旅をする

高知といえば……どちらでしょう

一年振りくらいで高知に行った。高知空港でのお出迎えはいつも通りの龍馬さんだが、このかたの業績を存じ上げる人は旅行者の中にどれくらいいるのだろう。幕末期の人物では破格の人望を持つ方だ。幕末を描いた時代劇でも、大体は「良い人」として描かれる。主人公との絡みを約束された名脇役でもあり、認知度もそれなりのものだとは思うが。平均身長が150cmくらいだった江戸時代末期に170cmくらいの高身長だから、町を歩けば目立った人だったにちがいない。

もう一人、高知を代表する(のかなあ)人気キャラはこの方で、おそらく全国的な知名度、知っている年齢層の広さからするとこのかたの方が圧倒的かもしれない。少なくとも現時点で5歳から80歳くらいまでの日本人で、この方を知らないという人の方が珍しいのではないか。自分が子供の頃に見て育った世代もすでに孫が生まれるくらいの歳になっているはずだ。少なくとも増税大好き総理大臣より遥かに知名度が高いことは間違いない。もちろん人気度で言えば雲泥どころか天国と地獄くらいの違いがある。
あの世界的に有名なネズミキャラよりもある意味で浸透度は高いかもしれない。作者の故郷が高知という関係で、高知を代表するキャラとなっているはずだ。

JR高知駅に行けば、当たり前のようにキャラ列車が待ち構えていた。これが季節限定などではなく定時運行しているのだから、やは高知の人気者はすごい奴なのだ。

決して不味くはないが、高知に来て食べても満足度が上がらないなあ

高知のキャラについてあれこれ考えながら、駅で列車の時間待ちをしていた。中途半端な時間だったので、駅で軽く昼飯と思ったが、なんとこの日は駅の食堂(カフェ)が定休日だった。駅の飲食設備が休業とは、おそらく正月を除けば生まれて初めての体験だ。JR四国はどういう考えなのか、ちょっと不思議に思ったが、コロナの後は売れない日は休むという新しい慣習ができつつある。仕方のないことだろう。
結局、全国チェーンのベーカリー店舗でイートイン利用してパンで早めの昼飯にした。なぜ、高知に来てまでカレーパンだと言いたくなるが、ここは例の高知キャラに免じて許すことにした。流石に、あんぱんはあまりに失礼なので食べる気にはならない。カレーパンに追加してピザパンにしてみた。ピザパンマンはいたかなあ。しかし、この組み合わせではボリュームがありすぎ、軽食とは言えないレベルだった。
後で気がついたが、駅弁を買って列車の中で食べればよかったのだ。久しぶりに旅に出たせいか、あまり頭が働いていないようだった。やはり高知に来た時は、のんびりな時間を過ごして、昼飯はひろめ市場に行くべきなのだと反省してしまった。あのカオスな市場で食べる昼飯(夜メシもだが)は、エイジアの屋台メシ的興奮がある。次回は忘れずに行かなければ………

旅をする

山中城で思うこと

個人的な事情であるが最近、北条一族サーガを延々と読んでいたので、じつは小田原北条氏贔屓なのだ。そして戦国期の西国武将に思い入れがないこともあり、城巡りでも西日本方面はさっぱり進まない。
伊豆、相模、武蔵を支配した北条氏が、首都小田原を西国武士の侵攻から守るため築城したのが山中城だ。箱根の峠道を三島寄りぬ下った山の中腹にある。箱根越え街道を城の中に抱き込んだような形に作られている。街道の左右から攻勢防御が可能なように、両翼展開している。想像していたよりはるかに大規模な山城だった。
が、この堅城と思われる山中城も西国軍の猛攻にはわずか半日しか持たなかったそうだ。数任せの力寄せだったから、拠点防御に失敗すると一気に前線全体が崩壊したのかもしれない。
この大規模な城を構築した北条氏の財力もすごいが、それを人数任せで攻略した西国武士団は、まさに戦国最後の戦闘で功を上げる焦りがあったのではないか。実際の歴史でも、小田原攻略の後は小規模反乱が多少起きた程度で、一旦戦国は終了した。
戦国最後の戦闘は、武力というより経済力の戦いだった。そして、箱根の坂は防衛拠点として実に脆かったという事実が、徳川の治世になり東海道をつかった縦深陣地構築につながる。江戸城の構造も、小田原城攻略戦の反省から生まれたようだ。ただ、徳川政権で山中城は防衛拠点として使われることはなかったようだ。
そして戊辰戦争の時代になり、徳川の大戦略であった東海道縦深陣地は身内の裏切りにより崩壊し、西国軍は簡単に江戸まで進駐する。歴史は繰り返すというものか。かつ西郷の会談による無血入城となった江戸攻防戦だが、江戸城に籠り西軍が江戸試遊に入場したところで、都市部を放火する作戦をとれば、兵糧を現地調達に頼っていた西軍は崩壊した可能性が高い。そこに東北、北関東からの徳川配下の増援があれば戊辰戦争はどうなっていただろう。腰抜け将軍を廃し戦闘意欲の高い第十六代将軍が担ぎ上げられれば………とおもってしまうのだなあ。歴史にIFはないのだが、太平洋戦争敗戦まで突き進むおバカな明治政府は生まれなかったに違いない。

城址には遊歩道も巡らされているので、元気に山歩きをしたい方には良いハイキングコースになるようだ。この日は雨混じりの悪天候で、入り口付近をうろうろしておしまいだった。
それでも土壁の高さを実際に見ると、この城を攻めるのは大変だっただろうということはわかる。それを力押しで落としたのだから、やはり圧倒的な兵力差だったに違いない。攻め手の武将がとても優秀だったというより、北条側が敵の数に圧倒されていたと思える。

城の脇を箱根峠越えの旧道が通っていた。石畳の道は当時からあったのだろか。おそらく江戸期の普請だと思う。ただ道路表面の滑らかさを見る限り、実物ではなく復旧したもののようだ。歩いてみるとなかなか急勾配の坂道で、今では道沿いに民家が立ち並んでいる。城が攻め落とされた後に住み着くようになったのだろうか。
まさに旧道は城の真ん中を通るような形だから、江戸期以降に住みはじめたはずだが、この山の中に住み着いた理由はなんだったのか、まったく想像の外だ。

山中城入り口には路線バスも止まる。案内所兼軽食の店もある。観光地でよく見かける茶屋という感じだが、中はさほど広くはない。テーブルが3卓ある程度の小体な店だった。雨降りの日ということで客は他に誰もいなかった。
箱根がそばの名所だとは記憶していないが、とりあえず茶屋に入ったら蕎麦を注文するだろう、と勝手に決めつけ山菜蕎麦を頼むことにした。しばし、天ぷらそばにするかどうか迷ったが、やはりいつものマイ定番である山菜蕎麦にして正解だった。

そばの上に山菜の漬物を乗せることを考え出した人は天才だと思う。天ぷらを始め蕎麦のトッピングは濃厚で脂っ気の多いものが使われる。かき揚げ、海老天、イカ天などの揚げ物や、豚肉やカレーなど濃厚系が多い気がする。サッパリトッピングではわかめをたま発見するくらいだが、やはりサッパリ系の代表は山菜だろう。(秩父でシャクシ菜の漬物が乗っている蕎麦を見かけた。あれはうまい)
お江戸伝統の花巻もサッパリ系蕎麦だが、あの海苔だけが乗った蕎麦では、海苔の役割がトッピングというより風味づけという感がする。ちょっと物足りない。

この茶屋の山菜そばの優れたところは、お麩が乗っていることだ。お麩はそれ自体食べると全く味がしない。鯉の餌になるのも仕方がないという、味のなさだ。ところが蕎麦つゆを中に染み込ませると抜群の旨さに変質する。存在感がいきなり爆押しになる。昔のラーメンにはよくお麩が乗っていたが、あれはさほどうまいと思ったことはなかった。つまり、蕎麦のつゆとお麩の相性が抜群に高いのだ。
お麩を発見してホクホクしながら蕎麦を食べ始めた。食べるとわかるが、普通の蕎麦屋と変わらない。茶屋のそばと馬鹿にしてはばちがあたる高いレベルだった。蕎麦のうまい街は文化度が高いと勝手に思い込んでいるので、三島は食文化レベルが高い町に違いない。
蕎麦を食べながら、北条氏の栄華と没落に思いを馳せた。お城にも感動したが、茶屋にも感動した。

食べ物レポート

カルパスのお勉強しました

左から ファミマ、イオン、セブン、西友のPB

たまたまダイソーで買った100円のカルパスがきっかけで、あれこれとカルパスを買い集めてみた。ダイソー製品は当然ダイソー専用品のはずなので、それに対応するNB品があるに違いないと思った。そうすると味の違いを確かめてみたくなった。ただ、調査(大袈裟な………)を続けていくと、流通大手各社もPBを作っている。
というよりPB以外のカルパスを置いていないという徹底ぶりもあり、面白くなってあちこち買い漁ってしまった。

さて、発見は二つある。(これまた大袈裟だ)
製造している会社は三つであり岩手県花巻市と北海道に二か所ある工場で、全てのカルパスは作られている。同じ工場で自社製カルパスと合わせて他社PB製品も製造しているということだ。予想外に工場が集中している。ただ、各社のカルパスを食べ比べると、味を含めかなりの違いがあり、それなりに差別化?しているらしい。

二つ目は価格だが、流通業大手のPBは90円前後、NB製品は110ー120円程度なので、価格差は3割近くある。これでPBの価格優位ははっきりしている。ただし、一個当たりの重量がずいぶんとばらつきがあるので、一概にどれがお得とは言えない。
また、味の違いの中ではっきりとわかるのが脂肪分(脂身)の多さ少なさだ。食べていて油っぽく感じるものは、お値段が安いようだ。また香辛料の配合、いわゆる味付けは食べ比べるとはっきりわかるが、単体でこれっという特徴があるものでもない。
同じ工場で作られていてもブランド違いとなれば、当然ながら味も違うので、製造工場で選ぶわけにもいかない。細身が1本または3本入っているタイプは、太めの商品とは加工度合いが違うせいか、重量比でg単価を計算するとそれなりにお値段が高くなっている。

左から プリマ 丸大食品 春雪のNB セコマPB セブンPB

個人的な好みで言えば、味とお買い得感で選べば西友PBなのだが、これの欠陥は1本ではなく3本のセット売りしかない。酒のつまみの常備品として買い置きしておくのであれば問題はないだろうが、今日は1本だけ食べたいという要求には「西友」製品は応えられない。
味で気にい言ったのはファミマPBだが、ちょっと脂もおおめだ。各社製品の中でかなりお高いのでコスパは悪い。西友PBがバランスが良いように感じた。
細いタイプのカルパスは珍味コーナーに並ぶ、一口サイズに個包装されたものが大量に入った大袋用の製品を流用したもののように思えるが、やはりコスパは悪い。
そして実に予想外だったのは、NB製品がそれほどうまいと思わなかったことだ。PB製品は多少味を犠牲にしても単価を下げるという認識でいたのだが、ことカルパスに関してはPBの方が上手に作られている気がした。あくまで個人的な好みの問題だが。

駅弁

駅弁 たこめし

瀬戸内海に面する街は蛸の名所が多いようだ。タコ飯といえば明石で買った蛸壺入りの弁当を思い出すが、それ以外にもあちこちで各種さまざまなたこめし弁当がある。そのうちの一つを旅の帰りに調達した。紐で縛ってあるのがなんとも嬉しい、今ではすっかりみかけなくなった包装形態だが、いかにも弁当という感じがする。

しみじみと蓋を眺めていると、あれこれ気がつくことがある。瀬戸内名物たこめしなのだ。そして元祖を名乗っている。元祖珍辨 とあるからうまいに違いない。「辨」が読めないので調べてみたら「べん」という読み方だった。辨天(べんてん)などという使い方もあるので「弁」と同じなのだろう。珍弁と読み替えれば、珍しい弁当の意味になるようだ。 おまけに明治創業とあるから100年越えの老舗になる。期待は高いぞ。

蓋を開ければそこにはタコがいた。大好物のタコだけにテンションが上がる。甘辛く煮あげた蛸は期待吐通りのうまさだった。感動だ。
その上にエビが乗っているが、これはご愛嬌というか、すでにタコを拝んだ後ではおまけみたいなモノだ。なんと言ってもメインはタコ。
卵焼きと椎茸の煮物は華やか系駅弁では名脇役だ。崎陽軒のシウマイ弁当で言えば、たけのこに当たる名バイプレイヤーにあたる。崎陽軒のたけのこは、それだけ買いたいという人もいるくらいの人気者だが、このたこめしの椎茸も負けてはいない。
名脇役は、全面的に肉、全面的にあなごみたいなストロングスタイルの強面駅弁では登場しない。類似形態で言えば、横川の釜飯に乗っている椎茸がこれに近い。(あれも超絶にうまい)
たこめしにおいて、このしいたけの存在は、味に「やわらかさ」や「細かさ」を感じさせる。タケノコも良い味を出していた。蛸だし?で炊き上げたらしい飯をふくめ、全体には薄味の弁当だった。
どうも広島といえば牡蠣飯、あなご飯のような味付けの濃い弁当が記憶にあるせいで、勝手にたこめしも濃い味だと思い込んでいた。実際に食べてみると、蛸壺弁当より上品な味付けと認定するべきだろう。あの蛸壺の底から飯をかき込むのもなかなか趣があるが(スプーンが欲しくなる)、こちらのたこめしは列車旅の途中で、車窓の景色を眺めながら食べるのが似合っていると思った。まさに、駅弁らしい駅弁だ。


次はどこでタコ飯を試してみることができるだろう、ちゃんとしらべておかなければ。

ソロキャンあれこれ

ハロウィーンキャンプでかぼちゃ

完成品 自画自賛だが、とてつもなくうまかった

キャンプに行っていちばんの楽しみは焚き火。野遊び=焚き火と言いたいくらいだ。その焚き火でのんびりと調理を楽しむ。最近手に入れた一人用ダッチオーブン、要は蓋付きの鉄鍋でかぼちゃを焼いて見ることにした。
たまたまハロウィーンに近い日だったこともあるが、昔あれこれお世話になった小型のかぼちゃ「坊ちゃんかぼちゃ」を手に入れたからだ。サイズがダッチオーブンにちょうど良かった。

まずは坊ちゃんかぼちゃの上部1/4くらいを切り取り、蓋がわりにする。中身・タネをくり抜いて、そこに具を入れてダッチオーブンでのんびり仕上げるという、実に怠け者向きな料理だ。テクニックは全くいらない。これぞ野遊び料理の真髄と言わずしてどうする!! とテンションだけは上げまくりだった。

ひき肉は豚肉にした。かぼちゃの甘味と合わせるには鳥より豚が良さそうだ。挽肉を醤油と砂糖で味付けをして炒めたものを、くり抜いたかぼちゃの中にぎゅうぎゅう押し込む。それをダッチオーブンに入れると、かぼちゃの直径がわずかに鍋の内側より大きいので、かぼちゃがダッチオーブンの中で宙吊り状態になる。これが良い結果になった。

かぼちゃに火が通るに従って、挽肉の具から油と醤油がかぼちゃの底部に染みこんでいく。ダッチオーブンにも多少こぼれ落ちたようで、カボチャを取り出したら鍋底にコゲができていたい。
かぼちゃが焦げ臭くなる前に火から下ろしたのは、たまたま偶然の結果オーライだったが、それでも1時間以上は火にかけていたので、タイミング的にはあまり難しくない。
かぼちゃに箸を刺してスルッと通れば出来上がりという、適当な火加減などわからなくてもなんとかなる。野遊び料理だし。
ダッチオーブンから取り出したカボチャを、スプーンで具と合わせながらホジホジして食べる。予想通り、甘辛系の挽肉がかぼちゃの甘い身と合わさって、思わずうまいと叫んだが、周りには誰もいないのでOKだ。
一人で食べ切るにはちょっと多いかなとも思ったが、ビール片手に完食してしまった。秋の夜長に熱々のダッチオーブン料理、空を見上げれば丸いお月様が…………気分はすっかりワイルドなのでありました。

ソロキャンあれこれ

平日のソロキャンプ

最近すっかりお世話になっている近場の公園キャンプ場だが、平日はソロキャンプサイトがガラ空きなので、すっかりお馴染みになった。愛用しているといってもよいくらいだ。秩父のキャンプ場も平日は混雑するほどではないが、それなりに人は多い。ここは穴場なのだ。
この公園キャンプ場は、ワーケーション(もはや懐かしい言葉になりつつある)対応なので、ソロサイトでもWi-Fiがしっかり使える。たまたま午後にWEB会議が入っていたが、なんとテントの傍でお仕事ができてしまった。ただ、頭上を通る軍用機がうるさい時間帯だったので(午後3時くらいは在日米軍、空自の定期便がやたらと飛んでいる上に、戦闘訓練終了で基地に戻ってくるらしい練習機も多い)、音声はミュートにしたままだった。
やはり実践してみるとわかるが、ワーケーションというのは霞ヶ関あたりに生息する、頭の中だけで作戦を立てる「現実逃避型お馬鹿さん」の妄想だろう。
興味本位でワーケーション対応と名乗っている施設を見に行ってこようかとも思うが、きっと官公庁主導型の施設だから、今でも「みんな、休暇にはワーケーション施設に来てね」などという訳のわからない宣伝をしているに違いない。
それを見たら腹立たしくなりそうなので、やはり視察はしないほうがよさそうだ。

新型天幕のお試しに来た

やはり官営施設は設備が立派だ。トイレはウォシュレット対応だし、ファミリーサイトの芝はハゲチョロ状態になったりはしていない。メンテナンスも行き届いている。最近のキャンプ場では標準装備らしいが、水回りも湯沸かし付きで温水対応だ。
焚き火で遊ぶには良い季節になったので、今年はあと何回かお世話になりそうだ。ただし、ワーケーションではなく単純にお休みの日の野遊びということで。

街を歩く

ローカルヒーロー再臨

自宅近くのパルコに大きな壁面広告が掲示されていた。そろそろ宣伝が活発化しそうな「埼玉だけ」大動員するだろうローカルヒーローの映画だ。第一作ではこのパルコ内の映画館(シネコン)が初回舞台挨拶に使われた。どうやら、この新作でも演者の挨拶が行われるらしい。
前作は、さいたまディスりまくりと言われていたが、実質的にはさいたま千葉決戦みたいな展開であり、一部の千葉県民にも楽しんでもらえたのではないかと思うのだが。
ニュースなどを見ていると、今回はなぜか全く地続きとは思えない琵琶湖保有県と争うらしい。前回と同様に、海なし県埼玉が琵琶湖まで地中トンネルでも繋げる計画なのだろうか。

正面の入り口を含めて、全面歓迎モードでローカルヒーローの再臨を待ち受けている。封切りの日に頑張って見に行ってみようかな。なんといっても歩いていける映画館だからなあ。お気楽の極みと言える。

ただ、このお気楽な施設も来年には閉鎖されてしまうから、この二作目が大ヒットして気を良くしたスタッフが(笑)、もし第三弾を製作するとしてもこの映画館では見ることができないのがちょっと寂しいぞ。

小売外食業の理論

近くの天狗が大改装していた

居酒屋受難の三年間が終わり、業界では大手を含めた各社が手探りで次世代コンセプトを生み出そうとしている。天狗はその中でも先行グループに入ると思うのだが、都内で展開を始めた新型の大型店を、郊外でも広げる気になったらしい。
居酒屋というより、酒も飲める大衆食堂という仕切りで組み立て直したのが特徴だ。メニューはご馳走ではなく、昔懐かしというか平成に生まれ育った世代には見たことがない「新メニュー」「昭和の絶滅種」みたいなものが並んでいる。
以前にも書いたことがあるが、デミグラソースではなくケチャップがかかったオムライスや、豚骨ベースではないラーメンなどがずらりと並んでいる。
これを見て高齢者は懐かしい、俺たちの青春時代だ、みたいな感激をしたりするのだろうが、それは全く的外れだ。対象者はあくまで平成生まれの若い世代であり、開発者はジジババに期待をしていないはずだ。
この懐かしの昭和的風景は、平成中期に広がったエスニック系料理(タイ飯など)と全く同じ文脈で語られるべきコンセプトだ。つまり、昭和レトロを懐かしむのではなく、まるで異郷に彷徨い込んで異世界を楽しむという感覚だろう。
たまたま「表現されている味」が現代日本に通じる親和性があるという程度で、日本的な「何か」にあたるのではないか。台湾料理が妙に和食に似ている味付けだなと感じることがある。それに近い。

エンタメ界でも某巨匠によって「ゴジラ」「ウルトラマン」「仮面ライダー」など、昭和の名優を使ったリメイク物がヒットしたが、あれも物語のベースを流用したが、今の時代に合わせた解釈で物語を再構成したのが面白かった。
オマージュでありトリビュートなのだが、それを理解できるのはオリジナルをリアルタイムで見てきた高齢者になる。
その過去体験がない世代にとっては、全く新しい魅力的なストーリーであり、そこから遡って原作・オリジナルを見るという、じいさんばあさんとは違う楽しみ方があるように思う。同じように、この「大衆食堂」コンセプトは、リバイバルではなく令和の新解釈として見るべきだ。

そういう意味合いで、このナポリタンは昔とは違うとか、クリームソーダにはさくらんぼが必需品だな、などと文句をつけるジジイ(ババア?)は相手にしても仕方がないのだ。やたら文句をつけたがる前期高齢者には耳を傾けない、それこそがこのコンセプトを成功させる秘訣だと思いますよ。

ちなみに、メニューの大半は「天狗」スタンダードなものを流用しているので、上手な組み立て方だと感心しました。

街を歩く

朋、遠方より来たる

青山でディナーなど、何年ぶりの事だろう

学生時代に習っていた漢文は意外と好みだった。あの書き下し文は格調高い日本語だなと感じていたこともある。2000年以上前に存在していた異才が書いたものを、今の時代に読めるというのもなかなか感慨深いことだった。
もうほとんど覚えていないが、いくつかは記憶に残っている名文もある。そのひとつが「朋、遠方より来たる、また楽しからずや」だったが、気になって確かめてみたら「朋あり遠方より来たるまた楽しからずや」だった。
なんと記憶のいい加減なことだろう、と笑ってしまった。おまけに、これは論語の一節だった。勝手に易経の一節だと思い込んでいた。こういうのを教養がないというのだ。
いくつ歳をとっても学ぶことは多い。

10年ぶりくらいで日本を訪れたアメリカの友人と会食をすることになった。まさに遠方から来た友人と、時を超えたような会話、昔語りをする。これは確かに楽しい。人の性というのは、千年や二千年くらいでは変わらないものらしい。古代中国の才人は誠に異人の心理をよく読み取っているのだ。

最近ようやく、椀ものの旨さがわかるようになった気がする

友人夫婦(夫はアメリカ人、妻が日本人)と会話をする時には、日本語と英語がちゃんぽんになる。久しぶりに使った英語だが、やはりしっかりと錆びついていた。異国語を話すということは、自転車のように一度覚えると死ぬまでちゃんと自転車に乗れる、というものではないようだ。
話し続けていると少しずつ勘は戻ってくるが、やはりもどかしい速度でしか話せない。英語(外国語)を使っての会話は、反射神経的に話せないとなあ、などと嘆いてしまうのだが、よくよく考えれば最近は日本語ですらおぼつかない。妙に間が開いた喋り方になっている気がする。すっかり脳細胞が減少しているせいだろう。


和食を楽しみながら、最近のあれこれについて話をした。やはりアメリカでもコロナは大変だったらしいが、テレビのニュースなどで見ていた悲惨な話とは程遠いようだった。やはり日本のメディアは「盛りすぎ」で扇情的に煽りまくっていたらしい。
友人が日本にいた時には決してやらなかったゴルフを始めた話であるとか、息子さんの現代風な行動あれこれを嘆いているオールドタイマーなお父さんぶりが微笑ましい。今の若い世代・息子さん世代では、性別をはっきりさせるHeとかSheは使わず、無性別のTheyを使うそうだ。単数・複数・性別がなくなる第三人称が普通になると、日本の英語教育はどう変わるのだろうか。久しぶりに生のアメリカ社会をのぞかせてもらった。

次に会うのは東京と米国東海岸の中間点であるハワイにしようということになった。それまでに円安で爆上がりした渡航費用(古い言い方だな)を用意して、錆びついた英会話能力を磨き上げないといけないぞ、などと考えている。
ハロウィーン間近の青山は歩くのも大変なすさまじい人出だったが、平和な時代が戻ってきたのだとも実感できた。
しかし、海の向こうから来た友達と会うには、ちょっと暑い秋の日だったなあ。

小売外食業の理論

ファミレスの朝飯

ファミリーレストランはこの3年余りで随分と変化したように思う。コロナ対応であれこれやっていたことも、この半年ですっかり時代遅れというか、無用なものになっている。
最大手スカイラークでは、客席に設置していた電源を撤去している。客数不足でリモートオフィスがわりの需要を狙ったのだろうが、今では長居されるのが迷惑だと露骨に態度を変えている、そう理解している。変わり身が早いと前向きの評価をするべきなのだろうか。
必死になって推進していたはずのテイクアウトも、今ではすっかりお荷物扱いだ。喉元過ぎればなんとやらということらしい。100年に一度のパンデミックはもう自分たちの生きている間に出会うことはない、と考える経営者が多いということだ。
失敗に学ぶのか、失敗を忘れるのか、ごちらにしても知見として会社の知財化するつもりはなさそうだ。

コロナ時代の後遺症で原材料を含むコスト上昇、あまり健全ではないインフレが起こりその対応に追われている。この混乱状態を引き起こしている原因の一つだが、あまりにお粗末という気もする。
その混乱状態の中で、ランチを中心に低価格需要を取り戻そうという、言ってみればコロナの揺り戻しみたいな対応を取り始めたのが西国ファミレスの代表、ジョイフルというのは実に「らしい」と思う。全国チェーンでは、すでにスカイラークはサイゼリヤとのランチ戦争に負けた気配が濃厚だ。というかスカイラークが戦闘放棄したとも見える。だから、低価格帯での戦闘は西日本を中心としてジョイフルVSサイゼリヤという構図になりそうだ。これは外野から見る分にはちょっと楽しみだ。

バーガーチェーンのモーニングよりもはるかに安い

その低価格ファミレス代表ジョイフルが、朝食でも何やら怪しい企みを持っているらしい。このドリンク付きのトースト・ベーコン・野菜のモーニングセットは、大手バーガーチェーンの朝食メニューより安い。おそらく大多数の立ち食い蕎麦店よりも安い。
朝からガツンと食べたい客向けには、ランチのボリュームを超えるヘビーデューティーなメニューも用意されているが、軽くサクッと朝食をと思う客には、これで十分だろう。おまけに提供スピードがやたら早い。
朝の8時台なのに駐車場が混んでいるなと思ったが、やはり混むには理由があった。郊外型の店(周りは茶畑)でありながら客席の半分くらいが埋まっているのだから、朝食マーケットはこの先、一気に拡大するのかもしれない。某大手ハンバーガーチェーンも朝から混雑しているが、あちらは平均年齢が圧倒的に高い。というかジジババばかりだ。
ハンバーグ専門ファミレスのモーニングも盛り上がっているらしい。また視察に行こうと思うのだが、おそらくその原因は洋風・和風ファストフードが値上げをしすぎたせいだと思う。もはや牛丼屋は朝飯に使える価格帯では無くなっている。同じ値段を払うのであれば、居心地の良いファミレスの方を選ぶ客が増えたのだ。アフターコロナの時代の先駆けとして、今や、業種を超えた朝食戦争が起きそうな気配がする。