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九州のローカル名物 長崎編

長崎県五島の名物「焼きりんご」を手に入れた。どうやら地元の老舗パン屋がつくる伝統菓子?らしい。ネーミングもすごいが、見た目も素朴というかシンプルだ。

袋から取り出してみると、ふんわり生地がかさねてある、洋風どら焼き的な菓子のように見える。パンではないと思う。
全国あちこちの土産物になっている、〇〇カスター系のようだ。この手のふんわり洋風どら焼きで一番有名なのは仙台の「はぎのつき」だろう。鎌倉や札幌でも似たような菓子が有名だ。最近ではスーパーでも当たり前のように類似品がお安い値段で売られている。まさに万人好みの人気者なのだ。それの五島バージョンということだ。

二つに割って中身を見てみた。懐かしのホイップクリームが入っていた。甘さ控えめ。北九州で「焼きりんご」は有名な食べ物らしい。地元の食べ物、まだまだ知らないものばかりだなあ。
しかし、これのどこが焼きリンゴなのだろう。見た目の茶色が「焼いたりんご」の色に似ているということだろうか。

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九州のローカル名物 鹿児島編

かるかんという食べ物は鹿児島名産だと思う。フワッとした饅頭という印象があるが、最近ではバリエーションがだいぶ増えているらしい。記憶にあるかるかんは、色も真っ白で食感は蒸しパンのようなふわもちとしたものだった。
一箱に10個20個と入った大型の土産仕様もあったが、少量パックでも販売されていた。気の利いた土産ということであれば、少量パックをあれこれ揃えてもっていく方が喜ばれるだろう。個人的にはかるかんに限らず、饅頭20個入りなどもらっても始末に困ると思う。朝から晩まで饅頭食べ続けの三日間まんじゅう生活……………そんなのは嫌だ。

かるかんはカステラのように甘い生地を楽しむものだが、中に餡を入れたかるかん饅頭も数多く売られていた。当然ながら、餡だけではなく生地のバリエーションもあるようで、薄紫というかピンク色のかるかん饅頭は、実に美しい。
食べてみたら、ふわもちな食感は変わらないが、やはり色気はうまさに通じるものがある。

かるかんは自然薯を使った菓子だと思っていたが、袋を見るとわざわざ「山芋入り」と書いてある。どうやら自然薯を使わずに作ったかるかんらしい。まあ、自然薯は大変高価なものであり希少なものだから、量産できる山芋で作るのは当然と言えば当然だ。
あえて山芋入りと記載するのは、最近の怪しいクレーマー対策(自然薯を使わずにかるかんというななど因縁をつけてくる面倒な人)なんだろうか。普通に美味しかったので、山芋入りに味の文句はありませんけどね。

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島原で龍馬に合った

島原のアーケード商店街は、夜6時を過ぎると誰も歩いていない。地方都市では当たり前の光景かもしれないが、夜6時を過ぎたら皆さん家に引き篭もるか、飲み屋に居座っているらしい。いや、そもそも地方都市は車社会だから街中の商店街ではなく郊外のショッピングモールに出掛けているのかもしれない。
その人の気配がないアーケードの中を、晩飯の場所を探して歩いていた。紹介された料理店は予約で満杯、二件目も同じく満席。どうやら、たまたま商店街の休業日に当たってしまったらしく、ほとんどの飲食店が休みだったせいらしい。夕食難民が確定してしまった。
アーケードは人が歩いていないが、灯りは結構明るい。どこかにラーメン屋でも開いていないかとキョロキョロとしながらアーケードの端から端まで歩いてしまった。アーケードの終わりくらいの場所に、なぜか龍馬のスタンドがあった。なんだなんだ、島原にも熱烈龍馬ファンがいるのかと近いてみると、なんと歴史的な背景が説明されているではないか。

龍馬が土佐藩脱藩浪士を率いて長崎で商売をしていたのは知っていたが、当時長崎に行く途中で島原を通過していたそうだ。高知から四国山地を越えて伊予(愛媛)に出て、そこから船で大分に渡る。大分から日田を抜け久留米・熊本方面に向かうのが当時の九州幹線路だった。どうやら熊本から海路で島原に渡り、長崎を目指したようだ。
徒歩の旅では山越えをできるだけ避けるのが標準的な道筋になるから、遠回りでも平坦な道と海路の選択になる。現代では山にはトンネル、谷には高架橋を渡し、どんどん直線で進むから想像し難い遠回りな工程に見えるが、江戸期以前は曲がりくねった街道が当たり前だったということだ。熊本から直行で長崎まで船便があれば船にしたのだろうが、やはり当時はそんな長距離ルートは就航していなかったのだろう。
にしても、龍馬と島原で会うとは、なんとも不思議な気分だなあ。

食べ物レポート

四海樓 再訪

弾丸旅で長崎ちゃんぽんの本場、四海樓に行ってきた。目的はシンプルで「ちゃんぽん」を食べるのみだ。確かこの店がちゃんぽん発祥日だったはずだ。
テレビ番組で見ただけだから定かではないが、長崎ちゃんぽんの本場である長崎市で一番有名なちゃんぽん店はリンガーハットだとのこと。長崎市内に店舗数が多いため、利用率が高いそうだ。これにはなんとなくモヤモヤしたものを感じてしまうが、名物料理の実際とは案外こんなものかもしれない。札幌ラーメンで一番有名なのはチェーン店の〇〇という話は聞かないが……………。

記憶の中にあったはずの、四海樓ちゃんぽんの味はすでに脳内から消え失せていた。忘却のかなただ。だから眼前に登場したちゃんぽんを見て懐かしさを感じることはなかった。ああ、こんな感じだったのか、というのが素直な感想だった。
食べてみた。思っていたより(記憶の中より)塩味が控えめで優しいスープだった。ただ、これがちょっと物足りないと感じる。
麺の量は多めでたっぷり感があるが、どんぶりがちょっと小ぶりかなという感じがする。これと(つまり元祖長崎ちゃんぽん)一番ポピュラーなリンガーハットちゃんぽんの味がどうにも一致しない。
確かにリンガーハットのちゃんぽんは好きなのでよく食べる。一番たくさん食べたちゃんぽんだから、舌がそちらに引きずられているのかもしれない。本物?は優しい味のちゃんぽんだなというのが、最終的な感想だった。

ちゃんぽんがくるまで一品食べようと注文したのが、最近ちょっとこだわっているエビチリだった。これは明らかに失敗で、一皿の盛りが多すぎた。二口み口食べたところで、いったん食べるのをやめた。これを食べ切るとちゃんぽんを入れる腹の余裕がなくなりそうだった。
大ぶりのエビとあまり辛くないチリソースは満足のいくものだったので、ちゃんぽんを食べ切った後で完食した。腹が膨れすぎてちょっと後悔した。食べ過ぎだ。
中華料理屋に一人で行くとこういう悲しい結果になる。いつも失敗して、いつも反省するのだが、いつまでも同じ間違いを繰り返す。全国の中華料理店の皆さま、一人向けにハーフサイズで注文できるようにしてください。
ちなみに王将はジャストサイズというなで小盛りを提供しています。「ありがとう」。

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乗ってははいけない(一部路線)

30年以上この航空会社を利用している。一時期、JALが経営破綻をしてボロボロになっていたこともあり、リスク管理という面からも国内、国外出張にはスターアライアンス組を使っていた。
とは言いながら、2000年代初頭はこの航空会社も運営がグズグズで、あまりにも出発時刻が遅れるのに辟易していた。On Time 、つまり定時で出発する比率を地上勤務者に聞いて呆れたことがある。なんと40%代だった。(記憶モードなので正確ではないが)
2本に一本は定時に飛ばないということだ。それも5分10分といったちょっと遅れますという感じではなかった。定時運行を信じてビジネスの約束をすると、アウトになりそうなほど不安定なフライトで、しばらく出張の日程を前泊するように変えたほどだ。
今では、さほど遅れもないようだが。同時期、米国United Airの定時運行目標が80%だったはずで、海外出張時にはどの航空会社を使うか定時運行率で選んでいた。

さて、一時はプラチナメンバーになるほど多用していたこの航空会社だが、高知ー羽田便で驚くほど連続して酷い目にあった。従業員のせいというより会社の仕組み作りの悪さだと思う。
まず、高知空港で手荷物を預けようとした。手続きをする3つの受付所がある。その3つは早いもの順で受け付けるようなのだが、なぜか受付待ちをするための行列レーンが一般用と有線客用に分かれている。受付所の前で合流する格好だ。
普通、こういう混合するラインを使用するのであれば、3つの受付のうち一つを優先専用にするのが一般的だ。多くの国際線では、そのようにしている。優先レーンの乗客がいないときに限り、優先専用受付口で一般客を受ける。当然、優先客はサクサクと進む。それは良い。
ところが、高知空港では「優先専用」受け口がない。たまたま、自分の前の一般客がやたら荷物が多い人、やたら乗りつぎ、乗り換えるらしい人で、受付口を占領してしまった。自分の目の前にある受付、その一つだけが稼働中という状況だった。驚くことに、この受付を「優先客」専用に運用をしたのだ。結局、優先客3-4人の対応があわるまで、一般客の列はどんどん伸びる。優先客を全部捌いてから、一般客を受け付けるという運用なのだが、3つある受付のうち二つが使用不可になる状況は想定していないのだろう。
まったく運用設定のミスだ。自分の後ろに10人以上の行列ができている。その列はどんどん伸びっる。そして、埋まった二つの受付口は一向に解放されない。
「責任者出てこい」と言いたくなる状況だ。高知空港の手荷物受付カウンターで、「優先客」の専用受付口を作って対応してよ。
ちなみに、羽田や千歳、福岡などの大空港では手荷物預けが機械登録できるのと、優先客はそもそも入り口から違っているので、このような混乱は「設備的」に起こらない仕組みになっている。人が臨機応変に対応できないのだから、仕組みで対応するのは現代ビジネスの常識だろうに。

羽田空港に着いてみたら、なんと降機場から到着ロビーにまでのバスが来ていない。バスが足りないというアナウンスがあるのには笑ってしまった。飛行機の到着時間は管制されているのだから分単位で決まっている。その到着時間に合わせてバスが手配できないとは、バスの運用会社のせいか? 
そもそも到着してからバスが来ないというアナウンスがあるまで、ずいぶんと経っていた。例の「機長からのご案内……………」というやつだ。
結局10分以上、待たされたのではないか。おまけに、タラップから地上に降りてみるとバスは一台しか来ていない。機内はほぼ満席だったはずだが。

その後もトラブルは続く。手荷物を受け取ろうとしたら、同じターンテーブルにずいぶん前に到着したはずの秋田便の荷物がまだ出ていない。当然、秋田便の荷物が全部引き取られた後でなければ、高知便の荷物は出てこない。ターンテーブル前は秋田便と高知便の客でごった返している。なぜ、空いている隣のターンテーブルを使わない?

少なくとも、高知羽田便に関して、この航空会社を使うのはかなりリスキーな選択ではないかと考えるに至った。今週は羽田千歳便でも試してみるつもりだが、結果次第では航空会社の乗り換えを考えなければいけないなあ。
次回の高知羽田便はすでに「鶴のマーク」に変更した。客を舐めんなよ、という無言の抗議でありますよ。

ちなみに我がライフタイムマイル(これまでの人生でこの航空会社を利用して飛んできたフライトマイル累計)は39万4700マイルだった。羽田千歳を往復すると1000マイルほどなので350往復はしたことになる。これが多いか少ないのかはよくわからんが、客のロイヤリティーというのは簡単に失われるものだと関係者は理解すべきだろうね。

補足 千歳羽田便でまたまた驚愕のクズ対応にぶち当たってしまった。詳細は、「乗ってはいけない 千歳便」に続く

街を歩く, 食べ物レポート

天ぷらに満足した博多の夜

福岡に来たのはひさしぶりだが、前回来た時には時間がなくて訪れることができなかった「天ぷら」屋に立ち寄ることにした。この店は10年以上昔から、知人に紹介されて何度も来ている。天ぷらはうまい、間違い無い店だ。そして価格がお手頃という事もあり、いつでも長い行列ができる人気店だ。
この店を見る来ると、外食企業に働いている人間は、必ずと言っていい方ど模倣店を作りたくなる。知っているだけで3社がこの店のデッド・コピーに挑戦し、これまた皆さん失敗している。簡単に真似ができそうだが、実は真似をして成功するのが難しい「コンセプト」だ。外食関係者には罠というか、禁断の魔力があると言っても良い。

基本的に天ぷらの組み合わせが違う「定食」を注文する。ただ、この天ぷらの組み合わせがジグソーパズル的難しさがあり、初心者は選ぶのに時間がかかる。名前を見て、天ぷらの中身が想像できるのはとり天かエビくらいだろう。

席に着くと、まず最初に濃いめの天つゆと塩辛が出てくる。実は、この塩辛こそこの店の看板商品だと思うのだが、天ぷらが出てくるまでチビチビと塩辛を食べるのが楽しみだ。この塩辛は、塩味がとても薄い。うっすらと柑橘系の香りがする。塩辛というよりイカの漬物、浅漬けといったふうだ。さっぱり味の塩辛というのも珍しい。これだけで丼飯が食えそうだ。

天ぷらは揚げたてのものが、一つ二つとバットに並べられる。食べると火傷をしそうな熱々だ。魚と野菜が順番に出てくる。

それぞれの定食は6−7種の天ぷらが出てくるので、完食するころにはすっかり満腹になる。体調を万全にしていかなければ、店内に立ち込める油の匂いに負けそうになるのが注意点だ。ご飯は大小サイズを選ぶことができる。昼時であれば1時間待ちは覚悟しなければいけないが、3時過ぎだと行列がなくなるので、遅い昼飯、あるいは早い夕食として午後遅くに行くのがおすすめだ。

なぜか客の1/3くらいが外国人だった。福岡の名店がインバウンド・ジャックされているのは微妙な違和感というか複雑な心境になる。が、何より迷惑だったのは隣の席に座ったカップルで天ぷらを食べながら大声でずっと知人の噂話、痴話話をしている。明らかに外国人よりタチの悪いのは日本人だなと、天ぷらとは全く関係ないことに感心してしまった。

食べ物レポート

田中鮮魚店にて 鰹を喰らう

お盆過ぎから10月上旬まで、中土佐町久礼はシンコで賑わう。この超鮮度重視の魚を求めて、高知県中、いや高知県外からも朝早くから人が押し寄せてくる。朝9時、魚屋の開店前から行列ができ始める。暑いのに、ご苦労なことだと思う。

その昔ながらの市場の奥まったところに、田中鮮魚店があり、これまたうまい鰹を求める人が群がっている。魚屋と言いながら、鰹の他に数種の刺身が並べてあるだけで、普通の魚屋でならぶような大衆魚は一切見当たらない。自家製の干物はあるから多少は魚屋っぽくはあるが、基本的には鰹専門店と言って良い。

朝仕入れた新鮮な魚の切り身が並ぶ。鰹も朝のせりで仕入れたものが午前中にはたたきに加工され並んでいる。その日の獲れたて魚でラインナップは変わるが、この時期の好みで言えば飛び魚がある。ウツボのたたきもうまいし、タイミングが良ければシイラもある。

それを魚屋の向かいにある食堂で食べることができる。ご飯と味噌汁のセット券を買い、魚は好きなものを選び刺身におろしてもらう。昼時には席待ちの行列もできるが15分も待てば入れる。

本日はカツオと飛び魚、そしてメジカの生節だった。カツオは大将にお任せという乱暴な注文の仕方だ。この見た目四人前はあるかという大量の刺身を女性スタッフと二人で完食した。満腹感もさることながら、鰹を食い切ったという達成感が凄い。ちなみに、鰹大好きの高知人でも鰹のたたきは一人前3−4切れらしい。
うまい鰹を食べさせる店は高知県内のあちこちにあると思うが、達成感を感じるほどの良品にであうのはなかなか難しい。高知市内から高速道を使えば1時間程度。JR土讃線で特急を使えば、1時間弱。高知観光するのであれば、このカツオの町久礼までわざわざ鰹を食べに行くというのありだと思う。ちなみに、水曜は定休なので平日に行くのであれば、営業日時を確認した方が無難。季節によってはカツオが上がらない日もあるしね。

以上、宣伝でした(笑)

街を歩く

土讃線の短い旅

高知駅から西へ向かう土讃線は窪川駅までで、その先は地域鉄道になる。高知駅からは特急で1時間ちょっとだが、ローカル線特有の揺れが旅情をそそる。乗客も少ない二両編成の特急というのは、他の地域でもなかなか見ない光景だろう。
四国は瀬戸内を跨ぐ三つの橋ができるまでフェリーで渡るしかない島国だった。その上、峻険な山地で仕切られる、まさに4つの国で、高速道路も主要都市をつなぐだけの限定路線だった。
四国内で高速道路が延伸されるのと、鉄道が縮小していくのは同時進行だったように思う。土讃線を高知県から岡山県に向けて乗っていくと、瀬戸大橋を越えるあたりから急速に人家が増える。古代からの大幹線路であった瀬戸内海の賑わいが実感として感じられる。
その道を逆に進むと、瀬戸内海から遠ざかるほどに鄙びてくる。地理的な環境が社会を変えるというのが実感できる光景だ。

さて、その土讃線の端っこにある窪川で名物の四万十ポーク料理を食べた。和風ハンバーグは、まさに豚肉向けのやさしい味付けだった。ハンバーグを食べながら思ったことだが、実は現代日本で「鄙」と言われるほどに、文明文化との隔たりがある場所は存在しない。高知県でも、かなり西に行った地方の町で「美味しい洋食」を当たり前のように食べられる。ハンバーグにに白飯と味噌汁がよくあっている。都会の定食屋よりうまいと思うくらいだ。


インターネットの普及とと自動車交通により、都会と田舎の情報格差・時間的距離はほぼなくなっている。残っているのは、地方都市に住まう人たちの心理的な距離感、あるいは時間というものに対するゆとり感覚だけだろう。
大都市での勤務者経験からすると、地方都市の時間感覚は明らかに緩い。おおらかと言えばおおらかだが、寸暇を争うビジネスタイムで生産性の勝負をしてきた経験からすると、時間の無駄使いにも見える「ゆっくりタイム」が流れている。
おそらく都会と田舎の差で最後に残っているのは、この急かされるような時間感覚、1秒も無駄にしてはいけないという時間貧乏的な発想をするかどうかにある。もちろん、都会人の時間貧乏は、人として精神的に貧乏な暮らしを招くと思う。だが、なかなかその癖が抜けきらない。地方都市の人と仕事をするときに感じる一番のギャップでもあるかなあ。


だから、そんな時間貧乏を解決しようと、たまにローカル線ののんびりした旅をする。そうすることで、自分の時間耐性の調整を取ろうと思うのだが。たかだか一時間程度の鉄道旅では、焼け石に水らしい。おそらく、一年くらい「田舎の町」で暮らせば、時間貧乏も抜けそうな気がする。

街を歩く

普通のラーメンもありがたい

高知駅の高架下にある中華の全国チェーンは時々お世話になる。なんと、県庁所在地の駅でありながら、高知駅に食堂が一軒しかない。それも小洒落たカフェ風な店で(ただ、うどんも置いている)、駅で食べる食事としてはいささか面映い。
だから駅正面から100mほど離れた高架下にある中華料理屋に行く。高知県とは全く関係のない町中華だが、高知に来たから高知名物を食べようと思うには、高知に来すぎた。普通の昼飯は普通の中華料理屋でチャーハンかラーメンで良い。ちなみに、名物カツオのたたきは、本場のたたきを食べすぎて舌のレベルが上がり過ぎてしまった。高知市内の店で食べても、たまに不満に思うほどになってしまった。これは、想定外の事態なのだなあ。ある意味、不幸になったのかもしれない。お江戸のスーパーで売っている鰹は、もはやカツオと思って食べてはいないくらいだ。やはり、好物のカツオが気軽に楽しめなくなるのは、不幸だろう。

さて、高知県で普通の昼飯を食べるとして、何を注文するべきか。今回はシンプルな醤油ラーメンではなく、キムチラーメンにしてみた。注文した品物が出てきたので、どんなものかなと眺めてみるとトッピングにキムチが乗っているだけの変化だ。が、普通のラーメンはそれでいいんだなあ。あんかけラーメンや野菜たっぷりラーメンも良いけれど、シンプル・イズ・ザ・ベストというではないか。普通に美味しくいただきました。ダメな鰹を食べて残念に思うより、よほど安全な選択というものだ。

街を歩く

地元系居酒屋にまよいなし

ひさしぶりに葉牡丹に行った。秋の夜長というが、夕方6時には暗くなる季節なので、夕闇に誘われて居酒屋へむかうのは、それなりの風情がある。良い季節になったものだ。これはなかなか嬉しい。
相変わらず大人気でたまたま開いたカウンター席にありつけたが、ちょっと遅れれば空席待ちになるところだった。

イカの鉄板焼きなるメニューを頼んだら、自分の予想と全く違うものが出てきて、これはびっくりだ。頭の中にはイカがマルっと一匹横たわっている姿が浮かんでいたのだが、イカの切り身ともやし炒めが出てくるとは。確かに、いかの鉄板焼きに間違いはない。
食べてみて、これはこれでありだと思った。イカ好きが言うのだから嘘ではない。

二品めの注文はだいぶ迷った。腹の空き具合が微妙で、次の一品で打ち止めになりそうな気配だった。八宝菜という昔懐かし中華メニューと定番酢豚が、頭の中で5分ほど乱戦を繰り広げた。結局、定番の勝ち。
ここの酢豚はきゅうり入りだ。酢豚にきゅうりが入っているのは、西日本で多い気がする。おそらく明治期あたりに大陸から渡って来た華人料理師たちに、広州系南方派と北京系北方派がいて、西では南方系、東では北方系の料理人が主流だったのではないかと思っている。きゅうりのあるなしの境界線はどこにあるのかわからないが、愛知県あたりではないのだろうか。東日本でよく見かけるのだが、酢豚にパイナップルが入っているかどうかも、東西酢豚の違いのような気がする
自宅近くに残留孤児(とその子供たち)がやっている中華料理店がある。当然、彼らは日本的な中華料理の影響は受けていないはずなので、大陸的なオリジナル酢豚を作っているのではないかとおもうのだが、その店ではパイナップルではなくマンゴーが入っていた。中華路料理にもニューウェーブがあるらしい。
葉牡丹の酢豚は、おそらく明治とか大正から続く西国中華料理の伝統にしたがっているのではにかなあ。

この店のカウンター席は冬でも暑いくらいの熱気があるが、この季節は背中で回っている扇風機のせいで、ゾクゾクするほど寒い(笑)
熱気あふれる店で寒さを感じるのもまた乙なものだと意地を張っていたが、あまりに涼しいので早々に退散した。だって、体の正面は物理的に暑い、背中は涼しいのだから。今度座るときには、扇風機の位置をよく確認することにしよう。