街を歩く

仕出し弁当で思うこと

仕出し弁当を最後に食べたのは、もう何年も前になる。経験的に言えば、簡便な会議食として出されることが多かった。ばらつきはあるが年間50食以上食べていた時もある。それくらいランチョンミーティングなる昼休み返上での滅私奉公を強制されていたということだ。そうなると、いつもの同じ弁当だと飽きてしまうので、3−4社の仕出し弁当屋をヘビーローテーションして使うことになる。
その中で不人気な店は消されていくもので、結局、一年も経てば絞り込んだ一社の定番弁当のようになってしまうのだが……。
会議食以外となるとぐっと機会は減って、簡便な法事とか身内の冠婚葬祭の準備の時に使ったくらいだろうか。コロナが流行っている間は、会議はリモート、冠婚葬祭は中止みたいなものだから、社会環境的にここ3年ほど仕出し弁当を食べる機会など無くなっていた。
おまけに遠出をすることもめっきり減っていたから、車移動での旅先、仕事先でコンビニ弁当を掻きこむこともなくなっていて、弁当自体ここしばらく食べた記憶がない。なので、久しぶりに弁当を食べる楽しみを思い出した。

コンビニ弁当と違い、中身の見えない容器に入っている仕出し弁当の最大の楽しみは蓋を開ける時にある。食べて美味い美味いと思うのは、楽しみの2割くらいで、8割は蓋を開けた時の「グワっ」と迫ってくる飯とおかずのビジュアルにあると思っている。
だから、色気のないおかず、例えば全面茶色の唐揚げ弁当みたいのが出現すると、明らかに魅力度が低下する。とんかつ弁当も同じで、うまさをビジュアルで損をする典型だろう。和食、特に幕内弁当的な、形も彩りもちまちまと多様化しているものが一番の好物なのは、そのビジュアルにある。
懐石弁当と言われるジャンルでは、大きめの弁当箱におかずとおかずの隙間を生かした統合ビジュアルを設計しているが、折詰的幕の内弁当はその隙間がなくコンパクト設計なので、おかず自体の彩りが重要だ。結果的に、卵の黄色、豆などの緑、にんじんやトマトの赤が多用されるきらいはある。漬物としてはあまり冴えない桜漬けやしば漬けが多く使われれのも、安価な彩色アイテムということだろう。
しかし、こまごまと小難しいことは考えている場合ではなかった。まだ熱が残る天ぷらを茶塩で食べる。卵焼きと鮭は濃いめの味付けなので、それを肴にあさり飯を掻きこむ。合いの手に煮物を楽しむ。特に、筍のしゃりしゃりとした食感がうれしい。
レンジアップしたコンビニ弁当では味わえない「食べる楽しみ」だった。今だったら、美味い弁当を食べるために、つまらん会議も我慢できそうな気がする。あれほど飽き飽きしていたはずの仕出し弁当も、すっかり「お楽しみ」にしてしまうアフターコロナな今日この頃ではありますねえ。

ソロキャンあれこれ

玄関でソロキャン アヒージョもどき

アヒージョもどき  玄関なので徒歩10秒でソロキャンクッキングだ

最近のキャンプブームはたいへんなものらしい。30年近く前、オートキャンプが流行ったが、その時はいわゆるワイルドキャンプから車で乗り入れるオートキャンプサイトという高級化が起きていた。ところが、今回はコロナ禍で始まった屋外セーフプレイということなのか、ソロキャンプ、それもワイルド色の強い先祖帰りをして野営に近づいているらしい。
小学校時代から始めたキャンプも、最初の頃はテントとは名ばかりの隙間だらけの天幕だったので、蚊に刺され放題というワイルドさだった。それから比べると、今やキャンプギアの進化は素晴らしいので、ワイルド系ソロキャンプもだいぶ快適に過ごせるようだ。
などなどつらら考えて、またキャンプするのも良いかなどと思うのだが、そのキャンプで一番楽しいのが、「1 計画を立てる」そして「2 道具を揃える」だと思う。実際にキャンプ場に行った時には、キャンプの楽しみの半分以上を消化済みというのが、過去の経験からの学びだ。
そこで、楽しみの1と2を合わせて、ここ最近に仕込んできた道具を使い家の前で遊ぶことを考えついた。

手始めに家にある材料で適当にアヒージョをしてみようと思った。アヒージョは室内でやると細かい油の飛沫が飛ぶので、家人の評判を考えるとあまりよろしくない。匂いもこもる。ただ、お手軽料理なので、アウトドア向きと言えばまさに的確だ。
用意した食材は、
自家製ラッキョ(塩漬けなので塩分強い)
自家製醤油漬けニンニク(一年熟成)
オリーブ(種無し)
災害避難用に買ってあるコーンビーフ
使いかけのオリーブオイル(エクストラバージンはアヒージョには向いていない)
これにアンチョビーなどの塩漬け魚を加えるのだが、今回はコーンビーフから出汁も塩味も出ると考え「なし」にした

キャンプ用のシングルバーナーは30年くらい前に買ったものだが、今でも現役で使っている。スキレット(鉄鍋)は、これも20年以上前にダイソーで買った100円商品だが、死ぬまで使えそうだ。EPIガスが今でもホームセンターなどで売られているというのもすごいことだなと、全く別のことで感心してしまった。

オリーブオイルを鍋に1/3程度入れる。量は適当で計量などしない。ソロキャン料理はそれで良いのだ。そこに、らっきょとニンニクを適当にザクザク切って放り込む。みじん切りなど面倒なので、一欠片を三つに切る程度の乱切りにした。

油に火が通り、ニンニク・らっきょがジュワジュワし始めたら、追加でこれみ2−3分割したオリーブを入れる。今回は家にあったのが、アンチョビー詰めオリーブだったので好都合だ。ニンニクの匂いがしてきたら、コンビーフを追加する。

コンビーフを一缶投入して、それを箸でほぐして一煮立ち?したら、もう完成。出来立てを食べると火傷しそうで危ないが、これをバゲットに乗せて食べれば、一人でバゲット1本完食しそうなほど美味い。
それでもアヒージョがあまった時には、そのまま冷まして冷蔵庫保管にする。ふりかけがわりで飯のおとも、トーストのペーストにも使える。レンジアップしてビールのつまみにも再生できる。
玄関でソロキャン・クッキング、所要時間5分でした。

街を歩く

渋谷駅ダンジョン 危険地帯

年がら年中工事をしているという横浜駅が、何十年ぶりかで工事が終わっているらしいという記事を読んだのが、昨年末近くのネット記事だった。ご興味のある方は「横浜駅 工事」で検索すると、その辺りの詳細がたっぷり出てくる。
ただ、個人的な感想を言わせて貰えば、新宿駅と渋谷駅も永遠に工事が続く駅として指名されるべきだと思う。
新宿駅は南口開発から駅地下通路の再構成などで、主観的には20年以上工事が続いていた。コロナが始まってしばらく新宿に行かないでいたら、いつの間にかホーム地下の通路が全面的に変わっていて、ほとんど「お上りさん」状態になるという痛い経験もした。少なくとも、山手線を降りて東口に出るまでは、案内板を見ないでは生き方がわからなくなっていた。そしていまだに地下通路は工事の防護壁が備えられたままなので、相変わらずダンジョンを拡張する工事は続いているようだ。おそらく新宿駅完成形を、生きているうちにこの目で見ることはないと諦めている。
しかし、状況がもっとひどいのは渋谷駅だ。渋谷駅の再開発が始まったのは副都心線の乗り入れ工事だったと記憶している。東急東横線駅の解体、地下化工事が始まった辺りだから、もう10年近い。だが、その前も渋谷駅は国鉄からJRになった時期からあれやこれやの工事をずっと継続しているので、記憶の限界を通り越している。
メトロ副都心線の地下駅ができた直後、事故で地下鉄が止まったことがあった。その時に、何も知らないまま地下の最深層から地上まで歩かされたことがある。確か7階層分だった。全て歩きで、ほとんど山登り状態だ。今でも思い出すのが嫌な苦行を強いられたことから、副都心線はほぼ使ったことがない。使ったとしても渋谷駅では降りない。
地下深くまでモグラされるのは、新築の地下鉄駅では当たり前で、大江戸線の乗り継ぎ駅ではいつも難儀させられる。大江戸線乗り継ぎは、地下深くから地表までの垂直移動に加えて、地下通路をくねくね歩く水平移動も加わることが多い。設計者出てこいといつも思う。特に、JR新宿駅の南北にある大江戸線二駅は、使う気が起きないほどの酷さだ。
それにも増してすごいのが渋谷駅だと思う。メトロ駅の垂直移動が、最初の地獄だとすれば、二番目の地獄は京王井の頭線からJRへ移動する立体通路だろう。今は東急東横店の解体工事中ということもあり、まさに両サイドに立っている防護壁の中を右に左に持っていかれる。つい最近まで覚えていた通路は、完全に存在しなくなっていた。
そして、現在進行形で最悪なのがJR渋谷駅そのもので、南口から乗ろうと思ったら東口の南端まで歩かされた。そして、南口から入ると、またくねくね防護壁の迷路を駅の西口(山手線の外回りホーム)まで歩かされる。
JRの建築設計担当者には人の通行マネージメントという概念は存在しないと確信してしまった。
渋谷駅はホームの上部空間に鳩が迷い込み、あるいは巣くっていたので糞害注意の標識があった。さすがに、鳩も打ち続く駅周辺ビル工事にはビビったのか、あるいは渋谷駅ダンジョンで遭難したのか、最近見かけなくなった。ひょっとしたら開放空間に近い埼京線ホームに引っ越したのかもしれない。
近頃では方向感覚、空間認識に優れた鳩ですら嫌がる渋谷ダンジョンにやられてしまうジジババが大量発生している気がする。
渋谷駅前の横断歩道を渡れば1分で駅に入れたはずが、ふと魔が刺して立体通路を使ったために、渋谷駅内で遭難しそうになったオヤジの愚痴です。

ガジェット

Sony Timer, Bad End

画面は正常だが音は出ない Bluetoothもつながらないので、なんとも悔しいがもはや機能喪失というしかない 音が出ないwalkmannは、画像が出ないテレビみたいなものだろう

家電初心者は、選択に困るとソニーを選ぶのだと聞いたのは随分昔のことだ。技術の高さと信頼性をブランドに仕立て上げたという意味で、極めて優れた戦略だったのだろう。白物家電ではパナソニック、東芝や日立など老舗家電メーカーが強かったのだろうが、こと映像、音響、デジタル家電ではソニーのブランドの強さは抜群だった。「だった」と過去形なのは、今やソニーの稼ぎはゲーム機に代わっているからだ。デジタル家電で言えば携帯電話からスマホの移行期に(日本では)、ソニーブランドがアップルブランドに変わってしまった感がある。
ソニーのブランドアイコンと言っても良いほどの知名度を持った「ウォークマン」がiPodに取って代わられ、普及機種では勝ち目がないから高級機種に方針転換してしまった。いまやWalkmanは、デジタル携帯オーディの代名詞とは言いがたい。それこそ化石ブランドになりつつあるようだ。
それでも初代ウォークマンからの愛好者として、愛着があるのでなかなか見限ることができない。カセットテープ時代のウォークマンを2世代、CDウォークマン、(MDウォークマンは諦めた)、デジタルウォークマン3世代を乗り継いできた。
初代デジタル版は今でも健在、二代目デジタルは音は出るが画面が見えなくなったので、三代目に買い替えた。デジタルなので中身はPCから移行できるから、二台目と三台目に搭載した楽曲は、ほぼほぼ一緒という便利な時代になった。
ところが、ここでまさかのソニータイマー発動という羽目になった。ソニータイマーとは、保証書が切れた直後くらいに、高額な修理が必要となる致命的故障が起きることを揶揄して言っている、いわば都市伝説的な言葉だ。
「ソニーあるある」と言っても良い。日立タイマーとか東芝タイマーとかパナタイマーとか、他の家電メーカーでは聞いたことはないから、やはりソニー製品に裏切られたと思う人が多いのだろう。おそらく統計的に言えば、わざわざ取り上げる必要もないくらいのレアケースなのだと思う。
それでも自分がその事象(事件?)に遭遇するとそれなりにショックを受けるし、「あーア……………ソニータイマー発動かよ」と言いたくなる。
3代目のデジタルウォークマンは、多分これが最後のウォークマンと思って買ったのだが、買ってから1年3ヶ月ほどで壊れた。状況をソニーサイトで確認すると基盤損傷らしく、修理するのと新品を買うのと、費用はほぼ同じになる。買い換えるかとも思ったが、いわゆる普及機種なので諦めることにした。これが最上級機種であれば1万円かけても修理するだろうが。
ネットで調べると、4−5千円くらいでデジタルポータブルオーディオ機器は手に入る。スマホの記憶容量が増えたのでWalkman程度の楽曲(最大8G程度なので)は余裕で登録可能だ、と諦めることにした。
ただ振り返って考えれば、ソニータイマーの発動はこれが初めてではない。今や誰も覚えていないだろう、デジタルエイジで言えば古代にあたる情報機器「パーム」もタイマーが発動した。次世代機が出ていたので、それに乗り換えたからあまりダメージ感がなかっただけだ。
ソニー製の初代電子ブックもタイマーが発動して、これは代替品が見当たらず修理した。当時はネットで修理代金を見積もるシステムもなかったので、ソニーのサポートセンターまでわざわざ出かけて修理したら、新品に近い費用がかかったのを覚えている。その後しばらくして他社の次世代機が出たので、泣く泣く乗り換えた。ソニーはデジタル出版からも撤退してしまったから、持っていても使わなくなっただろう。
すでに他社ブランドになっているバイオ(PC)もかなり短期間で画面がブラックアウトした。このときは他社PCに乗り換えた。ただ、筐体が金属製のモデルは少なく、斬新なデザインだったことは覚えている。その後しばらくたってから、またバイオを買い直したのだから、ソニー信者と言っても良さそうだ。(中身はウィンドウズマシンなので機能的には格別優れていたという記憶はない)
カセットウォークマンは一番長持ちした。何年か使って、回転軸にテープが巻き付いて故障し修理不能になったが、その時も次世代ウォークマンに乗り換えたので諦めがついた。
かくの如く、ソニー製品愛好者なのだが、今回をもってウォークマンは卒業することにした。幸いウォークマン連動のコンポはまだ健在なので(これは長生きでそろそろ10年ものだ)、初代デジタルウォークマン(現在は搭載全曲がクラシックという専用機に変身している)と合わせて、どちらかの機械がくたばるまで付き合っていこうと思っている。
まあ、こんな伝説が生まれるくらいソニーは愛されているブランドなのだろう。だから、最後に買うソニー製品はPS5と決めているのだが、発売から2年経っても一向に買えそうもない。PS5の欠品タイマーは早く解消してくれよ、と言いたいぞ。

食べ物レポート

とろろそばを食べに行った件

コロナの最中でも外食企業の中には新規業態を試す頑張り屋さんが存在していた。ずっと気になっていたのだが、外出自粛のムードの中で伸び伸びにしていた「新店視察」にでかけてみた。

とろろそばの専門店というので、どんな外見になるのか興味があったが、一見してファストフード的なファサードなので、あれっという感じがした。店頭の垂れ幕を見ても、税抜、税込みの価格が混在する二重表記が気になる。ファストフードの店頭情報は少なければ少ない方が良い。本来的には税込み価格一本で表記することにして、それで価格設定をするべきだと思うのだが。
この価格の二重表記はファミレス的手法だなあなどと思いつつ、店内に入ってみた。

注文するのは、定番メニューらしき「とろろそば」と思っていたが、辛ネギトッピングがあるので、ついつい辛ネギそばを頼んでしまった。
出てきた商品を見て、まずびっくりしたのが、芋が細かい千切りになっていたこと。とろろ蕎麦というから、すりおろした芋が乗っていると思い込んでいた。これにはどんな意図があるのだろうと、あれこれ考えながら食べ始めた。確かに千切りなので蕎麦つゆに溶け込まないから味が一定なのと、芋のシャキシャキ感が楽しめる。これはこれで創意工夫だなと感心した。ただ、個人的にはすりおろした芋のヌルヌル感を期待していたので、そこはちょっと物足りない気もする。
辛ネギは、辛味が強く自己主張がしっかりしたものだった。よくラーメンに乗っているネギを細く切りましたけど文句あるか的な、ネギだけで調理技術なしというものではない。混ぜ込んだ辛ダレがしっかり調理をしている「技アリ」なものだった。ただ、普通のそばに合うかというとちょっと考えてしまう。いわゆる、肉そば系つけ麺であれば、この辛いネギこそのフィット感があると感じた。

店内は、流石にコロナ感染期に開店した店舗ということもあり、通路を含めた広い空間がとられている。駅前の立地にありがちな、席をぎゅうぎゅうに詰めた感じは全くない。盆栽らしき鉢植えがなんともオシャレ感がある。上野あたりの蕎麦屋で見た記憶があるが、盆栽は蕎麦屋には似合う装飾だと思った。これがレンタルの観葉植物だといささか残念感が出るのかもしれない。

テーブル席がなくカウンターだけというのは、なかなか斬新なレイアウトで、都会的なイメージがある。BGMもジャズがかかっているのだから、夜になるとスタンディングバー的な雰囲気が出るのだろうか。アフターコロナでは、昼夜二毛作に進化するのかもしれない。
しかし、店名に「東京」を冠しているのだから、やはり何か思い入れがあるのだろうなと思いつつ、半年くらい経ったらまた変化を見に来てみたいと感じた。なんというか、ひょっとしたらだが、大化けして大チェーンになるのかもという予感が……しなくはない。

街を歩く

ドアを開けたら5分で昼飯終了

時間がない時の昼飯といえば、ファストフードに限る。某牛丼チェーンはうまい、はやい、安いと言っていた。「いた」と書いたのは、確かめてみると現在はうまい、やすい、はやいの順番にかわっているからだ。自分の記憶の中は20世紀に覚えたままになっていたということだ。これを刷り込みというか、認知の問題というべきか、それとも牛丼チェーンの努力が実になっていないということなのか、色々と問題点はある気もする。
個人的には、「安い、早い、うまい」ではないかなと思っているが、そこは大人の事情を理解して公式メッセージを覚えることにしていた。ただ、自慢ではないが20代は相当な牛丼ヘビーユーザーで、最近話題になった記名式丼をもらえるくらいには利用していた。もう、一生分食べたと思っていたくらいだ。だから、今でも年に何回かは禁断症状が出て牛丼を食べに行く。
ちなみに、業界的には牛丼の卒業年齢は30代後半だそうだ。それを遥かに通り越しても牛丼を愛好しているのだから、無礼の数々は勘弁してほしい。

いつ食べても満足してしまうのはバーガーマジックだ

時間がない時の昼飯の選択肢のもう一つが、日本最大のバーガーチェーンで、大体の駅前には牛丼屋かバーガー屋が存在している。時には、並んで建っている。そのときはどちらの店を使うか、並んでいる行列の人数で決める。
一時期は速さの牛丼と思っていたが、最近は注文の仕方にもよるがバーガーが早いことが多い。一つには牛丼屋がどんどんとメニューを増やし定食屋化しているからで、牛丼単体の提供速度は変わらないにしても、自分の前に注文した客のメニューによって提供時間が変わるらしいことだ。特に最近の「新しい店舗」ではカウンター受け取り方式になっているので、順番待ちが発生することもある。
逆にバーガー屋は一つずつ注文を受けて作るが、すでに完成している部品を組み立てる方式になったせいで、部品さえ在庫があれば提供時間は一定だ。セットを注文するとポテトが調理中だったりするので、多少遅れが出ることもある。だから、バーガーとドリンクだけにすれば提供時間は驚くほど早い。特に、中身がシンプルな「普通のバーガー」であれば、超速と言っても良い。
普通のバーガーのソースを照り焼きにして、レタスを乗せるだけのテリヤキバーガーも早い。(今回はそれを注文)
遅くなりがちなのは、中身が具沢山であるボリューム系のバーガーで、部品切れも発生しやすいから(経験的には)時間がかかるようだ。
それでも、注文してから5分で完食して店を出ることは十分可能なので、時間がないからテイクアウトで持って帰ってどこかで食べようなどと考えるより、注文の仕組みを理解して最短時間で手に入れ、最速で食べ切るのが5分間ランチの鉄則だと思う。
立ち食い蕎麦屋なみの早飯をランチと言って良いとも思わないけれど…………。
これでは食事 Food というより給餌 Feed に近いなと、いつもちょっぴりだけ後悔している。

街を歩く

高田馬場の看板にみる現代社会

JR高田馬場駅のホームに立ってぼーっとしていた。以前にも描いた記憶があるが、駅のホームに立つ人向けの看板の話だ。原宿駅もこの手の看板が多いが、それはもうちょっとオシャレ系、アパレルや装飾品、ブランド品の「きれいな広告」が多い。
ところが、高田馬場の4連張りの広告は「漢字」主体、画像イメージなしの超硬派なもので、確かに進学塾らしい真面目な看板だなと思ってしまう。ところがよくよく眺めると、敦子知に読めない漢字が書かれてあり、それが簡体略字であることから大陸から来た中国人向けの広告であることがわかる。学校名だけ見ると、納得の進学塾っぽい名前なのだが。しかし、中国人向けの進学塾(日本語学校ではない)というあたりが、世相を表していると思う。そして、高田馬場駅に4連張りで広告があるということは、この辺りに大陸系中国人の大コミューンがあるのだろうなとも気がつく。隣の駅の新大久保がコリアンタウンとなっていたことを考えると、高田馬場と池袋の間あたりにチャイナタウン、住宅密集型があるのだろうかと想像してしまった。中韓混在地域は想像しずらいし。しかし、連絡先が携帯ナンバーというのは、これまたびっくりだ。時代は変わっているという実感がする。

その進学塾看板の横には真っ白な空白部分があり(広告主不在というか、売れ残っているというか)、これまた漢字だらけの看板があった。こっちは何の広告かと思ったら、どうやら普通の日本語が書いてあり、日本人向けの看板だった。お墓ではなく納骨堂というあたりが都会っぽい。お墓の広告であれば、終活に入った高齢者向けだろうと思うが(自分でお墓を準備するため)、納骨堂となればそれなりに若い人向けだろう。急に親が逝ってしまったりすると墓の用意もすぐにはできないみたいなことだろうか。
未来に向けての進学塾と、終わってしまった人生の整理の広告が並んで立っている。何とも今の日本を表す光景のような気がする。日本人にとっては黄昏の時代ということなのだろうかと、かなり暗い気分になって山手線の電車に乗った。

食べ物レポート

池袋でコスパな洋食

オリエンタルライスと黒カレーの相盛り

池袋の南のハズレにある大型書店の横の狭い道を入ったところにある洋食屋を見つけたのは5年ほど前だった。たまたま本屋を目指していて通りかかったのだが、店先が明るかったので、ふと中を覗き込んでみたら食堂らしい。なかなか賑わっていたので、今度一度試してみようと思った。それ以来何度も足を運んでいるが、お江戸の洋食屋らしいメニューで、腹ペコモードの時はありがたい。浅草や銀座界隈のちょっと大人な、そしてお値段もお高い洋食屋とは全然違う。街の洋食屋であり、隣に〇〇軒みたいな町中華が並んでありそうな、私鉄駅前徒歩3分みたいな立地にありそうお店だ。
オムライスもうまいのだが、最近は黒カレーと合わせたあいもりを頼むことが多い。フライをセットにすることもできるが、それはちょっとカロリーが高すぎると自粛モードだ。
この店のオリジナルはオリエンタルライスという、ガツンとくるニンニク味の焼肉がのっかテイルライスメニューで、それにカレーを追加する。気分的には、カツカレーに近い。神保町の黒カレーの老舗が閉店したので、黒カレーを食べるには難度が高くなっているのだが、ここに来れば安心の定番メニューがお出迎えしてくれる。

昼時には近隣の会社員が押し寄せる人気店なので、昼のピークをずらしていくようにしているのだが、それでも店内はほぼ満席だ。いつ行っても店頭に自転車が置いてあるのが何やら池袋らしくない。店のちょっと先の交差点を渡れば西武百貨店という超繁華街立地なのだが……。まあ、この辺りが池袋らしいということかもしれない。

コロナの間は行っていなかったので、おそらく2年ぶりくらいになると思うが、相変わらずの「満足度高いランチ」だった。ご飯大盛りのサービスはあるが、できれば小盛り対応も検討してもらえないかなあと思うのは、この店に適合する胃袋を持たなくなったため。ちょっと寂しい。
具沢山の豚汁がセットになっていることもあり、感覚的には2食分食べた気になる。その満腹感は、超がつくほどでお値段と考え合わせると、コスパ最高ということだ。問題は、黒カレーを食べながらオムライスが食べたくなったり、追加でチキン南蛮も注文したくなる「多彩で魅力的なメニュー」なのだ。おそらく週に2–3回来店するヘビーローテーションをしなければ、達成できないのだなあ。
次行くときは、何にしよう。

街を歩く

外食DX考察 ガスト

ありがたいことに、いくつものファミレスや居酒屋チェーン店が自宅から徒歩圏にある。便利な割にあまり行かないのは、いつでも行けるという安心感が逆に働いているせいだろうか。コロナ感染の2年間、ほとんどファミレスに行っていないのは、感染対策ができていないなどというネガティブな発想からではない。こと感染対策に関して言えば、いい加減な政府の指示より数段上の対応をしていると思っている。単純に外出の機会が減り、車を運転しなくなり、といった要因からだ。
ただ、頻繁にテイクアウトで買ってきて食べるというほど、ファミレスを含めた外食各社の対応、商品を評価していないというのも確かだ。個人的には、外食各社のテイクアウト対応は「ひどいレベル」の一言に尽きると思っている。普通に調理した商品をそのままプラスチック容器に入れて、テイクアウト商品ですと提供しているだけだ。これでは、商売を舐めていると言いたくなる。

そういう一般論はさておき、ファミレス業界最大手の一角を占める「ガスト」は、アフターコロナを見据えた業務改革が進んでいるように見える。DXという視点で言えば、ガスト(すかいらーくグループ)が業界内で最も先進的ではないかと思う。
アフターコロナの対応として、店舗運営のDXを薦めるポイントは三つだろう。一つ目は「非接触」の推進。二つ目は「省人化」。三つ目が「キャッシュレス」。そして、事業領域の複層化として「テイクアウト専業」が目標になる。
レストランで重要な要素「コミュニケーション」については、別に論じるべきだろう。この話を蒸し返すと永遠の哲学議論になりそうな気がする。
まずDX第一歩として「注文」の部分をタブレット化することは、ガストが先行している。他のファミレスではまだ導入されていない。従来型の紙メニューブック、従業員が注文を取る方式が全盛だ。タブレット導入で先行した居酒屋、回転寿司も、タブレットの仕組みについては何度も改善を繰り返している。
人が注文を取る仕組みでは、「人」が吸収していた目に見えない問題が、タブレット注文では露骨に現れる。システム改修が数段階で繰り返される。システム改善は必然に発生する作業なのだが、それには時間も金もかかる。そして、改善に取り掛かるには店舗内での検証と試行錯誤が欠かせない。
その点で、ファミレス業界では検証作業が進められているのがガストだけとなる。他のファミレスはこのままで大丈夫か? と聴きたくなるくらいだ。

ただ、ガストも紙メニューの完全撤廃には至っていない。やはりメニューの一覧性であったり、うまそうな写真が与えるイメージやインパクトなどタブレットの弱点解消もまだ検証途上ということだろう。紙製のメニューを見ると、「ハンバーガー」推しで行こうと考えていることはわかる。ただ、この一覧性を生かしたメッセージ発信がタブレットでは難しい部分だ。

非接触・省人化を合わせた解決策が配膳ロボットの導入で、これもガストが先行している。ただ、テーブルに置かれている、この「ロボットの説明書」はもう少しなんとかならないものだろうか。まさに実験段階の「やっつけ作業」的説明書でしかない。ダメな家電製品マニュアルに似ているな、と笑ってしまった。日本語は間違っていないようなので、外国企業に外注して作業をしているということもなさそうだ。

たまたま注文した朝食は人間が持ってきてくれた。卵とトーストの朝食としては、ガストが一番低価格だと思う。オプションでソーセージとベーコンをつけることもできるが、このシンプルな朝食が望ましい。郊外型喫茶店と比べても十分戦闘力がある。ただ、問題は開店時間が9時というところで、朝食帯としては遅すぎという懸念がある。9時から朝食というのは、週末ならブランチとしてアリになるが、平日だとサラリーマンの朝飯としては無理がある。9時から朝食を取るというのは、ちょっと変わった職種の習慣のような気がする。

アフターコロナの感染症対策で、政府のいい加減で科学的ではない指導を、どう実現させるかは難しい課題だ。(笑)
ところが、その非科学的対応をしなければ補助金がもらえない。 だから、今のレストランでは混乱が起きている。政府の指示より、もっと顧客を安心させる科学的な検証を経た対策を各社が望んでいるのも確かだろう。しかし、多額の設備投資が必要な強制換気の改善には及び腰な企業も多い。
その点、ガスト(すかいらーく)は店の入り口の一番目立つところに「換気」の話を取り上げている。マスク会食よりも換気というのが、大事なポイントだろう。ここに黙食とかけないのが、ファミレスの辛いところだ。一人飯はファストフードではありにしても、ファミレスでは推奨しずらい。

アフターコロナというか、コロナ拡大中の客数対策として始まった「客席のオフィス化」がこの先どう進展するのか楽しみだが、少なくとも電源確保と無料Wi-Fi整備は、業界大手ガストとマクドナルドが断然先行している。
レストランといいう空間が、食事をするだけではなく多目的に使用される時代が本当に来るのか、それがテイクアウトの事業化と合わせてこの一年の課題だと思うのだが、そこはまだ混沌としているようだ。
ただ、こと朝食時間帯に関して考えると、ガストが一番使い勝手が良さそうに感じる。朝食のうまい不味いではなく、店内の明るさ、BGM、電源、Wi-Fiなど環境が仕事向きだからだ。レストランを選ぶ要素が、アフターコロナでは「食もの一択」ではなく「すごしやすさと環境整備」に複雑化するという見本ではないだろうか。
ちなみに、コーヒーだけで言えばデニーズが好みだが、仕事をするならガストの窓際席、のんびり本を読む考え事をするのであればロイヤルホストの奥の席、みたいな使い分けもできる。 
意外と使いにくいのが郊外型喫茶店で、テーブルの広さや店内の明るさなど、喫茶店らしい落ち着きのある空間が、仕事・作業をするのには向いていない。
DXで先行しているガストの実験がいつ検証されるか、業界としては見ていく必要があるだろう。    

小売外食業の理論

外食DX考察 びっくりドンキー

以前も書いたような気がするが、びっくりドンキーは3号店から使い続けている。札幌の住宅地にあった店をよく使っていた。当時は、ちょっと気張って食事をするときに行っていたような記憶がある。合い挽き肉のハンバーグが好みだったので、牛肉100%の店は選ばなかったことも理由だ。今でも、ここのハンバーグを食べることに安心感がある。一種のソウルフード的なものだ。毎月とは言わないが、年に数回は無性に食べたくなる。
そのちょっと気張ったディナー用レストラン(自分の中では)が朝食を始めたと言うので、ノコノコ出かけたのが半年前くらいだった。当たり前だが、朝飯でハンバーグが出ると言うので感動したものだ。そして、今回は普通の朝食を試してみようと開店と同時にお店に飛び込んだ。朝8時からどんな客が来るのだろうと、入り口近くの席に座っていたのだが、予想以上に来店者が多い。それも、中年男性一人ばかりで、注文するのはほぼ全員がハンバーグだった。これはすごいことだなと感心してしまった。朝からハンバーグを頼める胃袋もすごいが、おそらく牛丼を食べるのと同じ感覚なのだろうと推測した。納豆卵焼き定食より、肉が食いたいと言うことだ。仕事がはじまる前であろう8時台にガツンと飯をかき込む客ということか。

朝食は全くの別メニューなので、いつもの「木の扉」のような大きなメニュー板は持ってこない。朝食のラインナップは大きく分けるとハンバーグ定食(笑)と、卵かけご飯と、トースト茹で卵セットになる。価格帯として他の総合ファミレスより低めで郊外型喫茶店のモーニングセットに近い。
別メニューだけのためにタブレット端末を導入することもないだろうから、「紙メニュー」を使っている。このブランドに関しては、「木の扉」メニューが看板(ブランドアイコン)みたいなものだから、余計にタブレット化が難しいことは予想できる。デジタル能力がないのではないことは、新宿にある新業態でタブレット導入をしているので理解している。
なぜか茹で卵がやたら熱いので、注文毎に茹でているのかもと思ったが、半熟ではなく完熟だった。茹でたままウォーマーで保管しているのかもしれない。まあ、普通においしい朝食で値段に見合った標準品だろう。サラダは100円で追加できるオプションだった。

他のファミレスとは違い、朝の仕事場にしている客はゼロだった。後から来た客もほぼ全員、秒速に近い速さで平らげてさっさと店を出て行った。これも牛丼朝食に近い行動だろう。やはり客層が違うのだなと改めて思った。
朝食後にパソコン仕事をしようとすると電源がある席を探さなければならない。無料wifiは設置されている。ただ、店内が暗めなので窓際の明るい席が望ましい。などなど多少制限事項もある。仕事の場所として考えるならガストやデニーズの方が良さそうだ。ただ、個別ブース式の席が多いので、密閉感というか分離感が重要であれば、この店を選ぶ者もいるだろう。

DXと共に考えられる、店内空間の切り売りというか使用用途の転換に関しては、まだ中途半端な段階のようだ。ひょっとすると本社が札幌にあるというハンディなのかもしれない。東京と地方の拠点都市(札幌や仙台や福岡などの大都市)では、明らかにテレワークの比率が違う。マネージメントの差もあるだろうが、人と人の距離の違いが大きい気がする。
単純に言えば通勤時の密着度が東京は異常であり、電車に乗るとコロナ感染の恐怖が実在するレベルだ。地方大都市では車通勤者の数も多い。それ以上に電車内での距離が明らかに東京とは違う。肌感覚の危機感、恐怖感の差が存在するだろう。
本社のある札幌でテレワーク普及が低調であれば、自社も含みファミレスのテレワーク利用者も少ないはずで、当たり前のように全国店舗への対応は遅くなる。そんな部分が現れているようだ。いろいろな意味でこのブランドの店内DXは進んでいないように見える。

コロナ対策で個別ブースの隙間をシートで塞いだ緊急対応は理解できる。ただ、もはや2年も経ったにもかかわらず、ガムテープ貼のままというのはあまりにも杜撰というかのんびりしてはいないか。
おそらく、コロナは半年程度で終わるから臨時対応で十分と思っていたのだろう。それが2年以上も続き、本格的な設備対応が必要になったのだが、それができていない。これは店舗の運営力問題ではなく、本社の管理能力不足、現場認識の低さと言われても仕方なさそうだ。
ただ、この中途半端な臨時対応というのは、このブランドだけではなく大多数の大手チェーンでも放置されたままのことが多い。傷跡が深いというべきか、外食企業のマネージメント能力が低すぎるというべきか。
どちらにしても見識と戦略のないチェーンは、アフターコロナで失速、退場していくことになる。ドンキーのハンバーグがなくならないことを心の底から願っている。