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街を歩く

夕暮れの札幌 二景

おしゃれ感があるサッポロ・ステーション・コンプレックス

札幌駅を正面からみるとツインタワーを結んだ空中回廊という構成がわかる。札幌の繁華街の中心が大通公園付近、それも三越と丸井今井の二大百貨店を結んだゾーンだった時代は、札幌駅付近は鄙びた駅前?だった。そこに古くからあった五番館という百貨店の周りに、東急百貨店、そごうの開店が続き、駅前百貨店戦争がヒートアップしていった。その競争の中でまず五番舘が西武百貨店に変わり、結局今では西武百貨店の取り壊され空き地になったままヨドバシカメラの新館が立つ予定だ。そごうもパンクしてSCに変わった。その札幌駅前崩壊と同時進行で札幌駅の大改築が進み、駅高架下にヨドバシカメラが開店したあたりから札幌の中心地が駅前に移り始めたような気がする。新しい駅ビルの開業とともに大丸が開店して、札幌駅周辺の繁華街が大通り付近に競り勝った。丸井今井が伊勢丹三越グループの吸収されたのがその象徴だろう。

夕日があたるJRタワーを北側から見る

その札幌駅も南側の開発が完了し、次は新幹線開通に合わせて北口の再開発が一気に進むようだ。新幹線の札幌駅は、現在の在来線駅からかなり離れた場所にできる。それでも在来線駅まで徒歩で渡る通路で繋がれるようなので、北口周辺が札幌の玄関口となる可能性もある。新幹線開通後は札幌・東京間が5時間程度になる。現在の札幌駅から千歳空港経由で羽田空港に着いて東京駅まで移動すると、JR千歳線が40分、航空機の空港内待ち時間を最低の20分と見て羽田着までが2時間。それに羽田から浜松町までモノレールを使い、山手線に乗り継いで移動として待ち時間を込みで60分。合計で3時間40分になる。
荷物を持って何度も乗り換えての移動と、一度乗ったら5時間そのままと、どちらが楽かと言えば、ちょっと微妙な感じがする。個人の好みで言えば、新幹線が楽だと思う。飛行機でマイルを集めたいとか、格安航空券で移動したいという動機がなければ、明らかに新幹線が快適だと思うのだが。

明らかにテレビ塔は夜見た方が綺麗だ。ライトアップされた時計台も近い。

テレビ塔がある大通公園周辺は、実は旅行者にはちょっと不便な場所で、ホテルが少ない。大通公園から2−300m離れたあたりにホテルが広がっているので、その距離を歩けば良いだけのことだが、ホテルまでの移動を荷物を引きずりながら徒歩というのは、冬には特に厳しい。かと言って、駅からタクシー移動という距離でもない。近過ぎるのだ。札幌で暮らしている地元民には分からない旅行者限定の面倒臭さだ。
秋から冬にかけて、北海道は日暮れが早い。体感的なものもあるが、東京と比べると30分は早く陽が沈む感じがする。それも一気にドーンと暗くなる。夜になって見知らぬ街を歩くのは、ランドマークがわからなくなりやすく辛いものがある。おまけに地元民にはわかりやすい碁盤の目状の街の区画だが、これも暗くなると東西南北がわかりにくくなる。ちょっとした平面ダンジョンという感じか。

今ならスマホの経路指示を入れっぱなしにして移動するという解決策もあるので、さほど気にならないかもしれない。ただ、冬はビルの管理の違いのせいか、ロードヒーティングがある部分とない部分がマダラに存在するため、夜の札幌都心部は歩道にスリップ罠が仕掛けられたようなものになる。特にすべ入り止めがついていない夏靴できた旅行者は、身をもって罠体験をする事になる。旅行者にとって冬の札幌は危険だと断言する。札幌駅と大通りとススキノの三大繁華街を上手に使いこなすには、いささかの知恵が必要になる厄介な街なのでありますよ。

食べ物レポート

10月の推しラーメン

この店は札幌ススキノの外れにある。長い行列のできるラーメン店の一つだ。ススキノのハズレという場所柄のせいか、外国人観光客も多かったようだ。店の前を通りがかるたびに長い行列を見て、今日も入れないなあなどと思っていた。ところがこの一年、すっかり行列が無くなってしまいふらりと昼前に立ち寄るとすんなり入れた。待ち時間ゼロというのはすごいことだ。
ただ、ラーメンを食べ終わり帰る時にはすっかり行列ができていたので、たまたまのタイミングだったのだろう。この店のうまいやつは間違いなく味噌ラーメンだと思うが、他の客の注文を聞いていると意外とばらけていた。メニュー名は昔の国の名前なので「信州ひとつ」とか「越後に餃子つけて」みたいな感じの不思議な会話が飛びかっている。チャーハンが裏名物らしく、ラーメン+チャーハンという豪快な組み合わせを頼む客も多い。強靭な胃袋の持ち主だ。

いわゆる豚骨味噌ラーメンの系統で、今ではすっかり当たり前になってるが、初めて食べた時はかなり斬新なラーメンだと思った。最近はすっかり見かけなくなった月形の睦屋みたいな感じだと思う。見た目は平面的というか簡素なルックスだが、麺と濃いめのスープはなかなかバランスが良い。もはや老舗の風格だろう。抑えきれぬ満腹感が、うまさの証明だった。いつもチャーハンを食べたいなと思うのだが、永遠に無理かもしれない。

こちらの店は千歳の外れにあるカレーラーメンの象徴的な店で、国道沿いに立つ原野のど真ん中にある一軒家的佇まいだ。店の作りや駐車場の広さを考えると営業系サラリーマンとかトラックドライバーなどを相手にした店なのだと思う。
ただ、この店も一時期はインバウンド客があふれ混雑度がマックスになり入りずらい時期もあった。そのピーク時の後、店内が改装されセルフサービスの店に変わった。回転数を上げるための工夫なのだろうが、個人的にはサービス度が下がったなと思っていた。ところが、コロナ拡大期にはこの仕掛けがうまく作用したようだ。客と従業員の接触が最低限になる「たいへんよくできました」的なオペレーションになった。昼時に行ったのだが、待ち時間ができる繁盛ぶりだった。

カレーラーメンは、とろみのあるねっとりとしたスープで、食べ進むうちに額に汗が出てくる。さほど辛いとも思わないがスパイスが効いているので発汗するということか。ただ、舌は正直で水を何度も飲むハメにはなる。全体的な味は日本蕎麦屋のカレー南蛮に近い「カレー感」だと思う。麺が表だって主張してこないのはスープの強さのせいだろう。旨辛という表現が似合っている。最近のタラーメン屋の旨辛味は赤い唐辛子をベースにしたものだが、こちらはカレーベースなのでまた別の「旨さ+辛さ」だ。
スープカレーの原点はラーメンスープだったという話を聞いたことがある。確かにこのカレーラーメンを麺抜きにして、揚げ野菜を放り込んだら、美味しいスープカレーが出来上がるだろう。
ただ、それを肴にビールを一杯という気分にはなりそうもない。スープカレーはやはり孤高の食べ物で、酒をお供にはしないような気がするからだ。
普段だと、まずは餃子にビールで締めにラーメンというパターンを好んでいるが、このカレーラーメンはこれ以外は何もいらないぞという主張の強さがある。ビールなぞ論外というストイック感がある。スープまで完食した後、吹き出る汗を拭いながら「うまかったあ」と店を出るのが、このラーメンの正しい楽しみ方のような気がする。

気分はほとんどゴローさんだな。

街を歩く

かもかもがわ

札幌市の中心部を流れる創成川は、開拓時代に作られた人工の堀のあとだ。石狩川、豊平川といった自然の大河とつなぐ舟運の要で、今ではすっかり観光客専用になっている二条市場も、その水運によってできた市場だったのだろう。
その創成側の上流部分がなぜか鴨々川と呼ばれている。中島公園の中を流れているので、散歩がてらに目にする人も多いだろう。その鴨々川が中島公園から市街地に流れ出すあたり、南9条界隈は、今でこそすっかりホテルと高層マンションに変わったが、昔はいわゆるラブホテルが立ち並ぶロマン(笑)の場所だった。ススキノの南側にあたりディープススキノと恐れてあまり近寄らない場所でもあった。

そのディープな場所で錦鯉が飼われているのだという話を聞き、へーと思った翌日、天気が良いこともあり散歩に出かけた。確かに錦鯉が何匹も泳いでいる。札幌観光の夜の名所ススキノだが、実は東西に大きな寺、神社などがある。昔の地域割では風俗地区の外は宗教地区だったようだ。開拓期から歴史が浅い札幌で、開拓初期に京都を模した街づくりを志向したこともあり、札幌の街中は微妙な京都のコピーという部分ある。ただし、地形的にはどうやら東西反転した京都らしい。京都の東山に当たる部分が、札幌では西部になっている。藻岩山から円山にかけての山間部だ。京都であれば鬼門に当たる方角が、札幌では豊平川を超えた先で平野部にあたる。そのためか、北西部にある円山地区に札幌神社が鎮守として置かれたようだ。鬼門の抑えではないので、ちょっと不思議な配置だと思う。そんな京都に縁のある町なので、鴨々川というのも、鴨川と加茂川の合体版ではないかと思っているのだが。

豊平川ではカムバックサーモンという鮭の養殖プロジェクトが数十年続けられ、今では鮭が大量に遡上するようになったらしい。ただし、これを密漁すると相当厳しい罰を受けるので、見るだけの鮭だ。Eys Onlyなので国家機密みたいな存在だ。だが、コロナ前は鮭イベントがあったとおぼろげに記憶している。来年あたりは、カムバックサーモンの周年キャンペーンなどがあるのではないか。小学生を対象に鮭の掴み取りなどが行われれば楽しそうだ。飲み屋の店長に聞いた話だが、北海道各地の河口付近で行われている鮭の一本釣りは、引きの強さもあり一度やると病みつきになるらしい。鮭バウトにハマるとは北海道らしい。豊平川で金魚釣りのような糸の切れやすい竿で鮭釣り大会やるのも面白いかもしれないなあ・
それと同じように鴨々川でも「こいこいキャンペーン」でもやってディープススキのを楽しむイベントにしてくれないものか。しかし、鯉の住む水はどこに行ってもあまりきれいではない。きっと、鯉は清水に住むのを嫌う偏屈ものな魚なのだろう。それだけにディープ・ススキノには似合っているかもしれないな。

食べ物レポート

駅を降りたら、1分で焼き鳥

札幌生まれは間違いないが、札幌育ちかと言われるとちょっと苦しい。中学の頃の家は江別にあり、その後は北広島に引っ越したからだ。当時は地の果て扱いされていた北広島(そのころは町だった)だが、国鉄がJR化されたあとJR北海道は千歳線の強化に乗り出した。そのため、いつの間にか北広島市は(人口が増え市に昇格した)札幌駅から18分の便利なベッドタウンに変貌した。ちなみに札幌地下鉄を使い札幌駅から地下鉄南北線南端、真駒内駅までが18分。大通り駅から東西線東端の新札幌までが19分なので、北広島は通勤面から見て一応地下鉄圏と同等とみなされる。日中は1時間に5−6本が発着するので発車時間を時刻表で確認する必要もない。便利な街に進化したものだ。
そして、いまや日ハムボールパーク建設地として全道的に一気に知名度が上がり、ボールパーク開幕以降は全道一観光客が集まる場所?になるはずだ。一気に地価も上がったそうで、北広島はすごいことになっているのだ。
JR千歳線で札幌に向かうときも、ボールパーク工事現場が見える。夏に来た時には目立たなかったが、今では柱や屋根がニョキニョキと生えてきた感じがする。

その北広島の駅前に串鳥が店を構えている。札幌駅周辺にも串鳥は何軒かある。隣の駅の新札幌にも大きな串鳥の店がある。だから、なぜわざわざこの駅に店を出したのかずっと不思議に思っていた。だが、串鳥というブランドがすでに繁華街の繁盛店から地域密着型に変わっていたのだ。
気がついたのはここしばらくのことだ。確かに串鳥は人気があるので札幌中心部の店では満席で断られることが多い。そのため繁盛店の周りには支店が増殖する。ただ、札幌都心部で溢れた客が北広島まで流れてくるに来るということは考えにくい。
週末を中心に家族連れがファミレス的に使う。平日は夕方前から高齢者の客が押しかける。5時を過ぎれば地元のサラリーマンもやってくる。明らかに都心部とは違う客層だ。駅から歩いて1分の場所にあるが、通勤客が帰りがけに一杯やるという感じではない。チェーン店の地元化というのはありそうで、なかなか難しいことだ。

カウンターに一人で座り、もっきりを一杯注文し、好きな串を2−3本食べる。酒のおかわりをして、それを飲んだらサッと帰る。滞在時間は30分ほど。そんな飲み方が最近の好みだ。串鳥の開業以来のサービスで、お通し代わりに大根おろしと鳥スープが最初に出てくる。これもつい最近までは無料だった。今は100円になる。お通し代というよりテーブルチャージみたいなものだろう。世の中のぼったくり居酒屋ではお通し代500円だの700円だのという時代に、何とささやかな100円と思ってしまう。焼き鳥が出てくるまでの繋ぎに鳥スープはとてもお腹に優しい。

若いカップルが多いのは値段がこなれているだけではなく、串のバラエティーがあるせいだと思い込んでいた。チーズなどを多用した串メニューは、おっさん向けの焼き鳥屋としてはずいぶん先を行っている。が、カウンターに座って他の客の注文を聞いていたら、サラダを頼む人がとても多い。串鳥でサラダかと、初めて気がついた。確かに焼き鳥だけでは野菜が足りないし、食事としてはバランスが悪い。おっさんの一人飲みには存在しないニーズだ。サラダが売れる焼き鳥屋とは、新しい業態と考えても良いだろう。
一人飲みだと話に夢中になることもないので、他人様の会話に気がついたりもする。駅を降りて1分でたどりつき、30分の滞在で満足する焼き鳥屋で、学ぶことはそれなりにたくさんある。これも人生のささやかな楽しみだな。

街を歩く

つなぐ横丁アゲイン @札幌

長野県松本市にあるつなぐ横丁の本家に行った時、焼き鳥番長の店長がどうも見覚えがあると感じていたのだが、まさか札幌の店長が松本にいるはずもないだろうと声をかけなかった。そして、つい最近、酒が解禁になったこともあり、週末に札幌のつなぐ横丁に店長に会いに行った。そうしたら、お店が休業中で店長は松本に帰っているとのこと。隣の店の店長が教えてくれた。確かに札幌はコロナのせいで酒販売がアウト。ところが長野県は、何の制限もない酒飲み安全地帯だったから、店長は里帰りして松本で働いていたのだろう。一声かけてみるべきだった。というような会話を隣の牛タン屋の店長とした後で、そのまま牛タンで一杯やることにした。

メニューを見ると、札幌で仙台推しという微妙なものだが、仙台に行ったことのない札幌市民には歓迎されるかもしれない。自分としては東京から札幌に来て、仙台名物を食べることに躊躇うのは仕方がない。が、地元民優先で考えれば仙台名物を食わせる店は正解だろう。周りになるラブ店も博多名物とか、北海道的でない店が並んでいる。
メニューを確かめると仙台名物が並んでいる。牛タンに松島の牡蠣、妙義の油揚げと笹かまぼことなれば、オール仙台的ラインナップだ。これに付け加えるとすれば海のパイナップル「ほや」くらいだろう。ただ、札幌人に対する知名度という点で、ちょっと仙台推しは弱い気もする。同行した札幌の知人は松島の牡蠣のことは詳しくないようだった。北海道でいえば厚岸の牡蠣、半歩譲ってサロマの牡蠣が有名すぎるから、北海道外の牡蠣はアウトオブ眼中ということだ。

仙台の牛タンは厚めに切った牛タンを特製ダレに漬け込んで熟成させ、それを炭火で焼くというシンプルな料理だ。付け合わせは南蛮味噌で、これの調整と牛タンの下味付けがそれぞれの店特有のものになる。仙台市民はそれぞれ贔屓の牛タン店があり、その微妙な差異を熱く語る人も多い。ただ、仙台人にも牛タンに冷淡な人もそれなりにいるので、牛タン=仙台人の全員ラブということではないようだ。北海道人のジンギスカン・ラブの方が、万民度という点で熱量があるような気がする。流石に札幌は大都市で、仙台牛タンの一大チェーン店「利久」の支店があるから、仙台牛タンが簡単に楽しめるはずだ。

ふと気がついたが、カウンター周りのPOPが新しいのはコロナ休業明けだからなのか。週末とは言え夕方とは思えないほど店内が空いているのが悲しいなあ。冬になり生牡蠣がで始めるが、蒸し牡蠣もなかなかの旨さだ。仙台で食べた蒸し牡蠣の昆布締めは絶品だった。牡蠣のアヒージョもうまいなあ、などと牡蠣料理の脳内連想ゲームが続く。

焼き鳥番長はそろそろ営業再開しているはずなので、次に行った時は店長と松本で出会ったことを肴にして話をしてみよう。

つなぐ横丁と東京にある恵比寿横丁、どこか似ているようで微妙に違いを感じる。その差は天井から伝わる列車の通過音だけではない。恵比寿横丁の博多料理屋台でかかっていたBGMはオール博多?出身シンガーだった。甲斐バンド、松田聖子(久留米だったはず)、井上陽水、武田鉄矢etc。おそらく博多出身者が開けた店だったのだろう。郷土愛というか博多耽溺がすごかった。俺の街はすごいんだぞ、という圧力がひしひし感じられる。それと異なり札幌の横丁では、札幌人が運営する、札幌人のための、札幌人が感じる全国のうまいものという感じがする。
よくいえばより都会的、悪くいえば形だけコピーしたみたいなものだ。スーパー大都会・東京では地元愛爆発型本物志向が人気があり、中都会・札幌では行ったことのないめずらしい地方のエッセンスをアレンジし取り出したスマートさが受ける、ということのようだ。好みで言えば札幌のスマートさが好きなのだが。

街を歩く

卵屋のシュークリーム 売り切れてました

札幌の南の郊外にある農園で卵と卵のデザートを販売する店がある。札幌市といってもその広さは東京都23区のほぼ2倍で、南側はほとんど山になる。東京で言えば、大田区を越えて多摩川の先が全部山になっていて、日吉あたりにこの店があるという感じだろうか。自分で書いていて、うんざりするほどの広さだなと思う。
その山の中を通り抜ける道沿いにあるお店なので、札幌市清田区の中心部(札幌ドームのあるあたり)から車で10分以上走る事になる。ずいぶん走ったので通り過ぎてしまったかと思ったほどの距離があり、ホイホイとシュークリームを買いに行ける場所ではない。ただし、北海道人の時間感覚ではホイホイの距離かもしれないが。

買った商品は店の前のテラスで食べることもできると言われた。時節的には6月から9月くらいはそれなりの気温で楽しめそうだ。が、それ以外の季節は寒さが身に染みるか、手がかじかんでスプーンも持てない環境のような気がする。屋外テラスは夏季限定ということだ。ただ、北海道の環境を考えると、これはコロナ対策なのかもしれないと気がついた。

店内は当然ながら暖かいが、このコロナの影響で外で食べる方が良いかなとも思ってしまう。入り口から入ると正面が商品ショーケースで、卵を使ったスイーツがたっぷり並んでいるはずだった。しかし残念なことに行った時間が遅く、お目当てのシュークリームは当然ながら完売していた。シフォンケーキなどはまだ販売していたが、ふと思いついてプリンを注文した。シュークリームは手土産にするつもりだったのだが、それはあきらめ流ことにした。代わりに自分のためにプリンを買う。そしてその場で食べてみよう。ささやかながら、ご褒美だ・・・。自分で、「一体何のご褒美だよ」と突っ込みながら、プリンをひとつ買って午後のスーイツタイム。いい歳をしたおっさんがプリンを一人で食べているというのは、どうも感心しない絵柄だが、都合良く店内には誰もいない。

濃厚なプリンだった。好みと言って良い。市販品のプリンはゼラチンばっかりのものが多いが、これは卵と牛乳の味がする。甘さもちょうど良い。なめらかというよりもとろみのあるねっとり系に感じられる。香料で細工もされていないので、素朴な味わいがするが、本来プリンはこれくらいの味の濃さがあるべきだろうと思う。これが街中で売っていれば、相当な頻度で食べるのになと感心していた。しかし、残念ながらホイホイと買い出しに出かけられる場所ではない。
冬になり雪道になれば、行くのがのが辛くなるような場所だ。せめて地下鉄駅の近くに支店を出してもらえませんかと言いたい。年中とは言いません、せめて冬だけでも良いですから、店長さん。

駅弁

駅弁味の陣 買い出しに行った

このサイトから応募した。投票は弁当付属のQRコードから

ネットニュースで知ったJR東日本のイベントだが、これまでうまいなあと感じていた駅弁のほとんどが、この「駅弁味の陣」というイベントで優勝していた。優勝すると大将軍に認定されるようだ。大将軍好みなのだから自分の舌もそれなりなものだと笑ってしまった。本当は旅に出て、車窓を越しの風景を眺めながら食べるのが駅弁の楽しみだが、今年は事情が事情だけに、「おうちで駅弁」というなんとも情けないことになる。
それでも、あちこちの駅で駅弁販売会をするというので、近くの国分寺会場まで出かけてみた。まだ見ぬ駅弁が買えるかなと期待していたのだが、ほとんどが実食済みのもので、販売されている駅弁は、ほぼ関東圏のみだった。できれば東北の弁当を手に入れたかったのだが・・・。

包装紙がなんともゆるい

それでも、今回の獲物は今年の新作らしく山梨の弁当で「ワインのめし」と、ちょっと買う気をそそる。この包装紙のイラストがなんともヘタウマ系というか、駅弁の中身を想像するのが難しい。武田信玄と思しきおっさんは弁当のおかずにはならないから、その周りにいる怪しげな魚や牛、鳥が素材なのだろう。信玄おっさんの前席にいる「ほうとう」風な鍋は何を意味しているのか、などと考え出したら、あまりにシュールな気分で・・・。

蓋を開ければ、それなりにバラエティに富んだ九品があり、添付解説書を読むとメニューはフレンチ仕立てらしい。見た目は和風っぽいが、ワインに合わせたフレンチ弁当ということなのだろう。右下にある白いものが、ほうとうのグラタンだった。左上の白いやつはチーズケーキレーズンパンで、この九品の中に米飯は存在しない。とても手の込んだ駅弁だけに、お値段もお高めだった。
駅弁とは思えない内容で、デパ地下でフレンチ惣菜のオードブルを買ったと錯覚するほどだ。俺様はな、駅弁ではないんだぞ、ワインのつまみなのだぞ、と自己主張する極めて稀有な駅弁だと思う。
これと比べれば横川の釜飯など実に和風だ。簡素系駅弁の代表である牛肉どまんなかと比べればゴージャスというか華やかさがある。横浜のシウマイ弁当が造作的には近しいような気がするが、それでもシウマイ弁当は白飯がしっかり主張している正統的な弁当だ。この「ワインのめし」は、めしと言いながら「めし」を拒んでいる革命的な駅弁なのではないだろうか・・・などと思いながら、ワインと一緒にいただきました。やはり、「めし」というよりワインのつまみだったなあ。

食べ物レポート

蕎麦屋で行こう憩う逝こう?

もうすでに半世紀近く(おおげさだなあ)愛用している蕎麦屋で、昼のピークすぎに一人で蕎麦を肴にお銚子を一本だけあける。気分はお江戸の悪い兄ちゃんになりきり、蕎麦つゆにネギを入れてちびりちびりとつまみにする。まずはネギ酒、そして次に蕎麦を一本だけつまみ、これを酒に浸してつまむ。そのままチョコの中の酒を飲み干す。お江戸の兄ちゃんはなんともいじましい飲み方をしていたようだ。そうして、蕎麦を一本ずつ摘んでいるといい加減乾いてくる。それに酒をちょっとふりかけて食べたりしたそうだ。あくまで人伝に聞いたことで、本当にそんな不良あんちゃんを見たことはない。おそらく戦前、ひょっとすると明治大正の時代の話なのかもしれない。お江戸の下町には町内に必ず風呂屋と蕎麦屋と寄席があったそうだ。蕎麦屋は居酒屋であり食事の場ではなかったとも聞いた。

この店で出てくる蕎麦はお江戸のつまみになる蕎麦とは違い、腹一杯になる食事蕎麦だ。だから、一本ずつ摘んでいるといつまで立っても食べ終わらない。お江戸のバーコードのような薄盛り蕎麦はつまみにちょうど良いのだろうけれど。だから、そばが来る前に軽くつまみを注文する。今回は鶏皮のポン酢和え。さっぱりとしたポン酢味に甘めの日本酒がよく合う。銚子が大方開く頃に、蕎麦を頼む。そして、2、3本そばをつまみにしたら、あとは一気に蕎麦を啜る。

締めには蕎麦湯を何回かに分けて飲む。最初は蕎麦湯少なめでそばつゆ濃いめ。半分ほど飲むと、蕎麦湯を継ぎ足し、それを繰り返すと最後はほとんど蕎麦湯だけになる。蕎麦湯は蕎麦屋によってどろっと濃厚なものだったり、ちょっと目には白いお湯に見えるほどサラッとしたものもある。この店は中間程度。とろみがある白いお湯という感じだろうか。寒い季節になっても不思議と蕎麦屋では温かい蕎麦を頼むことがない。北海道では店内の室温が夏より冬の方が高いせいもあるだろう。東京では冬になるともりそばではなくおかめ蕎麦を頼むようになる。東京の冬は体感的に寒いからだ
我ながら不思議な感覚だが、雪まつりを見に行った帰りもざる蕎麦を食べていた記憶があるから、体感温度と室内温度は季節以上に重要な蕎麦要素だ。
今年の冬は、蕎麦屋でいっぱいの日常が続くことを願いつつ、平日の昼下がりに神田の老舗で小田巻でもたべながら熱燗といきたいものだな。そんな暮らしの中でイケるといいね。

ガジェット

100円ショップで道具作り

コロナ対策なのか、屋外でバーベキュー、キャンプなどが大流行しているそうだ。昔々、年に30回もキャンプしていたオールドタイマーとしては、何やらムズムズしてくる。一度処分したキャンプ道具をソロキャンプを前提にぼちぼちと買い集めたりする。やはりキャンプの醍醐味は道具集めだ。(笑)
キャンプの楽しみといえば、泊まりに行く場所を選ぶ計画段階が一番楽しい。その次が道具集めだ。実際にキャンプ場に行って焚き木に火をつけてしまえば、そのキャンプはほぼ終了。昔は料理作りも面白がっていたが、今ではパック詰のご飯と缶詰かレトルトカレーがあればそれだけで良い気もする。あとはマシュマロか。夜の焚き火で焼きマシュマロというのは、かなり盛り上がる行事だしなあ。

そんなキャンプ道具で捨てずに取っておいたものがスキットルだった。スキットルは金属製のものが普通だが、気に入っていたのは耐衝撃性がある皮の入れ物に入ったガラス瓶だった。ガラス瓶自体も金属枠で守られていて、ずいぶん乱暴に使ったにもかかわらず壊れることもなかった。そのスキットルがどこかに行ってしまって見つからない。間違って捨てられてしまった可能性もある。
仕方がないと諦め新しいものを購入しようと思ったら、チタン製が予想外に高く迷ってしまった。中国製のステンレスは安いが、品質に問題がありそうな気もする。amazonのレビューを読むと何やら恐ろしいことが書いてあったりする。ふと思いついたのが、ウイスキーのポケット瓶を買ってきて、100円ショップでカバーを探してみると良いのでは・・・。そこで買ってきたのは350mlペットボトル用の保冷袋、それを2種類だ。

まずソフトウレタンの保冷袋を被せる。横幅の寸法はぴったりだが縦方向はちょっと長い。下まで押し込むと瓶がすっぽり中に入り込む。

それを二枚目の保冷袋に入れる。こちらは中にアルミコーティングがされているが、保冷機能より衝撃耐性の方が重要だ。これもウレタン袋入り瓶をいれてジッパーを占めると隙間なくピッタリになる。

どちらの保冷袋も瓶を下まで押し込めるとすっぽり埋まってしまう。おそらく持ち運びの時は、すっぽりモードが良いだろう。飲むときは瓶の栓をひっぱりだして、そのまま放置する。袋がぴったり密着しているので瓶が下に潜り込むこともない。今回はニッカのポケット瓶で試したが、トリスでも大丈夫だと思う。他にももっと高級ウイスキーのポケット瓶、たとえば角サンとか、オールドのポケット瓶も使えるかもしれないが、容器として考えると安いウイスキーの方が形状、使い勝手が良い。それに、スキットルとして使うのだから一度飲んでしまえば、次は中身に好みの酒を入れ換えれば良いので高いウイスキーに拘らな区ても良いだろう。
何度か使用すれば蓋の締めが甘くなる可能性もあるが、そのときはまたポケット瓶を新しく買えばすむ。ヒップポケットに押し込むには少し分厚くなりすぎるが、カラビナでぶら下げるという手もある。夏場であれば瓶ごと冷やしておくと、まさしく保冷袋の機能が発揮される。
投下資金200円の安価セットなので、ウイスキー、日本酒、焼酎など酒の種類に合わせて何種類も作成・対応できる。そのときには外側の袋を異なるものにすれば見分けも簡単につく。
自作というほどのものではないが、100円ショップ各店で売っている保冷袋はデザインや色が違っているので、その組み合わせを楽しむこともできる。チープシックなオヤジの趣味とでもいうことでしょうか。

街を歩く

町中華で一杯 解禁翌日のススキノ周辺

店内は客席の間隔も広く、のんびりできる昼夜対応店

ビルの建て替えで移転した札幌の町中華は、値段が昭和のまま止まっているようなところがあり、これでやっていけるのかなと心配になるくらいだ。味も値段以上で、ごく普通の中華料理をごく普通の美味さで提供するという、町中華の鏡のようなお店だ。こういう店には、昼のピークを避けちょっと遅めのランチ時に軽くいっぱいやるのが良いと思っている。
ちなみにこの店の近くには古くから続く有名中華料理店もある。その店も例の後遠く一時期は外国人観光客に占拠されてしまった感があったが、今ではちょうど良い混み具合になった。ただし、週末は場外馬券を買いに来る競馬ファンに占拠されることで有名で、この日も店外に人が溢れていた。そのためか、近くにあるこの店にもランチタイムが終わっても客が途切れることなく入ってきた。おこぼれ効果なのかとも思ったが、遅いランチに来た客のほとんどが子供連れのファミリーだったので、やはり味と価格の評価が高いということのようだ。
しかし、ネットで馬券が買える時代に場外馬券場に人が集まるというのは、競馬ファンの中に「群れ集う」習性があるのだろうか。赤ペンと予想専門誌を手放さないので競馬ファンはどの店に行ってもすぐにわかる。だからこそ類は友を呼ぶということなのかもしれない。

いつもは酢豚とビールがちょい飲みの定番だが、禁酒法の完全解禁日だったので、イカと豚肉のXO醬炒めという、この店で一番の高級品を頼んでみた。酒も紹興酒をグラスで頼んだ。しみじみうまいなあと思った。ささやかな大衆的楽しみというか普段の日常のひと時というか、変な規制がないのはありがたいことだとしみじみ思った。
禁酒解禁日翌日の週末だから、もっと酔っ払いが街に溢れているかとかまえていたが、この店でもビールを頼む人がたまにいたくらいで、酔っ払いのどんちゃん騒ぎなどかけらもない。街中にも高齢者の姿は少ないので、まだ色々と普通の生活には戻っていないのかもしれないなと感じた。それでも夫婦と思しき高齢者カップルの姿もちらほら見かけたから、業種によって回復度合いは違うだろうが、年が明けたくらいには元に戻るのか。居酒屋などの酒中心業態が回復するのは一番最後なのかもしれない。とりあえず、町中華が元気になって欲しいものだ。