
太平洋を北上し苫小牧から北海道上空に入ると、そこには幾何学模様に彩られた北の畑がくっきりと現れる。この規則正しく区画された農地は北海道以外ではほとんど見かけることはない。極めて人工的な農地であることがわかる。日本的な田園風景は低い山の間に隙間を埋めるように農地を連ねているため、微妙な高低差もあルカら、棚田のような等高線に合わせてクネクネとした文様がが現れる。決して直線で区切られた幾何学的な模様は出来上がらない。凹凸の激しい不規則な形状が常だ。
米国北部を旅した時、これと似たような光景を目にしたが、さすがに大陸の農地の規模ははるかに大きい。北海道でもその規模には全く敵わない巨大さであり、地平線までほとんど凹凸のない平原が広がっている。その大平原が円と四角の模様で覆いつくされている。地元の知人に尋ねてみると、円形に見えるものはコーン畑のスプリンクラーが描く畑の形状とのこと。長さ100mを超えるスプリンクラーが時計の針のように円を描いて移動して給水するから、畑の形状が丸くなると聞いた。流石に北海道でも円形給水式のコーン畑は見当たらない。ちなみに数十年にわたって地下水を吸い上げコーン畑に給水した結果、大規模な地盤沈下が起き問題になっているらしい。地盤沈下を起こすほどの巨大農業とはねえ。
最近は千歳空港に降りて行くたびにこの畑の様子を見ているが、季節により緑が多かったり、茶色が多かったりするので、見飽きることはない。北海道上陸のルーティンみたいなものだ。

もう一つの北海道ルーティンが、とりあえず札幌に着いたら「串鳥」に行って焼き鳥を食べるというものだ。世の中には美味い焼き鳥屋はたくさんあるし、大衆価格の店も多い。チェーン店化したブランドもいくつかある。ただ、北海道的な焼き鳥屋として意識の裏側に刷り込まれてしまっている「串鳥」は、まるでお帰りなさいと言われるような安心感がある。焼き鳥をひと串ずつ注文できるのもありがたい。昔からよく行っている老舗焼き鳥屋は、一皿4串での注文なのでソロ飲みには使い勝手が悪いせいもある。なので、まずは串鳥となってしまう。ちなみに、翌日は寿司屋に行くというのも串鳥とセットの裏ルーティンだ。
席に着いたら好みの串を3-4本頼み、コップ酒を二杯も飲めばルーティン的には終了だ。所要時間は30分程度だろうか。

サイドアイテムで鶏皮ポン酢というメニューがあるが、これはよく品切れしている。開店早々に行ってもないことが多いので、おそらくセントラルキッチンで製造していない日があるのだろうなと推測している。あるいは鶏皮の在庫が貯まるまでは作っていないのかもしれない。
だから、鶏皮ポン酢の注文が通ると、今日は何かいいことがありそうな気がするラッキーアイテムだ。(個人的な感想です、誰にでもご利益があるとは限りません)
全国あちこち旅をしたが、その場所に行った時のルーティンがある街は少ない。いや、そんなものがある方が少数派だろうし。