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食べ物レポート

小樽を楽しむ究極の技

冬の小樽は、なかなか風情があるところだが、海風が冷たい

札幌でも雪が降っていたが、路面はまだ出ていた。小樽に来てみたら、路面はすっかり白くなっていた。移動距離30km程度で随分と街の様子が変わるものだ。冬靴(裏が滑り止めソール)を履いてきてよかった。この日の目的地は老舗の蕎麦屋で、開店5分前に辿り着いた。一番乗りだった。昼時には行列ができる人気店なので、そこは予定を立てて行動しなければならない。(えへん)

席に着くと、まずは日本酒を熱燗で注文する。当然のように蕎麦味噌がついてくる。これが嬉しい。蕎麦屋で酒を飲む時、一番の楽しみはこの蕎麦味噌だと思うのだが、たまに柿ピーが出てきたりすると、かなりガッカリする。熱燗は、銚子の首のところの温度が低めだった。つまりレンジアップではないということだ。昔ながらの燗付け機だろうか。

酒のつまみになるものは、これも本日の本命であるタチカマを迷わずに注文した。北海道ではマダラの白子をタチという。その白子を使ったかまぼこをタチカマというのだが、これはタラがとれる冬だけ限定の食べ物で、おまけに生産する方が少ない。いわゆるレアものだ。
食感は弾力が強いハンペンのような感じで、かまぼこと比べるとふわふわしている。味はかなり濃厚で、若干の生臭さがある。これをワサビ醤油で食べるのだが、元々塩味が強いのでワサビだけで食べるのがおすすめと店員さんに教えられた。
醤油ありなしで食べ比べてみた。確かに、ワサビだけの方が味が引き立つ気もする。しかし、醤油も捨てがたい。どちらも日本酒には抜群に合う。これと似た感じの肴といえば、バクライだろうか。食感は全然違うが、味の系統が似ている気がする。

日本酒はたくさんの銘柄を揃えているが、蕎麦屋の親父、板長、女将のおすすめという酒を順番に試してみるのが良さそうだ。ただ、熱燗にするのであれば、相性を考えることも重要だ。大吟醸を燗酒にするのはなかなか勇気がいる。

前回来た時注文したのはかしわぬきだったので、今回はもう一つのぬきである「てんぬき」を選んだ。これは、なんと言えば良いのか、汁物の酒の肴というべきなのだろう。半分食べた?ところで、衣がつゆを吸ってフニャとなった海老天を味わう。いや、これを考えた人は天才だ、と言いたいくらいのうまさだ。
他の蕎麦屋では大海老の代わりに小エビで5本の天ぷらを入れてくるところがあるらしい。そうなると、順番に食感の変化が楽しめるから、それもまた楽しそうだ。普通の蕎麦屋でも「天抜き」を注文したいのだが、メニューに載っていないとなかなか躊躇ってしまう。妙に蕎麦通ぶっているとみられるのも嫌だしなあ、などとお店に忖度してしまう。天ぷらと蕎麦を別に頼むという手もあるかとは思うのだが。それでは「抜き」にならないし。
この店の天抜きはつゆの加減が絶妙だ。そばを抜いて完成するという不思議な料理だが、うまいものはうまい。

そして、これも前回食べられなかった宿題メニューのカレー丼を頼んだ。そばを頼むか随分と迷ったが、カレー丼にしてよかった。この料理もよく考えれば、カレー南蛮のあたまをそばではなく米に乗せたと言えばそれまでだが。蕎麦つゆで仕上げたカレーは本当に美味い。蕎麦より米に合う。肉の味がカレーと合わさると最強になる。
しかし、一度これを食べてみれば、メニューに書いてある通り、やみつきになるのは間違いない。ただ、そこが問題なのだ。次にそばを食べに来て、あれこれ迷いつつ結局はそばを頼まずカレー丼を食すという悪習慣ができそうだ。いかんいかん。

食べ物レポート

ラーメン道場 最後のいっぱい

今年の冬は北国に長居してしまった。色々と用事はあったのだが、それを全部片づけ埼玉にある自宅に戻る日が来た。滞在中は大雪にも当たらず、まずまず幸運だった。今回は、ラーメンよりも蕎麦を食べた回数が多かったような気がする。それだけに、最後はラーメンにしようと千歳空港のラーメン道場に向かった。

半年前までは、いつも客席がガラガラだったらラーメン道場だが、ついに客が戻ってきたようで、ほぞ全店満席。一部の人気店は行列ができている。ただ、その行列に対して対応がぞんざいな店もあり、何だかなあと思ってしまった。
コロナによる観光客の減少で、接客レベルが圧倒的に落ちたなという感がある。千歳空港はアルバイトが長続きしないのだそうだ。慢性的な人手不足で、高い時給での求人が続いているから、簡単にやめて次の店に移ってしまうらしい。
おそらく、コロナのダメージで人員補充をサボってしまったのだろうなあ、と同情する余地はあるが、客の全てが一過性の観光客ではないことには気がついているだろうか。ビジネスで旅をしている客も多いので、スーツ姿の客は来月また来るかもしれないという想定はできているか。
トッピングを山盛りにして客単価を上げるより、一過性の観光客ではなくリピートする層を囲い込むという発送は持てないのだろうか。
混雑する店を見ながら、そんなことを考えていた。行列に並ぶほど、こだわる店があるわけでもないので、久しぶりに味噌ラーメンの店を選んだ。

蕎麦屋であれば鴨南蛮的なものが、普通のラーメンかな やはり味噌ラーメンはうまい

普通の味噌ラーメンを頼んだ。普通においしいので満足なのだが、観光客向けの何でも乗ってますラーメンは注文しないようにしている。チャーシューとメンマという基本構成だけで、海苔が乗っているのがちょっと贅沢な感じがする。
隣に座っていた観光客風の若い男性は、全部乗せを頼んでいた。そのビジュアルは、ラーメンというより、何か別の丼のようにも見える。なるほど、一生に一回の「北海道ラーメン」であれば、この全部食べてみよう、乗せてみようというのはありななのか、と今更ながら気がついた。
単価を上げたいという店の思惑と、もう二度と北海道には来ないのでせっかくだから名物全部色々食べてみたいという客の思惑が、マッチしているのだなとは思う。(美味しい料理という観点では全くすれ違ったままだろうが)
そうであれば、やはり、客の思惑に合わせて、カニ、いくら、鮭、バター、コーン、アスパラ、じゃがいもくらいは乗せてやらないといけないぞ。麺料理としての完成度は二の次になるが、オール北海道食材お試しセットにするべきだろう。などと、皮肉なことを考えてしまった。
そんな面倒臭い客は、店からするとやはり対象外ということだろうと自己分析して、ちょっと反省しました。次回はトッピングもりもりは頼まないけれど、せめてチャーシューメンにします。

食べ物レポート

ひとり酒がお気楽なわけ

 大通公園の冬の景色は、気が滅入る 空が曇りがちなせいもあるだろう

大通公園周辺は、北側がビジネス街、南側が商業地区と言った大雑把な括りになる。そのため、南北どちらの方向に行っても居酒屋やレストランが点在する。コロナが収束しつつある中、居酒屋も通常営業に戻り昼酒飲めます的な緊急避難はおしまいになったようだ。それでも、昔からずっと昼酒営業をしていた老舗では、午後になると酒飲みが集まってくる。
昼酒営業を謳う店は少ないので、どうしても固定客化するようだ。昼酒よりも珍しいのは朝酒だろう。東京でも繁華街には、夜の営業が終わった後、その従業員が飲みにいく店があちこちにある。深夜営業から早朝営業の飲み屋だ。新宿や渋谷などの繁華街でも、朝の通勤客に混じって、しこたま飲んだ酔客が歩いていたりするのは、夜営業を終えたあと深夜営業で楽しんだ方たちだろう。
札幌でもそんな光景があるのだろうか。随分昔に徹夜明けで朝から飲みに行った店は、もう閉店してしまったようだが。

串カツは最強のつまみだ 串揚げでは無いことが重要

その昼飲みの店で串カツを頼むことが多い。居酒屋メニューとしては絶滅危惧種だろう。トンカツ屋でも串カツがメニューにない店の方が多いような気がする。串カツの中身は、油身の多い豚肉と玉ねぎが定番だと思うのだが、あまり肉が大きいのは好みではない。肉2に対して玉ねぎ3くらいのチープ系串カツが好みで、大学時代の学生食堂で食べていた名残というか、刷り込みされた「擬似うまいもの体験」であると自己分析している。
同じような刷り込み体験をあげると、カツカレーのカツの厚さにもこだわりがある。自分流のカツカレーに乗っているカツの楽しみ方だが、中身の肉が薄い程よいと思っている。カツカレーとは、衣をカレーで食べるもので、中に入っている肉はおまけ程度の薄さで良いと思うのだ。肉厚のヒレなどがカツの中に入っていると、カレーとカツのどちらが本命かわからなくなる。それは、ちょっと困るというのが本音だ。
学食で味の薄いカレールーにソースをかけ味変させて、ペラペラのカツをそのカレールーで楽しむというのは、貧乏学生時代におけるたまの贅沢だった。その学食での刷り込みが今でも抜けない。トラウマというより正しい食の記憶だと思っている。
そんなあれこれを考えながら、一人で酒を飲む。好きなものを好きなだけ食べる。職業柄と言っても良いのだろうけれど、居酒屋に行ってあれこれ注文して「お勉強」するのが常だった。そんな時は複数人で行って、少しずつ料理を試すという飲み方をしていた。当然ながら、嫌いな食べ物も中には混じってくる。勉強だと言い聞かせて無理やり食べる。食の楽しみとはちょっと距離がある行動だった。どうも真面目に仕事をしすぎていた気もする。
その反動だろうが、最近は好きなものしか食べないことにしている。そうなると、誰かと同行していても、相手の注文する品物は基本的に別ものと考える。たまたま、同じものを注文したい時は、おとなしくご相伴に預かるが、それ以外は手を出さない。
これは、なかなか難しいことだ。自分の食べたいものを食べる。相手の注文したものは食べない。となるとテーブルの上に皿が溢れる。相手に呆れられるのは間違いない。協調性にかけると言われると返す言葉もない。
だから、一人で飲みにいく方が気楽なのだと、ようやく気がついた。コロナのせいで、そこに気がついた。自分の胃袋のキャパを考えると、たくさんは注文できないので、注文するには熟慮がいる。注文したいものが多くて一度に食べきれないのであれば、もう一回その店を訪れることにする。なんだか、不思議な「新しい行動様式」を身につけたということだろう。

もう一つ変化したことだが、最近は「まずはビール」を頼まない。「まずは……………」と注文するのが日本酒の熱燗になった。銘柄などにはこだわらない。おおよその居酒屋で熱燗に使われる日本酒は、その店で一番普通で一番安いことが多い。それで十分なのだ。熱燗と合わせて水を頼む。熱めの日本酒を飲み、チェイサーで口をゆすぐ。この繰り返しが、一番ダメージの少ない飲み方だと気がついた。熱と冷の繰り返しが大事なようだ。
よく冷やした日本酒は口あたりが良いから、早く飲みすぎる。ハイボールなどの炭酸系も、ぐびぐび飲んでしまい、いつの間にか飲んだ杯数を忘れてしまう。これがいけない。日本酒を熱燗で頼むと、銚子の数で飲んだ量がわかる。目の前に3本の調子が並んだら、本日の終了サインと思えば良い。
ところが、熱燗を複数人で飲むと、銚子の数と飲んだ量が一致しなくなる。差しつ差されつの飲み方は、ここが最大の課題だ。酒量を図るという意味で、一人酒はまことに簡単で健全だ。
コロナが流行っている間は、酒を飲んでのコミュニケーションがなくなると嘆くオヤジ族が多かったようだ。コロナが終われば、飲み会が復活すると期待していたオヤジたちだが、結果は正反対になってしまったようだ。
飲み会のようなパワハラ・セクハラ満載のコミュニケーションはいらないとはっきりいう若い世代が増えて、渋々とオヤジ同士で傷跡をなめるような飲み会しか無くなったらしい。おそらくコロナの落とし子としては、これが最良の社会変化だろうと思う。
一人飲みでは、コミュニケーションなど不要で、悩むこともない。現代日本に最適化した、理想の飲み方だと思うのは自分だけだろうか。いや、自己弁護であります。

街を歩く, 食べ物レポート

おそらく一人では決して来ない店

渋谷で飲むことになり、お目当ての店が満員だったので、友人のおすすめする居酒屋に連れてこられた。ビルの奥まった場所にあり、自分一人では入ろうと考えもしないような場所だが、中に入ってみるとこれまた「驚き」がたくさんのお店だった。今風の若者向け居酒屋というのは、こんな感じになっているのだねという、おじさんのびっくり体験だった。

入り口前の暖簾は、典型的な居酒屋風だが、店名を見るとニヤッとしてしまう。この店のある場所は渋谷道玄坂下にある。道玄坂の南側と言えば良いのだろうか。通りの向かい、坂道の北側にはヤングカジュアルなファッションビルがある。なるほどな、と思わせる店名だ。

小皿料理はワンサイズ?

料理は小鉢を色々取り揃えている感じで、お値段はどれも低めだった。小皿料理というよりお手軽なつまみがたくさんという感じだ。居酒屋の定番というメニューも多くあるが、ちょっと変わった気になる「アイデア・メニュー」もある。今回気になった変わりメニューは枝豆の燻製で、スモーキーな香りがついた枝豆というのは、Good Jobと言いたくなる。
老舗居酒屋の定番メニューは意外と進化しない。老舗だから伝統を守るという感覚があるのか、あるいは老舗にあぐらをかいてメニュー改良をサボっているのか。少なくともコロナの激動を乗り越えるには、店のあれこれを変化や進化させる必要があると思うのだが。最近開いた新しい店は、当然ながらコロナの暴風に対応して時代の変化にあわせてきているのだし。
この店も7時を回る頃には若い客で満席になっていた。若者の酒飲み離れという言葉はどこの世界のことだと言いたいくらいの賑わいだった。が、大声で騒ぐものは少ない。

揚げたて天ぷら うまし

この店の「推し」は天ぷらだった。出てきた天ぷらに、ちょっと驚いた。この見せ方というか、盛り付けというか、出てきた感じがどうにもすごい。カウンターに座り、揚げたての天ぷらを目の前のアルミトレイに置いていくスタイルの大人気な天ぷら屋がある。その博多にある人気店を、それなりの外食企業が真似をして、それも完全コピーして出店している。が、コピー店はなかなか成功しない。なにか重要な部分がコピーしきれていないからだろう。
そのあげたて天ぷら提供スタイルが、この店でもそのまま使われている感じだが、それにしてもこのバラッとてんぷら置きました感は斬新だ。勘ぐってしまえば、あまり見かけは気にしないということだろうか。見栄えより味で勝負ということかもしれない。
天ぷらは熱々なので、当然ながら美味い。衣は薄めだが、揚げたて天ぷらにはその方が向いている。天ぷらのうまいさと見た目の凄さのギャップが、この違和感の原因だ。だが、そこはオヤジが目を瞑るしかないなということだ。今風の天ぷらや唐揚げは、揚げたて重視と割り切ろう。
おいしい天ぷらが高級料理で無くなるのは、ある意味正しい世の中のありようだ。天ぷらというカテゴリーが、お座敷天ぷらみたいな高級店しか残らないのであれば、食文化としては継続して成立はしない。
お安い天ぷらは全面的に賛成だ。

その安い揚げたて天ぷらを楽しんだ後に、全く別の意味で楽しんだのが、大根の唐揚げだった。おそらくおでんの大根のように、出汁で一度煮込んだものを、衣をつけカリッと揚げたのだと思う。これはこれで、とてもおいしい。素晴らしい料理アイデアだが、それ以上に楽しんだのはこの袋で、とてもとても楽しく笑わせてもらった。
ご丁寧に袋にも、I’m laughin’ it と書いてあるので、これは笑って楽しむのが正しい。パロディーとしてニコニコするのが大人の嗜みだ。
この店をプロデュースした方、なかなかのジョーク好きらしい。あと一つ二つ、この手の楽しい店を作ってもらいたいものだ。

街を歩く

高田馬場 ぶらり歩きの風景

高田馬場は谷間の底にある町なので夏は暑くてとても歩きづらいが、冬は歩き回っても快適だ。

久しぶりに高田馬場を歩いて見つけたゲーセンの看板が、全然「らしく」ないので笑ってしまった。まるで、なつかしの居酒屋的な看板だ。コロナによる営業規制のため、生き残るだけでも精一杯だったのではないかと心配していた。ゲーセンなどこの何年も入ったことがないが、昔はよく飲んだ後に遊びに行った。レトロというよりも昭和の化石文化ではないか。最近のゲーセンはクレーンゲームが主体だが、昔はモニターに向かってレバーガシャガシャやっていた。もはやマザーボードがダメになると交換機種もないだろうし、そもそもブラウン管のモニターなど作られているのだろうか。
そう考えるとレトロゲームは有形文化財扱いされても良さそうだが。

こちらの卓球場も、コロナの間はお客がいるのを見かけなかった。今では、換気のためか窓を開けて営業中だった。たまたまこの時は客がいなかったが、もう少し遅い時間であれば、なつかしの卓球に興ずる若者たちが集まってくるのだろう。
これも、昭和の化石文化だ。そろそろ新宿区有形文化遺産に認定されても良さそうだが。

その後に、飲食店の跡地に出現した判読不明な看板をあげる不思議店を発見した。簡体字のようなので、大陸系の客向けらしい店だ(たぶん)。東京では新大久保や葛西が外国人の集団居住地域として有名だが、高田馬場もそういう外国コミュニティー地域になってきたということだろう。コロナで母国に帰っていた人たちが、また日本に来ているということらしい。
昔、ニューヨークで見た「カラオケ」というカタカナの看板を思い出した。異国の地で見る母国語は、なかなか吸引力がある。あのニューヨークのびっくり感が高田馬場で再現されているのだろうか。高田馬場を道行く人の中に大陸系の人が多くなっているのは間違いない。この看板を見て(読解して)なんの店であるかはわからない。看板ではわからないが、空いたままの入り口から覗いてみると風俗系ではないようだ。ただ、店の中はかなり雑然としていたのでやはり商売の検討はつかない。

「V○V」はバルタン星人のサインだよねと言いたくなるが、それ系統の店でもないらしい。

しばらく高田馬場を歩いていないせいか、あちこちでお店が新築、改装されていた。オヤジ居酒屋の典型である「蔵元直営店」も、店内がきれいになっていた。おまけに、随分と明るくもなっている。健全な「居酒屋」に変身したようだ。どうも、この通りの先にある一軒目酒場を意識した感じがある。あちらの店はコンビニ並みに明るいので、高田馬場の流行は「店内がまぶしいくらい明るい」ということのようだ。それは、自分にとってもありがたい変化だ。本が読みやすい。

メニューもファミリーレストラン風な立派なものに変わっていた。気になるのは、最近あちこちでサッポロビールの赤星、つまりラガーが復活していることだ。サッポロビールの営業が頑張っているのか、ラガーファンが増えてきたのか。赤星はサッポロ黒生と比べると、若干もたついた感じがするビールだが、そこが良いのかもしれない。アサヒスーパードライやキリン一番搾りで育った世代には、ラガービールはある意味変化球的な存在だし、飲む機会も少なかっただろう。昭和レトロブームのお陰で、おじさんたちはラガービールのお裾分けに預かっているわけだ。

蔵元直営店なので、日本酒のラインナップは立派だしお値段もリーズナブル。一人で飲むには、酒量を調整しながらあれこれ注文できるのが嬉しい。誰かと来る時には、日本酒をパスしてホッピーやハイボールに逃げるのもありだ。

卓上から撤去されていたアレコレも戻ってきた。それでも醤油と唐辛子の最低キットなので、まだコロナ後遺症は残っているのだなあ、とわかってしまう。

以前もメニューにあったような気もするが、食べた記憶のない「カツとじ」を注文してみた。カツ丼のあたまというべき食べ物だろう。味付けがそれなりに濃いので、酒の肴には結構合う。酒を飲む時にトンカツをストレートに食べるのは、あまり向いていないと思う。トンカツ(肉薄め)を、甘めのつゆで卵とじにすると、あれまあ不思議、カツの油っぽさが中和されたせいか、卵の甘さのせいか、酒の肴に大変身だ。カツ丼の頭も好きだが、カツカレーのライス抜きも好きなので、やはりカツは変形調理したものが自分の好みらしい。蕎麦の天抜きもうまいが、このカツとじも好物だ。
全く理屈には合わないが、カツとじは揚げ物料理に対する罪悪感的なものが消えるからだろう。揚げ物が煮物に代わることで綺麗さっぱり返信してしまう。これは心理的な代償規制というべきか、はたまた無意識の言い訳と考えるべきか。
まあ、うまいものはうまいで良いのだと自分に言い聞かせ、次は何を頼もうか考えるのが、居酒屋の楽しみ。高田馬場の街が元気になってきてよかったなあ。

食べ物レポート

札幌シリーズ デザート編

雪は嫌いだが寒いのは平気だ。だから、12月後半から3月まで雪の積もる札幌に行くのが最近は苦手だ。

4プラ跡地から撮ったパルコ

札幌の冬は、地上から上は綺麗に見える。が、路面は雨の日よりもドロドロ状態になる。雪が降った後の溶けかかり路面は車の運転にも注意が必要だが、歩行者にとっては最悪だ。特に夜になると、あちこちにのこるシャーベット状の水溜まりから跳ね上がる泥まじりの氷水は実に始末に悪い。必然的に歩行者は地下に潜る。地上を歩く人影はまばらになるが、地下街は大混雑というのが初冬の札幌だ。
その歩行者を地上に引き摺り出そうとするのが、駅前通りのイルミネーションだと思う。確かに綺麗なのだが……………

12月になると一斉にクリスマスモードになり、街のあちこちでシュトーレンが売るようになったのは、ここ10年くらいのことだろうか。年々、シュトーレン製造の菓子屋が増えているので、あれこれ買い揃えて食べ比べてみる。フルサイズはちょっと大きすぎるし、お値段も張るのが問題だったが、最近はハーフサイズというかお手頃な食べきりサイズも増えてきた。年末の楽しみにクリスマスを過ぎても食べずにとっておいたりする。
ハロウィーンに参加するほど若くもないが、冬のシュトーレンは我が冬の定番メニューという感じになった。

もう一つの冬のお楽しみは、飲んだ後の締めパフェだろう。締めパフェ札幌独自の習慣だとは思う。夜営業の専門店も多い。が、しめにラーメンを食べていたオヤジ族がパフェに移行したとは考えにくい。ただ、最近はすすきののラーメン屋が減ったような気もする。夜営業のパフェ屋はそれなりの数になったらしい。世代間で断絶した締め文化がラーメン屋の衰退をもたらした?のだろうか。
個人的にはジェンダーフリーの風潮がパフェ文化を後押ししているのではないかと疑っている。男だから、女だからという性差を伴った食嗜好は確かに存在すると思うが、どこの世界にも例外的な人はいるものだし、スイーツ大好き男子や飲酒ラブ女子が世間の批判を恐れひっそりと闇に潜っていたのが、表社会に出てきただけだと思う。良い社会になったものだ。
だから、焼き鳥屋に入って焼き鳥の数倍もする高価格デザートメニューが卓上POPとして置かれているのをみると、おお、時代はここまできたかという気になる。これは是非試してみなければ、と思ったのだが、ついつい飲み過ぎてしまい注文しないまま帰ってしまった。久しぶりに後悔する羽目になった。
一体どんな味なのだろうか。少なくともこの焼き鳥屋では最上級メニューであることに間違いはない。ただ、向かい側のカウンターに座っていたのが、20代と思しき男女カップル5組、おじさん率ゼロという状況に遭遇していたので、ひょとするとこれは札幌都心部だけの、ヤングアダルトカップル向け特異メニューなのかもしれない。
しかし、焼き鳥屋にカップルで来るとは時代が変わったのか、デートの常識が変わったのか。などど、考え込んでしまう元若者・現オヤジでありました。
このデザート、次回は絶対にチャレンジするのだ。

食べ物レポート

回転寿司を居酒屋使いする悪者

札幌の外食シーンを観察すると、いくつか目立つ特徴がある。
一つ目、
マクドナルドとファミレスが少ない。人口比で考えると関東圏の半分以下の密度になっている。ファミレスの代行はびっくりドンキーととんでんが果たしているが、それでも店数は少ない。それとは逆に、ケンタッキーはやたら多い。全国密度の倍以上になる。北海道人牛肉嫌い?理論の素だ。
二つ目、
回転寿司屋は多いが、100円圴一のチェーン店は少ない。ちなみに、うまい魚を食べたければ鮨屋に行く。鮨を腹一杯に食べたい時は回転寿司屋に行く。これが、札幌人的な発想らしい。確かに寿司屋で大将お任せコースを頼むと、鮨は間違いなくオマケ料理になる。
三つ目、
蕎麦よりラーメンの値段が高い。老舗っぽい立派な蕎麦屋に行っても、蕎麦はラーメンより安いので驚く。普通のラーメン屋がぼったくっているとは思えないが、それでも東京的な平均価格から比べると2-3割高い。蕎麦は東京よりずっと安い。ちなみに東京によくある料亭化した蕎麦屋はほとんど見当たらない。ラーメンが高級料理とは言わないが、それなりに高いステータスを持っている。
ということで、今回は頑張って腹一杯を食べよう??と回転寿司屋に行くことにしたのだが………

最近、冬になると札幌の回転寿司を含めた鮨屋の「推しメニュ」は真だちになる。タチとはたらの白子のことで、この時期は鍋に入れたり、さっと茹でて酢の物にしたりする。昔は庶民の食べ物で低価格と思っていたが、最近では珍味として高級品化しているようだ。
それでも、値段は知れたものといえばそれまでで、いくらや筋子とは比べられないほどお安い。ただし、鮮度が勝負の食べ物なので、東京に運ばれてきたタチをみると、おや、もうすっかり溶けているなあと思い食欲が湧かない。さすが北海道では身がぷりぷりしている。身の角が立っているというか、見栄えもシャープだ。これなら鮨ネタになるだろうと思わせる高品位ものだ。
と言いながら、この日は真ダチを頼まなかった。

さて、最初の注文はザンギ。鮨屋でザンギか?と言いたい人はいるだろうが、札幌の回転寿司でザンギは絶対定番だろう。おまけに注文してから揚げるので、熱々の火傷しそうな一品だ。冷凍唐揚げを使う某居酒屋チェーンとは雲泥の差だ。
この後、サイド系商品をもう少しお代わりしながら酒を飲む。サイドの料理は注文してから作っているので、品質は抜群に良い。

そして、酒のつまみとして軍艦を頼む。これはいわゆるバラチラシのような、具材があれこれ適当にたくさん入っているもので、感覚的には寿司というよりシーフード・ライスサラダだ。一つは醤油で、もう一つは甘だれで食べるのがおすすめだ。

その次に、しめ鯖とガリを巻いた中巻を頼む。これも、酒の肴としては最高レベルと認定したい。しめ鯖が自家製なので、脂が乗ったジューシーな逸品だ。この辺りで酒のペースも落ちてくるので、あらかじめ作っておいたお茶(少々冷めているのがちょうど良い)で口の中を調整する。

おすすめネタは、こうして札がぶら下がっている。売り切れると札が降ろされるので、分かり易い。この札の中から何か頼むべきだと思うのだが、鮨で腹一杯にするつもりできても、あれこれつまみを頼み、にぎり鮨ではない物を楽しんでしまうのが悪い癖だといつも反省している。

結局、鮨の注文は2皿で、しめ鯖とイカでおしまい。今回も鮨を食べにきたはずなのに居酒屋づかいしてしまった。だから、昼のピークは外して席待ち行列がなくなる頃を狙って行くことにしている。酒を含めると平均単価をはるかに超えているので、勘弁してくださいね、という自己弁護をしながら、回転寿司屋を午後の居酒屋にしてしまう悪いやつだという自覚あります。
ただ、昼の蕎麦屋で飲むより背徳感は少ないので、やめられないなあ。

食べ物レポート

札幌シリーズ 焼き鳥屋で開運はいつもハズレ

札幌駅高架下にある「横丁」の焼き鳥屋にたまに行く。ここの箸袋はおみくじになっていて、大吉が出ると何かおまけをもらえるらしい。席に着く早々に、おみくじでテンションが上がるのだが、大吉は一度も出たことがない。この時は、初めて中吉が出た。大吉までの道は遠い。
このおみくじをネタに店長とあれこれ話すのだが、トークで持たせる屋台営業みたいな雰囲気もあり、なかなか上手な接客道具なのだ。

焼き鳥をバラバラ頼むのも楽しいのだが、今回はセットメニューを注文してみた。前菜が鶏肉スモーク三種盛り合わせ+信州漬物のセット。これに焼き鳥が何種類かつく。お手軽でよいかなとおもったが、 この鶏肉燻製がなかなか秀逸な作品で、思わずおかわりをしたくなった。

焼き鳥は信州上田スタイルなので、何もしないままの焼き鳥が出てくる。これを「ツケだれ」「かけだれ」の好きな方で調整して食べる。つけだれは、串揚げをソースにつけるように、カップに入った「タレ」の中に、串を持ってドブンとつける。肉にタレがたっぷり絡まる。
かけだれは、チューブの先が細くなっている容器(ケチャップやマヨネーズのような感じ)で、焼き鳥の上にタレを絞りながらかけてゆく。たれの量が調整しやすい。
ただし、たれの中身はどちらも同じなので、味の変化はない。量の調整だけ、と言ってしまえばそれまでだが。
このタレが、お店の売り物だけあって、絶妙にうましなのだ。札幌でも個性的な焼き鳥屋が減っているような気がするが、道外から侵略?してきた「焼き鳥屋」に負けずに独創性を発揮してほしい。地元民のおすすめ焼き鳥が「串鳥」一択ではちょいと寂しい。ただ、札幌市民もおいしい侵略者は大歓迎に違いない。ウギの侵略者は、博多戦国系だといいなあ。

街を歩く, 食べ物レポート

銀座の風景 11月の晴れた日

銀座にはぶらぶらしに行くことが多い。用事がある時も、時間に余裕を持ってぶらぶらしてみる。

銀座にあるアンテナショップに買い物に行ったついでに、久しぶりの「路面スパ」を食べに行こうと思った。コロナの間は、銀座もおとなしい街になっていて、この店も暇そうな時もあった。それが、今や完全復活というべきか、30分以上待つ行列が戻ってきていた。行列に並ぶのがありがたいと思うわけではないが、銀座で商売していくためにはこれくらいの人気がなければなあ、などと思ってしまった。とりあえず、めでたいかな。

いつもの通りで、和風にするかナポリタンにするか迷ってしまったが、やはり定番ナポリになってしまう。一つ、昔と変わったことは、大盛りには見向きもしなくなったこと。両隣の客がどちらも大盛りを注文していた。その隣は大盛りの上を行く横綱級だった。その麺量を見て、やはり普通盛りで正解だったと安心した。
ナポリの味付けは極端に濃いわけではない。太めの麺に絡むので、適当に濃い味付けではあるが、やたら喉が渇くということもない。某スパゲッティ専門店の油ギトギト系とも違う。この店も大盛りで有名とは言え、銀座の風格?みたいなものはあるのだろう。久々のナポリに満足した。うましだ。

以前と変わっていたことが、テイクアウトの注文が多くなっていることで、メニューチラシももらえるようになっていた。行列に並んでいる間も、頻繁にテイクアウト注文を取りに来る客がいた。炒めスパは麺料理として考えると、テイクアウトをしても劣化しにくいので、意外と利用しやすいだろう。2個3個と持って帰る人も多い。お使い当番がいれば出前より便利だしなあ。

その後、銀座の裏通りをぶらぶらしていたら、どうもスケートリンクらしきスペースができていた。おそらく季節限定だろうが、銀座の真ん中でこんな遊び場ができるというのも、これまた不思議な光景だ。
コロナのもたらしたあれこれの被害?の中で、銀座にできた空き地を有効活用する人たちもいるということだ。商売というより、銀座の心意気みたいなものか。ちょっと嬉しくなった。
さて、正月を過ぎたら銀座はどんな具合になっているのか、また確かめに行こう。

旅をする

観光地化した商店街のあれこれ

金沢の繁華街にある市場は、ずいぶん昔から通っていた。金沢土産に魚の干物や野菜を仕込んで宅配便で送るというのが、金沢出張での楽しみだった。久しぶりにその市場に行ってみると、「市場」的要素がすっかり薄れてしまっている気がした。もはやほぼほぼ観光マーケットになっている。
金沢に限らず全国各地で似たような「観光地化」した庶民の台所は多い。京都の錦市場は早くから観光地化していたが、それでもまだ半分くらいは地元の生活感が溢れるところだ。それとは逆で、札幌の二条市場は、もはや市民のためにある買い物の場ではない。観光土産専属販売所だろう。この金沢の市場は、錦市場と二条市場の中間くらいの位置になるか。

特に目立っているのが、海鮮丼ぶりの店でその増殖ぶりは驚くほどだ。コロナ期間中の落とし子だろうと思うが、「昼飲み」推奨なのが何やら悩ましい。しかし、海鮮丼ぶりを肴に酒を飲むのは、なかなかハードだと思う。おそらく店内メニューには、つまみがあれこれ並んでいるはずだ。しかし、金沢海鮮丼というジャンルが成立したとは、初めて知った。いつの頃から生まれてきたのか、何かご当地丼的なルールがあるのだろうか。あれこれ気になるが、調べてみるほどの熱意が湧かない。

よく考えればというか(よく考えなくても自分は観光客なので)、この観光市場はそれなりに楽しい。日曜の午後ということもあり、市民向けの八百屋や魚屋は大半が閉まっていた。関西から来た観光客が魚を土産に買っていたから、やはり西国向けの観光地なのかと改めて思った。新幹線が開通した後、東京から金沢へ行くのは京都・大阪へ行くのと変わり無い時間だから、もう少し東国向けの商品が増えても良さそうな気もするが。東国と西国は好みの魚、魚種が違うので、その辺りを誰かプロデュースすれば良いのになあと思った次第。

ふぐの糠漬けというものがあり、これはへしこ(鯖の糠漬け)のファミリー製品かと思ったが、糠につけることでフグ毒が消えるらしいと、何かの記事で読んだ。ただ、ふぐ食はやはり西国の食文化だし、東国の人にとって珍しい魚、食べ方だろう。
フグを食べる習慣が出来上がっていない東国を、フグ拡販のブルーオーシャンと見るか、食習慣の変更を強いるレッドオーシャンとみるか。市場を観光地化するよりも、そのあたりのマーケティング戦略を、県とか市などが観光予算を相当額を投入してもやるべきことだろうなあ、などと市場で真面目に考えてみた。結局、フグのぬか漬けは買わなかったけど。