食べ物レポート, 旅をする

カツカレーのうまい店

岡山発の土讃線高知行き特急には超有名キャラのラッピングがされている(全部ではないらしい)が、高知駅で折り返すためホームで停車している車両をじっくり眺めることができる。バイ◯ンマンは悪役なのに人気キャラのようで、中央部車両に主役級の登場をしている。一度この特急には乗ったことがあるが、内部もキャラワールド満載でなんだかほっこりとした気分になる。来年は某国営放送でこの著者が主役になるらしい。ちょっと前には牧野先生で盛り上がった高知だが、来年も朝ドラは高知推しになるようだ。

高知駅から岡山とは反対方向に土讃線を乗ると終点が窪川になる。そこから先、高知県最西部の宿毛に至るまでは、JRと直結する「私鉄」での旅だ。一度は宿毛に入ってみたいと思うのだが、あまりに遠い。高知から特急で四時間強かかるのだ。同じ時間で、高知駅から空港に行き、空路で羽田、そして東京駅まで行ける時間だ。高知は東西に長いというが、それを鉄道旅で実感したいとはあまり思わない。自動車で移動すると、宿毛のはるか手前で高速道路は終わる。自動車移動も楽ではないしもっと時間がかかる。

そんな高知のDeep西部への入り口にあたる(?)四万十町、窪川にたびたび仕事で訪れている。四万十ポークというのが売り物らしく道の駅では、「豚」料理がマックスで出てくる。お店の方に聞くと豚丼がおすすめなのだそうだ。が、それは前回食べた。今回は、絶対カツカレーにすると決めていた。
実食の結果を言うと、大変うまいカツカレーだった。カツは揚げたてなのでじゅわと熱い。実に勝つらしい勝だった。しかし、絶賛したいのはカレーの方で、当然ながらポークカレーなのだが、これが実に素晴らしい。ほぐれた豚肉が混ざっている。スパイスのバランスが絶妙で、中辛な感じのコクのあるカレールーだった。これはカツ抜きでも十分に堪能できる。問題は、このカレーを楽しむために、一体どれだけの距離を移動しなければならないかと言う点にある。
うまいものを食べるにはそれなりに代価を支払わなければならないのは理解できるが、カレーの十倍近い交通費をかけるとなると、そうそう簡単には堪能できない。実に悩ましいカレーと出会ってしまった。

食べ物レポート

満洲のつけ麺

久しぶりに「満洲」に行ったら、つけ麺が登場していた。以前のつけ麺とはちょっとスープが変わったらしい。それと、麺の大盛りが注文できるようになっていた。このチェーンのオペレーションについて、外食各社はよく研究したほうが良いと思う。チェーン店に限らず、ラーメンを中心とした町中華を経営する中小企業も学ぶべき点は多い。
その最大の特徴はメニューを増やさないということだ。季節感を出すために月替わりで登場する期間限定メニューはある。ただ、このメニューが定番化されることはほぼない。それどころか、人気商品であった鳥唐揚げは定番から外し、季節メニューですら登場しない。おそらく、主力商品である餃子とぶつかることが唐揚げ排除の理由だろうが、それ以外にも理由はありそうだ。揚げ物メニューがオペレーションラインを複雑にする。なべふりだけで全てが完結するオペレーションの邪魔なのだ。
餃子を売り物にするチェーン、町中華は多いが、フライヤー、揚げ物を放棄できる店は少ない。大阪発の餃子チェーンは、京都初の餃子チェーンはメニューが無限大に増殖している。福島初のラーメンチェーンは、なぜかそれと同じようにメニューを複雑化して町中華に変容したいようだ。ただでさえ商品の品質がばらついている現状を無視しての暴挙とも言える。
急速に店舗数を増やしている新興ラーメンブランドは、メニューを無駄に増やさない。スープ数種、麺を数種、トッピング5ー6種の順列組み合わせだけでバラエティー感を出している。これが守れるか守れないかが、大チェーンへの関門となるはずなのだ。

だから、季節限定の「つけ麺」を食べてみるとわかるのだが、完成度はあまり高くない。というか本気度が感じられない「なんちゃって商品」だ。だが、このチェーンは時々意図的に「なんちゃって商品」を投入してくる。そもそも季節限定、期間限定商品は圧倒的な固定客への季節のサービス的なものと考えているようだ。週1回のペースで通ってくる常連客に、たまには変わったものも出してますからねとアピールするだけが目的とも言える。
このつけ麺で新しい客を呼び込もうという気配はない。だが、それでいいのだ。チェーン店でありながら地元の固定客を増やす戦略として正しい。経営の軸足は固定客の満足に置かれている。そして、新商品をばらばらと投入する代わりに既存商品の質を上げている。
まあ、そんなことを考えながら「なんちゃってなつけ麺」を食べていたので、文句をつける気もない。また、来年になったら改良版が登場するだろうから、つけ麺は定番にしなくても良いよ。つけ麺なくても、いつものウマ辛菜麺で満足してるしね。

旅をする

福知山から篠山城

福知山駅に降りたのは今回が初めてだった。数年前に青春18きっぷの旅で春の日本海側を旅した時も、山陰本線をこの駅で乗り換えたくらいで駅前の風景を見ることもなかった。今回の目的地は竹田城で、JRの乗り継ぎで行けなくはない。山陰本線で和田山駅に行き、そこから播但線に乗り換え竹田駅で降りる。ただ、これはローカル線の乗り換えという悲しい事情で時間効率がとても悪い。福知山からレンタカーで移動するのが、京都・兵庫北部の山間地を回るのには都合が良い。

駅のホームで気がついたのだが、この駅から京都丹後線で天橋立まで行けるのだった。どうも西国、特に日本海側の地理には疎いので、この辺りの地理感覚が疎かになっているなあ。

ローカル線は大体が1両もしくは2両編成なので前面に連結用の受け口がある。これがなんとも可愛らしいというか愛嬌がある。青春18きっぷの愛用者にとってローカル線の接続駅はとてもお世話になる路線なのだが、福知山は通貨駅でしかなかったと反省した。

福知山駅を外から眺めると予想以上に大きな駅だった。京都丹後線(私鉄)の乗り入れ駅だということもあるし、城崎や宮津(天橋立)といった観光地へ向かう列車の発着がある要衝なのだ。

福知山線にのり大阪方面へ向かうと、篠山口駅で乗り換えになる。ちょっと寄り道をすることにして篠山城を見に行った。篠山は戦国末期、徳川の西国支配に拠点として築かれた。戦国末期以降の築城だけに、いわゆる平城で堀が広い仕様となっている。山の上に築かれた城は廃城になったあと廃墟感があるが、平城は堀と石垣が残っているので巨大建築物という感が残っている。

今では土産物屋が残る大手門前も、当時は大繁華街だったのだろう。強者どもが夢のあと、という寂しい感じがしないのは良いのだが、駅前あたりは意外にさっぱりとしている。今と昔のギャップを感じるのは、お城のある地方都市ではよくあることだ。しかし、丹波国とは山と山の間にある盆地の集合体だったのだと改めて思う。この国が古代から続く先進地帯だったとは今では思いもよらないことだなあ。

食べ物レポート

梅田でがんこ

ひさしぶるに梅田に来たので、懐かしの大阪風握り鮨を食べようと記憶を頼りに「がんこ寿司」を目指した。店の前に辿り着き気がついたのだが、店名に寿司がなくなっている。どうも寿司屋から総合和食屋へ全社あげて転換したらしい。だから、鮨屋だと思っていたら定食も肉料理もなんでもありになっているのだが、それはそれで好ましい変化だ。特に、肉寿司が寿司屋で食べられるのは、かなり嬉しい変化だと思う。
ただ、今回の目的は握り鮨であり、大阪風押し寿司も食べて見たい。だからあまり浮気をするわけにもいかない。腹の容量問題があるからだ。

はもちり というらしい

まず最初に頼んだのは、夏場の関西に来ると必ず食べたくなる「はも」だ。湯引きとか、おとしとか、色々呼び名はあるようだが、丁寧に骨ぎりをした鱧を梅肉で食べるのは、夏限定な無常の喜びだ。ここでは「はもちり」というメニューになっていて、ちょっと混乱したが、ビジュアルも含め美しい商品を堪能した。

さばたく

ふた品目は「さばたく」にした。さばと沢庵を合せたもので酢の物の変形料理という感じだった。さば好きとしては、これまで食べたことがないことを大いに悔やむ「旨いさば料理」だった。自宅でも簡単に作れそうだし、これだけもう一皿お代わりしたいくらいだった。

ランチの握りは定番のネタだが、たこに甘だれがついているのが嬉しい。シャリはちょっと多めだから、お腹ぺこぺこなヒト向けのお昼ご飯としては最適だ。個人的にはもう少し小さいシャリ玉にしてくれると嬉しいが。ネタも大振りなので、本当にボリューム感あふれるランチ寿司だった。

どうしても追加で食べて見たい「ゲソ」を一貫だけ注文した。タコもそうだが、ゲソにも甘だれが塗られていると旨さが10倍くらいに跳ね上がる(個人的感想です)

この日、午前中ですでに30度越えの猛暑日で、とりあえず冷たいビールも合わせていただくことにしたが、ビールに最適の肴は「暑い日向を歩き回ること」だと改めて確信した。が、あまり頻繁に使えない危険な技でもありますねえ。歩き回るのは程々にして、美味しいお料理をいただきました。

街を歩く

10年ぶりの?伊丹空港

普段は使うことのない伊丹空港でちょっとした所要があり10年ぶりくらいで空港に行ってみた。大阪駅からリムジンバスでの移動は全く問題もないスムーズな移動で、関空ができた後に国内線専用となったみたいだが、アクセスの良さを考えると伊丹空港が廃空港にならない意味がよくわかる。

少し時間に余裕を持っていたので空港内を探検して回ったら、4階の端っこにある吉本ショップで面白いものを発見した。あまりにも面白いので写真に撮ってしまった。確かにこの商品は関西限定というより、吉本ショップ限定でしかあり得ない「危険なパロディ品」だろう。他の観光地でやったら明らかにコンプライアンス問題を引き起こす。

パッケージも大阪城をあしらったとは言え、どうも元祖の菓子のデザインに似ている感じがする。実に怪しい。ただ、この怪しさは「よしもと」という名のブランドが打ち消すというか、この会社なら仕方ないかと諦めさせる脱力的な力がある。そこが「面白い」のだ。

そして、おまけというかトドメの一撃というか、黒バージョンも売っている。これで確信犯だということがはっきりわかる。実に「黒い会社」だ。大阪人的ユーモアというか、これくらいおまけしといてやー、とでも言いたいのだろうか。このジョーク感を、北海道の本家本元製造企業が笑って許してくれればいいのだがなあ。

案外、ごっつまじめに許可を取っていたりして……………って筈があるわけないよね。

街を歩く

大阪駅の美味いもの

JR大阪駅の開発は終わったようだが、周辺のビルも建て替えが進んでいる。大阪駅から梅田にかけては地下通路が張りめくらされていて、まるでダンジョンのようだ。以前は地下で道に迷ったら一旦地上に出て辺りを見回すと位置がわかったものだが、今ではビルがすっかり建て変わり、地上に出ても居場所の見当がつかない。

JR大阪駅前 左が大丸、右手が阪急、後ろは阪神百貨店

それでも阪神百貨店の地下に辿り着きお目当ての売り場を探し始めた。だが、売り場全体が改装されていて何がどこにあるか、さっぱりわからない。自分の記憶とは店内配置が違っている。あちこちを探し回るうちに、いきなりすごいものを見つけてしまった。

見慣れた赤い箱に入ったシウマイの横に見慣れぬ「関西シウマイ」なるものがあるではないか。以前から気になっていた、横浜崎陽軒の関西進出版だった。黄色い包装紙はシウマイ弁当専用だと思っていただけに、実に新鮮だ。

おまけに関西版シウマイ弁当は横浜版ではシウマイに使われる赤だった。なるほど、赤と黄色を逆転させたわけかと納得した。全く予想外の関西シウマイとの出会いにホクホクしてしまった。が、その後が悪い。伊丹空港に行くリムジンバスに乗ろうと地上に上がったら、なんと大阪駅前のランドマークだったビルが建て直しで消滅している。バス乗り場を探し酷暑の中を彷徨う羽目になった。おまけに、バス乗り場の案内はどこにもない。

ようやく辿り着いてみれば、従業員にそこに並ぶな、あっちに行けと追い払われた。待合室でもあるのかとまた彷徨い歩くが、そんなものは存在しない。要は工事の防御壁の横に日炙りになりながらおとなしく並んでということらしい。版バクで観光客集めるぞといっている某知事は、こうしたお粗末な観光現場の実態を知らないに違いない。いざ開幕して、クレームの嵐に会うと、またお得意の詭弁、言い訳、言抜け、責任転嫁を始めるのだろうなあ。と、熱中症になりかけて妄想しながら、バスを待っていました。

大阪の人は良い人が多いのに、大阪府の行政関係者は東京都並にクズなのだろうか。いや、大都市圏は全て、ダメな行政の宝庫かもしれない。

書評・映像評

ワードプレスに悩まされています

文字変換がうまくいかないため、文章作成に悪戦苦闘するワードプレス利用者の男が当方くれる様子

ワードプレスの調子が悪い。バグなのか、自分のPCの問題なのか、はたまた知らないうちに設定変更してしまったのか。
文字を打ち込み変換確定すると、その単語や句が文頭に挿入されてしまう。変換完了するたびに起こるので、文章を作成するのがほぼほぼ困難だ。仕方がないので、エディターで文章を打ち、それをコピペして作成するという苦行中だ。
他のアプリケーションでは起こらない。サファリの中でも異常は起こらないので、ワードプレスのどこかに「変換完了文字は文頭に貼り付ける」機能があるとしか思えない。元に戻したいのだが、全くやり方が見つからない。

だらか解決法を知っていたら教えてください。

食べ物レポート

廉価版の肉まん

9月まで9月中旬になっても暑い日が続く。すでに日本では5月から9月まで猛暑期となっているので、冬には雪も降るが「亜熱帯」認定して良いのではないか。それでも企業の企画担当者は、古き良き伝統に従い9月になると秋物商品を一斉に投入する。
夏の間は販売していなかったヤマザキの肉まんが9月になると発売開始された。ちなみに9月1日の気温は真夏日どころか36度越えだった。冷房を効かせた部屋で熱々の肉まんをどうぞ召し上がれということらしい。
さて、この4個入り肉まんは約300円。各メーカーが販売している肉まんの中で最安値だろう。ちなみに、一個当たりの重量は90g程度なので、まんじゅう業界(?)の中では一番小ぶりだ。つまり、小さいけど安いから勘弁してね作戦をとっている。

断面を見ると、圧倒的に皮が厚い、というか皮がほとんどだということがわかる。これは「皮」を食べる食べ物なのだ。他のまんじゅう屋とは設計思想が異なる。それはそれで良い。この小ぶりな肉まんを二つレンジアップして、朝飯にするとちょうど良い量になる。トーストにハムやベーコンを乗せたものの代用品として考えれば、皮の厚さ自体が意味がある。
この肉まんをチープというのは、肉まん業界から見た視点であり、消費者視点、利用者の使い勝手という点から見れば、「朝飯肉まん」としての完成度は十分に高い。2個食べても150円程度、コンビニのおにぎり一個と変わらない。高くて美味しい肉まんを作ろうとせず、「肉まんに似たもの」を大量生産販売する、したたかなヤマザキの戦略と考えるのは、考えすぎなのだろうか。

街を歩く

歩行者天国で轢かれそうになった

自宅近くの駅前に大型のショッピングモールが開業する。現在は開業前の告知に加えて、限定人数の事前体験、いわゆるプレオープン時の入場券配布が行われていたので、それをもらいに行ってきた。かなりの大規模施設だけに、入場制限をして営業時間を短縮した練習モードで従業員の訓練をしたいという意図はよく理解できる。
最近大規模商業施設では開業時に従業員が揃わないことが多く、全店一斉オープンではなく何期かに分けて開店して行くスタイルも多い。それと比べてプレオープンとは言いながら全店一斉に開店するのは、なんと頑張っていることだろうと感心してしまう。
開業時の駐車場動線の混乱が地域住民からの反発を招くことはすでに各地で実証済みだから、こうした限定時間開業期間を設けて、あれこれ問題点を探るのは正しいあり方だと思う。

おためし入場券をもらったあと、既存の駅ビルに立ち寄ったらプロ野球チームの健闘を祈る神社が設置されていた。今年のこのチームは、チーム創設以来の大低迷らしく、まさに緊急で神頼みすることになった模様だ。この場所には季節に応じて大型のクリスマスツリーや正月の門松が置かれているのでよく目立つ。
チームの成績が悪いと観客動員数、つまり親会社の電車乗降数にも影響するので企業グループを挙げての応援ということか。

さて、その駅ビルから伸びる古い商店街がある。入口は交番なので防犯対策はバッチリだと思っていた。この入り口交番から300mほど続く商店街は、12時から18時まで歩行者天国になる。納品の車も12時以降は進入禁止どころか、停車しているだけで怒られる。
逆に歩行者はのんびりと歩いていても事故に遭う心配はない。はずだったのだが…………

道の真ん中を歩いていたら(それでもなんの問題もないはずだが)いきなり後ろからエンジン音が近づいてくる。ギョッとして振り向いたら車が2台入ってくる。低速ではあるが止まる気配もない。ちょっと立ち止まっているうちに轢かれそうになった。
歩行者のほぼ全員が非難の目を向けている(ような気がした)にもかかわらず、歩行者天国の道路なのに侵入(進入とは言えないぞ)を止めない。一台目は春日部No.の大型SUVだった。これは間違いなく入口の交番で捕まるなと思ったのだが、なんと交番にいる警官が見逃したのか、交番には警官不在だったのか、お咎めなしで駅前ロータリーに出ていった。
その後に続いていたのが北海道東部の都市ナンバーの軽自動車で、これはさらに勇気ある行動に出ていた。なんと進入禁止道路で「駐車」して買い物をしていたらしい。ここから交番までほぼ50m。なんと勇気あるものたちよ、あるいは無知なだけかもしれないか。

何が言いたいかというと、地域のドライバーであれば当然知っている歩行者天国、進入禁止地域だが、県内でも遠隔地であったり他県ドライバーはよくわからないのだろうということだ。やはり、入り口付近には「侵入」止めの柵なりチェーンなりをつけた方が良い。歩行者天国の道で子供が轢かれたりする事故が起きる前に、ドライバーの善良さを信じるのはやめようということだ。これは商店会のお仕事だろう。

もう一点、フライドチキン屋の店長に言いたい。12時過ぎに店の前に車を止める客がいたら注意しろよと。それが社会市民の義務というものだろう。社会に貢献できない店長は、COMライセンス剥奪されても文句は言えまい。と、元フライドチキン屋従業員として苦言申し上げます。

街を歩く, 食べ物レポート

夏の終わりの十徳

久しぶりに新宿で知人と会うことになり、あれこれ行く店を考えてみたのだが、やはりいつもの居酒屋を選んだ。新宿には東西南北(笑)に好みの店があったのだが、コロナを境に古い店はどんどん閉まってしまい、今では片手で足りるほどの店しか営業していない。
西新宿ではこの店ともう一軒、古い焼き鳥屋くらいだろう。歌舞伎町の中はもはや別世界だし、東口にある新宿アルタ近くの店も長い間休業していた。3丁目で行きつけの店は随分と閉店してしまった。ああ、残念。

さて、この日楽しみにしていたのは「トマトのお浸し」だった。実はこれが食べたくてこの店にしたと言っても間違いない。トマトはすでに通年商品だが、なぜか夏になるとあちこちの店で「トマトのお浸し」をメニューに追加してくる。
湯むきしたトマトを出し汁につけただけというシンプルさが良いのだ。トマトは生食も良いが、出汁との相性も良いので、一人でこれ一個くらい食べてしまう。酒の肴というよりサラダの一種だろう。

マグロのたたきというのは珍しいが、個人的な感想を言うと、これはたたきではなくローストマグロではないかなと思う。カツオのたたきは、カツオ特有の血の味、ヘモグロビンの味?を和らげる。ただマグロはカツオよりマイルドなので、表面を炙ったくらいではあまり味の変化はしないように感じる。まあ、普通に美味しいが逸品と言うほどでもないか。

カンパチだったかシイラだったか、魚のフライはごく普通にうまい。魚は下味をつけたものをあげるとなおさら旨いのだが、今回の下味は微妙すぎてよくわからなかった。でも、美味い。白身魚のフライにタルタルソースをかけて食べるのよりもはるかに美味い。(個人的感想です)

冷やしワンタンは秀作だった。冷たいワンタンを濃いめのツユにつけ食べる。実に好みであった。夏らしい涼しげなメニューだ。これが餃子だとちょっと違うなと思わせるので、やはり料理人の腕前をいうものだろうか。ワンタンのツルッとした食感が素晴らしい。まさに夏の一品だった。拍手。

夏野菜のサラダは辛めの中華ドレッシングが良い仕事をしていた。添えられていた揚げワンタンのクリスピーなカリカリ食感が爽やかな感じを増幅させる。しゃきっ……と、ぱりっ………が合わさったサラダで、味というより食感で楽しませる一品だ。

やはりこの店は料理が素晴らしいものだらけだが、日本酒と合わせた時の仕立てになっている。料理好きの知人友人を連れて行くのも良いが、やはり一人で行ってチビチビぬる燗の日本酒を飲む方がもっと良い使い方な気がする。