食べ物レポート

蕎麦屋でちょい飲み ゴマそば八雲

この蕎麦屋で飲むという行為だが、なんとなく東京ローカルな習慣ではないのかという疑問がつきまとう。全国紙であるグルメ雑誌で特集される高級蕎麦は、どこも夜のつまみで一杯的な話が描かれているが、実際にはこういうことをする蕎麦屋はごく少数ではないかという疑いだ。
「立ち飲み」と「蕎麦屋で一杯」は、貧乏なお江戸のサラリーマンの風習という気がしてならない。

だから出張先で蕎麦屋の前を通るたびに「ちょい飲み」的な広告を探す癖があるのだが、なんと札幌で駅近の蕎麦屋がスタンプカードまで発行して「ちょい飲み」需要開拓を図っているのには驚いた。この店は駅地下にあるので、夜でも蕎麦を食う客で混雑している。お江戸の蕎麦屋は夜が空いてしまうので、ちょい飲みで対策しているのだから、昼も夜も混み合う繁盛店で「ちょい飲み」やる意味はどこにあるか?とは思うが。オフィスビルの地下だとありそうな話だが・・・。

まあ、能書きはこれっくらいで。札幌駅地下のレストラン街 paseoの繁盛店といえば、このゴマ蕎麦「八雲」と鮨「はなまる」が双璧で、いつでも行列ができている人気店。その八雲のちょい飲みセットが、¥1800で、アルコール2杯、つまみ二品、締めの蕎麦というまあ気持ちの良い組み合わせなのだ。スタンプカードで10回たまると、一回無料サービスというおまけもある。酒の種類も多い、つまみも蕎麦屋的つまみから居酒屋風までたっぷりある。

まずは居酒屋でもあまりお目にかからない、焼きなすを注文。最近、ナスの焼き浸しみたいなものを含めて、居酒屋のメニューでは絶滅したかと思われるナス料理だが、確かにナスとキュウリは季節感がなくなってしまったからなあと諦めていた。焼きたての熱々のナスをふうふう言いながらだし醤油と生姜で食べる。いやいや、子供の頃は全くうまいと思わなかったものが歳をとると妙にうまく感じるようになっていくのはなぜだろう。イタリアンではよく口にするナス、中華料理でも麻婆茄子はほぼ定番メニューだが、なぜか居酒屋からだけ消えかかっているメニューをありがたく頂戴した。

次は、オーソドックスに鳥の唐揚げ。前は仕事柄、どこに行っても鳥の唐揚げとピザは「必ず頼んでいた」ものだが、今はそういうしがらみもない。ただ、久しぶりにかつ単純に熱々の揚げたて唐揚げを食べたくなった。もも肉の唐揚げは、やはり酒のつまみとしては絶品だななどとおもいつつ、熱い油で口の中を火傷しながら食べる。北海道名物ザンギと微妙に違う、鳥唐揚げが妙に日本酒にあうな。個人的趣向でレモンは唐揚げにかけない、そのまま食うことにしている。口の中がレモンの酸味でさっぱりするのがよろしい。

盛りは普通の半分くらい

そして、締めに盛りそばとなるが、この分量はほぼ通常のセイロの半分なので、締めとしては適切な量だ。正一枚出てくるとちょっと重い。この店「八雲」の売りは、そばにごまが練り込んであるゴマ蕎麦。そしてそのクセのあるそばに負けない、つゆの濃さ、強さだ。
蕎麦屋でちょい飲みを自分流「孤独のグルメ」とおもうか、侘しい一人酒と思うかは、人それぞれの思いだが・・・。個人的には「孤独のグルメ」派を気取っていたい。
補足しておくと、札幌の都心部では蕎麦屋が少ないこともあり、蕎麦屋でちょい飲みがむずかしいことも事実なのだ。

食べ物レポート

札幌ローカルパン

日本あちこちを旅していると、ローカルグルメ、地域の名物にお目にかかることは多い。駅弁などはその典型的なローカルフードだと思うが、実はパンも相当にローカル特化したものがある。生まれて初めて東京で暮らし始めた頃に気がついたことが「なぜか、東京には豆パンが売っていない」だった。某テレビ番組「ケンミンショー」でのお決まりのセリフ、この〇〇は、この地域でしか・・・。まさしく、豆パンがそうだった。北海道ローカルパンだった。その後、四国の一部や北九州の一部で似たような豆パンを発見したが、それは北海道の豆パンとは関係なく並行進化したものだったらしい。岩手発祥のべこ餅が北海道で広く知られるようになったのとは違うようだ。

ニチリョウという札幌のパン屋が製造元
山崎にヨーカンパンは見たことがない

さて、北海道しかないのだと言われて、ああ、なるほど、そりゃそうだろうと思ったのが「ヨーカンパン」で、柔らかめのコッペパンに薄く羊羹がかかっているというものだ。味はまさしく羊羹そのもので、価格が安い場合は羊羹コーティングだけ、高いものになると中にクリームが入っていたりする。なぜパンと羊羹が合体したのかと推理すると、おそらくアンパンからの異系統進化なのだと思う。水羊羹を作る時の要領で、羊羹をソースのようにかけてみたということではないかと思うのだが、真相はわからない。
「久留米ホットドッグ」や「青森のイギリストースト」みたいなローカルでは超有名なパンの一種に該当する。

期間限定 ローソン・コラボパン

もう一つは北海道では圧倒的な知名度を誇る「水曜どうでしょう」コラボのミートパイを発見した。これは2019年秋に行われた公開イベントに合わせて発売されたローソンコラボ商品で、味はなかなかのものだったが、なんといってもコラボの相手が北海道ローカル番組というところが良いなあと・・・。季節限定商品だけに、たまたま買えたらラッキー的な代物だった。

旅をしたらスーパーでパン屋に行こう。

旅をする

ショコラティエ・マサールでソフトクリーム

目的が仕事であれ、趣味であれ、旅行の帰りに空港や駅でちょっとしたおいしい発見をすることがある。わざわざそれを買いに行くほどでもないが、帰りのついでだったらぜひ寄って行こうという感じか。

札幌にある、有名ショコラティエが千歳空港に出店している。空港待合室の中と外両方に出ているらしい。ANA側の待合室にあるイートインコーナーで、お土産用にも売っているのだが、実はここの一押しがパン・オ・ショコラだ。札幌駅の店では開店同時に消えたなくなるという幻級の品物だが、なぜか千歳空港店では夕方まで潤沢に買える。おひとつで三百五十円くらいするので、超高級パンともいえるが、これが本当に旨いので、機会があればこれを買って買えるのだが、決してお土産にはしない。また買ってきてくれと頼まれても困るのだ・・・。
うまいものは独り占め。

それで、パン・オ・ショコラを無事ゲットできたら(たまには売り切れていることもある)、次にソフトクリームを注文する。これも超高級なソフトクリームだと自分では思っているが、甘さが控えめでチョコレートの味が実にがつんとくる名品。おまけに糊成分が入っていないのか、滑らかで実に溶け出すのが早い。だから、せっせと食べなければいけないが、慌てるのが嫌な人はカップにすれば良いだけだ。スーパーのフードコートなんかで売っている量産品とは桁違いの高品質だ。

空港へ15分早くいけば、この至福のソフトクリームが食べられる。千歳空港8番スポット周辺(?)でお楽しみあれ。

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福鳥本店 焼き鳥屋ってこうなんですよ

焼き鳥という業態は一体何時ごろからあるのだろう。
とりあえず知っている焼き鳥屋で一番古いのはこの店だろう。狸小路とススキノに挟まれた南三条通(札幌)は、昔から小体な店が開いては消えする不思議ストリートだ。消滅する店も多いが、アップグレードして引っ越して大店になることもある。そんな三条通の老舗焼き鳥屋福鳥の横は、札幌最強の焼き鳥チェーン「串鳥」が並んで営業中。若い人は串鳥派が多いようで、高齢者は福鳥へ。客層の棲み分けと言えば聞こえは良いが・・・。

昭和21年創業か、闇市があった時代

福鳥の焼き鳥は一皿の量が多い。一人で行って二皿注文したら持て余す量だ。もつ焼きやであれば「タン」を頼むのも良いが、札幌ではもつ焼きと焼き鳥の区別は明確ではないので、福鳥のタンはあくまでも焼き鳥屋のメニューということだろう。もつ焼きやのタンといえば、厚さ5mmくらいに薄切りにしたタンが横から串が刺さっているというイメージがある。(要はペラペラな焼肉状だ)福鳥のタンは、串焼きという形状ではない。なんというか、一番近いのはバーベキューの串?だろうか。厚みのある肉をもぐもぐと食うのは良いのだが、どうも調子が狂う。

豚のタンを金串で

この時期にうまいのはニシン漬けで、キャベツとにんじんと大根と麹の漬物だが、アクセントというか味付けで身欠ニシンが入っている。昔はどこの家庭でも冬になる前には漬物をつけらていたものだが、今や絶滅危惧種で、ジジイたちが懐かしがって食べる滅びゆく郷土食だ。昔は金持ちのうちでは野菜と同じくらいたっぷりと身欠ニシンが入っていた。貧乏人のうちでは身欠きニシンは探しても見つからないくらい少量しか入っていない、階級差の目立つ食べ物だった。漬物としては生臭く、かつ、麹のせいで発酵が進み急激に酸味が増していく。最後は漬物樽の表面があぶくでブクブクしていた。

懐かしのニシン漬け ニシン少なめモード

そんな野蛮な食べ物はスッカリ消滅して、今や工場製で安全管理のしっかりしたニシン漬けしか売っていない。自家製だと酸味が増す過程が楽しみなんだがなあ。北海道の秋の風物詩、漬物漬けももはや見ることができないから、せねて焼き鳥屋で食べることになる。

工場製のニシン漬けを賞味期限無視で冷蔵庫内で保存しておくと、実は酸っぱいニシン漬けの再現が可能なのだよ。ただし、発酵と腐敗は紙一重、自己責任でね。

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味噌ラーメン 初代とよし乃

札幌駅前にある専門店ビルESTA(旧そごう)の最上階にあるレストラン街、そこの一角にラーメン共和国というラーメン屋の屋台村のようなものがある。定期的にテナントが入れ替わるので、飽きがこないのが良いところだろう。

詳しくは看板を読めばわかる

小樽「初代」は、小樽の町外れの一軒家ラーメン店で、そろそろ20年近くになる。不便な場所でありながら昼は行列のできる名店だが、札幌豚骨系スープの初期の開拓者でもあった。初代に行けば醤油と決めていたが、ラーメン共和国に出店していたのを思い出しふらっと寄ってみて、たまには味噌ラーメンも食べてみるかと。

このラーメン共和国は、仲が昭和レトロというか映画「三丁目の夕日」的な設定なので、ともかく中が暗い。写真を撮りづらい環境だ。とぶつくさ言いっているうちに「味噌ラーメン」が登場した。豚骨系スープに味噌というのは、これがなかなか難しい。相当濃い味付けにしなければスープに負けてしまうが、味噌味を強くすると豚汁になってしまう。豚骨スープの流行始めに味噌味がなかったのも当然だ。この初代でもその難点はやはり存在していて、醤油と比べるとちょっと味が弱め(十分濃厚ではあるがバランスの問題だ)。麺をもっと細めにしてスープの絡みを増せば良いのかもしれない。全体的な評価とすれば、やはり醤油味がよろしいかな。

札幌の味噌ラーメンといえば元祖「味の三平」と言いたいところだが、「よし乃」も捨てがたい。札幌の老舗ラーメン屋は、当然ながら昔風のスープの取り方なので、鶏ガラ+野菜というシンプル系が多い。それでは味が弱いので、化学調味料を大量投下(個人的にはこれを否定しない)して、味噌味に負けないように仕上げるという手法だ。

これぞ味噌ラーメンのルックス

「よし乃」は、この昔懐かし系の店よりも濃厚だと思うが、何せノスタルジックな味なので、舌がこれを喜んでしまう。麺も硬めのチャーシューも、もやし炒めも全てがありし日のバランスなので文句はつけがたい。札幌に観光できた人がイメージするのはこちらの味付けではないか。札幌ラーメンでは定番の中太縮れ麺がよく合うラーメンという感じだ。こちらは札幌駅地下街にあるので利用しやすい。

ちなみによし乃本店は旭川らしいので、正確にいうと旭川味噌ラーメンということだ。

書評・映像評

明治維新という過ち

表紙 by amazon

この本の主題は、二つあるのだと思う。
一つ目が、「明治維新」という言葉は、昭和初期の軍事クーデター(226,515事件)を図った連中の造語であり、昭和維新を語るために「明治維新」という言葉で美化したというものだ。そして、テロリストが昔のテロを美化するとはとんでもない思想だと断罪する。
二つ目が、「司馬史観」が、明治新政府を賛美するのは間違いだと、これもバッサリ切り捨てる。確かに司馬遼太郎作品は戦国期ものと、明治の前後のものに大別されるが、徳川政権をバッサリ切り捨て、明治政府を無条件に賛美する風がある。そして、自分が巻き込まれた昭和の戦争期前後については、沈黙したままだ。

「明治維新」をどう捉えるかについては、勝った官軍が自分たちを美化したという指摘は正しい。そして戊辰戦争後の明治政府が薩長同盟から長州単独政権になっていく過程で、徳川体勢=悪、薩摩=初めは仲間だが、悪になった、長州勢力=正義の味方、と書き残されたのだろう。そして生き残った長州勢力が陸軍を仕切り、大陸進出から世界相手の戦争へと突き進む構図だというのだ。これもああお胸正しいだろう。
だから、戊辰戦争とは西国下級武士の藩政クーデーターによるテロ組織創出、そして西国での広域連携した上で、現政権たる東国への反乱であると規定する。西日本出身者には、自分達が正義と思っていた歴史を否定されるので、甚だ面白くないかもしれないが、東国出身者、特に東北諸県では強いされるしそうだと思う。昨年も鹿児島で見たのは明治維新150年記念展示で、仙台で見たのは戊辰戦争150年展示だった。いまだに同じ歴史事象の捉え方が日本の西と東では大きく異なっている。

「司馬史観」についての論評も厳しい。ただ、司馬作品が中国戦争から太平洋戦争まで(著者は大東亜戦争と呼ぶ)の前後について、全く書いていないのは度々他の評論でも見る。小説以外でも、司馬氏は明快な論評を避けているテーマであったようだ。徳川体制を嫌い、戊辰戦争前後の(著者いうところの)テロリストを、次の時代を切り開いた若者と描くことに反発があるのだろう。「竜馬が行く」では、「龍馬」と書かなかったことで逃げを打っていると指摘する。吉田松陰、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋など教科書に異人扱いされている長州出身者を、バッサリとならずもの、小物扱いで、昭和に続く悪しき時代を作った元凶と言い切っている。司馬作品を好んで読んでいたが、確かに著者の指摘する英雄偶像化があるようだ時がついた。確かに竜馬が行くの主人公は爽やかすぎるのだ。歴史小説はあくまでも小説であり、ファンタジーなのだろう。実際に、竜馬が、西郷隆盛が、大久保利通があれほど爽やかでいいやつだったはずもないのだ。京都であれだけのテロがくりかえされる中で生き延びたということは、それだけで「良い人」だけではなかったという証明だろう。「いい人」や「軽率でおバカな人」はテロの嵐の中では生き残れない。

論の後半は、戊辰戦争で東北諸藩、奥羽越列藩同盟とならず者官軍(自称)との話になるが、ここはかなり情緒的な話になる。ただ、明治維新ではなく戊辰戦争と言い切る東北人の恨みは、それこそ千年かかる課題であり、加害者視点では理解できない重さなのだということも納得がいく論点だ。ましてや、東日本大地震での福島原発事件がある以上、明治政府対東北諸藩という構造が、平成の世で蘇った感もある。山口県出身の首相が、福島県に行って融和を求めても、なかなか同意は得られないことだろうとも思う。

少なくとも歴史教科書に対する様々な議論がある中で、この本の訴えかける「長州=官軍が作った歴史観に反対する」ということについては、歴史記述の公平、標準化を言う時に、ぜひ考慮しなければいけない論点だろう。

テロリストが作った明治政府を、いいように利用した昭和軍閥が描いた明治維新という歴史。そして敗戦により戦勝国寄りに書き換えられた近代史。少なくとも150年前と70年前の戦争による大混乱で、歴史が歪められたのは(勝った方が自分は正義で、負けた奴は悪い奴だったから退治されたという論理を通した)否定できない。
思想的には偏っているかもしれないが、近代史を再考するには良書だと思う。

https://www.amazon.co.jp/dp/4062936836/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_4hqcEbDNWX9D2

食べ物レポート

ローカルラーメン その2 千歳「赤門」

北海道の空の入り口、千歳空港のある町「千歳市」は、あまり大っぴらに言われることはないが軍都だ。人口は9万7千人。地方中都市といったところだが、陸自と空自の一大基地があり、自衛隊関係者の人口(家族を含め)は、2割を超えるだろう。そのためか千歳空港内のサービス業では従業員の採用が難しい極度な人手不足状態になったりする。(札幌市内よりも実質的な時給は高くなるにもかかわらずだ)

その千歳の町の中心部にあるイオンのフードコートに、なぜかチェーン店ではないラーメン屋がある。フードコートには普通はチェーン店が入る。ラーメン屋でも例外ではなく、チェーン店でなければ、その地域の有名店の支店が入るはずだ。そのちょっとした例外のような店が「赤門」と言うラーメン店。

店頭のメニューを見ればわかるが、推しメニューは味噌ラーメンで、北海道で最近ではなかなか珍しいお値打ち価格というところだ。札幌ではなぜか意外とラーメンの値段が高い。少なくとも北海道のファミリーレストランである「びっくりドンキー」のハンバーグプレートより高い。安さの秘密というほどでもないが、実はこの店は、昔はイオン(当時はサティ)の中で独立したラーメン屋だった。フードコートの改装時に取り込まれた形になっているが、店としての歴史は古いのだ。古典だからこそ、長くやっている店だからこそのお値打ち価格ということか。

味噌ラーメンは、スープの色がいかにも味噌という茶系で、もやしとチャーシューがトッピング。これはちょっと珍しいやり方?で、もやしと挽肉炒めがのっている代わりにチャーシューなしというのが、古いタイプの北海道味噌ラーメンだからだ。流行りのWスープなどはしっかり無視して、濃い味噌味が旨さの秘訣だろう。フードコート内だと、今風のラーメン屋が入りそうなものだが、千歳の町では伝統的なラーメン屋が生き残ったということだ。千歳市民は小学校のうちからこの赤門ラーメンを食べて育ち、北海道の伝統をぜひ受け継いでもらいたいものだ。

ただし、千歳市にはもう一つ名物があり、外道ラーメン(個人的な感想です)であるカレーラーメンが、市内のあちこちで繁殖しているらしい。元祖「味の大王」は、苫小牧のラーメン屋だと思っていたら、住所的には千歳だったから、千歳で一般的になったのも不思議ではないが。この千歳におけるカレーラーメンは、また探索してみるつもりだ。

個人的要望として「赤門」はぜひ長く続いて欲しい。

食べ物レポート

ローカルラーメン 太樹「味の龍月」

北海道の住人でも、この街はどこにあると聞かれたら答えに困る人も多いであろう「大樹町」だが、最近では民間ロケットの打ち上げ実験が報道されている。あの堀江さんが支援するロケット集団「インターステラテクノロジズ」社が打ち上げるロケットの射場がある。十勝平野の南側で太平洋に面しているあたり。ここにスペースシャトル(宇宙往還機)の機場を作る話もあった。SFに登場するスペースシャトルの発着陸には通常の空港の何倍もの長さの滑走路が必要で、日本の既存空港では対応できない。広大な十勝平野であればそれが建設できると言うことだったのだろう。だから、大樹町道の駅も「コスモール大樹」という。(ただ中に入ると宇宙感はほとんどしないのが悲しい)
個人的には、将来には日本の宇宙事業のメッカになって欲しい。(種子島のJAXA射場は遠すぎるので)

そんな大樹町の道の駅の向かいにある食堂で食べたラーメンはなかなかの感動ものだった。
ナルトにお麩にチャーシューにシナチク(メンマとは言いたくない)が乗った醤油ラーメンは、スープも麺も昔のままだ。都会の店ではすっかり進化して、国民食から日本料理B級代表へすっかり垢抜けて行った小洒落た「ラーメン」からは取り残されたような、「レトロ」なラーメンが現役なのだ。北海道でも町の中華料理や食堂では、こうしたラーメンが今も生き残っていて、それがまたうまい。最近の流行には超然とした孤高の一品だ。きっと大樹町以外でもあちこちにこう言うレトロ・ラーメンが生き残っていると思うのだが、ぜひ長生きして欲しい。

名品と言うしかない 醤油ラーメン プレーン

ただ、これは東京の支那そばとは違う、北海道の「ラーメン」と言うものなので、ローカル食であることも間違いない。

旅をする

道の駅 新冠 競争馬の殿堂

襟裳岬の近く、北海道日高地方の海沿いにある新冠という街で道の駅に立ち寄った。
道の駅は、それぞれの地方の特色を持ったお店があることが多いが、ここはびっくりの「競走馬」の世界だった。

最盛期と比べると競馬人気も随分下火になってきたような気がする。デートが府中競馬場なんて時代もあったのだから・・・。
その頃の名馬の「石碑?」がずらっと並べられている。競馬ファンにとっては、一つ一つ眺める価値があるのかもしれないが、競馬ファンとは言い難い身分なので、刻まれた名馬の名前もうろ覚えでしかない。

そして、この道の駅のもう一つの拠点が、レコード館だ。全国から寄贈されたレコードが保管されている。おそらく全国でも屈指のレコード保存施設だろう。音源がレコードからCDに代わり、電子媒体、そして今やオンラインと変わってしまったが、デジタル化されていない音源も多いだろうから、このレコード保管施設は文化財的にとても重要だと思う。

「ハイセイコー」の名前を覚えているひとも少なくなっただろうけれど、この馬が一時期の競馬ブームを作った名馬であったことは間違いない。競馬好きな方だったら、初夏の新冠を訪れるのが良いと思う。緑の草原で闊歩する競走馬を見るのは、なかなか良いものだ。

新冠から襟裳岬まではほんの一走り。

街を歩く

街歩きで気がついた「メニューと看板」について

昔から、カメラ片手に街をふらついて写真を撮っていたが、最近はスマホのおかげで本当に便利になった。デジカメが売れなくなる理由がよくわかる。そんな街歩きで気がついたことのあれこれ。

最近見つけたお気に入りの喫茶店の店頭看板。個人的には色々と注文をつけてみたいところだが、喫茶店でランチという習慣はぜひ復活して欲しいので文句はつけない。
この魅惑のラインアップ。良いですね。オムライスとスパゲッティナポリタンは絶対定番だし、生姜焼きプレートは外せない。カレーとピラフも忘れずにという感じで、そもそもこの喫茶店でランチという看板に引っかかる年代といえば、決して若くないはずだ。少なくとも昭和生まれで、まだスタバが存在しなかった時代に喫茶店をヘビーローテションで使っていた年代だろう。

だから、こうした懐かしのラインアップを見せられると、1回では済まず、2回3回と吸い寄せられるようにきてしまう。そういう麻薬的効果を、ごく一部の客層に及ぼすという意味で、この看板は大変有効だと判断する。一番下にさりげなく載っているコカコーラ瓶入りの写真は、これまた「やられました」感が強いなあ。

茅野市のラーメン屋のメニューは実に力強かった。一押しは味噌ラーメンに棒状の角煮が乗った「ガツン系ラーメン」で、実にストロングスタイルな押し方だ。ただ、標準メニューは一番下のプレーンな「たれ味噌ラーメン」のはずで(普通のラーメン屋であれば)、この強弱の差がすごいと思う。標準品が廉価版というか劣化版というか、そういう見せ方になっているのだ。相当にトッピングの角煮に自信があるのだろう。ただ、注文したのは「タレ味噌ラーメン」で「一本角煮ラーメン」は次回のお愉しにになったけれど。普通のラーメン屋とは違うメニューの見せ方、価格の高い方を標準として見せるというのは参考になるなあ。

北海道地方特有のザンギという食べ物、鳥の唐揚げとは微妙に味付けが違うが、要はフライドチキンと言ってしまえばそれまでの鳥の唐揚げだ。ただ、北海道でも意外と「ザンギ専門店」は少ない。「うまみギュッと・・・」という表現は、どこかで見たような気もするが、ザンギの特徴はよく表せている。そもそも鳥の唐揚げは、全体に茶色で、色のバランスがわるい食べ物だから、広告としてコピー(swん伝文句)で補ってやらないとうまそうに思えない。そこを上手に処理しているので、店頭看板としては優秀作だ。ただし、広告として広域に使う場合は、これだけでは北海道人しかわからないということで補足は必要になるけれど、お店の場所がススキノの外れだから、北海道人限定で「ザンギ」と言い派なしでも良いかもしれない。

全国にあるローカルフードって、観光客に説明するような必要はないような気もするので。