全く文句のつけようがない。

鮨と中華麺のセット

そして締めに握り鮨を食すのだが、実は中華と鮨という組み合わせで、本店が中華なのだから鮨の方はまあまあの期待かな、などと正直軽く見ていた。実際に食べてみて、その見識の甘さを反省した。うまいのだ。鮨屋の鮨と同レベルと言うと失礼だが、鮨の専門店に負けていない。この鮨だけで十分にやっていける。お見それしました。個人的には鮨屋のレベルは、海苔巻きのノリで決まると思っているが、立派な海苔だった。

夜のコースメニューはもう少しメニューのバラエティーがあるようなので、次回はぜひ夜の部にチャレンジしよう。その時はザンギを3個にしなければ。

食べ物レポート

肉をたっぷり食べたい日

知人に連れられて札幌市の南部の住宅地にある肉レストランを訪れた。札幌市は今でこそ200万人都市だが、周辺の町村を合併して政令都市になった「成り上がり」の町だ。市の中心部は豊平川によって分断されていて、豊平川の西側が旧市街、東側は元の豊平町だった。豊平町は旧定山渓鉄道豊平駅を中心にかなり賑やかな町だったので、豊平川の東側にも旧市街地が形成されていた。そんな旧市街の中にある(今はほとんど誰もそんなことは覚えていない)ビルの半地下に「ビールとソーセージの店」がある。隠れ家レストランとは言えないが、だいぶ隠れて入る。

ビールといえばサッポロビール?

社長のこだわりで、自家製ソーセージなどの肉製品がお手頃価格で食べられる。ハンバーガーなどの「飯」系も充実しているが、やはり一押しは肉だろう。まず食べてみたのが「カリポメ」。フライドポテトの上に温めたソーセージが載っているが、ソースがカレー味で、これがビールに実によく合う。あまり知られていないと思うが、ドイツを含む北欧圏では、ソーセージにカレーソースをかけたカリーブルスト(カレーソーセージ)が実に幅広く食べられている。おそらく日本の立ち食い蕎麦屋とおないくらいの感覚で、カリーブルストを提供するホットドッグ屋台があちこちに存在する。カリーソースは色々とあるようだが、ソーセージに本当によく合う。

カリポメ カリーソースが美味しいぞ

アイスバインは、ドイツ料理の中でも有名なものだと思うが、ドイツレストランで食べるとそれなりのお値段がする高級品だ。この店では実にリーズナブルな価格で提供されている。ザワークラウト(発酵した酸っぱいキャベツ)と合わせて食べると、これも「肉食ったどー」と言う幸せ気分に浸れる。

アイスバイン うまし

真空料理の「牛肉」も、実にうまい。本当にうまい。真空調理は肉の柔らかさと旨味を閉じ込める究極の料理法だと思うが、それを居酒屋で食べられるとはありがたい限り。赤身、サガリ、タンと三部位が楽しめる。お気に入りはサガリだ。

真空調理で赤身を食らう

昼夜営業しているが、やなりおすすめは夕方早くに行って肉食いながら生ビールを飲むと言うのが理想的スタイルだ。住宅地の中にある肉料理屋。札幌に住んでいる人たちがあまり気がつかない、札幌の利点というか隠れた良いところというか。

エッセン本店 北24条に支店あります

都心部のおしゃれな店もよいけれど、郊外にもこっそりと営業している名店があるのだよ。

食べ物レポート

立ち食いそばなどなど

最近ではすっかり立ち食いそばでクイックランチなどということはしなくなった。あの駅のホームに漂う蕎麦つゆの匂いというのは、暴力的なまでに空腹を誘うものだが・・・。

所用で朝早めに仕事に出かける時には、たまに駅そばに誘惑されそうになることがあるが、駅そばの環境は寒い時、暑い時はあまり好ましくない。春とか秋だと良いのだけれど。

さて、立ち食いそばではなくファーストフード「なか卯」の蕎麦なのだ。そもそもなか卯はうどんと和風牛丼(すき焼き丼)の店で、蕎麦を売るようになったのは随分最近だと思う。蕎麦は冷凍麺のようで、それなりにコシもありなかなかよろしい。つゆは甘めで関西風的な感じもするが、きつね蕎麦やたぬき蕎麦にするよりも、牛丼の具を乗せたらしき肉そばが一番よろしいようだ。かまぼこが乗っているのは、なか卯オリジナルのうどんからの伝統だろう。

なか卯の肉そば 蒲鉾がよろしい

「品川駅の立ち食いそば」は、羽田空港に向かう京急のホームにあり、これはホームから少々引っ込んだ場所にあるので、雨風が凌げるというか、ホームの暑さ寒さとはちょっと遮断された快適な感じがある。時間に余裕があれば立ち寄るのになというような店だ。(ちなみにJR山手線ホームにある蕎麦屋は、囲いの中にあるが、残念ながら冬寒く夏暑い。蕎麦つゆの匂いもあまり外に出ていないので、はらぺこ感を刺激しないが、実は丼がなかなかうまかったりする。)

その京急品川の駅そばで、変わり種を頼んでみた。なぜかカレーそばを注文してしまったのだ。結果的に、すごく後悔した。かけそばの上にカレールーがかかっている、これのどこが悪いと言われれば、その通りですというしかない。期待していたのは蕎麦つゆにカレーを溶いたカレー味のそばだったのだが、それはこちらの思い込みでしかない。立ち食い蕎麦屋は食券販売機の字面だけ見て注文?することになるから、時々こんな失敗をしてしまう。やはり、立ち食い蕎麦は変化球を選ばず豪速球のストレートで勝負した方が良い。かけそばとかかき揚げ蕎麦あたりが無難で、海老天そばとかイカ天そばを頼むと、大量の衣の中に小さく眠るエビとかイカとご対面することになる。この点で期待を裏切らないのは、我孫子の駅にある鳥唐揚げ蕎麦だが、これは蕎麦の量より唐揚げの量の方が多いという、別の意味で期待とは異なる食べ物だ。

京急品川駅 カレーそば

まあ、古くから営業している駅前の立ち食い蕎麦あたりが、いわゆる定番的な(ゲテモノなしの)標準形だとすると、駅の中にある蕎麦屋はモンスター系が多いような気がする。旅先でモンスターとご対面するのも楽しみだが、このカレーそばのように外れを引くと、1日落ち込んだりするので要注意だ。

ちなみに、カレーがかかった蕎麦として食べると、品川駅の蕎麦は普通にうまいのだ。注文した当人の思い込みの違いと言うことで、味に文句をつけたいわけではない。念のため。

街を歩く

コロナの破壊力

北海道でいろいろな自粛宣言が出されて、観光客の減少であったり、市民の外出自粛であったりの影響がストレートに出るのが外食産業だろう。食料品や日用品は自粛による巣篭もりのため、トイレットペーパーの買い溜めなどの弊害はあるにせよ、消費は瞬間的に伸びていた。ところが、外食では一部のテイクアウト需要以外は、壊滅的な影響を受けているはずだ。

典型が札幌駅地下にある、いつでも長い行列のできる鮨屋。昼の12時に待ち客ゼロなど、ここ何年も見たことのない光景。この鮨屋の向かいの店も観光客を含め長い列ができる人気店だが、やはり待ちゼロだった。それでも客がいる店は良い。超人気店でこの有り様なので、普通の店はガラガラと言うことだ。

札幌駅地下街 いつもお世話になってる花まる

同時期の札幌地下街、土曜の1時過ぎの光景。これが朝の6時と言われればそうかもなあと言うレベルで、商業的には壊滅状態だろう。確かに知事の外出自粛宣言の効き目があるといえばそうなのだが。

札幌地下街 オーロラタウン テレビ塔付近

雪の札幌を目当てに来る外国人観光客が、ほぼ間違いなく出現する北海道庁旧庁舎前も、人通りは皆無に近い。同じく外国人観光客集合点の時計台前も似たような状況で、ここ4−5年の外国人観光客の数がいかに多かったかと言う証明みたいなものだ。

北海道庁 赤煉瓦前

札幌駅前の昼過ぎ。キャリーカートを引きずる旅行者が群れをなして、カードのゴロゴロ音がやたら響いていた場所だが、静まり返っていた。

札幌駅前の光景 天気が悪いのでみんな地下道に潜ったわけではなかった

自粛要請が解除され、日本人の行動は徐々に戻るだろうけれど、外国人観光客が戻ってくるのは随分先のことに違いない。そもそもアジア系の人たちは、これからコロナ対策のピークを迎える国ばかりだろうし、大陸や半島からの日本入国が解除になるのはいつになることか。

ここしばらくインバウンド需要で熱狂していた観光業界も含め、国内需要を取り戻す地道なマーケティングに軸足を移したほうが良いのではと思ったりもする。
少なくとも休校対策が取られた時も、サービス業の現場は通常通り動いてはいたけれど商売にはなっていなかった。効率的な経済活動を取り戻すには、知恵とお金を使わなければならないのは確かだ。それも外国人観光客に頼らない、日本人向けの商品開発だ。

旅をする

北海道 カップ麺市場

北海道在住者、いわゆる道民が当たり前と思っていても、実は全国では違っていること、某テレビ番組みたいな話をすると・・・。

北海道は日本列島中央部とは切り離された島なので(青函トンネルではつながっているが)、物流を考えると本州で作ったものを運ぶよりも北海道で生産した方が良いというものは数多い。多分、重量と体積で考えれば「軽いもの」は物流費の関係から現地生産されやすいのだと思う。トイレットペーパーやカップ麺などはその手のものだろうし、ビールなども物流費を嫌い現地生産が多いと聞く。

さて、カップヌードルの日清食品は本体が大阪出身の会社だ。(NHKの朝ドラでも有名になったが)会社のサイトによれば東京と大阪の2本社制で、北海道には札幌日清株式会社の工場が千歳にある。つまり、北海道内で日清食品製品は北海道産が販売されている。(全部の製品ではないだろう)
おそらくそのために、首都圏で売っていない(多分、関西圏でも売っていない)製品が、北海道では堂々と売られているのだ。

天ぷら兄弟

パッケージでは、ぱっと見わかりにくいので、よく見比べてもらうと、「天ぷらそば」と「天ぷらうどん」のどちらにも「道民の味」と書いてある。これはつゆの味付けが東京版、大阪版と違うということだろう。そして写真左側のウポポイというシールが貼ってある「天ぷらそば」が、通常版(全国共通版)どん兵衛だ。右側の天ぷらうどんは、北海道限定版だろう。

きつねシスターズ

同じように写真左側にあるきつねそばは北海道版、右側のきつねうどんが全国版だと思う。少なくとも東京では「天ぷらうどん」「きつねそば」は見たことがない。日清どん兵衛愛好家の高校生が、この春からめでたく東京で大学生活を始めるとしたら、天ぷらうどんが見当たらなくて悲しい思いをするかもしれない。その時は残念ながら北海道の両親からどん兵衛を差し入れで送ってもらうか、東京版の天ぷらそばときつねうどんを買ってきて、うどんに天ぷらを乗せて食べる(残った蕎麦と揚げをどうするかという問題はあるが)しかない。それでも、敏感な舌を持っていたらつゆの味が違うと思うかもしれない。

 激めんはワンタン入り。 激珍しいよ

同じように東洋水産=マルちゃんのカップ麺、「激めん」も北海道限定商品だ。(焼そば弁当も北海道限定商品)最近でこそ、まるちゃん正麺のヒットのおかげで東洋水産は盛り返したが、関東ではマルちゃん製品はかなりシェアの低いイオンスタント麺だった。なぜか北海道ではまるちゃんがメジャープレイヤーだから、激めんの知名度は高い。おそらくシェアの高さを維持するために激めんもスタンダード以外のバリエーションを増やしているのだろう。海老ラーメンブームに合わせた海老味噌味だとか、豆乳坦々麺味など、かなりフットワークの良い商品開発だと感心する。しかし、これは北海道でしか手に入らないと思う。焼そば弁当は、そのレア加減がだいぶ旅行者に伝わったようで、お土産屋にも置いてあるが、激めんのレアレベルはまだまだ浸透前だ。

北海道土産にはマルセイバターサンドや「ザ・定番」の白い恋人という選択肢もあるが、まるちゃんのカップ麺とか北海道限定のどん兵衛などは、結構ウンチク語りながらの安上がりな義理土産として良いと思うけどね。