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サイゼ飲み

ムール貝うまし

サイゼリヤは今や全国に1000店舗ほど展開しているナショナルブランドだが、元々は千葉市の片隅にある駅前でひっそりと店を展開していた。千葉の高校生には聖地として熱愛されているという噂を聞きつけ、千葉市郊外の店までわざわざいったことがある。確かに当時からコスパの良い店だったから、某大手ハンバーガー店よりも人気があるのは無理もないと思った。

それから数十年?がたち、当時のコスパの良さは今でも変わりがない。某ファミリーレストランチェーンの経年劣化ぶりを見れば、経営努力の賜物であり、勝ち組の要件とは何か思い知らされる。

今では腹ペコ高校生の聖地だけではなく、夜は熟年サラリーマンの居酒屋使いで大盛況、日中は高齢者の溜まり場となる人気ぶりだ。そのサイゼイヤをガッツリと居酒屋として堪能してみることにした。予算は一人3000円と、サイゼリヤとしては豪遊になる。

あちこちにあるチェーン居酒屋でこれほどのものを頼めば、おそらくひとり5000円くらいかかるのではないか。

写真にはないが、サラダや小皿料理も注文した。当初予定していた締めの肉料理までは到達できなかった。お腹が満杯になってしまったからだ。月に一回くらいならサイゼリヤ飲みもいいかもなあと思った。

ちょっと奮発してボトルワインを注文しても、お会計であわてることはない。今回の発見は普段注文したことのない野菜のピザが予想を超えてワインに合うこと。こんなことをしなければお試しすることもない。意外と頼んだことのないメニューがまだあることを再確認した。

来月もサイゼに行こうかな。

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すばらしくお気に入りの一杯

これぞ昭和の札幌ラーメン などと思っております

札幌ラーメンの原型はどこに行けば食べられるだろうか。薄野に本店のある宝龍か。大通りのビル内にある味の三平も味噌ラーメンの元祖として有名だが、醤油も札幌ラーメンの源流の一つだろう。

昭和中期開業でチェーン店化した店もあるが、大方の個人店は二代目が後を継ぐこともなく潰れている。ラーメン横丁にある店は、ほぼ代替わりしている。いや、それどころか店ごと変わってしまったところも多い。

そんな昭和ラーメン文化を残している店は郊外にはまだポツンポツンと存在している。最近流行りのつけ麺やまぜそばには見向きもせず、味噌・醤油・塩ラーメンの3点セットに餃子とチャーハンがあるくらいのシンプルなメニューで、トッピングのバリエーションも少ないというのが特徴だ。

北広島市の街はずれにあるスーパーにあるラーメン屋が最近おお気に入りだ。味噌ラーメンも美味いが、醤油ラーメンは昭和の原型に近いものが出てくるのが最大の強みだろう。ただ、この店の人気メニューはあんかけ焼きそばなので、醤油ラーメンを食べている人は見た感じでも少ない。

出てくるラーメンの表面は油で覆われているので、熱々が維持されている。スープの味は濃い。かと言って豚骨ラーメンのようなくどさがあるのではなく、鶏がらスープのシンプルなものとも違う。なんとも表現のし難い濃厚スープだ。醤油ラーメンなのにもやしが乗っているのがちょっとユニークだ。

客の大半はサラリーマンと思しきおっちゃんだ。そして近くにある大学の運動部系男子がちらほら。圧倒的に男向けの店で、スーパー内にあるのに買い物帰りの主婦的客は見当たらない。

昔ながらのストロングスタイルなラーメン屋なので、あれこれと浮気な注文はしない。その日の気分で味噌か醤油を選ぶだけ。追加は一切しない。これぞマイスタイルというものだ。某有名チェーン店のように全部乗せせなどメニューに存在しないのが良い。

ただ、この店に行くには公共交通機関はほとんど利用できない。大学行きの通学バスに便乗して、そこから歩くしかない。結構な交通難所なのだ。まあ、そこもまた良いのだけれどね。

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40年ぶりかもしれない立ち食いそば

札幌の交通の要衝といえば地下鉄大通駅になる。最近ではJR札幌駅も商業集積地として巨大化したが、現在は新幹線乗り入れ工事のためあちこちが閉店していていつ買いにくい。

大通駅はこまめなリニューアルが続く東西・南北の地下街が交差する場所でもあり、冬になっても賑やかな場所だ。その地下鉄駅に直結したビルに地下鉄開業時以来の立ち食い蕎麦屋がある。駅南北線改札口がいつも鰹出汁の匂いに包まれる原因の店だ。対喰いのカウンターは狭い。十人は並べない。学生時代にはたまにお世話になった伝統の店なのだが、正直言って美味いと思ったことはない。立ち食いそばに標準があるのかどうかは知らないが、その後の人生で延々と食べ続けた立ち食いそば体験からすると、まあまあの味なのだと思う。自分の立ち食いそばの原点と言っても良い。

札幌では立ち食いそばの伊勢はほとんどない。現存するのは、この店と札幌駅のホームにあるだけではないか。どこか郊外にはあるのかもしれないが、都心部にあった店はほぼ消滅した。きとゆな生き残りだ。その店の前を通りかかるたびに、今度は時間がある時に食べてみようよ思い続けて40年近く経った。このままでは思い続けているだけになると、意を決して「わざわざ」でかけて朝そばを食べることにした。たかが立ち食いそばを食べるのに一大決心をしたのだから笑ってしまう。

確かに、これは我立ち食い蕎麦の原点だろう

券売機で注文するそばを決める。メニューはシンプルで月見、かき揚げ、わかめと言ったとこで、お江戸の立ち食いそばのようにトッピングバリエーションがあるわけではない。サイドメニューもない。うどんと蕎麦は選べる。

定番のかき揚げそばを注文した。そば茹で麺なので柔らかく腰はない。つゆの見た目は濃いが、意外とあっさり系だった。昔の味はどうも記憶に残っていないのだが、おそらく変わっていないだろう。あたり一面に準マンしている出汁の匂いとは裏腹に、あっさりとしているのが不思議なくらいだ。お値段はお江戸と変わらない感じがするので、札幌としてはお高めなのかもしれない。

隣で食べていた20代後半から30代くらいのカップルが、ヨーロッパ系の観光客らしいのが驚きだった。おまけにそばを啜りながら食べるという本格派だった。日本文化の拡大とその地平線を見た思いがした。老舗の蕎麦屋で天ザルを食べている外国人観光客はよく見かける。小樽の名店でもタイミングによっては半分が外国人だったりした。しかし、大通りの地下鉄駅横でだぞ……………

時代が変わったのか、こちらが歳をとったのか。なんとも面妖な気分、というべきだろうか。40年ぶりの立ち食い蕎麦は異世界体験だった。

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すすきの2景

すすきのの北側を東西にに通るのが南3条通りで、通り沿いにズラと飲食店が並ぶ。札幌の旧中心街であった狸小路の裏通という感じで大衆価格の居酒屋が並んでいる。その代替わりで小洒落た喫茶店(カフェではない)や創作料理店が入れ替わり立ち替わり生まれては消える。新陳代謝の激しい通りだ。

バブルの時代に飲食雑居ビルができて、その屋上に観覧車が作られていた。なぜかバブルの頃は観覧車がブームになっていて、全湖国あちこちに建てられたものだ。横浜ベイエリアにも巨大観覧車が誕生した。お台場の観覧車は何時間も待つデートスポットになっていた。その名残のような、吉型観覧車がイアでも健在だ。そろそろ耐久限界になるのではと思ってよく眺めている(乗ったことはない)

この観覧車の解体工事は大変だろうなあ、などと思っているのだが。おそらく見ない3条通りはしばらく閉鎖されるのだろう。

すすきののランドマークといえば例のニッカウイスキーのおじさんだが、実は意外と小ぶりのビルなのだ。少し離れてみとよよくわかる。地下鉄すすきの駅から直結しているので、悪天候の日などは重宝するような気もするが、実はこのビルの中の店に行ったことはない。どんな店が入っているのかも知らない。

そもそも

2階より上に行ったことはないので、夕方の暇な時に階段を探して上がってみた。ビルの中は複雑な迷路のようになっっていた。スナックやバーが入ってるのはわかるが、何故か怪しげな飲食店もある。

ダンジョンという言葉が思い浮かぶが、すすきのの雑居ビルの内部は意外と整然としたレイアウトであることが多い。エレベーターを中心に置くタイプであればエレベーター回しに内側の区画があり、廊下を挟んで外側に区画がある。「ロ」の地型に店舗が配置されている、人工的な横丁スタイルが主流だ。

ダンジョン型のビルは大規模区各区が歴史的に何回か分割された結果生まれたものだろうと思うが、原設計が若rなあくなるほど回収が続き出来上がるものらしい。それだけ長い間現役のビルなのだ。しかし、耐震性などは大丈夫なのだろうか。記憶にある限り、このニッカ牛スキーのビルは存在しているから、すでに建設後60年以上経っているのではないか。

このビルが建て替えになるとすすきののランドマークはどうなってしまうのだろう。

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偏愛する鮨の話

現代の高級魚 イカとサバが絶対定番だ

誰にも好みの鮨ネタがあるだろう。それに優越をつけるつもりはない。ただ、全国どこに行ってもマグロ、中トロ。大トロなど人気があるのが不思議だ。生のマグロが水揚げされる産地であれば、それなりにマグロ礼賛があっても良いとは思う。

カツオのように太平洋沿岸では概ねどこでも釣れる回遊魚でさえ、いつの間にか高知が本場のように言われているが、水揚げ高だけでいえば高知は日本の中で少ない方に入る。圧倒的に多いのは福島、静岡、宮崎などで、これは南洋ものも含まれるせいだろう

そもそも高知県で上がった鰹をほとんど高知内で食べ切るほどカツオの消費量が多いこともあり、高知のカツオの本当の味を知っているものは、高知県外では少ないだろう。

マグロも同じことだと思うが、確かに仙台や青森で食する生のマグロはとても美味いし、お値段もこなれている。お江戸などの大都市で出回っているのは、南洋冷凍物が主流なので、どこで食べても味に大差はない。

大差がないから人気者になっているのかもしれないなとは思う。ただ、個人的には好みのネタはマグロではない。最近の若い世代でナンバーワン人気は断トツでサーモンなのだが、これも好みではない。

イカとサバ、どちらも近海物の大衆魚で間違いない安価なネタだ。これが好みなのだが、ここ数年、イカもサバも深刻な不良が続き、現在では大衆魚とはいえない高級ネタになってしまった。それが悲しい。

イカは日本海の不漁が続いているので、日本海沿岸の街でもイカは高すぎるくらい高い。冷凍物でもお高いので、寿司ネタとしては不適となってしまった。が、今年は以下が豊漁であったせいで値段はともかく、美味しいイカが楽しめる。

鯖は日本全国どこでも釣れるはずなのだが、自前でシメサバを仕込む鮨屋がなくなってしまったようだ。アニサキス問題もあり、工場加工済みの味気のないものが多い。経験的には、相当な高級店に行かない限り、自家製シメサバにはありつけない。

ところが、なぜか北海道のローカル回転寿司屋は自家製シメサバにこだわりを持っているので、サバ好きにはたまらない。酢で身が固まったようなシメサバしか食べたことのない方には、衝撃的な旨さだろう。

はなまるで最高のセットはこれだと思いますよ 見た目は今ひとつですけどね

そして、貝だけ5種という盛り合わせを選ぶ。この店は面白い5貫盛りセットメニューがいくつもあるのだが、この貝だけ5貫が大好物だ。北海道では定番の帆立とホッキ、それに鮑がいつも入っている。あと2種は日によって変わるようだ。色味は全体が白くてあまりビジュアル的ではないが、味だけでいえばお江戸では食べられないスーパーなセットだと思って。

これで合わせて9貫になる。腹の余裕はほぼなくなる。せいぜい巻物一巻程度。となると追加するのは鉄火巻きではなく新香巻きになる。北海道の新香巻きは奈良漬が使われる。なぜ奈良漬けなのかはわからないが、お江戸で食べる新香巻きとは全然違う。

鮨屋で振る舞われる松竹梅などのセットを注文することはほとんどない。あれは人気者のマグロを主役に立てたオールスターみたいなものだが、そもそもマグロやサーモンという座長クラスの人気者が贔屓ではないのだ。イカとかサバと言う、名もない三流役者(笑)こそが贔屓なのだから仕方がない。おまけに、貝の一族など鮨屋業界ではお囃子程度の人気ぶりだろう。

それを偏愛しているのだから、観客としても相当ににねくれている自覚はある。だが、鮨屋では食べたいものだけ食べるのが正しいお作法なのだ。(独り言です)

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オフ・すすきののぶらり歩きで その2

なかなか最近は見かけなくなった「赤一色」の中華料理屋を見つけた。店名はあまりにもベタなので逆に驚いた。ただ、店頭に書かれているメニュー名というか品書をみると、これはけっこうなガチ系の店のようにも思える。

開けっ放しのドアから中を覗いてみたが、客は一人もいない。昼に店の前をとおっても営業していないので、どうやら深夜帯に向けた店のようなのだ。

最近では町中華でもすっかり消滅したかのような「ワンタンメン」 ………雲呑麺と書いてあるのが気になる。他のメニューも難読漢字系であり、ちょっと期待が高まる。

この時はすでに夕飯を食べていたので通り過ぎただけなのだが、実に魅惑的なファサードだ。お江戸のあちらこちらにある大陸系ガチ中華の店が増殖しているが、そこと似たような雰囲気がある。お江戸のガチ中華は看板を見るとだいたいわかる。現代日本人が読めない漢字がたっぷりと使われているからだ。あれは、大陸系漢字を使用することで日本人の入店をやんわりと断っていると思うのだが。中に入ったら日本語メニューが置いてなかったりすると嫌なので、一度も入ったことがない。読めない漢字のメニューは、解説付きでないと注文できないと思うからだ。

この店は、店頭の漢字メニューを見る限り日本語漢字だから、注文に困ることはないだろう。

怪しい雰囲気がするのは気のせいか。赤一色の店舗は、いつぞや台湾で見た怪しい飲み屋を思い出させる。

やなり、オフ・すすきのは面白いのだ。

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すすきのですし

ざぎんでしーすー、という芸能界のテクニカルタームはすっかり有名になっているが、それをもじれば「のきすすでしーすー」とてもいうのだろうか。これは一度北野武先生に聞いてみたいものだ。

かの有名な時計台の隣にあるビルの一階に外国人観光客が押し寄せる鮨屋がある。根室発の人気鮨屋だ。職人が握るスタイルで価格は大衆的なのが人気の原因だろう。品質が高いので、昼夜とも待ち客が多い。

その支店が薄野のホテルビルにできたのは知っていたが、もっと混雑しているだろうと敬遠していた。ところが、知人に聞いてみると意外と混み合うことはないようだ。時間があるので開店直後に行ってみたら、なんと行列なしですぐに入れた。拍子抜けしたが、もしいつもこういう状態であれば、これは穴場と言える。昼時はもう少し並んでいるのかもしれないが、夜のソロ活動には十分だ。

カウンターに座りメニューを眺めていると、「ニシンのなめろう」というものがある。これは千葉名物の「なめろう」北海道版ということか。

最近では物流が良くなったせいだろうが、ニシンが刺身、鮨、生食で登場するようになったので、いつかは出てくるかなと思っていたが。早速お試し、チャレンジしてみた。

あじのなめろうよちはさっぱりとしている。ニシンは脂が乗っている魚だが、こうしてミンチにして味付けすると、あじのような強い主張をしてこない。巻いて食べる焼き海苔の方がよほど主張が強い。なんとなく差別感を持っていたニシンだが、こうして食べるともっとアレンジの幅が広がるような気がしてきた。まあ、自宅でやるには、あのウロコ処理が面倒だが。

酒は地元根室の地酒が一推しとなっている。隣町の釧路の酒が二番推しで、他には道内各地の日本酒が数種程度。鮨屋の割に日本酒ラインナップは控えめだ。まあ、日本酒を飲みにきたわけではないので、その辺りはあまりうるさいことを言うべきではないだろう。

夏であればサッポロクラシックでスッキリと行くのもありだが、気温が下がれば冷たい日本酒が良い。片口で出てくる日本酒は見た目からして美しいが、ちびちびと冷酒を飲みながら注文した料理を待つ、それが鮨屋の楽しみ方であり、一人飲みの快感だろう。個人的にはお任せコースというのがあまり好きではない。鮨懐石的なあれこれ出てくるよりも、好きなものをきちんと食べたいと思う。よくテレビなどで蘊蓄を垂れる自称・鮨ソムリエみたいなのがいるが、バランスや順番など関係ない。基本的にわがままなのだが。

この店は、その「なんちゃらお任せコース」みたいなものは存在しない大衆店?なので、実に安心していられる。

小樽まで鮨を食べに行くのもすっかり億劫になっているから、札幌で美味しい鮨が食べられる店を探しておくのは重要なQOL.食のライフラインの一つだ。

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オフ・すすきのの風景

すすきのという北日本一番の盛り場、夜の繁華街は南北が南4条から南8条までの400m、東西は西1丁目から西6丁目までの600mの範囲に飲食店、風俗店、その他諸々の怪しい店が広がる。おおむね10階建てくらいの雑居ビルが立ち並び、その中に広がるディープな空間だが、今でも昭和中期に建てられたであろう木造モルタル二階建ての飲み屋長屋みたいなものも残っている。この手の古い建物は地上げでもめるたびに火事で消失するという不思議な現象が起きるが、最近は薄野の火事ニュースはきかなくなった気がする。(ガールズバーの放火事件はあったか)

その大繁華街すすきのの周辺、特に北側に小ぶりな飲食店がたくさんある。南3条通り沿いはとても多い。自分ではこのあたりをオフ・すすきのと呼んでいるのだがすすきの野の真ん中で飲むよりもオフ・すすきので飲むことがずっと多い。学生時代から変わらない個人的な伝統であり習性だ。

最近、またオフ・すすきのに変わった店が増えているので、ちょくちょく夜の散歩に出掛けては次に行く店を物色している。

その第一候補がこちらだ。札幌では時々ずば抜けた不可思議な店名をつける天才がいる。札幌のライブハウス「神経質なニワトリ」という伝説的な店があった。この店名は実にユニークだと思ったが、札幌のサブカルチャーを支える店は、みんなそんな感じの店名だった。

ここからメジャーデビューした著名なバンドもあるが、地元限定のバンドにとってはまさに聖地だった。略称で呼ばれることもなく、誰もが店名をしっかりと言っていたのも、崇敬の念の表れだろうか。

すすきの界隈にはカタカナの小洒落た名前の店が多い、英語圏の名称が多いが、フランスやドイツ系のものもある。共闘ある方が店名を考えているのだろう。が、たまにこういうドキッとする店も出現する。

九州であれば恐れ多くて店名にできないような著名人のもじりだが、最南端の町のヒーローでありけして冷やかすようなものではないのだろう。ただ、北の住人にとっては。単純に九州を思い起こさせる力が、この人似なるから……………という程度の理由しかいなかった、至極単純な思いつきに思える。薩摩人からすると噴飯物だろう。薩摩人がほとんどいない北の街だから成立するとも思える。

ただ、いざこの看板を眺めてみると、なかなか飲んだくれの店にはピッタリとくる気もするが、新宿あたりでこの店名があると、ちょっと揉めそうな気もする。

おまけに、北海道であれば九州料理と言ってもなんとなく通用するが、実際には九州料理などというものは存在していないと思われる。博多名物とか熊本の伝統料理とか、宮崎の地鶏炭火焼きとか、各地の美味いもの総称として「九州料理」は存在しない。対外的にはオーール九州として対抗意識を燃やす九州の人々もが、九州域内ではそれぞれ独立文化を主張する。弥生時代より続く日本最古の郷土文化を誇る土地柄だ。

一度この店に入って、九州料理とはどんなものか試してみたいと思うのだが、宮崎地鶏と博多水炊きが混在している怪しい気配がする。熊本の馬刺しと大分のとり天がセットで出てきそうだし、長崎のちゃんぽんが締めの麺扱いにされていたら興醒めだなあ。

ビルの中に入ると分かりにくいが、路面店であればこその面白看板探索だ。オフ・すすきの散歩は本当に面白い。

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薄野の入り口にある立ち飲み

前からずっと気になっていた立ち飲み屋にようやく行ってきた。中は予想外に整然としていて、立ち飲み屋というよりはスタンディングバーとでも言えば良さそうだ。日本酒と酒のラインナップが豊富で、これはあと何度か行ってみたいと思わせる、良い店の気配がした。

てんとうののれんは秋バージョンらしくスポーツ選手バージョンに変わっていた。やはりこのヘンテコな暖簾は夜に見た方が「らしい」感じがする。

残念ながら店内は薄暗いので、細かい字で書かれてある日替わりメニューは読みにくい。壁にかかっているメニューで注文しようとしたら、そのめにゅーは「ないもの」が多いので……………とやんわり訂正されてしまった。よくよく品書を見てみると、なんと食べ物とは思えないものがある。ジョークのつもりだろうか。腹は立たないが、立ち飲み居酒屋のしきたりを裏切るおちょくり方ではあるなあ、と感心した。まあ、そんなことで怒るような客がいないだろうが。

より会えず初見ということで焼酎を一杯ロックで飲み、とハムカツを食べて退散した。会計は現金のみなので事前に財布の高みを確認しなければならない。

1時間限定の飲み放題セットがあるらしいが、立ち飲みだから1時間あれば十分だろう。それ以上飲めば立っていられなくなる。

今回は新規開拓を頑張ったなあ。

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すすきので朝ラー

わざわざ札幌醤油ラーメンと書いてあるが、確かに山岡家の標準ラーメンとはちょっと異なる

北海道から帰ってくる最終日は、朝ラーにすることが多くなった。理由は簡単で、まず札幌の街に早朝営業の立ち喰い蕎麦屋がない。朝飯を軽く済ませるにはマクドナルドか牛丼屋しかない。モーニング営業をする喫茶店は都心部では壊滅しているせいもある。

すすきのには24時間営業のラーメン屋があり、そこは朝ラーではなくオールで飲んだ後の締めラーメンを求める若者で溢れている。その中に混じって一人朝ラーを楽しむ。

ちなみに千歳空港のラーメン店はコロナの頃、客がいなくて暇そうだったが、あの頃が一番品質が安定していた。今では、どの店も混雑し過ぎているし、味が……………とてつもなく暴れている。もう、空港でラーメンを食べる気にはならない。なのですすきので朝ラーをするのは、朝昼兼用ということになる。

山岡家の新業態、味噌ラーメン専門店が比較的空いている。おまけに味噌ラーメンの店だが醤油ラーメンをやっているので、サラーにはなんの問題もない。

札幌の味噌ラーメンと言っているが、いわゆる「サッポロ味噌味」とは異なる、進化系ラーメンだ。現代的な嗜好に合わせてより濃厚で、より味噌味が強くなっている。スープが濃い味になっているためか麺も太い。

これはこれで美味い。文句をつけるつもりもない。ひよによっては朝ラー向きでないというかもしれないが、そこは個人の好き嫌いの範疇だろう。

空いている店内でのんびりと食べていたら女性客が一人入ってきた。ラーメン屋で女性客は珍しくないが、一人はあまり見かけない。ぼうっと眺めていると激辛を大盛りで注文したようだ。なんとなく圧倒された。性別で差別するつもりはないが、大盛り激辛の注文で連想するのは巨漢タイプの大食い男性だったからだ。それも朝からというのが凄すぎる気がした。

あとで気になってラーメン大食いの動画を検索してみたら、驚くほどスリムな若い女性の動画が多い。現代的なダイバーシファイという言葉は、こういう場面でこそふさわしいのだろうなあと、変な感心をしてしまった。

朝ラーで現代社会の実態を知る。貴重な経験だ。