食べ物レポート

ストイックならーめんを恵比寿で楽しむ

恵比寿神社のそばにある渋い外観の店がラーメン屋で、恵比寿でもいぶし銀のラーメン店といえる。コロナ前は昼時には長い行列ができていた。カウンターだけの店なので、並ぶのも仕方がないとは思うが会社のランチタイムでは並んで待ち余裕がなく、いつも横目で睨んでいただけだった。この時期だとひょっとして・・と期待しながら店先を覗いてみたら行列ゼロ。お店の方には申し訳ないが、ラッキーと店に入った。券売機で「普通の中華そば」を購入し、席について静かに待つ。店内には数名の客がいるが、このご時世なのかひとり食ばかりで会話はない。ラーメン屋が静かなのはとても嬉しい。西新宿の某有名店では、観光客だらけでおまけにキャピキャピな会話、それもうんちく混じりが多くて閉口ものだったが、ここは静かだ。ありがたい。

濃厚な魚介スープのためか、丼の中にスープが少なめに見える。麺はもっちり系でスープとの絡みも良い。チャーシューはおそらく真空調理の柔らかなもの。好みに個人差が出そうな特徴的なものだ。店内にあった、最近風のストロングスタイルな感じを受ける。魚介スープのラーメン店は、だいたいこんな感じにまとまっているのだが、開店時期を考えれば、この店が魚介ラーメンの元祖級なのは間違いない。家系ラーメンが増殖を始める前から、この店は同じスタイルだったような記憶がある。ラーメン店に老舗はあるかと言われると、多分存在が難しいと思う。現代のラーメンは時代に合わせて進化速度が上がっているから、古いラーメン店は業界の継続的な進化に追いつかなければ衰退してしまう。そこがそばと違うところだろう。

それだけに、この店のストロングスタイルがどこまで続くのは実に楽しみなのだが、少なくともコロナに負けることはなさそうだ。

街を歩く

緊急事態の傷跡 名店が逝く

恵比寿にある繁盛店だった居酒屋が閉店した。店頭の張り紙を見れば、政府の無策に翻弄される飲食店の混迷がはっきりする。この店は40年近く営業していた。うまい料理とうまい酒を出す、お気に入りの店だった。普通であれば店主もまだまだ頑張るつもりだっただろうが、この一年でやる気が削がれてしまったのだろう。全国にこんな店はゴロゴロあるはずだ。日経新聞の調査でもこの一年の外食業界大手で閉店率は3%近い。中小であれば、これよりはるかに多いのは間違いない。単純に考えても、10軒に1軒は潰れているだろう。そこらの街中の個人営業などひとたまりもない。それでも外食産業の規模は25兆円ほどあり、GDPの中で占める割合と関わる就業人口を考えれば、政府の無策ぶりは明らかだろう。コロナは疾病という名の天災みたいなものだが、それを救えなかった政府はまさに人災の塊だ。
大陸チャイナ王朝で国が滅びる、つまり革命が起きるのは、常に人災が原因だった。古代日本でも人災が政権交代を促した。徳川政権がたまたま長命だっただけで、日本の政治体制は歴史的に100年の治世に耐えられない。大戦後すでに75年経ち、コロナとデジタルが日本の政権を滅ぼすのかもしれない。まあ、滅んでくれてもなんの痛痒もないけどね。

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飯田橋から神楽坂あたり

半年ぶりくらいで飯田橋に行ったらJRの駅改装工事が終わっていた。すっきりとしたおしゃれな外見でちょっと戸惑ってしまう。こうして少しずつ東京の街も変わっていくのかなどと妙なtん害に耽ってしまった。ただ、この日の目的地は飯田橋ではなく神楽坂の坂の上の方だ。

ずっと気になっていた回転寿司屋が始めたすし居酒屋がある。気がつけばもう数十軒も広がっていた。これを真似したコンセプトの寿司居酒屋もあちこちで出現し始めているし、オリンピック前のタイミングで見ておかねばと、手近の神楽坂の店に行くことにした。
オリンピック中は危険が危ないという自己判断で東京都内繁華街には近寄らないことに決めた。違法外人(多分、メディア関係者は隔離原則を守らないに違いない)も欧米系、アフリカ系、南方インド系なら外見で見分けはつきそうだが、東アジア系は判別が難しい。飲食店に入って、隣の客が日本語以外で盛大な会話をしていたとする。どうするか? 
この特殊なコロナ対応をしている日本の現状を説明して退去してもらうか?まあ、無理だろう。自粛警察も外国語まで対応できるとは思えない。(そもそも日本語ですらまともに通用しない人たちだろう)とすれば、最善手はあやうきに近寄らずだ。特にこの手の日本感あふれる居酒屋は危なそうだ。

まずは、ランチ数量限定の舟盛り丼を頼む。確かにビジュアルインパクトは抜群だった。刺身をたっぷり乗せた海鮮丼はあちこちで見かけるが、この舟盛りのっけました的な見栄えはすごい。ただし、これを素直に食べてはいけない。船盛はせけの肴にして、丼飯は取っておく。締めのコメとして最後まで手をつけずにおくのが重要だ(笑)。味噌汁挟めるとまずいのでさっさと片付ける。

昼のみは全開でOKらしいが、場所が場所だけにぐいぐい飲んでいる客は1組だけだった。あとは普通にランチ客。それでも居酒屋メニューは代々注文できるそうだ。シメサバを薬味でまぶしたものがちょっと変わっている。ひと手間かけたといえばそうなのだが、ネーミングがすごい。「シメサバ薬味にまみれる」というのだ。何やらヒーローアニメのタイトルみたいだ。こんな遊びごごろのあるメニューがたくさんある。鮨もあり、コンセプトとしては人気が出て当たり前という子がする。

流石に大手チェーン運営だから、感染対策は基準をクリアしているのだろう。ただ、このアクリル板というか遮蔽版の効果はどんなものなのだろうか。これなら効き目がありそうだというものにお目にかかったことは一度しかない。それはまさしく「壁」的な幅と高さがあったが・・・。少なくとも現時点で、規制機銃を厳格に守ると店内定員は通常の半減で、営業時間の制限を合わせると売り上げ予測は通常期の1/3以下だろう。絶対赤字をわかっていて営業するのも辛いものだ。値段を3倍くらいに引き上げ、その半分を政府補助のクーポンにする。これだとクーポンを使っても実質的に客数は増えないが、利益率が上がる。こうすればGotoの欠陥は修正できると思うのだが。少なくともワクチンの2階目接種が全国で完了した後には実効性の高い支援策を行なって欲しいものだ。

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自粛期間の運の付き方・尽き方

一月に買った歴史ムックの抽選に当たった。応募しなければ当たらないと言う典型だと思う。一等商品はお城のプラモデルで、二等がクリアファイルだった。まあ、お城のプラモデルが欲しかったとは言えないので、単純にありがとうと言いたい。ただ、創刊号と2号を買ったら応募できる仕組みだったが、その後3号を見かけない。いつになったら出るのだろうか、ヤキモキしている。

これは江戸時代に300藩合った大名の家紋を配置したもので、それぞれ由来や来歴があるのだと思うが、わかっているものは二つ三つ程度だ。カモンの勉強でもしてみるか、と夏休みの宿題をもらった小学生気分になった。

そして、去年の春の緊急事態自粛強制期に当たった永谷園お茶漬けのりの東海道53次カードが、今年も自粛強制期間宙にまた当たった。上が今年、下が去年のものなのでデザイン的には変更がないようだ。家人には「これ、人気ないんでしょ?」などとバカにされたが、送れば全員当選するものではないだろう。運がいいはずだ、と言い張ってみたが、これくらいで運を使い果たしてしまうのが現実なのかもしれない。本来、宝くじに当たるはずの運が、東海道53次カードになってしまったかもしれないと残念な気分になった。もし運があるなら森永のキョロちゃんチョコを買って金のキョロちゃんでも当ててみたい。
しかし、応募しなければ当たらないのだから、やはりキョロちゃんチョコ買いに行こうか。

食べ物レポート

アゴだしらーめんの珠玉

最近お気に入りのラーメン屋が新宿にある。昔から行列ができているのは知っていたが、なかなか並ぶ気力がなかった。最近はコロナのせいで行列が短くなったりしているので、タイミングが合えば待たずに入れる。カウンターだけの店なので、開店は良いから待ち時間もさほどではなくなった。この店がチェーン店で都内に複数あるらしいと言うのは最近気がついた。カウンターに座るとスタンプアプリを勧められた。来店ポイントが記録されるらしく、それをダウンロードするとおまけでチャーシュー3種もりがもらえると言う。今までは面倒がってサボっていたが、今回は時間もあったので挑戦して、見事3種盛りをゲットした。鳥チャーシューと赤目の豚チャーシューは真空調理だろう。とても柔らかい。豚もありがちな臭みが抑えられている。調理技法としてレベルが高い。残りの豚チャーシューは、通常の煮豚系で、これもレベルが高い。次からこれはサイドアイテムで注文してしまうだろうなと思った。餃子などよりよっぽどラーメンに合っている。

トビウオと数種の煮干しを合わせた出汁は濃厚で強い味だが、それに負けない麺とのバランスが好みなのだが、それにこの3種チャー種が合わされば、最強トリオではないか。最近の魚介系ラーメン店で真空調理のチャーシューを出す店が増えたが、この店のレベルは群を抜いて高い。逆に、真空調理をよく知らない店ではチャーシューが臭いので、二度と行かないと思う原因になりもする。

ラーメン一杯1000円時代になっているが、その価値がある店は本当に少ないのだよね。西武新宿駅そば「たかはし」はうまい。

街を歩く

緊急事態明けの風景 老舗の居酒屋で

所沢の老舗居酒屋が、昨年の第一次緊急事態宣言の煽りを喰らい閉店した。その後、年末近くになり復活したのを喜んでいたが、今回の宣言明けでどうなったか気になっていた。久しぶりに出かけてみたら、ランチ定食を推して頑張っていた。店頭看板に小さく「昼飲みも出来ます」というのが可愛い。応援ついでにお気に入りのカツ玉定食を食べていこうと思ったのだが・・・。

やはり誘惑には勝てない。この店に来たら、まずは焼き鳥にもつ焼きでしょうということで、久しぶりの串焼き4本を注文。昼のみおすすめだから、昼からフルメニュー提供だとのことで、居酒屋メニューなんでもOKらしい。焼き鳥の後はカツ玉定食を注文してと思っていた。店内は昼時ではあるが、半分ほど客席が埋まっていて、昼のみの人とランチの人が半々くらい。大多数が一人客で二人ズレがちらほらだから、ここまでは埼玉県の規制通りだった。
ところが、隣の席にいるオヤジ4人組が相当タチが悪く、大声で会話する宴会状態。おまけになんだか臭い。酒飲みは二人までが埼玉ルールなので(どうみても4人のオヤジが家族には見えない)、こういう奴らがいるとまた酒禁止令になるだろうななどと思った。結局、そのツケは居酒屋に回るので、「己のしたことで酒飲む場所がなくなるぞ。文句言うなよ。」と、心の中で悪態をついて店をでた。若者の行動を咎めるオヤジやジジイの実態はこんなものだ。

食べ物レポート

インチキな餅の食べ方

五平餅を食べるシーンを旅番組で見て、何やらムズムズしてしまった。五平餅はかなりの好物だが、やはり長野県のどこかに行かないと食べられないだろう。そこで、余っていた切り餅を眺めていたら閃いた。愛知県名物の味噌だれをかけてしまえば、なんとかなるのではないか。五平餅の味噌はくるみ味噌だが、そこは気分の問題だと強引に理屈をつけ(理屈になっていない)、ホットサンドメーカーで餅を焼いた。網で餅を焼くと、なかなかちょうど良い具合の焼き加減が難しいが、ホットサンドメーカーは手間要らず。膨れた餅が破裂することもない。
「つけてみそかけてみそ」は甘辛のバランスが良いので、五平餅もどきは正解だった。あとで気が付いたのだが、これに胡麻をかければよかった。個人的には、この食べ方だと餅が何個でも食べられそうだ。トッピングバリエーションとして、ゴマ以外にきざみ海苔とか生姜、七味唐辛子などなんでも行けそうな気がする。

2個焼いた餅を一つは五平餅にしたが、もう一つを永谷園のお茶漬けのりを使って汁物にしてみた。お茶漬け一袋でお湯をかけただけだが、一見するとシンプルな雑煮風になった。ネギとかミツバとかを散らせば、もっと贅沢感が増すとは思うが・・。これもサラサラと食べられる、ジャパニーズファストフードだ。簡単なくせに意外と完成度が高く、くせになりそうだ。海苔で巻いた磯部巻も捨てがたいが、この簡単雑煮の方が日常食としては利便性が高い。カップヌードル並みの簡単さなので、非常食として保存している餅の活用法としてオススメなのでありますねえ。

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水沢観音でうどん 日本三代名物うどん?

2017年の記憶 #35 昔に撮ったiPhone写真から引っ張り出してきたあれこれ

坂東札所巡りをしている時に聞いた言葉だが、札所巡りは何度しても良い。一度目は早く回ることに夢中になるが、実は1日1箇所くらいにして、そのお寺の周りを見物したり名物を楽しんだりとのんびり回るのが良い。それを二度三度と繰り返すことで、人生が豊かになるのだみたいな話だった。結願達成のお寺の住職さんの言葉だった。なるほどなあと思ったが、振り返ってみれば札所のお寺の周りが観光地になっている芭蕉は本当に少ないので、楽しみを見つけるのも大変だななどと思った。鎌倉のお寺はそれなりに観光地かしていた。浅草寺は例外的な大観光地だった。それ以外でとなると、この水沢観音くらいかなと思う。大駐車場があるくらいだから、観光地化していると言っても間違いではない。近くには伊香保温泉もあり、榛名湖もある。群馬県の中では群を抜いている観光地かもしれない。そして、その水沢観音名物が水沢うどんだ。

観音様をお参りをした後につるっといただくうどんは実にうまい。うどん屋は付近に数軒あるので、何度もお参りに行けば食べ比べもできる。うどんは透き通った表面が美しい。ツルツル系のうどんだから、埼玉県では一般的な武蔵野うどん、太くて硬くてもぐもぐ噛み締めるタイプとは全く違う。スルッと飲み込む感じのうどんだ。上州うどんが全部この系統だとは思わないが、洗練された感じがするのはちょっと意外かもしれない。大澤屋の名前はラジオCMで刷り込まれてしまっているので、水沢に行くとふらふらと吸い込まれてしまう。美味しいうどんだから文句はないのだが、あの大広間が満席近くになる程の客が集まってくるのがいつも不思議だ。ラジオCMの威力というのは意外なほどあるのだななどと、全く関係ないことを考えながらツルッといただきました。ちなみに、舞茸天ぷらはマストアイテムであります。

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古代統一戦乱の名残 吉備という場所で考えた

2017年の記憶 #34 昔に撮ったiPhone写真から引っ張り出してきたあれこれ

日本の古い地名を見るとあれこれと思うことがある。九州でいえば筑前、筑後、つまり筑紫の国の全部と後部で、前がつく方が都に近いという命名則だったと思う。そして、この前後がつく場所、国名が大和朝廷の征服の証というか統一戦争の経過を示しているのだと思っている。現在の大分県あたりにあった豊の国、熊本県と長崎県に広がっていた火の国が九州の在来勢力で、熊襲や隼人と呼ばれた南九州勢はおそらく最後まで対抗していたので、国名すら無くしたような気がしている。中国地方では最大勢力はおそらく出雲で、当時のメイン海上ルート、大陸との交易路を押さえていて鉄器製造ノウハウがあった。出雲神、スサノオを自国神話に取り込まなければならないほどの強大な勢力だったはずだ。そして、吉備国は瀬戸内海上ルートを押さえる一大勢力だった。だから征服後は、備前、備中、備後と三国に分割してまで統治しなければならなかった。などと古代日本の勢力争いに空想を巡らせるのは楽しい。

こんなことを思うのも、神社の形が出雲や吉備国でずいぶんと異なっているからだ。神社の形は、古代ではその地方独立国の象徴みたいなものだから、統一戦争時の遺産みたいなものだと思う。吉備津神社の屋根は美しい。唐招提寺に代表されるシンプルで巨大という「外来思想」に支えられた建造物とはちょっと異なるような気がする。二つの屋根が描く曲線美は何か特別な象徴があるのだろう。おまけに吉備国には、「吉備神社」と「吉備津神社」がある。明らかに怪しい。戦国末期に東西分割された浄土真宗みたいな気配が濃厚だ。政治的配慮というか、宗教の政治利用だろう。桃太郎の国岡山県は、古代日本の統一戦の山場だったのではないだろうか。

本殿から続く回廊は、やはり宗教的な意味合いがあるようだが、建築物としては様式美の極みだと感じる。大和朝廷が西日本のどこかで生まれて西日本を統一した過程で、神社の様式もかたまっていった。ただ、その後の東日本制覇はまた別の展開で、その名残が諏訪や鹿島あたりの歴史ある神社に残されている。当時の主要交通路は陸路ではなく海路であったことを念頭に置いて色々と空想すると、旧国名に潜んだあれやこれやを楽しむ時間になる。関東北部の毛の国とか、北陸「越」の国とか、「安房」と上総下総の位置関係とか、「えみし 蝦夷」との抗争とか。東日本も古代浪漫の舞台なのだが、それはまた別の話で。

旅をする

北海道のうまいものは渋い居酒屋で

2017年の記憶 #33 昔に撮ったiPhone写真から引っ張り出してきたあれこれ

北海道のシャコは春と秋が旬

全国ありとあらゆるところに地元産の料理を出すうまい店はある。いわゆる観光名物ではなく地元の家庭料理で、ご馳走というより日常食に近いものがうまい店だ。だから、そんな店は観光客相手というより地元客相手で長く商売をしているとことが多い。観光都市札幌にも「地元客+たまに観光客」的な店は何軒があるが、ちょっと手の込んだ料理を食べたい時に行く店がある。カウンターのガラスショーケースいっぱいに並べられたお惣菜というか酒の肴を眺めながら、あれこれ選ぶのが楽しい。夏前の時期に行くのであれば石狩湾で獲れる「シャコ」がおすすめだ。大ぶりで子持ちのメスがうまい。これを肴に飲む冷酒は、当然ながら北海道産「国稀」がおすすめだ。

落葉きのこ

北海道の短い夏が終わる頃に出回るローカルキノコに「落葉」「ぼりぼり」というものがある。落葉はちょっとヌメっとした感じで、特有の臭みがあるがそこがよいところだ。さっと湯掻いたものをなめこおろしならぬ落葉おろしで食べると、秋が来たなあという感じがする。子供の頃は全くうまいと思わなかったので、やはり人としての経年劣化のせいで味覚が変わったのだろう。

鱈の子

鱈の子を醤油で甘辛く煮たものは、秋から冬にかけてのうまいものだ。タラのシーズンが寒い時期なので、必然的に冬になると登場する季節商品だ。これを煮詰めると佃煮風になりご飯のお供2歳的なのだが、サラッと煮た時には酒の肴に最適だと思う。魚の卵はなんでもうまいと喜んでいるが、粒の大きなイクラやキャビアはやはりちょっと高級なので、タラコやトビコのような小粒な方が居酒屋向けということか。すけそうだらの卵も似たようなものだが、やはりタラコは真鱈に限る。チェーン店ではなかなかこういうものにはお目にかかれないのは仕方がないにしても、出てくるメニューが日によって変わるのを楽しみに通ってしまう。居酒屋の楽しみは、まさしくそこにあると思う。東京でこの手の店を見つけるのがなかなか難しいのは、東京の料理に思い入れがないからなのか。それとも、東京東部、下町側に通えば見つかるのか。その辺りを突き詰めてみたこともないが。東京のソウルフードは、案外と「もつ焼き」なのかもしれないななどと思っている。