食べ物レポート

はやしや で飲む

ここしばらく通い詰めている新宿駅東口の洋食はやしやを居酒屋がわりに使って見た。ただし、この店は懐が深いので、夜になると(昼でもか?)刺身や、焼き魚、オニオンリングなどの居酒屋メニューが登場するので、居酒屋使いが間違っている訳でもない。

感動のオムライスと洗練のハヤシライス

洋食屋といえば、何は無くともオムライスで、続いてはハヤシライスで決まりだ。この日本がうまい店は、何を食べてもうまい。個人的には、この店のオムライスは毎日食べても良いくらい完成度が高い。中はチキンライスで、程よいトマト味。ハヤシもグッドジョブだ。ただしこれは締めに食べるべきだ。酒の肴にはちょいときつい。

洋食屋の肉料理で、手抜きをされると、もう二度と来ないぞと思うのがハンバーグ。好みのハンバーグは粗挽き肉で、コリコリと歯応えがあるツクネ風のハンバーグだが、まさしくはやしや 生ハンバーグはそんな感じだ。サイドアイテムがいろいろ選べるが、生姜焼き付きがおすすめだろうと思う。これはかなりのボリュームだ。

ハンバーグ&生姜焼き

熱々の鉄板でジュージュー感あるのがチキンソテー。デミグラソースで食べるチキンも乙なものだ。飯のお供というより、酒のお供だと思う。

チキンソテー

おなじく鉄板ジュージュー系でポークソテー。この豚の焼き肉は意外と提供しているところが少ない不思議メニューだ。牛肉が安くなったこともあり、肉といえばステーキのような傾向があるが、豚を上手に焼いてソースで食べるのは、なかなかの悦楽というもので・・・。これは全国の洋食屋で頑張って提供してもらいたメニューの一つだ。

ポークソテー

そして、なんとピザも食べられる。洋食屋の融通無碍ぶりだ。チーズがたっぷりとかかり、生地は厚めで、まさに飯がわりに食べるピザ(けしてピッツァなどと呼んではいけない)だが、酒の肴としても最高。ソースの味が濃い目なので、ぼってりとしたチーズとマッチしている。これにタバスコをドバッとかけて食べれば、酒が進むこと間違いなし。居酒屋のピザは、なんちゃって系の冷凍ピザが多いが、このはやしや のピザはまさしく手作り感たっぷりだ。

まさに飲み屋のミックスピザ

普通にご飯を食べるためにある店なのだが、それを居酒屋として使うのは、やはり親父の特権というものだろうな。

定食のメニュー 居酒屋メニューもある

このメニューの裏麺が居酒屋メニューになっている。素晴らしい。

食べ物レポート

ワッパー ジュニア

生まれて初めてアメリカで食べたハンバーガーが、バーガーキング のワッパー だった。WHOPPERをどう発音するのかもわからず、なんとか注文をして出てきたハンバーガーの大きさにびっくりした。アメリカのハンバーガーといえばワッパー と刷り込まれた瞬間だった。

そのワッパー を食べた瞬間の、ビーフパティの「獣臭さ」は今でも思い出せる。その後、何十回となくアメリカで食べたバーガーはいつもこの獣臭さが付きまとっている。日本で食べるマクドナルドやバーガーキング のハンバーガーには感じられない、肉肉しさといえば良いのだろうか。おそらく日本のビーフは匂いがしないように調整されているのだろうと思っている。ただ、この獣臭さが嫌いかと言われると、意外とそうでもない。アメリカではアメリカ流の味付けや匂いがあるのだと納得しているせいだろう。兎にも角にもアメリカの食べ物を想起させるものと言えば、バーガーキング のハンバーガーとその匂いだ。

その「日本製の」ワッパー の小型版、ワッパー ジュニアが半額セールになっていた。お一人様10個限定だそうだが、それほど食べるわけもない。一つだけ買って見た。180円也だ。

ワッパー との違いといえば、ビーフパティーが少ないことくらいだろうか。ワッパー のボリュームがこたえるようになってきたので、軽めに食べられるのがとてもありがたい。これくらいだと片手で持って食べられそうだ。ワッパー だと両手持ちになる。この手のアメリカンな食べ物は、時々無性に食べたくなるのが不思議だが。

できればあのアメリカで食べたニクニクしいバーガーも食べて見たいものだ。

食べ物レポート

スープカレーでラーメンで 橙

札幌で名物といえば蟹にイクラに味噌ラーメンみたい話は、あることにはあると思うが。今は、スープカレーに締めパフェみたいな感じになっていると思う。(蟹はすっかり高くなってしまったし)スープカレーはローカルフードなので、観光客が来るような場所にはあまりお店がないようだが、このスパイスカフェ「オレンジ」も車でなければ到底いけないような場所にある。最寄りの地下鉄駅からだと、歩いて30分くらいかかるのではないか。

橙色の暖簾がかかるこじんまりまりとした店だが、横には10台くらいおける駐車場もある。しかし商品名が怪しい。ラーメン、スープカレー、つけ麺・・・。

幹線沿いの店なので、見過ごさないように看板も大きめのようだ。そしてそこには「スパイス&ラーメン」の文字が。いったい何屋なのか?

メニューを開け確かめてみると、やはりスープカレーとカレー?ラーメンが主力のようだ。当然のようにチキンのスープカレーを頼んでみたが、素揚げの野菜によく煮込んだ鶏肉というあたりはドがつく直球のスープカレーで、魚介出汁を強く感じるのが現在の流行の仕立てということだろう。ついてくるライスはどやらインディカ米らしい。そういえば札幌でハズレのスープカレーを食べた記憶がない。どの店も研究熱心ということだろうか。半分くらい食べたあたりから、どっと汗が出てくるのは、正しいスパイス料理ということだ。

同行した知人は当然のようにラーメンを注文しているのだが、カレーを食べながら妙にそれが気になる。半ラーメンというものがあれば、追加で注文したくなった。このスープとラーメンの二毛作は、案外アリかもしれない。
もう少し暖かくなったら地下鉄駅から歩いてきても良いのだろうが、雪が降るような季節はちょっとしんどい。

街を歩く

札幌 大通りのはずれを歩くと

まだ雪が溶けきらない札幌で、中途半端な距離を歩くことになった時に発見したもののあれこれ。
おそらく生まれて初めて見た出汁の自動販売機、「だし道楽」というなんとも絶妙なネーミングなのだが。オフィスビルの脇にある駐車場前に置いてあった。普通であればこの場所はソフトドリンクの自販機があるべき場所だ。

販売しているのはペットボトルに入っている出汁の素、それも2種のみ。パネル内に書いてある通り、上段は「焼きアゴ出汁」で下段は「宗田カツオ入りの出汁」。

値段はちょっと見にくいが一本700円だった。スーパーマーケットで売られているだしの素より相当お高い。なぜか子供の散歩中らしきお母さんが買っているのに釣られて、つい一本買ってしまった。まさしく「謎」商品の自動販売機だ。なぜ出汁を?なぜ路上の自販機で?

その謎自販機の向かい側にある、これまた不思議なオブジェ。神社にいるならアリかもなあと思って近づいて見たら、なんとなく狛犬というよりライオンみたいな雰囲気がする。シンガポールのデパートの前で同じような、守護獣的な彫刻を見たことがあるので、ビルの守護者なのだろうか。三越の前にいるライオン像みたいなものか。いずれにしても安心感をもたらす「ありがたい」代物なのだろうな。街中のビルにこんな守護者がいれば楽しいなと思った。しかし、狛犬からライオンか妙に気になる。

札幌で紀州名産にお目にかかるとは、ちょっとびっくりだが。お昼時でなかなか人気のお店らしい。めはり寿司を買ってみたいと思ったが、ランチの買い出し部隊の邪魔をしてもね。注文するのは、また次回にしよう。しかし、なぜ札幌でめはり寿司なのだろう。高菜も取れないだろうしなあ。

街を歩くと不思議がいっぱいだ

食べ物レポート

たまにはハズレもあるものだ

勘が悪いと、あまり美味しくないものに当たってしまうことがある。これは仕方がない。怪しいと思っても選んだのは自分なので自己責任というしかない。
しかし、流れ弾に当たってしまうこともある。これは自己責任とはいえず、不運だったというしかない。

味噌ラーメン とある空港のフードコート

不運の原因は、基本的に従業員のミスにあることが多い。例えば何度も使ったことがある店で、たまたまその日の調理担当者が手抜きをしたとかいう時だ。親父が一人でやっているような店ではこういうことはほとんど起きない。ところが、多人数のアルバイトを調理担当に使うような店では時々起こる。
ラーメンで言えば、麺の茹で過ぎとか、スープの味が濃すぎる、薄すぎるといった根本的な欠陥は「金返せ」と言いたくなる類のものだ。それ以外では、チャーシューが入っていなかったとか、ネギの量が極端に少ないとか、微妙に判断のつきにくい欠陥もある。なんだ、この店、チャーシュー減らすことにしたのかなどと勝手に推理納得してしまったりするからだ。もちろん、一枚減ったチャーシューが原因で、2度とこの店を使わなくなる可能性もあるが。
また、従業員の技量というか注意不足で、料理の見栄えが悪くなるということもある。盛り付けは料理にとってかなり重要な要素なので、そこを手抜きすると「プロの料理」から「アマチュア・下手くその料理」に落ちこぼれる。
そして、この二つが重なると最悪の商品になる。この味噌ラーメンがその典型で、まず見た目がひどい。トッピングが全てスープの中に沈み込んでいる。具なしのインスタント麺みたいなものになっている。あれれと思いながら、一口食べてみると、スープの味が薄い。明らかに味噌ダレが足りない。
仕方がないから底から全体をかき混ぜ試してみる。二口三口食べ進めギブアップした。ここ数年で思い返してもこれほど酷いラーメンを食べた記憶がない。運が悪い日だった。でも、もういかなくなるだろうな。

店舗数は日本最大のファミリーレストランの台湾まぜそば

もう一つのパターンはチェーン店でたまにある「設計が間違っている食べ物」。これは店舗の従業員のミスではないので、「そもそも論」になる。メニュー開発者の力量とそれを販売許可した上級管理職の舌がおかしいというレベルなので、天災級のミスだろう。特に、最近流行のご当地グルメ、地名がついた麺類や料理名に釣られてお手軽に注文してみると、たいてい頭の中は疑問符の嵐で???状態になる。特に現地で食べたことがあり、それを懐かしんで食べてみようと思った場合、ハズレの失望感は強い。まだ食べたことのないものであれば、こんなものなのか、大したことないなで諦めもつくが、それでは現地の名店に対して申し訳ないだろう。実は〇〇地方の名物料理は美味しくないのですよというネガティブキャンペーンになる。
台湾まぜそばは、名古屋中心のローカルメニューだが個人的にはこの味の濃い食べ物が好みなので、相当期待して食べに行った。見た目は良さそうだ。グリグリと全てのトッポングを混ぜ込み一口食べ、絶望した。違うのだよ。油そばとしても欠陥だと感じた。麺の仕上がりがなんとも言えず「ゆるい」。締まりが無い麺だった。タレの味もしない、薄い、足りない。おまけに卵の黄身が中途半端な甘味をつける。去年の夏はファミリーレストラン各社が坦々麺という名の偽物を出していた。やはり、ファミリーレストランは麺を出してはいけない。せいぜい許容範囲にあるのは冷凍適性が良い、うどんくらいのものだろう。
これを名古屋人が食べたらどう思うか、是非感想を聞いてみたい。

辛口に文句をつけると

地方区での名物は、やはりその地方の好みに合わせた味付けなので、それなりに尖っている。だから全国向けに味の調整をした時点で、その商品の持つ魅力や強さは失われてしまうのだろう。
騙された気分になるのは仕方がないが、やはり現地の人が食べてもうまいと納得するものにして欲しい。大企業の商品開発者よ、きちんと現地に行って味を確かめてこいよ。大企業の管理職よ、客の舌を舐めるな、自分の舌をもっと鍛えろと言いたい。
外食産業はまだまだ発展途上の産業なのだという失望を、ぜひ「今日も美味しいもの食べた」という喜びに変えて欲しいものだ。

食べ物レポート

豚丼 うまい

うかつにも帯広の豚丼のことは詳しくないまま、豚丼屋が札幌市内にたくさんあるらしいことを知った。札幌駅ビルのレストラン街にある豚丼屋に行ってみたら。凄まじい行列で諦めてしまった。

気を取り直して、昼のピークが過ぎてから行ってみたら、あまり待たされることもなく入れた。メニューを見たら日本語が書いてなくて慌てたが、外国人向けをメニューを開けてしまっていた。日本人向けのメニューを見つけてじっくり眺めていたら、あれまあ。
米の盛りかたと肉の量の違いしかない豚丼オンリーメニューだった。一番感心したのは、ハーフ大盛り豚丼、ご飯普通で肉半分って、いったいどういう人が頼むのだろう。

豚ざんまいも魅力的

出てきた丼は意外と小さめのサイズで、これではちょっと物足りないかなとも思ったが。

蓋をとってみれば、これはこれで肉と米のバランスが良いのでは。甘辛の醤油味がカツンとくる旨さだ。豚丼の肉は厚すぎるとよくないと思う。味付けと肉がけんかするからだ。このバランス取るのが難しい。帯広の名店ぱんちょうも確か「厚すぎない」肉だったと記憶している。

定番の豚丼 肉もご飯も普通盛り

周りにいた外国人客は多分、特盛り豚丼、ご飯は普通で肉だけ多いやつだろう。肉が丼からはみ出ていた。
豚丼はシンプルの極みだから、店の力が大事な一品。やはり今度は肉大盛りにしようか。

食べ物レポート

豚骨ラーメンとラー油そばの異端的な関係

山頭火の話を書いた後で、また何度か山頭火に行ってみた。久しぶりに食べたら、あの味にハマってしまったというところだ。それでもいつもワンパターンで塩か醤油ラーメンしか頼まないというのもなあ、と内心悩ましい所もあるのだが。メニューを眺めていたら悩んでしまう。トッピングが追加になるラーメンは、ある意味ベースの味が同じで変化としては少ない、どうでも良い?選択肢なのだが、気になるのは蕎麦ラーメン。明らかに麺が違うのだろう。同じスープでも違う食べ物になっているはずで。もう一つが青唐仕立ての辛しおラーメン。これも気になる。

などと考えながら、いつもの塩ラーメンを食べるのだが。この白濁した豚骨スープ、しかし、ほとんど臭みはない。久留米で食べた豚骨ラーメンは獰猛なほどの臭みとガツンとくる強い味のスープだった。九州のラーメンでは久留米が一番匂いがきつい、南に行けば匂いはどんどん大人しくなる気がする。それと比べると、山頭火のスープは同じ豚骨とはいえないほどマイルドで、九州の南の先の離れ小島くらいのイメージになる。麺を食べ終わるころには、すっかりスープの底にしずんでいる小梅をサルベージして食べるのも楽しみだ。

やはり山頭火のラーメンは北海道で頑張るうちに、豚骨ラーメンとして洗練されすぎてしまったのだろう。これはこれで豚骨ラーメンの一つの極地、進化の極みなのだろうなあと、ラーメンをすすりながら感慨にふけっていた。九州の豚骨ラーメン名店からすると、かなり異端的なのではないか。

山頭火 いそラーメンの完成度は高い

そして、もう一つの最近のお気に入り「ラー油蕎麦」。つゆはとても濃い甘辛で、ラー油の香りが強く感じる。そばつゆにラー油を入れることの違和感は、この「匂い」がいちばんの原因だろう。山盛りの海苔の下には茹でた牛肉薄切りが乗った極太の日本蕎麦がたっぷり。江戸前のそばなどとは全く別系統の太くて歯応えのあるそばは、山形の板蕎麦に近いような気がする。そばをすするというより、もぐもぐと噛み締める食べ物だが、そのせいか女性客が少ない。蕎麦の量やつゆの味付けやら、色々と女性には取り扱いが難しい食べ物かもしれないと思うが、いや、こういうストロングスタイルの店は女性に媚を振ってはいけないと強く言いたい。男だけ楽しんでもいいじゃないか・・・。

なぜそばにラー油を入れるのか 新橋店がお気に入り

吉野家が女子高生の攻略で陥落し、いつの間にかシャレ系メニューが増えた。そのうち伝説のすた丼も女性客に侵攻されるかもしれない。その時、最後まで残るのはこのラー油蕎麦であると願いたい。

山頭火もなぜラーも、その業界では異端だったものが、商品を極めて頂点に立った(と思う)。その結果、麺ワールドで新しいジャンルを作り出した、と信じたい。異端が次の時代を創り出すのはいつの世でも変わらないと思うのだ。

書評・映像評

技術要塞戦艦大和 工程管理と標準化

仮想戦記ないでの思考実験

表紙 by amazon

仮想戦記というジャンルの小説がある。1980年代後半から一気にジャンル作品が増えたのは、バブル崩壊時代の「負けた意識」が、同じ負けた時代「第二次世界大戦」でのIFを、もしかした勝てたかもしれないという状況を望んだ読者が多かったということだったのではないか。読者のほとんどが戦争を知らない世代になっていたことも、書き手の制約が外れた要因だったのだろう。

その仮想戦記の中でも、それなりの理屈を立て大日本帝国の継戦能力を高めるという「リアル」派と、未来人が超決戦兵器を授けてくれました的「スーパー」派があった。今ではすっかりスーパー派はいなくなり、リアル派が最低限の歴史改変を行った結果はどうなったかという形での、思考実験が主流だ。その歴史改変を明治期の日露戦争で敗戦した結果として設定したのは故佐藤大輔の「レッドサン・ブラッククロス」だった。著者の主張は、そこまで時代を遡って日本の体制を変えないと日本は先の大戦で勝てない。それくらい戦争をするのに向いていない国だったということなのだが。

それと対照的なのが、この作家の歴史改変手法で、ガダルカナル戦は「もし兵站線の改善ができていれば負けなかった」とか、素材を含む技術体系を変えていれば零戦はもっと強くなっていたので「ミッドウェイ戦は・・・」と言った話を好んで作る。
要素的には継戦能力の改良のため「兵站の重視・確保」「標準化による量産性向上」や、生存性向上のため「レーダーの早期実用化」「陸海軍共同兵器開発」など史実的に起こらなかった、あるいは不十分だったことの改良とその波及効果という話になる。戦艦大和が出てきても、大和強いぞという話にはならず、砲弾の改良により大和の集弾能力を上げさせる。そのために何ができたかとかという話になるから、読む方としては延々と金属の性質と火薬の改良方法を学ぶことになる。それを飽きさせずに書くのが書き手の力量とも言えるが。

この技術要塞戦艦大和という題名をどう読み解くかといえば、国力(造船能力)に欠ける日本は、戦争時に建艦能力不足で負ける。戦線が拡大したときに前線に対する兵站問題(兵器や医療食料品)が解決できない。それも敗戦の原因となる。それらの諸問題をどう解決するべきかという海軍技術者のサラリーマン物語として仕上げている。
そもそも話の出だしからして笑わせられるのだが、大和の建造予算が足りないので、作る予定がない潜水艦を予算化し、その予算を流用して大和を作る企みが全てのきっかけだ。まるで今の日本政府のやり口のようだが、所詮政府のやることは、今も昔も変わらんのよという作者の意図が透けて見える。

そして戦争勃発により、予算が青天井化したため、作るはずのない潜水艦を作ることになる。もともと作る気がなかったので、革新的な、ある意味現実から随分かけ離れた設計思想が採用されていた。それがブロック工法と艦体設計の標準化、溶接による建造工程の簡素化なのだ。現代風に置き換えれば、ワンオフ製品を排除し、パーツやブロックの共有化を行い、過剰なカスタマイズも認めないというところか。

船体の共有化により潜水艦支援艦も空母も巡洋艦も貨物船も同じ設計図を使う。共有化した船体以外はそれぞれ用途に応じて「部品」をつけるというやり方で、戦艦建造に特殊技術が要らなくなる。ここでもう一つのIFが発動するのだが、現代の潜水艦と同様の「水中速力の向上」が盛り込まれる。この時代の潜水艦は、水中速度が極度に遅く「水に潜ることが可能な船」でしかなく、水中で戦闘機動ができる船ではなかった。そこをエンジンの改良というIFを持ち込み、高速水中機動戦ができる潜水艦を完成させた。
こうしてできた潜水艦は、試作オンリーのワンオフだったはずが大量生産され予想もしない戦力になる。

溶接できる高張力鋼がブロック工法には必要なのだが、その高張力鋼のおまけとして、輸送コンテナが発明され、そのコンテナの使用により兵站維持が楽になる。そもそもコンテナの運用が海軍主体ではなく陸軍主体になるというのが、作者の皮肉でもあるのだが。海軍はどんぱちにしか関心がなく、太平洋域の侵攻に巻き込まれた陸軍への補給について関心が薄いという、おバカな海軍という描き方だ。(事実、歴史でもそうだったし、現行の帝国海軍後継者である海上自衛隊もシーレーン確保能力はない。そこは米海軍任せだ。この話はリアルにすると相当きな臭い話になるので割愛)

全編通してダメな組織の典型として、かなり大袈裟に書かれている海軍だが、この組織は現代日本ではどこにでもある会社組織の典型として見ても間違いはない。だから、作者の指摘する海軍の構造改革は、海軍の後継官衙であるところの現日本政府にも当てはまるし、大多数の企業組織にも当てはまるだろう。陸海軍の部門対立は、省庁の対立であり、ワンオフ・カスタマイズ製品の横行は効率論を考えない(自分のお手柄に固執する)管理職の意識問題だろう。

少なくとも「工程の標準化」「パーツ・ブロック化」「カスタマイズ排除」は現代日本の企業文化と相入れないもののような気がするが、そこを起点に組織改善を求めることが、大日本帝国と異なる「負けない未来・組織」を作ることになるのだと理解できないか。

この話が導くこと。仮想戦記とは、実は現代組織論への問題提起なのだな。

面白コンテンツ, 食べ物レポート

噂のフードホールに行ってみた

アメリカでおしゃれなフードコートができているという話聞いてはいたが、なんとなく「ふーん」的な気分だった。これは外食に関して日米共に同じことだが、大都会の「一品もの」の超絶人気レストランは、多店舗しないしトレンドにはならない。要は商売ネタとしては面白くならないという経験則だ。

ニューヨークの都心部には超有名店がたくさんあるが、それがチェーン店化することはない。一店豪華主義、そういうコンセプトなのだ。500店、1000店という大規模店網を築くのは中西部や西海岸の外れの町から生まれることが多い。いわゆる大衆受け、誰もが愛するブランドみたいなものは、田舎町・小都市発ということだ。だから、ニューヨークの街中でおしゃれなフードコートが・・・みたいな話には触手が動かなかった。ましてや、それの日本版がどれだけの戦闘力、展開力を持つかなど期待する方がおかしいと放置していたのだが。

それでも、フードホールができて一年経ったなどというネット記事を見て、やはり一度見に行くかと思い直し、南新宿に行ってみた。「BLASTY!」という店名の複合コンセプトが入る二階建ての店舗だ。

中に入っている業態?はピザ、メキシカン、BBQグリル、クラフトビール、ドリンクカウンターという感じで強烈にアメリカンなラインナップだ。アルコーツがあるので、ショッピングモールにあるフードコートとは根底から違うのは理解できる。当然、夜の需要も期待してのコンセプトだろう。

店内はハイチェアが多くあり、いわゆる都会的なスタイリッシュさがある。空間デザインという言葉がよく似合う。こんな店が郊外ショッピングモールにあったら相当浮くだろうなと思うが、地方都市の繁華街でも浮き上がりそうだ。やはり、フードホールとは都会の、それも場所を選ぶものになるのだろうか。

さて、ピザだ。Cucinovaというピザ屋を調べてみたら、なんとアメリカのフードコートの雄、ピザピース売りのスバロの枝ブランドらしい。スバロは何度か日本マーケットに挑戦していずれも撤退している。日本のピザマーケットの小ささと難しさに歯が立たなかった。というか、日本でデリバリー以外で成功したピザ業態は存在しない。挑戦した全員が失敗したと言って良いくらいの、予想以上に難しい業態なのだ。

コンセプトとしては非常にシンプルで、注文を受けてから石窯で焼く。セルフサービスであり、典型的なファストカジュアル業態。価格帯はデリバリーピザと比べてちょっと安いくらいなので、全体的には高価格の食べ物となる。その分、トッピングやチーズに凝る「アッパー」なピザということだ。

ナポリ風という軽い系統のピザなので、一人前よりは大きいが二人前にはちょっと足りないという、主食とつまみの中間にあるシェアフードだと思う。一人で頼んでみたがちょっと最後の1−2ピーズは多いかなという感じ。ただ、隣に座ってピザを注文していた外国人は一人で黙々と完食していたから、この量はシェアフードというより大盛りラーメンみたいな感触で捉えた方が良いのかもしれない。

トッピングとソースは照り焼き、マヨなど日本的なアレンジを受け入れているので、やたらアメリカンしているわけでもない。ピザ単店では生き残れないが、BBQ屋やメキシカン屋と一緒に商売をしていれば、みんなまとめて「アメリカ料理屋」みたいな感覚で受け止められるのかとも思った。しかし、結局のところ、軽食主体のランチビジネスである「フードコート」に対しての、重食でディナー対応、アルコールありの「フードホール」ということであるとしたら、やはりマーケットはあまり大きくないのかもしれない。新型で変形の洋風風居酒屋であるとしたら、フードホールという名前は仰々しすぎるか。

次回はグリルした肉やタコスを食べてみようとは思うが、一人で食べるには量が多いような気がする。
個人的にはピザよりもタコスが食べられる方が嬉しいなというのが正直な感想だった。

食べ物レポート

甘いものの感想 雪印とシャトレーゼのアイス

甘いものが得意ではなかった。と、過去形で書いたが今でも大量に甘いものを食べるのは苦手だ。ただし、今年はチャレンジな目標を立てた。チョコパフェの研究をしようと。

見栄えがねえ。茶色一色だから。味は良いのだけれど。

ということでスイーツなのだが(ちなみにスイーツという言い方は、アメリカで語彙の足りない人間が使う言葉だと指摘されたことがあり、若干使うのに抵抗があるが)今まで一度しか行ったことがない雪印パーラーに行く前に、小手調べということで、千歳空港の雪印のソフトクリーム屋に行った。チョコソフトを頼んだのはショコラティエマサールのソフトクリームと比べてみようと思ったからだ。ミルキーさという点では、一般のソフトクリームよりはるかにうまいと思うが、チョコ味として限定してみるとマサールの方が良いような気がするが、これは好みの問題だろう。チョコのビターさが違うという気がする。ただし、食べやすさでカップを選んだのだが、コーンで頼んだ方が良いのかもしれない。カップで注文すると、えんえんとアイスか食べないので舌が冷たくなりすぎて味が感じられなくなる。(のんびり食べていたら溶けてしまう)舌のコンディション維持のためにも、アイスを食べる時は中休みとしてコーンを食べるのは大事だ。(そんなことも初めて気がついた)

小ぶりな鯛焼きくらいだが、厚みはなかなか

もう一点の甘いもの(スイーツではなくて)は、ネットで仕入れた情報で「シャトレーゼ」のピザを買いに行った時、ついでに買ってきたアイス鯛焼きモナカ。これで100円を切ったお値段は立派なものだ。当たり前だが、尻尾の先までアイスが入っている。もう少し気温が上がれば、これはとても良いおやつになる。モナカの皮とアイスのバランスが大事なのはソフトクリームと同じだが、尻尾から食べようが頭から食べようが、アイスとモナカの皮を一緒に食べるのだから、バランスが良いに決まっている。

大きさも程よく小さいので(変な言い方だが)、おやつのサイズとして間違いない。これで物足りないという人は二匹食べれば良い。
シャトレーゼはしばらく足を向けていなかったが、甘いものだけではなく冷凍商品のラインナップも増強されていた。シャトレーゼ恐るべしなのだが、その話はまたいずれ。