旅をする

超ローカル名物? 長崎編

長崎県島原で見つけた、なんとも言えない食べ物だ。面白そうなので一つ買おうと思ったら、3個セット500円での販売だそうだ。渋々と3個買ったのだが、これが重い。茹で麺3個にしては随分と重たい。旅先では重いものを買うのは避けているのだが、結局この重たい麺3袋をずっと持ち歩く羽目になった。

家に戻って作ってみた。焼きそばの変形と言えばいいのだろう。小学校の給食で出てきたソフト麺よりはかなり上等だ。おそらく具材のアレンジで随分とゴージャスに見せることもできそうだが、この簡易版パスタというか洋風焼きそばはシンプルな方が似合っている。

ウインナーソーセージを2本入れて作ってみたが、これくらいのチープさがちょうど良いみたいだ。
しかし、日本全国不思議な食べ物があるものだなあ。

食べ物レポート

シベリヤ

自宅近くのパン屋で手に入れたシベリア

シベリヤと呼ばれるパンがある。見栄えがまるで和菓子のようだがれっきとした「パン」らしい。カステラ生地で餡子を挟んだもので、とてつもなく甘い。系統的にはあんぱんの親戚みたいなものだろうか。調べてみると関東一円で売られているローカルパンらしい。ただ、この名前に既視感がある。昔から知っていたような気がする。となると、北海道でも売っているのだろうか。ヨーカンパンがあるくらいだから、ヨーカンサンドがあっても不思議ではない。

などと考えていたら、ついに札幌のイオンで発見した。おそらく通年商品ではないのだろう。寒い時期になると売られる季節商品で、肉まんと同じように10月から販売開始ということではないか。おまけに製造元はヤマザキだから、それなりに地元でも知名度があるということだ。

中身は三角サンド形状ではなく、四角いサンドイッチ風で、ずいぶんと小ぶりなサイズだった。味は予想通りの激甘、一切れ食べるとごちそうさまと言いたくなる。これはやはりパンと言うより菓子ではないか。パンとケーキの中間品みたいな気がする。三切れ食べ切ったがとてつもない満腹感に襲われ昼飯は抜きにした。

関東生まれのシベリヤがどんな経緯で北海道に渡ったの(北海道生まれで、それが関東にながれていったということはないと思う)、そのあたりも興味があるが、次は札幌の老舗パン屋巡りでもしてみるか。変形シベリヤがたくさんありそうだ。中身がつぶアンとかウグイスアンとか……………
ブーランジェリーなどと言う高級なパン製造店では売っていないだろうしなあ。
街を歩く

回転寿司屋のご当地メニュー

最近は札幌に行くとこの店を使うことが多い。昼には長い行列ができる人気店だが、2時半近くであればあまり待たずに入れる。客層はほとんどが観光客のようで、外国人比率も高い。

全国チェーンのメニューとは随分違っている。お江戸の店ほど鮨ネタにバラエティーはない。が、ご当地限定と言いたいネタも多い。あぶらがれいなど、北海道の一部でしかみられない。紅鮭すじこはイチオシのメニューだが、これは年々高級化しているのが悩ましい。

北海道限定ネタとは言わないが、やはりうまいのがイカだ。タコの頭を食べるのは、どうやら北海道だけらしい。アマダレをつけて食べるのがよい。ちなみに油がレイは左下だ。

個人的な大好物はサバの巻物で、ガリと合わせてある。これだけ5本くらい注文しておしまいにしても良いくらいの好物だ。
ご当地巻物は色々とあるが、仙台で食べた筋子の巻物と、このサバ巻き、そして高知名物、カツオニンニクの土佐巻が日本三大巻物の巨頭だと思っている。

メニューを見ても中身が想像がつかないものも多い。いかげそには、わざわざアマダレ付きとあまだれなしがある。いか耳ゆず塩など、これもあまり見かけないが、イカの耳を鮨ネタで食べる地方は北海道以外ににあるか? 記憶にない。
ツンツン松前漬け軍艦は、松前漬けに山わさびを乗せたものだろう。回転寿司だから味わえるご当地ものだ。

一番好きな寿司ネタは ゲソ

げそのあまだれ付きはお江戸でも食べることができるが、なぜか北海道で食べる方がうまいと思うのは、舌の勘違いだろうか。今度は、いかげそとサバ巻だけちゅうもんしてやろうかなあ。

食べ物レポート

神田でチャイナな気分

古くからの友人との飲み会で神田に行った。予備知識なしで出かけたが、店の前で看板を見て「おやまあ」と驚いた。味坊という店名から大衆居酒屋を想像していたのだが、なんと火鍋屋、それも本格派の店みたいだ。おまけに羊肉店だと書いてある。これは明らかに「和」ではなく「華人」料理ではないか。
店内の従業員も明らかにチャイナな方達だった。メニューは大陸北方系の料理らしい。店内に残っている匂いも明らかに中華系スパイスだった。


最近押し寄せてくる大陸系インバウンド旅行者にとって町中華の料理は「日本料理」なのだそうだ。その典型がラーメンであり、餃子であり、チャーハンらしい。正統的なチャイニーズとは全く別物で和風アレンジされた、まさに和食なのだそうだ。だから華人が華人のために調理する「中国料理」と呼ぶべき料理とは似て非なるものだ。
町中華のメニューは100年掛でアレンジされた創作和風料理だろう。確かに日本で食べる酢豚と大陸で食べた古老肉は似ているが違う料理だと思う。この店は神田にあるが「中国料理」店であり、中華料理店ではないのだろうなあと感じた。

看板にある通り、羊肉が「推し」メニューで、羊肉串焼きを注文した。味はまさに羊肉だったが、スパイスが日本的な中華料理の定番、ニンニク+生姜ではない。八角、ういきょうなど大陸系のスパイスだった。最近ではサイゼリヤでもこの手のメニューがあるので、羊肉が日本に定着しているとは思うが、味付けはやはり日本アレンジの方が主流だろう。羊肉を煮たり焼いたりして食べる文化圏はユーラシア大陸中央部を中心に、中国東北部から中東までの幅広い地域に広がる遊牧狩猟民文化と一体の食文化だろう。

極めて一般的な空芯菜の炒め物も味付けが違う。町中華であればニンニク塩味が主流だが、ここではやはり八角系のチャイナな味がする。従業員曰くさっぱりとした味付けとのことだったが、これは濃厚野菜炒めとでもいうべき代物だろう。日本人的な感覚からすると、さっぱりとはだいぶ遠い。ご飯のおかずには向かないが、羊肉と食べ合わせるにはこれくらいの強い味付けが必要だと思う。

厚めの餃子の皮に、これまたたっぷりとニラを入れた餡をくるんで焼いた「餅」が出てきた。日本語でいうところの「もち」ではなく、チャイナなモチである「ピン」だろう。まさにサイドアイテムではなく、腹持ちのするメインディッシュだ。これだけを昼飯にすると、ちょっと変わったチャイニーズランチになりそうな気がする。日本的にアレンジすれば「肉まん」になるのだろうけれど。案外餃子の原型はこんな料理だったのかもしれない。
ちなみに日本的な焼き餃子は「中国料理」には存在しないらしい。日本では飲茶で出てくる水餃子のようなものが、いつの間にか「焼き餃子」に変わったようだ。ネタ元は台北にある北京料理屋の大将に聞いた話だから多分正しいと思う。
余談だが台湾にある北京料理屋は高級店が多い。それは台湾成立の政治的事情と絡んでいるので、あまり追求してはいけないらしい。ただ、宮廷料理の流れを汲む正統北京料理店がなぜか台湾にも多くあるし台湾のローカルである台湾料理も多い。中国料理をお勉強するには台湾が便利なところなのだ。
焼き餃子に近いものは、餡を包んだものではなく、端を閉じでいない筒状のものだそうで、これは日本でも紅虎餃子房で提供している鉄板餃子とほぼ同じだった。

この店の大判焼き餃子もどきは気に入ったので、またいつか訪れて見たいものだ。

街を歩く

高みから覗く札幌都心部

札幌市役所の最上階は展望台になっている。たまにここに来て札幌の街を見渡すのだが、初めて来た頃は(随分と昔だ)北側、札幌駅方向に高いビルがなかった。今では視界を遮る高層ビルが(タワマンも含めて)随分と増えたものだ。

その市役所屋上からは例の日本三大がっかり名所、時計台を見下ろすことができる。この角度から見れば、時計台が周りをビルで囲まれていることが見て取れる。がっかり名所と言われるわけもよくわかるだろう。
もう一つの札幌名所、クラーク先生像の前は羊が戯れる大牧場が広がっている。というか野原なのでビジュアル的に優れている。最近のテレビ番組ではクラーク先生が時計台になり代わり、すっかり札幌のシンボルになっているが、こちらの方が北海道らしさを感じられると言うことだろう。ただ、札幌は200万人都市なので、都心部は人口が稠密な住宅地が連なっている。実は野原は例外的な場所なのだけれどね。

その札幌市役所屋上の一階下にレストランがある。中華料理がメインになっているのがちょっと意外だが、お値段は明らかに町中華レベルより低い。極めて穴場的場所だ。市役所の営業時間しか運営されていないから、夜の利用はできない。しかし、ホテルのスカイラウンジ的な利用は可能だろう。窓の外に広がる風景は札幌市東部と南部で、この方向には高層ビルが少ないから、地平線までしっかりとみえる。

このほろ酔いセットは実にお得なお値段で、午後の一人飲みにはぴったりだ。この日は地下の食堂でラーメンを食べてしまったので、チャレンジはできなかった。次回は2時過ぎ(昼のピークが終わり席が空いている)に来て、ほろよいセットに中華単品、多分エビチリとか酢豚とかを頼むことにしよう。
役所飯はたいていが地下の隅っこに店があるのだが、この札幌市役所は民業を圧迫するほどの素晴らしい立地でありながら庶民の懐に優しい値段だ。この格安値段を是非とも維持しながら札幌市民+国内観光客の憩いの場であってほしい。間違っても海外サイトに紹介されたりしないことを祈ろう。


ちなみに、食券販売機はかなりレトロなものなので、インバウンド客にはハードルが高いと思う。念の為付け加えておきますよ。

街を歩く, 食べ物レポート

山賊焼という唐揚げ

新宿にあるお気に入りの洋食屋で、ランチメニューの中に気になる一品があった。山賊焼というもので、長野県松本、塩尻周辺の郷土料理だ。焼きとは言っているが、実際には唐揚げだ。ニンニク醤油の濃い下味がついた、衣がカリカリの唐揚げだ。熱々を食べると、いかにもスタミナがつきそうな(昭和的発想だ)ニンニクガツン系の味がする。油とニンニクは実に相性が良い。今風の流行りであればこれにタルタルソースをかけ、より濃厚化させそうだが、この店はストイックに現地風の体裁を守っている。これはポイント高い。
横についているのはオマケの白身フライだが、こちらも自家製らしきタルタルソースにつけて食べると感動するうまさだった。山賊焼がホームランバッターだとすると、白身フライはスマッシュヒットを重ねる技巧派バッターという感じだろう。

そして、このランチメニューは丼飯と味噌汁がついてくる定食屋スタイルだ。ただ、この店は洋食屋であり定食屋ではない……………はずなのだが。新宿歌舞伎町界隈でこのような店はすでに奇跡に近い。小洒落たカタカナ名のレストランは多いが、どこもお値段はこの店の二倍から三倍になる。
和洋中取り混ぜたメニューが並ぶランチは、昔のデパート大食堂のメニューラインナップに近い。そのあたりが懐かしさを掻き立てると言えばそうかもしれない。

内装はシックなもので、窓が大きいため店内は明るい。薄暗い店が好きな客にとってはちょっと眩しすぎるかもしれないが、窓際のカウンター席では食事を終えた後に本を読んでいる人もいた。確かに読書には向いた明るさだろう。
これくらいの明るさの喫茶店があれば嬉しいのだがなあ、などと思いつつ丼飯を完食して身動きが取れなくなった。どう考えても和風ファストフード店よりコスパが良い。次回はもう少しレトロな定食、ではなくランチセットを注文してみよう。

食べ物レポート

うま味調味料について

一時期は、まさに蛇蝎の如く嫌われていたうま味調味料が見直されているようだ。世界的な研究機関が、うま味調味料、つまり化学調味料と言われるものになんら問題はないと発表したそうだ。逆に低開発諸国における食事の改善にうま味調味料使用を勧めているらしい。
うま味調味料を使うと舌がバカになるとか、体に不調が起こるとか、実に宗教論的な手に負えない議論が横行していた時期があった。外食企業で働きながら、その手の宗教論議?が好きなものも多くて閉口した記憶がある。自分たちの主力商品には、彼らの視点から言うと過剰というほどうま味調味料が使われていることを知っていながら、「ない」ことにしたままのうま味調味料議論なのだから、全く始末に追えない。
もし本当にうま味調味料、化学調味料が体に悪いものだとしたら、自分の売っている商品は「毒」ではないのか?という方向に思考は進まないらしい。嫌なことからは目を背けてないことにする。困った人たちだった。
さて、うま味調味料に関する最近の論調についてだが、汚名挽回というか、正しい使い方をすれば便利なものですよというお墨付きを受けたようなので「味の素」も正当な評価をうけられるようになったか?と思う。


その味の素がコラボ商品を売っていた。おまけに第二弾だという。

この人気アニメキャラとのコラ部はなんとも不思議だ。中身は通常品で、瓶の表面がキャラになっているだけなのだが、そのキャラが実に多彩だ。まさか全キャラコンプリートなどという荒業が目的ではあるまいと思うが、第二弾が始まったということはそれなりに第一弾の人気があったのだ。
ただ、この「味の素」ひと瓶を使い切るのにはどれくらい時間がかかるだろう。少なくとも一ヶ月や二ヶ月では無理だと思う。値段はたいした金額でもなかったので二瓶も買ってしまったが、これを使い切るには年単位の時間がかかる。3年は大袈裟にしても、相当長持ちしそうだ。

この企画を考えたのは誰なのだろうか。味の素側に仕掛け人がいたとも思えないのだが、ひょっとすると味の素の社長が「わん○ース」の大ファンだとか、原作者が味の素大好きだとか、そんな裏話があるなら知りたいものだなあ。

もしこのまま、第三弾、第四弾などと続いていくと、熱烈ファンの家には死蔵された味の素がずらっと並ぶのかな。探してみたけれど瓶の表面に賞味期限は見当たらないし、中身は腐りそうもないからライフタイム商品で良いのかもね。

補足 ネットで調べてみたら夏に発売の第三弾で終了していた。どうやら手に入れたのは、売れ残っていた在庫処理品らしい。どうりで安かったわけだ。それはそれで希少品ということかもしれない。

街を歩く

札幌で一番有名な蕎麦?

ゴマが練り込まれたゴマ蕎麦はめずらしい

学生時代から通っている蕎麦屋がビルの建て替え工事などで次々と閉店していく。残った店を訪ね歩いて食べるというなんとも情けない状態が悲しい。
ただ、店が減っているのは蕎麦屋だけに限らない。札幌都心部はビルの建て替えが一気に進んでいるので、新築ビルには新しいレストランが入居する。その一方で昔から続いていた店は代替わりすることもなく閉店していく。いと哀れなり………なのだ。
札幌市内のどこにでもあった大衆居酒屋「つぼ八」は全く見なくなった。そもそも大衆居酒屋自体が消滅の危機だ。ラーメン屋も一時期は街中ではすっかりなくなっていたが、最近は狸小路を中心にラーメン店復活の機運がある。これはありがたい。
こじんまりとした鮨屋の路面店もめっきり減ってしまったが、新興の鮨店がビル内に出店している。これは新陳代謝と考えるべきなのだろう。

残念なことに蕎麦屋は一方的に減少している。これも時代の流れと諦めるしかないようだ。それでも、昔懐かしの蕎麦屋を訪ねて昼下がりの蕎麦を楽しむ。昼時の混雑時は外すようにしているが、蕎麦屋が減ったせいか午後遅くまでそれなりに混み合っている店も多い。

いつものもりそばを注文し、するっと啜って蕎麦湯で一息という蕎麦の楽しみ方は、もはや文化的活動かと思うほどだ。お江戸のこだわった蕎麦屋は実に面倒臭いと思うことが多い。なので、札幌の大衆食堂的蕎麦屋が妙に心地よい。
昭和レトロを楽しむ若い衆にも蕎麦好きがたくさんいてくれると、蕎麦屋も生き延びられそうなのだが……………

街を歩く

本当のししゃも

北海道人には常識かもしれないが、一般的にスーパーなどで売っている子持ちししゃもは「カラフトししゃも」あるいは「キャぺリン」というししゃもとは別の魚だ。
本物のししゃもは苫小牧近くの太平洋岸、あるいは釧路付近で獲れる希少な魚だ。昔はガンガン(一斗缶)に山盛りにされて売られていたそうで、貧乏人の食べ物だったらしい。
母親が樺太の住民だったのだが、幼少時のおやつは浜に干してあるししゃもを勝手にとって食べるか(どう考えても窃盗のような気がするが、子供だけに許されていたらしい)、海に入ってウニやホヤを自分で獲っていたそうだ。まさに、樺太ワイルドライフではないかと驚いたことがある。そのワイルドなおやつ、ししゃもも、うにもホヤも、全て超がつく高級食材になってしまった。
この季節になると軽く炙ったししゃもが食べたくなるが、ひと串の値段を見ると到底手が出ない。ししゃもの隣に並んでいる「コマイ」であればなんとかなるが、この安い方のコマイも記憶にある価格からするとすでに五倍ほど値上がりしているのではないか。そのうちコマイも買えなくなりそうだ。
ちなみに、ししゃもの世界は男尊女卑ではなく、「女尊」男卑なメス社会なのだが、このオス・メスの値付けを見ると、多少ながらオスの地位が向上したようだ。昔はオスの値段がメスの半額以下だったような気がする。
まあ、人間社会も最近では男性の劣化が激しいから、シシャモ業界のように「オスはダメ商品」なので安売りという時代が近づいている。現在のジェンダー問題は男女間の不公平、不公正の排除だと思うが、近い将来起こるのは、弱小し劣化した男性の保護みたいな話になりそうだ。「こんなダメ男でも、とりあえず生きている以上保護してやるか」とか、「こんな使えない男にも生存権は認めてやらなければならない」みたいな逆ジェンダー問題になり変わるだろうなあ。

「下がり続けた底辺層である男性の地位向上」なんてテーマが2030年代に世間を賑わすのだろうか。まあ、そんな社会の方が平和で良いと思いますけどね。

食べ物レポート

フォトジェニックなラーメン

旭川に本店がある山頭火の塩ラーメンは、ビジュアル的な点で日本屈指の美しいラーメンだと思う。それと比べると、最近流行のトッピングもりもり、オーバーデコレーションなラーメンはあまりにもけばい。
比較的シンプルなトッピングと白いスープの対照が美しさを生むと思うのだが、なんと言っても真ん中に置かれた紅一点、小梅の働きが素晴らしい。


見栄えだけでなく、この塩ラーメンのスープは完成度が高い。濃厚淡麗という相反した仕上がり具合だ。塩味控えめなので最近の人気ラーメンと一線を画している。麺は旭川ラーメン特有の多加水麺で歯触りを硬めに茹で上げているところが好みだ。札幌ラーメンの麺は西山製麺製造が主流のようだが、その歯応えがある麺はちょっと違っている。固いというよりもちっとした歯応えだ。有体に言えば麺の違いこそが札幌と旭川のラーメン差ではないか。

二種類の異なるチャーシューを使うというのは現代ラーメンでは当たり前の手法だが、これも山頭火が始めた頃は実に斬新なものだった。
古典的とも言える三平の味噌ラーメンと山頭火の塩ラーメン、この二つのどちらを選ぶかでいつも心が揺れる。味の三平、様式美の山頭火とでも言いたくなるが、次に行くのは三平になるだろうなあ。
オフィスビルの地下にある山頭火は、夜になるとちょい飲み対応の店になるのだが、そのちょい飲み時間帯もずうっと気になている。餃子に唐揚げという鉄板のつまみ以外に、あれこれ酒の肴が登場するようで、それはまたラーメンとは別の興味で試してみたいと思うのだ。次回は昼の三平、夜の山頭火という組み合わせかな。