
女子には圧倒的な人気がある韓国料理屋だが、男同士で行くことはまずあり得ないなと思う。特に高齢者集団ともなれば、その手の冒険的な店には手を出さないものだ。そもそも韓国料理と焼肉屋の違いをよく理解していないのも、男性の方が圧倒的に多いと思う。
思い立ち、某居酒屋チェーンがじわじわtお店数を増やしている、韓国料理居酒屋に行ってみることにした。この居酒屋チェーンはターゲットを絞り込んだコンセプトをいくつか作り、尖った店作りをしている。沈没寸前の居酒屋業態では注目に値する業態再生を行っていると注視している。
最初に手を染めた業態はいわゆるセンベロ、一千円でベロベロに酔える中高年男性向けの居酒屋だった。これは予想外に金のない若者を吸引することになり、店内には20代前半と50-60代男性が共存する不思議空間となった。親父の店のはずが、イエーと奇声を上げる若者集団も取り込んでいる。最近では女性の一人飲み需要も吸引している気配がある。
もう少し若者向けに絞ったのが、海鮮居酒屋の低価格版だが、こちらは流石に魚料理の低価格化がむずかしいようで、今では単純に安い居酒屋となっている。店舗数は増えていないから、これは再生?が必要な転換な業態候補だろう。
そして、中年女性グループに焦点を当てたのがこの韓国料理居酒屋と見ている。当然、メニューは女性に人気のあるラインナップになるはずだ。酒に関しても日本酒・ハードリカー系ではなく割りもの・カクテルもどきが中心にバリエーションが必要になるはずだ。

そんなことを考えながら入店した。最初に感じた違和感は、あれ?手羽先の水煮?と思ったが、どうやら同行者が注文したらしいメニューで、名はよくわからなかった。サンゲタンの親戚みたいなものだろうか。
韓国料理は自分が現地で経験した範疇で言うと、基本的に減塩食だ。日本人的な感覚では塩の量がほぼ半分という感じがする。
典型的なのが焼肉で、タレをつけて食べない。最近では日本でも当たり前になってきた、葉野菜で肉と辛い味噌を巻いてたべる。辛い味噌も塩味は控えめだ。韓国では無料で出てくる各種キムチも挟んで巻き巻きする。焼き肉と言いながら野菜とのコンボが原則というヘルシーさだ。日本的な焼き肉に近いものは、専用鉄板鍋の上でジュージュー焼けてますという感じのプルコギだが、これも肉は甘辛く味がつけてある。
日本にある一般的な焼肉店は、どうも日本独自に発展したいわゆる半島インスパイア料理らしい。そんなことをあれこれ考えながら、次々と焼肉屋では見かけない料理を平らげて行った。どれもしっかりとした味付けだから、韓国料理としては塩辛いのかもしれない。やはり日本アレンジなのだな。

スンドゥブももはやすっかり一般化したが、それでも辛くて酸っぱいスープは昨今の麻辣スープにつながるアジア系料理浸透の先兵だった。はずなのだが、これがあまり辛くない。個人的にはもう少し刺激の圧がかかっているほうがよいのだが。これも日本的なマイルド変化なのだろうか。

野菜を食べるならナムルがいいなと思い、それに合わせてマッコリも注文した。この酸っぱい酒は古代の日本酒に近いらしいと誰かに聞いた。本当だろうか。半島の人々はいつからこの酒を飲んでいたのだろうか。米づくりが始まる頃から飲んでいたのではないか。よく考えれば、米作りとともにマッコリがこの国に持ち込まれたはずだ。それがどぶろくとなり、清酒系の強い酒に変わっていったのか。
ただ、唐辛子のように日本から半島に持ち込まれた逆輸出型の食品・食文化もあるしなあ。まあ、米とマッコリがセットで輸入されたというのが自然だろう。
おっちゃん三人という、この店では異色のグループであれこれ注文して2時間ほどいたのだが、店内の雰囲気やメニュー構成を見るとやはりオヤジは基本的に排除の方向だろう。女性グループが入ってきたら、50歳過ぎのオヤジがワイワイ騒いでいてはすっかり興醒めだろうし。
もう一度行ってみたい気がするが、次回は女性同伴の方があれこれ勉強になりそうだ。半島の料理=唐辛子とニンニク。という認識はあまりないのだけれど、野菜の食べ方といいう意味で韓国料理は勉強になる。ただ、そうなると韓国人のオバちゃんが経営する小ぶりな店の方がもっと良さそうだなあ。大久保か上野に行くことになりそうだな。