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食べ物レポート

濃厚な美味さの北海道スイーツ

昔、まだ会社で働いていた頃、お菓子の研究に北海道出張を申請したら、上司にバカにされた。なぜ北海道だと聞かれて、答える気にもならず適当な言い訳をした。どうやら洋菓子といえばおフランスという短絡的思考回路らしく、フランスで修行したパティシエは東京にしかいないと思い込んでいた節がある。日本の洋菓子の集積地として確かに東京は大きい市場だが、洋菓子は明治以降の開港地から広まったため、全国の港町など名人が多くいた。
そして、洋菓子の原材料である牛乳、バター、生クリーム、砂糖などは北海道が主産地で、当然ながら北海道には良い原材料をふんだんに使った菓子製造の拠点が出来上がっている。特に十勝は小豆と砂糖が揃っているので和菓子の拠点にもなっている。というようなことを外食産業で働いている人間にわざわざ説明しなければわからないのかと思うと、あまりに面倒くさく、とてつもなく馬鹿らしくなり、内心では自分で勉強しなさいよと思いながら適当に誤魔化した。会社組織で知識の共有は必要だが、それも人間関係によるのだ。

その十勝帯広から生まれた六花亭の隠れた名品が、このクレームブリュレだと思う。お値段160円だが、価格が3倍でも支払うべき傑作スイーツだ。買ってから時間が経ってしまい、トップに乗っているキャラメラーゼしたカリカリの砂糖が溶けてしまったので見栄えが減じている。お店で販売しているものは、表面がガラス状に輝いていて美しい。クレームブリュレは、乱暴な言い方をすれば濃厚味の生クリームプリンだ。東京の洋菓子店でもほとんど見かけないのは、原材料費が高くなりすぎること、つまり牛乳がわりにタップリと生クリームを使うのがうまさの秘訣だからだろう。おまけに、表面で焼き上げてキャラメラーゼした砂糖のパリパリとした食感が、旨さの秘訣になるが、時間がったつと溶けてしまうという致命的な欠点があるからだ。テイクアウト向きの商品ではないし、時間経過に弱いという特性のせいだ。その難物スイーツ、クレームブリュレがプリンと同じ価格で売られている。六花亭はマルセイバターサンドというキラーコンテンツを持つ製菓屋さんだが、和洋合わせた広いラインナップで北海道スイーツメーカーのトップ集団に入っている。

残念なことに買ってきて半日もしないうちに表面がこういう状態になってしまう。おいしくいただく賞味期間は、買ってから1時間くらいではないか。それでも、砂糖が溶けた状態であれ中の味は変わりがない。濃厚で、ねっとりとした舌触りさえあるプリンのようなもの、としか言いようがないがプリンとは旨味が違う。そもそも都内の大半の菓子屋でプリンと言って売られているものは、全てとは言わないが大部分が水羊羹的というか寒天っぽいというか、ゼラチンの使い方が下手すぎる。
プリンでそのレベルなのだから、クレーム・ド・ブリュレなど、そもそも販売しないのも無理はない。北海道といえば海産物とラーメンの話しか出てこないのだが、実は菓子は相当レベルが高いので、北海道旅行を考える方は是非スイーツツアーを検討して欲しいものだ。

個人的にはこの六花亭を筆頭に、柳月の三方六、千秋庵の山親父、ロイズの生チョコ各種あたりが初心者コースで、上級者になると札幌のロマン亭、ショコラティエマサール、ステラマリス、パイクイーンなどをめぐって欲しい。旭川の壺屋、帯広のクランベリーもわざわざ行く価値のあるお店だ。日本全国、地域ごとに有名な菓子店は存在する。東京でもカタカナ書きの有名店は数多くある。ただ、地元の食材、国産の食材を使うという点でいけば北海道に対抗できる場所はないだろうと思うので、是非お試しいただきたい。決して地元愛に溢れた発言ではないので、そこはご理解賜りたい。(エヘンエヘン)

ちなみに全国47都道府県全制覇している過剰旅行者としては、沖縄のジミーズのホールケーキ、広島のバッケン・モーツアルトのザッハトルテ、太宰府の梅ヶ枝餅、小樽の館ブランシェのショートケーキなど愛してやまない名店は全国あちこちにありますよ。

食べ物レポート, 旅をする

羽田空港のメルセデス・カフェ

虎ノ門にあった港屋が突然閉店してから何年たっただろう。その後、都内某所に支店が開いたとネットニュースで見たが、ついつい行きそびれていた。たまに港屋インスパイア系のラー油蕎麦屋でお茶を濁していた。その港屋が最近、羽田空港に開店したというニュースを見て、これは是非行かなければと思いつつ3ヶ月ほど経ってしまった。ようやく空の旅ができるようになり、いつもより1時間ほど早く羽田空港に向かった。

羽田空港の全日空側の地下から搭乗口に上がるエスカレーターの奥にある、メルセデスベンツのPRスペースの一角に港屋ラウンジがある。どう見てもカフェだ。洒落た空間だ。エスプレッソとかなんちゃらラテが似合う店だ。確かに港屋も立ち食いそばながらエレガントな空間だったが、さすがにここまでカフェぶりにはしていなかったような気がする。

店頭に出されたメニューを見ると、一番上にあるのが「冷たい肉そば」だった。これを見て初めて蕎麦屋だとわかる。蕎麦以外にはカツカレーもある。ドリンクはコーヒ−100円、生ビール500円というこれまた微妙な値段で、どうやらここはカフェではないぞという気がしてくる。しかし、港屋の蕎麦は普通の蕎麦ではなくラー油蕎麦で・・・みたいな説明が一切ない。港屋のそばとは何であるかを理解している客以外を無視しているとも思える。ただ、初めて食べる港屋のそばに感激する人は多いと思うのであまり心配はない。

入り口のカウンターで注文すると呼び出し器を手渡され、席で待つセルフ方式だった。客席はコロナ対策がされていて席間の間隔も広いゆったりモードだ。しかし、どう見てもこの空間はスタバ的なカフェなのになあ。などと考えながら100円のコーヒーを飲みつつ待つこと数分で呼び出された。

久しぶりの肉そばだった。記憶にあった味を思い出しながら、もぐもぐと食べ始める。ラー油蕎麦は麺が太めで硬いのが特徴だから、するっとではなくモグモグになる。それでも、思っていたより麺が細かった。記憶とはかなりいい加減なものだから、太いと思い込んでいただけかもしれない。ラー油入りのツユももっとしょっぱいような記憶だったのだが、甘さが思いのほか強いという印象がした。どうやらインスパイア系の味に記憶が改竄されてしまったらしい。
この甘めのツユがやはりうまい。またツユの量がたっぷりあるのが嬉しい。つけ麺も含めてツユの量が少ない店が多いので、このタップリ感にありがたみが出る。卵も生卵ではなく温泉卵だった。これはやはり最近の衛生事情の影響だろうか。
ちょっと多いかなと思っていた蕎麦をたちまち完食した。やはり肉そばはうまい。羽田空港の絶対定番はこれに決まった。羽田空港は、搭乗時間に十分余裕を持って、ラー油蕎麦を食べに来る場所になる。早朝便以外は、早ランチ、遅ランチ、ティータイム、全時間帯、ラー油蕎麦を食べることにしよう。

人生長く生きているといいことはたまにあるものだ、などと長寿を願う蕎麦を食べながら感動しておりました。

食べ物レポート

晩秋の北海道名物 漬物用品

もうすっかり廃れた習慣だと思っていた自家製の漬物が、まだまだ現役なのだと思い知らされたスーパーの漬物原料売り場だ。北海道特有の漬物素材として、この身欠ニシンがある。全国的にはほとんど知られていないと思われる「ニシン漬け」の主材料だ。そもそも魚屋に行っても身欠ニシンを見つけることは難しいほど、すっかりレア商品になっている。
漬物製作にに先立ち、この身欠きニシンを水につけこみ水分を含ませる。この作業を北海道弁で「ウルカス」というのだが、このウルカスを日本国共通語で説明しようとすると、実に難度が高い。なんらかの物体や食材や道具を水に長い間つけておき、その表面が軟化したり水分を吸収してふやけたり、あるいは表面の脂分が分離してきたりという状態に変化させることを「ウルカス」という。だからコメを水につけておくとウルカスだが、キャベツをそのまま水につけてもウルカスとは言わない。キャベツを千切りにして、塩水につけて味をつけるような行為だと、キャベツを塩水でウルカスといえる。豆腐を作ろうとして大豆を一晩水につけておくとすれば、これは大豆をウルカスといえる。説明するのが面倒くさい。
同じような日本語翻訳が難しい言葉に「いずい」があるが、これはまた後日の話題にしよう。ちなみにウルカスは北海道限定ではなく、東北地方の一部で使われているらしいので、語源はそちらだろう。
そのウルカした身欠ニシンを適当に小さく切り、キャベツ、にんじん、大根などの野菜と米麹で漬け込むのがニシン漬けだ。東北津軽地方と北海道南部はほぼ同郷といって良い文化圏だが、なぜか津軽地方には北海道的なニシン漬けが見当たらなかった。身欠きニシンだけを麹でつけたニシン漬けは発見したので、おそらく津軽の野菜なしニシン漬けが北海道南部日本海側に渡って野菜入りに変化したのではないかと推測している。冬になると野菜と魚の流通が止まる北海道内陸部では、身欠きニシンを使った越冬料理が色々とあるので、ニシン漬けは内陸部で変化生成したものかもしれない。

身欠きニシンの上に大量に積まれている米糠は沢庵漬けの主原料だ。ちょっと前までは、物干し台に紐で縛った大根の束をつるして、大根を干す光景が当たり前に見られた。最近は気にもしていなかったが、おそらく大根を干す家庭はほとんどなくなっているだろう。晩秋の風物詩的光景だったので、ちょっと残念な気もする。

そして、この山積みにされた米麹は漬物の発酵材として使われる。ニシン漬けにも使うが、それ以外に白菜や大根の漬物でも使われる、北海道獣漬物文化では必須アイテムとなっている。消費量も莫大で、白菜1キロに対し〇〇g的な計量ではなく、手で一掴みとか二掴みとかの原始的な計量法になる。ずいぶん昔のことだが秋の終わりには毎年のように漬物を漬ける手伝いをさせられた。薄ぼんやりとした記憶なので、どんな作業をしたのかは覚えていない。何かを運べとか、あれを持ってこいとかいった使い走りばかりだったのだろう。面白いはずもない。記憶が薄いのはそのつまらなさのせいだったのか。最近では、漬物をつけるのは60代70代のじいさんばあさん世代だけだろうから、もはや子供が漬物漬けを手伝う事もないだろう。子供にとっては幸せな時代になったということだ。

食べ物レポート

厚切りチャーシュー弁当の話

コンビニ弁当の改変の激しさはまさに群雄割拠というか戦国時代というか、一年前に発売された弁当はだいたい消滅する運命にあるようだ。ホカ弁界ののり弁や唐揚げ弁当のような絶対定番は存在しないのだろう。その時々の旬の食材を使った季節弁当は、コンビニ弁当ベヒーユーザーには貴重な変化なのだとは思うが、コンビニ〇〇〇〇の絶対定番みたいなものは記憶にない。思い出せる定番弁当に近い最古のものはセブンイレブンのイカフライおかか弁当だけで、それも今は販売されていないようだ。
ところが、このチャーシュー弁当はコンビニ弁当にもかかわらず改良された二代目で、何やら長生きして定番になりそうな気配がある。チャーシューを使った名物料理といえば、愛媛県今治の焼豚卵飯だが、この弁当はそれにインスパイアされたものだろうか。インスパイアと書けばカッコ良いが、要は改良コピーということで、料理の進化はこの改良コピーの連続で元々の料理とは全く異なっていくものだ。オリジナルと改良コピーのせめぎ合いが料理の進化になる。なのでコピー=パクリという悪者認識はない。コピーから生まれる新しさこそがおいしい料理の基本だと思っている。
特に、完成度の高いうまいものは、コピーするのでさえ大変なものだ。個人的な経験で言えば、福岡にあるパスタの名店の看板メニューをコピーしようと1年間も悪戦苦闘した記憶がある。結局、コピーすらできなかった。できたのは似て非なる劣化コピーだけだった。

ご飯の上に乗っている厚めのチャーシュー四枚プラスゆで卵の半分と紅生姜。すっきりとしている。駅弁の名作、山形の牛肉どまんなかも、こうしたシンプルなルックスだが、うまいものは変化球ではなく豪速球でよいう典型だ。このチャーシュー弁当も、それに倣った豪速球系だった。
弁当と銘打っているが、実はこの弁当箱は丼のように中央部分が窪んでいるので、白飯がチャーシューの下にびっしりと敷き詰められているわけではない。浅目のどんぶりのような格好になっている。そこがチャーシューの肉感とご飯のバランスを支えている工夫だろう。甘めのタレとチャーシューとご飯を一気に頬張ると、肉肉しい幸せが味わえる。
北海道の豚丼も丼の上にはみ出す豚肉が食い気をそそるが、このチャーシュー弁当もその辺りのルックス、見栄えの計算がなされているようだ。

一般の飲食店がテイクアウトに手を広げざるを得ず、この先しばらくは弁当を中心としたテイクアウト市場が活気を示すのだろうから、弁当大手のコンビニとしても工夫をこらして対抗するしかない。しばらくコンビニ弁当が面白そうだ。

食べ物レポート

スシロー10月の仕組み

イカパーツ分け三貫盛りと魚系三貫盛りは値段が違う

回転寿司大手の攻め合いが面白く、なんだかんだ言って回転寿司に週一で足を運んでいる。10月のスシローは、高級ネタのウニ攻めから、ボリューム志向の3貫盛りに作戦変更したようだ。ただ、これも価格帯を調整した100円皿と150円皿という、単価アップ策も含まれているので、なかなか戦術的には綺麗なものだ。100円均一時代はネタのアイデア勝負みたいなところだったが、今ではネタニュース、価格訴求、サイドアイテム強化など複層化したプロモーションを構成する。メディア戦略と合わせて、いまやジャパニーズ・ファストフードのマーケティング・リーダーだ。ファミレスもこの点は見習った方が良いのに。

好物のイカの三点盛りはなかなか嬉しい。ただし、普段は寿司ネタにはならない耳の部分が登場して、イカフリークにはじわりと効き目があるネタ選択だが、ルックス的にはどうだろうという見え方だった。それでも、これはおかわり注文してしまったので、できればこのまま定番化してほしいくらいのものだ。テーブルに置かれている甘だれが炙りイカによくあった。

いつものシメサバではなく、鯖の押し寿司にしてみたら、これはなんとも微妙な一貫100円ということになる。高級品と言えなくもない厚切りの鯖だから、この値段も仕方がないかと思いつつ、小ぶりなシャリ玉とは異なり、厚めの圧縮された鮨飯がガツンと腹にくる。やはり回転寿司には押し寿司はボリュームがありすぎなのだろうな、となかなか一口で飲み込めない分量に往生した。

回転寿司の締めにはいつもタコ、貝の軟体動物系を注文する。おまけにほとんど魚ネタを頼まない。立ちの鮨屋では主力のはずの白身魚にもほとんど手を出さない。白身魚が嫌いというわけではないが、好きなネタを好き勝手に食べる回転寿司では、白身魚に行く手前で腹がいっぱいになってしまうだけの話だ。鮨マニアが聞いたら怒りだしそうな食べ方ができるのが、回転寿司の良いところだと思う。
ずいぶん昔に聞いた、シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガーさん)の鮨の食べ方、アワビとウニを20貫ずつ食べて、それでおしまい、すぐに帰るというのが、鮨の食べ方の理想だと思っております。

街を歩く

ピザを買いに行ったらカツ丼になった

Photo by Narda Yescas on Pexels.com

知人からオーケーのピザが良いらしい、テレビで特集をやっていたという話を聞いた。それは正しい情報だと思う。たまにはテレビ番組もまともなことを言っているらしい。などと思いながら、休日のオーケーにピザを買いに行った。味のバリエーションは、正統ピザと日本式宅配ピザのいいとこ取りなので、アメリカ人やイタリア人が見たら天を仰ぐことは間違いないが、日本人にとってはもはやこれこそがピザというラインナップだ。もし自分がピザ屋を開けるとしたら、このメニューのまんまで開店しても人気店になれそうだな、と思うくらいよくできている。その上、価格帯が500円前後で二枚買い、三枚買いが余裕でできる。ただし、買った後の持ち帰りを考えると、ホールピザは意外と持ち歩きにくい。かつ、現在のレジ袋有料化を受けてピザ専用のレジ袋を購入しないとマイバッグでの持ち帰りはなかなか面倒だ。そこがピザ・ホール買いの弱点になる。
ちなみにオーケーで販売しているピザは8種類ある。

  • チェリートマトのマルゲリータピザ
  • スモークチーズ入りシーフードピザ
  • ブルーチーズの4種チーズピザ
  • トマトのボロネーゼピザ
  • 明太子ポテトピザ
  • ずっしりジャーマンポテトピザ
  • 2種のソーセージとベーコンのピザ
  • 照り焼チキンピザ

そんな時に便利なのが、1/4にカットして売っているカットピザだ。ホールで買うとバラエティーがねとか、ちょっと量が多すぎるんだよな、という客には便利なサービスだ。1/4カットを4枚、それぞれ別の味で買えば「4種のピザ」にもできる。と思っていたら、なんと休日は販売しないとのこと。残念・・・だ。確かにカットするには手間がかかるしなあ、と納得はしたのだが、ホールを買って帰るつもりもなかったのでピザは諦めた。

かわりに、カットピザ約二枚分のお値段で買える、オーケー名物カツ重を試してみることにした。この値段は間違いなくコンビニ弁当キラーだと思う。おまけにカツ重・ハーフサイズも売っていた。凄すぎるぞ、オーケー。でももっと頑張って欲しい。応援するぞ。

蓋を開けて中身を見ると、四角い卵とじが目が入った。なんとなく製造工程が想像できる。カツ丼を作るときに、丸い浅鍋でカツの卵とじを仕上げるという絵柄が記憶にある。テレビの料理番組で見たものだ。目の前でカツ丼を作ってくれる店でも丸い鍋を使っていた。ホームセンターに行っても、丸い浅鍋に垂直に柄がついた専用鍋が売られている。
しかし、このオーケーカツ重を見ると、卵焼き用の四角い鍋の方が家庭調理としては向いているのではないかという気がした。そもそも丼のような深みのある容器では、上から具を乗せたときにつゆが丼の下に溜まり、丼の上と下で味が違うというのが気に入らない。
このカツ重を見ていてカツ丼も丼ではなく平皿にご飯を平に盛り付け、その上に具を乗せれば良いのだと気がついた。要するにカツカレーのようにカツ丼を盛りつければ良いということか・・・。
今更気がついてもカツ丼人生やり直すには遅すぎるような気もするが、これからのカツ丼(自家製)は、間違いなく変わるな。と、オーケーのお買い得カツ重で学んだ。オーケーさん、ありがとう。

追記:後日カットピザを買いに行ったが、開店1時間で売り切れていた。どうやらテレビの影響らしい。2時間おきに新しく焼かれたものが出てくるので、その時間に合わせて買いに行くしかないなとは思うが、テレビの影響力とはまだまだすごいものだとあたらめて認識した。でもカツ重はしっかり山積みされていたから、ピザ担当者の健闘を祈ろう。

食べ物レポート

禁酒法があけて

10月になり禁酒法が撤廃になり、ようやく世界に平和が訪れた。それを祝して、埼玉県の誇る町中華「日高屋」を訪れた。まずは、銘品「バジル餃子」を注文する。バジル餃子にはレモン汁が付いてくる。さらっと食べろということだと理解はしているが、そこにラー油ではなく胡椒を投入する。餃子は三個で注文できるのがうれしい。

どうやら所沢店限定らしい酢豚も、尖ったところはかけらもない「普通の」酢豚だが、そこが日高屋らしい。おおぶりの玉ねぎが好みなので、ほぼ満点のレベル。全く個人的な好みで、しいたけ増量してほしい。代わりにきくらげでも良い。きゅうりとかパイナップルとかいう変化球はいりません。最後の方で酢をかけて味変というのもアリだ。

そして締めはチャーハンと言いたいところだが、実はこれは締めではなくつまみとしてチャーハンを注文した。当然、つまみの量としては多すぎるし、食べ進むうちに腹が膨れて酒も飲めなくなる禁断のつまみがチャーハンだ。申し訳ないが半分くらい食べたところで撃沈となる。では、半チャーハンを頼めば良いと思うかもしれないが、実は半チャーハンは少量調理なので味がぶれやすい。やはり正規分量を注文して、まともな味を楽しみたいというわがままなのだ。だから、二人で行ってシェアするのが正解だろう。ただ、ここ最近の傾向として「二人飲み」よりも「一人飲み」が社会的に正しい行動のような気もするので、当分、このチャーハン食べ残し事件は続きそうだ。

ちなみにキムチチャーハンがあれば、他には何も頼まずに、完食して帰ると思う。それくらいキムチチャーハンの完成度(酒のつまみとしても)は高いと思う。残念ながら日高屋でのキムチチャーハンは全店メニューではないらしく、あるところにはありますよ的なゲリラメニュで、取扱店をサイトで確認もできない。店に入ってみたらありましたという当たってうれしい宝くじみたいなものだ。キムチチャーハン全店導入、希望します。

駅弁

松本駅の弁当 3

松本駅から黒部ダムを目指す時に使う大糸線には一度乗ってみたいと思いながら、今まで機会がない。新幹線が長野まで開通する前まで、長野に行くのはそれなりに苦労する時間距離だったが、高崎から軽井沢を抜ける特急を使い途中で横川の釜飯を駅弁で買う楽しみがあった。それでも上野長野は3時間以上かかっていたのではないか。あやふやな記憶だが、九州や北海道の各都市に行くくらいの時間距離感があったのは確かだ。ただ、その頃に中央本線、松本経由で長野という発想はなかった。時間的には高崎経由の信越本線も、松本経由の中央本線も変わりはないような気もするが。

松本駅弁の三つ目は、やはり松本名物山賊焼だろう。ただし、山賊焼発祥の店は塩尻にあるようで、そこから生まれ広がった広域松本の名物ということだ。スーパーマーケットの惣菜売り場でも、山賊焼は当たり前に売られている。おそらくチキンカツよりは大量に売られている。お隣の諏訪地域でも山賊焼は売られているが、山を越えた上田、佐久、軽井沢では売られているかどうかは未確認だ。ライバル長野市では販売拒否されているかもしれない。

イイダヤ軒のお弁当はラインナップ豊かで、ゴージャスな弁当もあるのだが、やはりこのシンプルな山賊焼弁当がイチオシみたいだ。鳥もも肉をニンニク醤油その他諸々のタレで下味をつけ、竜田揚げ風にしたものが山賊焼だ。これをご飯の上にゴロンと乗せれば出来上がり。シンプルというかワイルドというか。おまけにちょっと食べにくい。シンプル駅弁の特徴である、おかずは添え物という鉄則も律儀に守られていて、つけもの+その他少々というスタイルだ。わさび漬けがついているので、その辺りに松本名物の色を残しながら、なぜか一口ゼリーがついてくる。山賊焼は冷めてもうまい揚げ物なので、これで良いかと、ある意味で諦めがつく。ただ、細かい心遣いもあり、山賊焼の油がご飯にうつらないように、白いプラスチックシートが山賊焼とご飯の間に敷いてある。だから、食べる時には、まずこのシートを取り外す必要がある。そうしないとご飯が食べにくい。

もの+

米沢の牛肉どまん中に代表される肉系ガツン弁当は、あくまで肉と米を食べることに主眼が置かれているので、おかずは本当に添え物だが、そこは選択と集中を貫くべきだろう。個人的な見解として某フライドチキンチェーンは、こう言うライスメニュー(テイクアウト専用)を開発すれば良いのではないかなあ。〇〇〇のチキ弁、売れそうだけど。

旅をする

蕎麦 あれこれ

松本で朝飯は蕎麦にしようと決めていて、8時過ぎに勢いこんで向かったのは松本駅1階にある手打ちそば屋だった。しかし、なんという運のなさだろう。この日に限って厨房メンテナンスのため開店時間は未定とのこと。5分ほど店内を覗いたりうじうじとしていたが、結局諦めて他の店を探すことにした。その後、買い物のため11時ころに戻ってきたら、もはや行列ができていた。あーあ、残念。食べてないから、余計に思い込んでしまうのは、きっとこの店の蕎麦はとても美味いのだろうなということ。

素朴なうまさ 出汁のバランスがとれたつゆが良い

そこから歩いてほんの1分ほどにある、座って食べる立ち食い蕎麦屋があり、駅弁製造の会社が運営している。店内には駅弁のチラシも置いていた。トッピングに駅弁に使われている山賊焼(松本あたりの名物鳥唐揚げ)があるということだったが、自動販売機のボタンには「山賊焼売り切れ」と札が貼ってあった。これが不運のパート2だった。山賊焼は諦め、山菜蕎麦にした。これは蕎麦とつゆのバランスが良い。山菜もたっぷり乗っていて、ネギはセルフで盛り放題だった。満足しながらそばを半分食べたところで、なんと山賊焼到着とのこと。駅弁で製造したものが配送されてくるらしい。悔しいので山賊焼のみテイクアウトした。自宅に戻り食べてから後悔した。一個ではなくもっと買ってくればよかった。ちなみに、山賊焼ハーフサイズ120円(税込)なので、10個くらい買うべきだった。

松本に初めてきたのは、乗鞍岳の中腹にあるキャンプ場に行った帰りで、その時に入った蕎麦屋が今も健在だった。その後も、時々この店には立ち寄っているが、いつも安定したうまさだ。初めて入った時は子供連れだったのだが、従業員の方が子供のそばアレルギーを気にしてくれたのが忘れられない。

人づてに教えてもらった、うまい蕎麦屋の一軒が、中町通にある。売り切れ終いなので、この店に来る時はいつも開店前に並んでいた。週末であればなかなか入れないらしい。店頭の張り紙が痛々しいが、今食べられるのはざるだけになっているようだ。寒い季節になれば、かけそばに天ぷら別添で熱燗という不良な蕎麦の楽しみ方もあるのだが、当分お預けになるようだ。それにしても微妙に英語表記が混じるのは、この店がインバウンド客に占拠されていた名残なのかななどと思った。ひょっとすると松本には外国人居留者が多いのかもしれないが。

縄手通りの神社の境内の中に蕎麦屋ができていた。というか、これは移設してきたのだろう。神社の建物の一角に入り込んでいるのでわからなかった。この店は、松本にある多くの蕎麦屋の中で、一番の高級店かもしれない。日常遣いで食べられる値段ではなく、やはり松本城観光にきた人たちとか、昼の社用接待みたいな感じだろうか。神田の薮、浅草の並木藪、室町砂場といったお江戸の高級店と同価格帯だからやはりここ一番のイベントでもなければ、ちょっと敷居が高いかも。味は間違いない、高レベル店だと思う。

駅前、中町通り周辺だけでこれだけ蕎麦の名店がある松本だが、例年10月中旬に行われる蕎麦祭り目当てに遊びに来ていた。去年は中止で、今年も中止。来年はぜひ開催してほしいなあ。

旅をする

グッとくる店 松本駅前で

松本の人は出身地を長野県と言わないという話を聞いたことがある。県名を言わず松本と答えるか、どうしても県名を聞かれる(松本が長野にあることを知らない人でしょう)と、苦し紛れに信州というという嘘か本当かわからないが面白いエピソードだと思った。
日本地図を広げると北海道と東北は別格として、長野県と岐阜県の大きさが目立つ。日本の山岳部に広がる海なし県で、県の中でお天気が変わるほどの広さだ。岐阜県は元々が美濃、飛騨、木曽と三つの国だった。ところが長野県、つまり信濃の国は、北信、南信、東信、中信と大まかに4つに分かれていたが、まとめて信州と呼ばれていたようだ。中核となる都市圏の人口から見れば長野市と松本市が2トップで、有名どころでは諏訪と軽井沢、それに飯田が南部地域の中核といった感じだろうか。
その松本と長野の2トップのプライドのせいか、FM局は松本にある。あるテレビ局も松本に本社があった。(現在は移転して長野市)
PARCOのあるなしで争うのは福岡と熊本の関係に似ていて微笑ましい。そして江戸時代から続く教育都市でもあるから、町の中が何やら文化っぽいというか、おしゃれなまちづくり、店づくりがめだつ街だ。

駅前の繁華街というか飲み屋街を歩くと洒落たファサードの店が多い。昼より夜の方が見栄えがするという点もオシャレ都市として加点対象だと思う。このハイボールの店は、東京で麻布十番あたりにあると人気店になりそうだ。オープンドアの季節は、特に良さげに見える。今はコロナ対応なのでしょうねえ。

小ぶりな店だが満員だったイタリアン居酒屋。ここはぜひ入ってみたいが、今の時期よりもう少し寒くなった季節の方が楽しめそうだ。3色提灯が素敵でセンスが良い。このご時世で満席だったので、おそらく予約をしないと入れない人気店だと思う。信州野菜とジビエ料理みたいなものが期待できるかなあ。

そのイタリアン居酒屋の真向かいにあった、お蔵改造しました的な古風な店構えの居酒屋では、日本酒のラインナップが自慢らしい。確かに白壁のライトアップは夜になるとひときわ目立つ。壁自体が発光看板みたいなものだから、誘引効果抜群だろう。大きな提灯が、この店でも誘蛾灯のように客を引き寄せる。

駅前繁華街をちょいと裏側に入ったあたりで出会った「鳥きん」駅前店。ということは他にも支店があるのだろうか。大手町店とか縄手店とかありそうな雰囲気だ。看板に乗っている山清は、松本の北にある酒蔵のようで、日本酒が飲めるラーメン屋ということなんだろう。それもちょっとそそられる。多分昭和の中頃からずっと変わらずに営業しているだろうなと思ってしまう店構え。最近はすっかり見かけなくなったラーメンと書かれた赤い暖簾が麗しい。ここは間違いなく締めの一軒の絶対定番だろう。

松本駅前で一番突き抜けていたのが、なんとジンギスカン屋で何故か北海道出身者がやっていると訴えている。ほぼ絶叫系だ。看板をよくみると、正確にはジンギスカン屋ではなくジンホル屋だから、松本オンリーな店かもしれない。
世間ではあまり知られていないような気がするが、長野県のスーパーでは普通に長野製ジンギスカン肉が売っている。長野県は北海道と変わらぬジンギスカン愛好者の住む場所らしいのだ。おまけに困ったことにジンギスカン発祥の地は長野だという人が多い。同じ話は岩手県遠野でも聞いたことがある。敗戦後、大陸からの引揚者が全国で同時多発的にジンギスカン創始者になったような気配もあるが、札幌では冷凍肉を焼いてタレにつけ食べる焼肉スタイル。長野ではタレ付きの肉を焼いて食べるタレ焼きスタイルなので、ちょっと違うやり方だ。おそらく、この店では北海道式と長野式がマリアージュしていることだろう。ここもちょっと入ってみたい、というかガツンと肉が食いたくなる。

松本の街はコンパクトだが魅力にあふれるお店がいっぱいだった。