街を歩く

円山散歩 続き

ぶらぶら歩いていたら面白いものを発見した。円山温泉という「元・銭湯」らしき施設だ。マンション群の中にポツリと広めの駐車場がある。沸かし湯の温泉だろう。今ではすっかり見当たらなくなった札幌の銭湯だが、なぜかこの高級住宅地で温泉として生き残っているらしい。

銭湯がなくなって久しいが、当時は友人が銭湯の後継だったのでたまにその銭湯に行っていた。肉体労働のアルバイトをした後ですすきのに飲みにく時には、すすきのそばにも何軒か銭湯があり、そこで一風呂使ってから飲みに出かけた。当時の銭湯はお風呂セット(洗面器と石鹸・シャンプー・タオルなど)を預けておくこともできた。ボトルキープならぬ、シャンプーキープだ。

銭湯の湯沸かしに使う薪・廃材を運ぶアルバイトをしたこともある。今では都心部のスーパーはすっかり消滅してしまい、郊外に大型のスーパー銭湯が残のみのようだ。となると、この円山の温泉銭湯はレトロ的な意味合いよりも、リソート的意味合いがあるのかもしれないなあ。営業していれば入ってみたかったのだが。

昔住んでいた頃はここに銭湯があったのだろうか。まったく記憶にない。残念ながらこの周りに当時のまま残っている建物はなく、ランドマーク自体が消失しているのだ。それくらい円山地区は様変わりしている。当時は自転車であちこち移動していたから、その日の気分でせまい小路などにも入り込んでいた。街の隅々までとは言わないが、かなり奥まったところも知っていたのだが。今の街並みはすっかり変わってしまい、全く思い出せない。

後であれこれ調べていたら、有名なケーキ屋も無くなっていたし、その前を通る時はドキドキしていた「組」の事務所も消滅していた。そもそも住んでいたアパートは10階建のマンションに変わっていた。近くにあった寿司屋も、当たり前のように無くなっていたのだが、なぜかよく通っていた居酒屋がまだ続いているらしい。

これは一度行ってみなければと思ったが、よく考えると当時の店主の年を、自分はすでに超えているのだから、当然ながら店主はいないだろう。子供が後を継いだか、あるいは縁者が続けているはずだ。当時よく注文していたメニューなど全く覚えてはいない。なぜあれほど足繁く通ったのかも覚えていない。おまけに店内も何度か改装しているだろうから、店に入っても懐かしさなど感じなのではないか。いや、建物ごと建て替えている可能性が高い。となると、残っているのは店名だけということになる。それでも行ってみたい気はするのだ。

次円山散歩は「夜」の部、ということになるのだな。

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