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街を歩く

刺し盛りで一杯

三点盛りに 「げそわさ」追加

新宿に本店のある日本酒居酒屋の渋谷店に行ってきた。渋谷は東京の中でも独特な街だと思うが、その原因は圧倒的な若者世代の多さであり、高齢者が徘徊していない街だからだ。すでに日本の人口は1/3が高齢者、ジジババだから、街を歩けば高齢者が一番多い。ところが、渋谷の街を歩くと年上と見える世代もせいぜいが40代後半から50代の感じだ。
当然、街中にある店は若者向けが中心になる。東急百貨店東横店は現在再建築中だし、東急百貨店本店は閉鎖してこれから解体工事になる。高齢者が行きたくなるような施設が、もはや渋谷には西武百貨店しかない。ただ、西武百貨店も昔からちょっと尖ったセンスだし、最近では買収された先が、ハイセンスビジネスとは縁がない企業のせいか、微妙にやぼったいというか、変なセンスを見せていて高齢者向きとはいえない。

そんな高齢者に優しくない街「渋谷」で、高齢者が好きそうな店を探すのはなかなか大変だ。そもそも渋谷で無理をして探すくらいなら、もう少し足を伸ばして違う街に行くほうが良い。お江戸の東部、下町エリアにまで行けとは言わない。山手線西部領域でもあちこちにジジババ向けスポットは残っている。
そんなことはわかっているのだが、なぜか所要が渋谷で重なり、ここしばらく何度も渋谷に行く羽目になった。せっかく渋谷に来たのだからファッショナブルなトレンド先端的な店に行くのも良いのだが、ついつい美味い日本酒で一杯やろなどと考えてしまい、希少な高齢者向き店舗、生きる化石のような店を見つけてきた。
その結果として、周りにいる客も当然ながらほぼ同年輩のロートルオヤジばかりだったが、1組だけ30代のカップルがいた。日本酒酒場に来て、注文したのがレモンサワーとハイボールだったので、よく目立った。つい気になって聞き耳を立ててしまったが、料理の注文も揚げ物と飯だった。なかなか面白い利用の仕方だと感心した。

本日のおすすめという料理は何品か黒板に書かれていたが、あえて刺身三点盛りを注文してみた。実は新宿本店で頼んだ刺し盛りがかなり気に入ったせいもある。そして登場してきた刺し盛りを見て2度びっくりした。まずは切り身の厚さだ。この厚みはすごい。標準的な刺身の厚みがどのようなものかはわからないが、なんとなく「普通の2倍だな」という感じがした。口に入れるとモグモグと噛む。いや、噛み締めることになる。噛み締める刺身は、随分と珍しい気がする。
二番目のびっくりは、ネタにサーモンが入っていることだ。昨今の若者世代で人気がある寿司ネタナンバーワンがサーモンだそうだ。サーモンは色が赤み(紅色)ではあるが、肉質としては白身魚になるらしい。だから、この3点盛りは赤身(マグロ)と白身二種の組み合わせになる。
お江戸の定番の組み合わせといえばマグロと白身とイカと思っていただけに、イカの代わりがサーモンかと驚いたわけだ。すでに若者のサーモン人気は高齢者にも触手が伸びているということだ。ジジイの若者志向というのはちょっと気持ちが悪いが、食の嗜好に関しては多数派(ジジイ層)が少数派(若者)に駆逐されつつある。伝統は受け継がれることなく廃棄されるのだ。これも現代日本人特有の、若者礼賛の表れだろう。ジジイが若物に媚びてどうするというのだ、などと心中で毒付いていた。が、平日にユニクロに行くと客の平均年齢が60歳を超えているように見えるのと根っこは同じだ。
かなり微妙な気分でサーモンを食べたが、決してまずいわけではない。脂が乗ったサーモンはトロとはまた違う楽しみ方があるし、合わせる酒を選べば良いのだ。などと心の中でぶつぶつ言い訳めいたあれこれを考えていた。サーモンを食べた後、一緒に注文した「ゲソワサ」の淡白さが身に染みるうまさだった。
これは味覚という点で、老化というよりヒトとしての劣化なのかもしれないなあ。渋谷の夜はほろ苦い。

ソロキャンあれこれ, 街を歩く

100均のダッチオーブン

100均の店で時々登場するエース級のキャンプグッズがある。この小型版のダッチオーブンは、キャンプギア専門店でもあまり見かけない。いわゆるニッチ商品なのだが、お見事な仕上がりだと思う。ネットニュースでも売り切れ情報が出ていて、見つけたら即買いのおすすめ品だった。自宅周辺では全く見つからず、なんと旅先で発見したので後先考えず買ってしまった。
ちなみに数日前に渋谷にある大型店では山積みされていたから、店長の仕入れ感覚に在庫が左右されているのかもしれない。
標準的なダッチオーブンは大小二個持っているが、当然ながらどちらも直径25cm程度の大型鍋で、重さも数kgあるからキャンプ道具としては重装備な代物に入る。車で行く時には特に問題はないが、焚き火で調理しようとすると周辺道具も必要で、やはり大掛かりなお道具になってしまう。その点、この超小型版はまさにおひとり様向けの大きさで実に良い。

これを何に使うかは脇に置いておき、とりあえず使う前の下準備、シーズニングをしなければならない。下準備は、工場で製造された後に錆止めのために施された表面の機械油を取る作業だ。南部鉄瓶では内部に漆を塗っているようだが、それも使いはじめには下準備がいる。ダッチオーブンなどの洋物鋳物鉄器は表面の機械油を取り除かないと食用調理には使えない。
このシーズニングを室内でやると、機械油が焦げ、その臭いが部屋の中に籠るので、室内作業はあまりお勧めできない。だから通常は晴れた日に表でやることにしている。

まず鍋を火にかけて熱する。温まってきたら、サラダ油をたっぷり入れる。鍋の温度が上がってくると表面から薄く煙が出てくる。機械油が熱せられるせいだ。その頃には、注いでおいたサラダ油も高温になり煙が出始める。そこに、屑野菜(にんじんの皮やキャベツの芯のような料理の途中で出てくる)を放り込み、野菜が焦げる寸前くらいまで炒める。目的は鍋全体の表面に塗られている機械油をサラダ油と合体させて取り去ることなので、鍋の底だけではなく横の部分もしっかり炒め野菜を押し付けて行く。今回は焼きそば用に用意したキャベツの外側を使った。

適当に炒め終わったらキャベツを取り出す。これは機械油まみれになっているのでゴミとして捨てるしかない。(だから、屑野菜を使う)
野菜を取り出したら、底に油が残っている。それをしばらく放置し、ある程度鍋の温度が下がったら、ティッシュペーパーなどを使い油を拭き取る。その後、ぬるま湯で鍋を洗い油を流し終わったら、ティッシュペーパーなどで水気を拭き取る。そして、また日にかけて表面を熱する。水分を飛ばすためだ。その後、改めて表面に錆止めとして少量のサラダ油を塗る。
これで準備作業が完了する。慣れれば5分もかからない作業だ。一度シーズニングを済ませて仕舞えば、焚き火の中に突っ込んで加熱調理することもできる。ワイルド系が好みであれば、焚き火に直で突っ込んだ鍋で塊肉を焼き上げるのも良い。お手軽ローストビーフだ。
芋やカボチャなどを適当なサイズに切り、鍋に放り込み焚き火の上で放置する。時々串などで野菜の真ん中部分を刺し、串がすっと通るくらいになったら火から下ろし、オリーブオイルを回し掛けする。ここに多少お高い高級塩をかける。モンゴルの岩塩とか、地中海の塩とか、いかにも高そうなものを選ぶのがお勧めだ。塩の味よりも、高級な塩を使っているという自己満足的気分の問題だ。ただの野菜がご馳走に変わる。
西部劇に出てくるカウボーイスタイルで遊びたければ、軽くベーコンをと玉ねぎを炒めた後でトマト缶と豆缶を放り込んで軽く煮詰める。好みで鷹の爪などを放り込み、最後にオリーブオイルをかけてかき混ぜれば、あっという間に西部男のワイルド飯になる。
などなど、ダッチオーブンは夢想が広がるキャンプギアなので、見つけたらぜひ一つお買い上げすることをお勧めする。ちなみに、冬になればこれを使って一人すき焼きをするつもりだ。鋳物鉄器は男のロマンだぜー・

ソロキャンあれこれ

今回のお試しグッズ 

特売で売っていた保温型マグカップと100均で購入したまな板、小型のスウェーデントーチを試してみることにした。
まず、マグカップだが内側がステンレスで保温性がある。寒い季節より暑い季節に冷たい飲み物を保温するのが便利そうだ。小型のステンレス保温瓶に入れた氷水をつかい、暑い盛りに冷たい水割りを作るのが楽しみだ。予想以上に重宝しそうだ。これまで使っていた軽量のステンレスマグはお払い箱になった。
竹の集成材らしい小型のまな板は、ソロキャンプ向けにお手頃サイズだと思う。2枚用意して一枚はまな板として、もう一枚は皿代わりに使うと言うのがよさそうだ。汚れがひどくなったら、焚き火で燃やして自然のリサイクル?に戻して行く。
最近は焚き火で出る燃え滓、灰を持って帰って肥料の代わりに使うので、土に帰るという意味では自然の焼畑農業みたいな感じのリサイクルだ。厳密に言えば集成材にする時の化学物質も含まれるのだが……………

今回の目玉は超小型のスウェーデントーチだ。丸太に十文字の切れ目を入れて、その中に火をつけるとロウソクのように燃えて照明になるというのがスウェーデントーチだが、通常は直径50cmくらいの太い丸太を使用する。木の内部から燃えて行くので、鍋を置いて調理にも使えるという、なんとも魅力的なものだ。
この小ささでは調理は難しそうだが、ロウソクがわりのおしゃれな照明になるだろうと、いくつ買い込んでみた。夕方になり石油ランプに火を灯すタイミングで火をつけようとした。
焚き火で燃えている枝を取り、切れ目の内部に入れてみるが、何度やっても火がつかない。どんどん暗くなってきて、点火作業もままならなくなってしまった。残念ながら諦めた。
やはりアウトドアの新型グッズを試すのは、日中の明るいときでなければいけないと反省した。おそらく、なんらかの点火用の仕組みが必要なのだ。100均の商品と舐めていたこともあるが、無計画すぎだ。小型の着火剤を切り取り、切れ目の中に押し込み、それをライターやマッチなどで火をつけないといけないだろう。小型とは言え木の塊なのでマッチ一本で火がつくはずもない。
次回は日中に一度点火した上で、夜に備えることにする。ただ、100均の商品なので何本か失敗しても惜しくはないし、失敗したとしてもこれはまさにそのまま薪になる。
相変わらず極楽キャンプというより実験室見たいなキャンプをしているが、それもまた一つの楽しみ方だろう。

ソロキャンあれこれ

キャンプで安眠を求めて

シートとサイドのポール このポールを両脇に差し込み固定する

キャンプ泊をする時に安眠の手段を手に入れるのは、焚き火の次くらいに重要なことだ。基本的にはテントで寝る時は地べたに寝ることになる。だいたいの季節は地面が冷たく、湿気も多いので防寒防湿対策が必要だ。テントの底面下にグランドシートという防湿物を敷く。テントの床面には通称銀マットとよばれるアルミコーティングしたウレタンシートを敷いたり、マットレスを使う。マットレスは防湿以上に防温性が重要で、おまけにクッション性も要素として加わる。
このマットレスとの相性はなかなか難しいもので、いくつかの製品を試すことになる。ただ結果としては、気にいるものが見つからなかった。厚さが10cmを超えるマットにすればかなり快適になると思うが、持ち歩く時の大きさが問題だった。車で運ぶにしても丸めた直径が50cmを超えるとなれば、これはもうほぼ布団だろう。(重量は諦めてマットの二段重ねも試してみたが、これはなかなか調子が良かった)
そこで考えたのが簡易型ベットであるコットだ。これであれば足の高さの分だけ地面と離れるから防湿性は高いはずだし、寝心地も良いだろう。
だが、最初に買ったコットは携帯性の高いものを選んだのが裏目に出て、組み立てることが難しい。特に足をはめる段階で一人では組み立てるのが難しいほど力が必要だった。そこで組み立てやすさに重点を置いてみつけたのがワークマン製品だ。
米国軍放出品があればそれでも良いかなと思ったが、手近なところでは見つからなかった。自衛隊放出品も探せばどこかにありそうだが、官給品だから、存在するとしても横流しの危ない品物かもしれないしと諦めた。ただ、自衛隊だと簡易式ではない金属ベッドだけかもしれないなあ。

まず組み立てだが、シートの両脇にポールを差し込み固定する。最初に買ったコットは、このシートとポールの固定が大変だった。ポールがはみ出てこないように、入り口穴の形状が袋状になっているのだが、その部分が固定するのにテクニックが必要だった。
ワークマン製品はそこが改良されている。開口部の穴を広げる紐がついていて、それを引っ張りながらポールを押し込むと、固定できるようになっている。道具は進化するものだ。ちなみにワークマンの宣伝文句が「声のする方に進化する」なので、まさにその通りの使いやすさ向上が図られているということだろう。素直に「えらい」と言いたい。
他社製品で最大の難関だった足の固定だが、他社製品はポールに空いた穴の向きを下に揃えて、シートに目一杯貼りを持たせた上で(これが大変むずかしい)、穴に足の金具を差し込むという方式だった。
こちらのワークマン製品は、金具を片方のポールに差し込んだ後(位置を揃える必要はない)、シートを引き気味にしてハンドル付き(てこの原理で金具をボールに押し込む形式)金具をセットする。ちょっとコツがいるが、比較的力を使わずにセットできた。これが最大の改良点だろう。
足の高さは金具の基礎部分に脚部金具を差し替えることで高低二段に変えることができる。これは実に簡単だ。

慣れれば5分程度で組み立てることができる簡単設置仕様に仕上がっている。シートはパンパンに張っているので、寝心地は快適だった。昼寝に使うのであれば申し分ない。夜になってテントの中で使った経験で言うと、やはりちょっとシートが硬い。寝返りをうてる幅はギリギリあるので、寝心地改善には薄手のキャンプ用マットレスを敷くと良いのかもしれない。今回は気温が高く寝袋も使わなかったからクッション性が皆無だった。冬場には厚手のシュラフと防寒マットなどを使うと快適に寝られるような気がする。
冬が来るまでは、昼寝専用になりそうだが、屋外用ベッドとしては優秀と言うしかない。やはりキャンプ道具は使ってみないとわからないことが多いが、快眠性追求マニアとしては、もう少しあれこれ試してみたい気もする。次はお値段のお高い簡易ベッドを買ってみるかなあ。でも、寝心地以上に値段で後悔しそうな気もするし、そもそもそんなにキャンプ行くのかも……………

街を歩く

キャンプで生ビール

最初にお断りするが、自分はけしてアサヒビールスーパードライの回し者ではない。ビールはどちらかというとプレモル好きだし、普段のみであれば一番搾りが好みだ。気張って飲む時はギネスの黒がよろしい。
だが、この泡が出るという新タイプの缶ビールはCMを以て気になっていた。人気商品らしく売り切れが続いていたが、最近ようやく近くのスーパーで買えるようになった。とりあえず中身は同じだろうと一缶だけ買ってきた。それを気温の上がった日のキャンプで飲もうと思ったのだ。この日は5月にしては珍しい30度を超える夏日で、ビールを飲むには絶好の日だと思った。

上面全部が蓋になっているので、プルトップを引くと、缶上面が完全に解放される。イメージとしてはツナ缶を開けるような感じだ。どうもビールの冷やし方が足りなかったのか、いきなり泡が爆発的に飛び出してきた。
おやおや勿体無いだろうと思ったが、量的にはそれほど減ってもおらず、泡だけが吹き上がった感じだろう。ひょっとすると、缶の蓋は一気にかパッと開けてしまうのが良いのかもしれない。

泡の吹き出しが治ってから徐に飲み始める。いつものスーパードライの味だった。中身ではなく缶の形状が変わっただけだから当たり前だろう。ただ、これまでも缶ビールを飲む時は、狭いプルトップの飲み口が嫌いで、ほぼ必ずコップに注いで飲んでいた。だから、缶上面が全解放されている新形態は好ましい。これであればコップいらずで飲めそうだ。
問題は泡の吹き出しだろう。これほど勢いよく出てくると、従来缶のように「おっと、危ない」と口をつけて飲むわけにもいかない。なんだか微妙に難しい飲み物だ。それでも、屋外で飲むにはよさそうだ。もう一本買ってこようと思っていたら、すでに売り切れていた。やれやれ。

街を歩く

原宿散歩 東郷元帥のことで思う

竹下通りから明治通りに出た後、東郷神社までは一息の距離だ。ただ、この東郷神社は(個人的には)新しくできた人工的な神社という感じがあって、今一つ拝みに行く感覚にならない。東郷元帥の記念館みたいな思いが強い。
神話時代であれば日本武尊、戦国期であれば豊臣秀吉が軍人として神社に収まっる一柱になった経緯を思えば、戦功のある武人が神社の主神になるというのは不思議でもない。明治の大戦で大奮闘し歴史に残る鮮やかな結果を残した東郷元帥の神社ができても、当時の国威発揚策として考えれば当然だっただろう。
日本という国が戊辰戦争、西国諸藩連合が起こした暴力革命の結果として、30年を経過してようやく治まりかけた時期だ。おまけにその国が開発途上の貧乏国のくせに大陸の二大強国と連続して戦争するという暴挙に出た。1度目の戦争で賠償金を手にしたことに味を占め、2度目の戦争は国際的な大借金をしてまで開戦したのだから、負ければ亡国どころか民族根絶やしになるほどの大ギャンブルだっただろう。
それに勝ってしまった立役者が、軍神に生まれ変わっても仕方がない。ただ、その結果として、また世界最強の国を相手に、勝利条件も決めないまま戦争を仕掛けるという暴挙パート2をする原因にもなった。東郷神社の始まりは、まさに敗戦亡国のきっかけとも言える。
東郷元帥自身は対英米戦を危惧していたという話も読んだことがある。もしあと10年長生きしていたら、陸海軍が暴走し、開戦にいたるまでのあれこれを止める役になっていたかもしれない。貧乏なくせに見栄を張る政治屋の姿は現代にも続いている。対戦に負けてもこの国の政治屋どもの考えは変わらなかったらしい。人類が存続する限り、クズな政治屋は無くならないなのだなとも思うのだが。色々な意味で東郷神社は考えさせられることが多い。

すぐ近くにある明治神宮もそういう意味では、大正期になって創建された神社だから、東郷神社だけが特殊というわけでもない。そもそも神社には複数の神様が、時代を超えてだんだんに集まってくることも多いので、造営された時代とか祀られている主神のことをとやかくいうこともないとは思う。八百万の神の国だし。しかし、この近代的ルックスの神社というのもなんだかなあ、という気分がするのも確かだ。

その東郷神社の前、明治通りを眺めてみると知らないうちにずいぶんビルが高層化している。東京メトロ副都心線の工事中は、実に見通しの悪い渋滞道路だったような記憶があるが、今はすっきりとしているし、電線が地中化されたせいで空に余計なものが見えない。電信柱と電線電話線が消えると、空は広くなるのだとわかる。おしゃれタウン原宿には似つかわしい景色だ。歩道が広くなったので歩きやすい。原宿から表参道を抜けて青山に至るゆるい坂道も昔から散歩道としては名高ハイソサエティー愛好レベルの遊歩道であるが、明治通りも散歩のしやすい都会的な雰囲気になった。

原宿を北参道方向までぶらぶら歩いた後、原宿駅に戻る途中で見かけた、いかにも原宿っぽい洒落たラーメン屋がとにかく目についた。パッと見ただけでは、これがラーメン屋と思う人の方が少ないだろう。オープンテラスがあるカフェと言われても信じてしまいそうだ。
この店の本店(?)は恵比寿にあると思っていたら、本店は神奈川の山奥にあるそうだ。あまりにもオシャレすぎて、この店にラーメンをたべに行った記憶がほとんどない。10年以上前に一度行ったきりかもしれない。ただ、端正なスープが有名で、いわゆる高級ラーメン店の走りだった。
ネットで調べてみたら、なんとすでに国内に10店以上ある有名ブランドだった。海外にも大量に出店しているので、グローバル化したラーメンエンタープライズだ。

窓の外からメニューが眺められる。じっくりみてみた。なんと、千円では食べられない。もともと高級系な店だったが、場所柄も考えると、ついにラーメン1500円時代が到来したのだと分かった。昔から、ラーメン一杯の値段は、アルバイトの時給で1時間分くらいだと思ってきたが、ついに時給を超えてしまった。この先、時給が上がるのが早いか、ラーメンの値上がりの方が早いか、相当微妙な感じがする。
ラーメンがついに大衆食から脱出して進化する時代が来たのかもしれない。それとも、これは原宿だけで起きている局地的な動きなのだろうか。日本経済の今を探るために、もう少し原宿をぶら歩きしてみるのも良いかな。

食べ物レポート

自分への土産物

北の大地に旅をすると、いくつか買い込んでくるものがある。お土産というより自分向けのストック商品が多い。昔はジンギスカンのタレを大量に買い込んでいたが、最近は首都圏のスーパーでも手に入るようになったので買い物リストからは除外した。今でも買い出ししているのは、ジンギスカンのタレ風の「しゃぶしゃぶのタレ」で、これは有楽町のアンテナショップでもたまに買えるが、個人的にはほぼ万能調味料扱いなので、最低限3本はストックしておきたい。なので、定期的に現地調達している。
セイコーマートのPB商品である「ミルクコーヒー飴」も買ってくることが多い。セコマは埼玉県にも支店があるので、乾物飲料系であれば手に入るのだが、残念ながら最寄りの店舗まで車で1時間近くかかる。だから軽めのものは現地調達することが多い。さきイカにチーズがコーティングされた、チータラのイカ版は土産に渡すと喜ばれる。セコマ最強PBはメロン味のソフトクリームだが、これは持って帰るのが難しい。首都圏のウェルマートで業務提携しているらしく、セコマPBが手に入ることもあるのでたまに利用する。

土産に頼まれるものは大体が甘いものになる。カニやイクラなどの生ま物(?)は頼まれても宅配便で送ってしまうことにしている。荷物の軽量化は大事な旅の掟だ。
お土産に希望されるような名物は空港で買えるものがほとんどだが、時にはローカルな街の名物を調達しなければいけないこともある。十勝であれば、スイートポテト(それも重量で値段が決まる量り売り)が現地でしか買えない名品の最たるものだ。これを買うために何度か寄り道をしたぐらいだ。ただ、自分への割り当ては極めて少ない。あくまで贈呈用の一品だ。
北の軍都であれば、リンゴが丸ごと一つ入ったパイがおすすめだが、これも現地でなければ手に入らない。最近はテレビで報道されたせいで通販でも品切れが続いているようだ。とてつもなくうまいプリンもあるが、こちらは通販で買えるようになった。プリンは冷蔵品だし、なかなか重たい荷物になるので、土産扱いにはしていない。1-2個を自分が食べるために買うくらいだ。ラーメンでも有名な街だが、個性的な銘菓が多い。動物園を見に行ったついでに、あれこれ買い集めるのが良いかもしれない。
たまたま軍都の名物焼き菓子を土産に注文されたので、どこにいけば買えるかとネットで調べてみたら、なんとJR駅前の物産館で売っていた。空港の中で探すのはなかなか大変だが、駅の物産館はコンパクトでわかりやすい。すぐに見つけたが、なんと味がわりで3種類ある。どれを買えば良いか問い合わせをすれば良いのだろうが、面倒なので全種類買ってしまった。

食感で売るという、かなり斬新なコンセプトだが名品に違いない うまいぞ

その注文された焼き菓子を手渡してから、ふと自分でも食べてみたくなった。すでに土産として渡したものを、一つでいいから自分にもくれないかと頼めるはずもなく、その時は諦めた。次に行った時に自分の分を調達しようと決めた。それが、この焼き菓子だった。サイド買いに行って気がついたのだが、一枚ずつばら売りしていた。最近の土産物屋はこのバラ売りシステムを採用しているところが増えたが、実に客目線で宜しいサービスだ。
さてどんな味だろうと一枚食べてみると、柔らかいクッキーというのが最初の感じだが、商品にはクッキーではなくサブレーと書いてある。サブレーの定義はよくわからないが、なんとなく硬めの焼き菓子というイメージがあるので、このふにゃっとした食感は意外だった。生地の甘さは控えめだが、その中に柔らかいチョコレートが練り込まれている。
チョコチップの入ったクッキーがとても柔らかくなったというか、ぐずぐずに湿気った食感というのか。甘さのバランスも良いが、最大のセールスポイントはこの一風変わった食感だろう。ホワイトチョコ味は食べなくても想像がついてしまう。サイトを見てみたら季節限定品も売っているようだ。次回は季節限定品を試してみよう。

この焼き菓子をもぐもぐと食べていたら、東京大好きな元・上司が銀座以外の菓子屋なんて…………という大差別発言をしていたのを思い出した。全国各地の菓子職人たちが銀座には売っていない(おそらく発想もできないから作ることもできない)、ユニークな名品を生み出しているのだが知らないのか、と反発していた。
たまたま出張の土産にフランスで有名なお菓子を買っていたときも、この店は東京にもあるのに………と馬鹿にされた。東京にあるのだから珍しくもないと言いたいようだった。
フランスの店と東京の店で売っているものが同じ商品だと思う神経がよくわからない。原材料を全てフランスから輸入したとしても、調理機器を全て輸入品にしたとしても、水が気温が湿度が違う以上、同じものになるはずがないだろう。おまけにフランスの小麦は一般的な輸入品ではない。味をよくしようとカナダ産小麦などの北米もの小麦に変えていたとしたら、東京製はフランス製と根底から変わってしまう。同じミルクやバターをフランスから安定的に輸入できるかというともっと疑問だ。日本にある「商品」は名前は同じであっても、限りなく現地のものに似せているが、あくまで似せているだけの「偽物」でしかない。(ただ、偽物であっても上手いのは間違いないと思う)東京で売っているものは、ブランドラベルだけ本物、中身は別物という認識ができないのだろうか。業界人としての見識を疑ってしまう。などと、心の中でぶつぶつと呟いていた。(こっそりとぶうたれていたが、あくまで心の中だけですよ、だって、上司ですからね)

こういうローカルな名品に出会うたびに、その時のことを思い出す。熱烈な東京崇拝主義は、それに反発する過激な地元礼賛主義を生み出すものだ。地方と中央という対立構造は案外と食い物の恨みから生まれているのかもしれない。個人的には、お江戸も巨大なローカル都市だと思っていますから、ありがたみなど感じていませんけどね。

街を歩く

うれしいお土産

お江戸には様々な和菓子の名店がある。100年続く老舗も多い。(古都の人間に言わせると老舗とは少なくとも室町時代あたりから続いているブランドを言うらしいのだが) 
和菓子を商う名店では、あんこに関して一言あるようだ。老舗であるほどあんこへのこだわりは強く、原材料や製法、一子相伝の秘法みたいな物語になっていると考えて良いだろう。この辺りは食に関わるものとして色々と言いたいことはあるが、今回は横に置いておく。
行列をしてでも買いたい「我がお気に入りランキング」で、和菓子部門の常連といえば、お江戸のどら焼き三名店がある。どら焼きは全国あちこちに名店、名品があるが、確かにお江戸のどら焼きは上位ランキングに並ぶ逸品だと思う。長崎のカステラと比べても良いほどの完成度ではないか。
また、庶民派の代表選手である団子の名店もお江戸のあちこちに散らばっているが、個人的には高輪のハズレにある店の団子が気に入っている。(あくまでお江戸ではという限定付きだ。団子ワールドで最大のお気に入りの団子屋は長野県伊那市にある)
下町まで足を伸ばせば「きんつば」や「〇〇もち」「くずもち」などの名店に事欠かない。「あんみつ」など甘味処も神田から浅草にかけては名所が多い。確かに、お江戸は古都と違った甘味天国なのだが、個人的なイチオシはやはり最中(モナカ)だ。


最中といえば予約をしなければなかなか手に入らない銀座の「空也」は押さえておきたい絶対定番だが、もう一軒お気に入りの名店が吉祥寺にある。そこの最中を土産にもらったら、半日くらいはウキウキしてしまう。
そもそも最中という存在だが、あれはあんこをそのまま食べるのは難しいので、あんこの味に影響のない皮で包んだ食べものという認識をしている。あんこを純粋に楽しむ和菓子、と定義しても良さそうだ。どら焼きはあんこと甘い生地の調和を楽しむものだから、もなかとはその部分が異なっている。ソロ演奏と二重奏の違いみたいなものだろうか。
最中の皮は、苦い薬を飲む時に使うオブラート(未だに存在しているとは思うが)みたいなもので、味に主張があっては行けない。あくまであんこが主役だ。
ただし、歯触り、食感も味の内なので、皮がパリパリしていないと最中の全体的な味を引き下げてしまう。なかなか厄介な脇役だと思う。しかし、あくまで皮は脇役であんこの味を引き立てるための存在だから、皮に妙な甘みがあったりしてはいけない。
だからこそ、最中は皮が湿気ってくる前にさっさと食べてしまうべきなのだが、スーパーなどで売っている量産品の最中はサイズが大きすぎる。一つ食べると満腹になってしまうほどだ。それではモナカ道に反するというか、甘味道楽のルールとしてはいけない気がする。できれば最中は白餡と粒餡など、あんこの種類を変えて同時に楽しむ物ではないかと思うからだ。
そうすると、明らかに量産品はオーバーサイズだ。だから、良い最中を売っている名店の条件とは、あんこの質もさることながら小ぶりなものを売っていることだと、個人的に決めつけている。
その点で評価が高いのは、仙台「白松がモナカ」で、大小2サイズを販売している。これはとても嬉しい。(ちなみに白松が最中はなぜか北海道でも有名で、ずっと北海道の和菓子屋だと思い込んでいた) 銀座「空也」の最中も小ぶりで好ましい。

お江戸の外れ、というかもとはお江戸の外にあった吉祥寺に羊羹と最中の名店がある。この店の羊羹は、ほとんど絶滅危惧種的品薄で早朝から並び整理券をもらってようやく手に入れることができる超難関プレミア付きな羊羹だ。味は当然素晴らしいのだが、そんな苦労をして手に入れたものを自分で食べるのはあまりに惜しい。なので、ゲットした羊羹はとてもお世話になった人への手土産などに使われることが多いようだ。もらった人も、羊羹の味に感動するより、自分のために苦労して朝から並んで手に入れた努力を賞賛するという、なんとも悩ましく、ある意味誤った和菓子の楽しみ方になっていると聞いた。
ただ、この店の羊羹を手に入れるのは難関だが、最中であればちょっとした行列に並びさえすれば買える。タイミングによっては待ち時間なしということもある。小ぶりな最中なので5個、10個単位で買うことが多い。(すでに袋に詰められているので、この単位だとすぐに買える)


この「モナカ」こそがお土産にもらうと嬉しい和菓子の筆頭格だ。吉祥寺に所用がある時には、少し時間に余裕を持って出かけることにしている。まず最初にこの「モナカ」を買ってから、用事を済ませるという順番だ。だから、お土産でもらうことよりも自分で買うことの方が多い。5個入りを買うと粒あんが3個、白餡が2個という組み合わせになっている。自分へのお土産というのもおかしなもので、おそらく自分への気まぐれなご褒美というのが正しいだろう。そんな嬉しいお土産をもらって、ちょっと気分が上がったゴールデンウィークでありました。

ちなみにこの店の隣には、これまた行列ができる有名な惣菜屋(肉屋)があって、最中の行列に並んだ後は、メンチカツの行列に並んでしまうのも、我が吉祥寺訪問のルーティンなのであります。

食べ物レポート

連休の昼飯

見た目重視の冷奴ということか

毎月恒例で出かける満洲の月替わり商品探索だが、ここ数ヶ月は好みのものが出現せず、自分としては不作感があった。それでも5月はよだれ鶏と豆腐(冷奴)というサイドメニューが登場して、これはどんなものかなと食べにいったのだが、ちょっと味のインパクトは薄めだった。
おまけにゴールデンウィークを舐めていたので、昼の1時過ぎに行ったにもかかわらず店内はほぼ満席で、おまけに注文を取る暇がないほど忙しいらしく、豆腐だけ食べて出てきた。
この3年間で一番混雑している日に行ってしまったようだ。やはり、満洲は平日の午後に行くのがよろしいと反省した。

一番簡素なつけ麺標準タイプ 麺を小にしておけばジャストサイズだった

店を出た後、流石に豆腐だけの昼飯はダイエット強化中でなければしんどいので、近くのつけ麺屋に行くことにした。こちらは、昼の一時をすぎると程よい混み具合になっていて、さほど待つことなく定番つけ麺が出てきた。
何も考えずに券売機でつけ麺を選んだのだが、あとから気がついたのが「麺の量」の選択間違いだった。つけ麺屋は大多数の店で麺量が多い。普通のラーメンで言えば5割増から倍量くらいに麺が増量されている。この店も、いわゆる普通盛りが麺量5割増だった。目の前に出てきてから、あちゃーという気分になったが、これは完食するしかない。
まあ、想定通りだったが、半分食べたあたりで厳しさを感じ始める。まだいけるはずだが、満腹中枢が危険信号を発している。おまけに、だいたいこの時点でスープの温度が下がっている。不味いとは言わないが、熱々のスープとは味の感じが違ってくる。冷めたスープでは麺がもたれる感じになる。
こうなると、時間をかけず一気に口の中に放り込むしかない。しかし、それが「食」を楽しむではなく、「生存のための給餌」的な感覚になってしまうのがどうにも悲しい。
つけ麺を頼むときは、麺量注意なのだが、ここしばらくつけ麺屋に行ってなかったせいもあり、不用意な選択(選択を忘れた?)をしてしまった。それでも無事完食したが、腹が膨らみすぎてすぐ動く気にもなれず、しばらく食休みをしていた。
先ほどいた店であれば、あの混雑ぶりの中で食休みなどできなかったなとホッとしていたが、よく考えれば、食休みが必要なほど大量に食べることもなかったはずだ。混み合っている店では注文ができず、空いている店では食べ過ぎで苦しむ羽目になる。どっちが良かったのか。
人生、あれこれ起きるものだ。

街を歩く

20年ぶりの原宿

原宿にあるオフィスで打ち合わせがあり、なんと20年ぶりくらいで原宿駅界隈を歩き回った。一時期、原宿から千駄ヶ谷に向かったところにある会社で仕事をしていたことがある。原宿駅で降りてから竹下通りを抜けるのが通行動線だった。その当時も竹下通りは若者(Teen’s)で賑わう元気な街だったが、仕事の途中で通り抜けて歩くのはしんどい感じがあり、竹下通りの途中から横に抜け出して東郷神社の境内を歩いていた。当時の東郷神社は都内にある割に静かな場所だなと思っていた。
その静謐エリアだった東郷神社が、なんとビジネスビル複合体に大変身していた。うっすらと覚えていた東郷会館(結婚式によく使われていたはずだが)は影も形もなくなり、巨大高層ビルに変化していた。それだけでもびっくりなのだが、なんと神社自体もお引越したようで、妙に現代的な造形の社殿に変わっていた。知らないうちに時代は変わるものなのだなあと感嘆した。遷宮という言葉は知っているが、神社が物理的に引っ越したのを見たのは初めての経験だった。

その東郷神社の前を明治通り沿いにしばらく行ったところに、おしゃれな外観のマンションがある。オフィスビルとしても使われているとは思うのだが、原宿で住むならこんな場所がいいなと、20年前から思っていた。真四角なオフィスビルが並ぶ明治通りだが、このお瀟洒なデザインは、まさにThe Harajukuという感じがする。
都会的な住居というのは、居住性も重要だが、それ以上にルックス、見栄えが大切だ。こんなところに住んでいる自分は、なんて都会的なんでしょうと自己陶酔できるかどうかが、都市居住民の虚栄を満たす重要な要素だ。
埼玉県の端っこに住む我が身を思い返せば、こんな都会的でセンスの良いところに住んだ記憶がない。北の街では高級住宅街の端っこの隅っこあたりでワンルームマンションに住んでいた。それが唯一の都会暮らしで、それ以降引っ越したところを順番に思い出すと、まず埼玉県辺境都市で茶畑の真ん中に住んだ。そのあとは、川崎の工場地帯で電機メーカーの大工場の近くに住んでいた。2年ほど、ほぼ年中出張中という自宅がなくても生きていけるホテル暮らしを経験して、また埼玉県の辺境に住むようになった。さすがに茶畑は家の周りから亡くなったが、それでも車で5分も走れば周り中がさと芋畑と茶畑になる。首都圏によくあるサラリーマン(都市下層民)と農民の混成地帯だ。
ちなみに、アッパーなサラリーマン(彼らは自分のことをビジネスマンというと思う)は23区内のオシャレ系地域に住んでいるはずだ。例えば、原宿にあるこんなオシャレなマンション(コンドミニアムと言いそうだな)に、夫婦に子供一人、犬一匹で住んでいますみたいなことを想像してしまう。みんなが憧れる都会暮らしだろう。
だから、都会暮らしとは本当に縁がない人生だったなあと我が身を振り返りつつ、大変貌した原宿を散歩しながら思っていた。

帰り際にJR原宿駅竹下通り口から改札を抜けて気がついたのが、何やら怪しげな立て看板というか、お姉さん?の描かれた看板だ。最近は観光地に行くとこういうキャラ看板があちこちに立っている。どれどれと見に行ってみたら、どうやら「鉄キャラ」で、おまけにどうやらお兄さんらしい。

気になったので調べてみたらJR東日本の協力で進行中のプロジェクトのメンバー・キャラのようだ。山手線30駅で働く駅員さん(架空の人)が構成するアイドルグループで、某私鉄の駅キャラ(女性)のように、「駅」が擬人化されたものではない。あくまで「駅員」さんだ。「駅」が擬人化されれば、それは神様や妖怪の系統に属するものだが、あくまで「駅員」さんだからヒト族、人類の一員、それも日本人ということだ。この違いは、キャラ展開をする上で重要だ。
ちょっと前に騒動になった「温泉むすめ」のように、ジェンダー問題が起きない(起こさない)のは、キャラ全員が男性であることが重要だろう。(全員を確かめてはいないが、多分男性オンリー)これはキャラ業界でもジェンダー問題が周知されてきているということだろうか。少なくとも「萌」を中心とした女性キャラは、フェミニズム対アンチフェミの対決構造になりやすい。が、「イケメン」を主軸にした男性ユニットの炎上騒ぎは耳にした記憶がない。
おそらくフェミニズムに対応する男性主義(適切な対応語が見つからない)は、存在し得ないのだろう。男を謳歌する思想体系(で多分あっていると思うが)は、一歩間違うと旧来の男性中心社会、男尊女卑的な思想とみなされるから、現代では存在し難い。
おそらく、男性「萌」キャラの支持層・ファン層を考えると、一部の生物学的男性を加えたとしても、生物学的女性の方がはるかに多い感じがする。韓国系男性ユニットの例を見ても、支持層は年齢の幅が圧倒的に広がった(10代から60代くらいまで)生物学的女性層であり、まさに「軍団」規模の勢力だ。その例を見ると男性キャラでしたてあげるほうが、ジェンダー問題とは関わらずに行けそうだと思える。そういえば女性の地下アイドルと対応する男性地下アイドルは存在しているのだろうか。これも微妙なジェンダー問題になりそうだが……………


通行人には圧倒的に女子高生が多い竹下通りという場所を考えると、この「竹下」君は人気がありそうだ。竹下口の通路に貼ってある意味がよくわかる。ちなみに、池袋や上野の担当駅員はもう少しワイルド系かなとサイトを覗いてみたら、メンバーにマッチョ系は皆無で(マッチョなアイドルは存在しないのか)、ちょい悪というか少々ヤバそうな雰囲気があるキャラは御徒町と田町のお二人だった。(個人的な感想です)
若者で溢れかえる原宿竹下通りと東郷神社のアンバランスを楽しみながら、最後には現代キャラ考察とジェンダー問題に思いを馳せる、大変有意義な原宿ぶらぶら歩きだった。
たまには、知らない街をぶらつくのも大事だと思う。コロナの間、家に篭りすぎていて世界の動きについていけていないのだなあ。

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