食べ物レポート

禁酒法があけて

10月になり禁酒法が撤廃になり、ようやく世界に平和が訪れた。それを祝して、埼玉県の誇る町中華「日高屋」を訪れた。まずは、銘品「バジル餃子」を注文する。バジル餃子にはレモン汁が付いてくる。さらっと食べろということだと理解はしているが、そこにラー油ではなく胡椒を投入する。餃子は三個で注文できるのがうれしい。

どうやら所沢店限定らしい酢豚も、尖ったところはかけらもない「普通の」酢豚だが、そこが日高屋らしい。おおぶりの玉ねぎが好みなので、ほぼ満点のレベル。全く個人的な好みで、しいたけ増量してほしい。代わりにきくらげでも良い。きゅうりとかパイナップルとかいう変化球はいりません。最後の方で酢をかけて味変というのもアリだ。

そして締めはチャーハンと言いたいところだが、実はこれは締めではなくつまみとしてチャーハンを注文した。当然、つまみの量としては多すぎるし、食べ進むうちに腹が膨れて酒も飲めなくなる禁断のつまみがチャーハンだ。申し訳ないが半分くらい食べたところで撃沈となる。では、半チャーハンを頼めば良いと思うかもしれないが、実は半チャーハンは少量調理なので味がぶれやすい。やはり正規分量を注文して、まともな味を楽しみたいというわがままなのだ。だから、二人で行ってシェアするのが正解だろう。ただ、ここ最近の傾向として「二人飲み」よりも「一人飲み」が社会的に正しい行動のような気もするので、当分、このチャーハン食べ残し事件は続きそうだ。

ちなみにキムチチャーハンがあれば、他には何も頼まずに、完食して帰ると思う。それくらいキムチチャーハンの完成度(酒のつまみとしても)は高いと思う。残念ながら日高屋でのキムチチャーハンは全店メニューではないらしく、あるところにはありますよ的なゲリラメニュで、取扱店をサイトで確認もできない。店に入ってみたらありましたという当たってうれしい宝くじみたいなものだ。キムチチャーハン全店導入、希望します。

駅弁

松本駅の弁当 3

松本駅から黒部ダムを目指す時に使う大糸線には一度乗ってみたいと思いながら、今まで機会がない。新幹線が長野まで開通する前まで、長野に行くのはそれなりに苦労する時間距離だったが、高崎から軽井沢を抜ける特急を使い途中で横川の釜飯を駅弁で買う楽しみがあった。それでも上野長野は3時間以上かかっていたのではないか。あやふやな記憶だが、九州や北海道の各都市に行くくらいの時間距離感があったのは確かだ。ただ、その頃に中央本線、松本経由で長野という発想はなかった。時間的には高崎経由の信越本線も、松本経由の中央本線も変わりはないような気もするが。

松本駅弁の三つ目は、やはり松本名物山賊焼だろう。ただし、山賊焼発祥の店は塩尻にあるようで、そこから生まれ広がった広域松本の名物ということだ。スーパーマーケットの惣菜売り場でも、山賊焼は当たり前に売られている。おそらくチキンカツよりは大量に売られている。お隣の諏訪地域でも山賊焼は売られているが、山を越えた上田、佐久、軽井沢では売られているかどうかは未確認だ。ライバル長野市では販売拒否されているかもしれない。

イイダヤ軒のお弁当はラインナップ豊かで、ゴージャスな弁当もあるのだが、やはりこのシンプルな山賊焼弁当がイチオシみたいだ。鳥もも肉をニンニク醤油その他諸々のタレで下味をつけ、竜田揚げ風にしたものが山賊焼だ。これをご飯の上にゴロンと乗せれば出来上がり。シンプルというかワイルドというか。おまけにちょっと食べにくい。シンプル駅弁の特徴である、おかずは添え物という鉄則も律儀に守られていて、つけもの+その他少々というスタイルだ。わさび漬けがついているので、その辺りに松本名物の色を残しながら、なぜか一口ゼリーがついてくる。山賊焼は冷めてもうまい揚げ物なので、これで良いかと、ある意味で諦めがつく。ただ、細かい心遣いもあり、山賊焼の油がご飯にうつらないように、白いプラスチックシートが山賊焼とご飯の間に敷いてある。だから、食べる時には、まずこのシートを取り外す必要がある。そうしないとご飯が食べにくい。

もの+

米沢の牛肉どまん中に代表される肉系ガツン弁当は、あくまで肉と米を食べることに主眼が置かれているので、おかずは本当に添え物だが、そこは選択と集中を貫くべきだろう。個人的な見解として某フライドチキンチェーンは、こう言うライスメニュー(テイクアウト専用)を開発すれば良いのではないかなあ。〇〇〇のチキ弁、売れそうだけど。

旅をする

蕎麦 あれこれ

松本で朝飯は蕎麦にしようと決めていて、8時過ぎに勢いこんで向かったのは松本駅1階にある手打ちそば屋だった。しかし、なんという運のなさだろう。この日に限って厨房メンテナンスのため開店時間は未定とのこと。5分ほど店内を覗いたりうじうじとしていたが、結局諦めて他の店を探すことにした。その後、買い物のため11時ころに戻ってきたら、もはや行列ができていた。あーあ、残念。食べてないから、余計に思い込んでしまうのは、きっとこの店の蕎麦はとても美味いのだろうなということ。

素朴なうまさ 出汁のバランスがとれたつゆが良い

そこから歩いてほんの1分ほどにある、座って食べる立ち食い蕎麦屋があり、駅弁製造の会社が運営している。店内には駅弁のチラシも置いていた。トッピングに駅弁に使われている山賊焼(松本あたりの名物鳥唐揚げ)があるということだったが、自動販売機のボタンには「山賊焼売り切れ」と札が貼ってあった。これが不運のパート2だった。山賊焼は諦め、山菜蕎麦にした。これは蕎麦とつゆのバランスが良い。山菜もたっぷり乗っていて、ネギはセルフで盛り放題だった。満足しながらそばを半分食べたところで、なんと山賊焼到着とのこと。駅弁で製造したものが配送されてくるらしい。悔しいので山賊焼のみテイクアウトした。自宅に戻り食べてから後悔した。一個ではなくもっと買ってくればよかった。ちなみに、山賊焼ハーフサイズ120円(税込)なので、10個くらい買うべきだった。

松本に初めてきたのは、乗鞍岳の中腹にあるキャンプ場に行った帰りで、その時に入った蕎麦屋が今も健在だった。その後も、時々この店には立ち寄っているが、いつも安定したうまさだ。初めて入った時は子供連れだったのだが、従業員の方が子供のそばアレルギーを気にしてくれたのが忘れられない。

人づてに教えてもらった、うまい蕎麦屋の一軒が、中町通にある。売り切れ終いなので、この店に来る時はいつも開店前に並んでいた。週末であればなかなか入れないらしい。店頭の張り紙が痛々しいが、今食べられるのはざるだけになっているようだ。寒い季節になれば、かけそばに天ぷら別添で熱燗という不良な蕎麦の楽しみ方もあるのだが、当分お預けになるようだ。それにしても微妙に英語表記が混じるのは、この店がインバウンド客に占拠されていた名残なのかななどと思った。ひょっとすると松本には外国人居留者が多いのかもしれないが。

縄手通りの神社の境内の中に蕎麦屋ができていた。というか、これは移設してきたのだろう。神社の建物の一角に入り込んでいるのでわからなかった。この店は、松本にある多くの蕎麦屋の中で、一番の高級店かもしれない。日常遣いで食べられる値段ではなく、やはり松本城観光にきた人たちとか、昼の社用接待みたいな感じだろうか。神田の薮、浅草の並木藪、室町砂場といったお江戸の高級店と同価格帯だからやはりここ一番のイベントでもなければ、ちょっと敷居が高いかも。味は間違いない、高レベル店だと思う。

駅前、中町通り周辺だけでこれだけ蕎麦の名店がある松本だが、例年10月中旬に行われる蕎麦祭り目当てに遊びに来ていた。去年は中止で、今年も中止。来年はぜひ開催してほしいなあ。

旅をする

グッとくる店 松本駅前で

松本の人は出身地を長野県と言わないという話を聞いたことがある。県名を言わず松本と答えるか、どうしても県名を聞かれる(松本が長野にあることを知らない人でしょう)と、苦し紛れに信州というという嘘か本当かわからないが面白いエピソードだと思った。
日本地図を広げると北海道と東北は別格として、長野県と岐阜県の大きさが目立つ。日本の山岳部に広がる海なし県で、県の中でお天気が変わるほどの広さだ。岐阜県は元々が美濃、飛騨、木曽と三つの国だった。ところが長野県、つまり信濃の国は、北信、南信、東信、中信と大まかに4つに分かれていたが、まとめて信州と呼ばれていたようだ。中核となる都市圏の人口から見れば長野市と松本市が2トップで、有名どころでは諏訪と軽井沢、それに飯田が南部地域の中核といった感じだろうか。
その松本と長野の2トップのプライドのせいか、FM局は松本にある。あるテレビ局も松本に本社があった。(現在は移転して長野市)
PARCOのあるなしで争うのは福岡と熊本の関係に似ていて微笑ましい。そして江戸時代から続く教育都市でもあるから、町の中が何やら文化っぽいというか、おしゃれなまちづくり、店づくりがめだつ街だ。

駅前の繁華街というか飲み屋街を歩くと洒落たファサードの店が多い。昼より夜の方が見栄えがするという点もオシャレ都市として加点対象だと思う。このハイボールの店は、東京で麻布十番あたりにあると人気店になりそうだ。オープンドアの季節は、特に良さげに見える。今はコロナ対応なのでしょうねえ。

小ぶりな店だが満員だったイタリアン居酒屋。ここはぜひ入ってみたいが、今の時期よりもう少し寒くなった季節の方が楽しめそうだ。3色提灯が素敵でセンスが良い。このご時世で満席だったので、おそらく予約をしないと入れない人気店だと思う。信州野菜とジビエ料理みたいなものが期待できるかなあ。

そのイタリアン居酒屋の真向かいにあった、お蔵改造しました的な古風な店構えの居酒屋では、日本酒のラインナップが自慢らしい。確かに白壁のライトアップは夜になるとひときわ目立つ。壁自体が発光看板みたいなものだから、誘引効果抜群だろう。大きな提灯が、この店でも誘蛾灯のように客を引き寄せる。

駅前繁華街をちょいと裏側に入ったあたりで出会った「鳥きん」駅前店。ということは他にも支店があるのだろうか。大手町店とか縄手店とかありそうな雰囲気だ。看板に乗っている山清は、松本の北にある酒蔵のようで、日本酒が飲めるラーメン屋ということなんだろう。それもちょっとそそられる。多分昭和の中頃からずっと変わらずに営業しているだろうなと思ってしまう店構え。最近はすっかり見かけなくなったラーメンと書かれた赤い暖簾が麗しい。ここは間違いなく締めの一軒の絶対定番だろう。

松本駅前で一番突き抜けていたのが、なんとジンギスカン屋で何故か北海道出身者がやっていると訴えている。ほぼ絶叫系だ。看板をよくみると、正確にはジンギスカン屋ではなくジンホル屋だから、松本オンリーな店かもしれない。
世間ではあまり知られていないような気がするが、長野県のスーパーでは普通に長野製ジンギスカン肉が売っている。長野県は北海道と変わらぬジンギスカン愛好者の住む場所らしいのだ。おまけに困ったことにジンギスカン発祥の地は長野だという人が多い。同じ話は岩手県遠野でも聞いたことがある。敗戦後、大陸からの引揚者が全国で同時多発的にジンギスカン創始者になったような気配もあるが、札幌では冷凍肉を焼いてタレにつけ食べる焼肉スタイル。長野ではタレ付きの肉を焼いて食べるタレ焼きスタイルなので、ちょっと違うやり方だ。おそらく、この店では北海道式と長野式がマリアージュしていることだろう。ここもちょっと入ってみたい、というかガツンと肉が食いたくなる。

松本の街はコンパクトだが魅力にあふれるお店がいっぱいだった。

旅をする

まるも 続き

久しぶりに訪れた丸もだが、開店してすぐの9時過ぎに行ったせいか、店頭には何も出ていなかった。帰り際に振り返ってみれば、入り口周辺に黒板やら、掲示板やらが色々と出現していた。以前に訪れた時には見かけた記憶がないので、おそらくコロナ対応で積極的にアピールすることにしたのだと推測した・・・。

モーニングセットがあることすら知らなかったが、これまでも訪れていたのは午前中だったはずで、それにもかかわらずお目にかかっていないとすれば、超人気で売り切れていたということなのだろう。トーストで朝食という習慣がないこともある。一般的にモーニングセットに関心が薄いせいだ。それでも、コーヒーを頼むとトーストとゆで卵がつくことがあるくらいは常識として知っているが。マルモにもモーニングがあったのかあ、とちょっと感動した。

マルモの名物がハニートーストであると知ったのは、このメニュー案内をみた後で、ネットで確認した。相当な人気商品らしい。コーヒーを楽しむに特化していたから、メニューをまともにみていなかったことも原因だ。メニュー表をマジマジとみてわかったことは、懐かしのクリームソーダとか、今はどこで飲めるのと言いたいくらいの喫茶メニュー絶滅種、レモンスカッシュが存在していたことだ。ウィンナコーヒーは、スタバなどのバリスタ系コーヒー店で飲めるものなのだろうか。ラテの上にホイップクリームというのはありそうだが。

写真で写っているよりも店内は暗い。本を読むには明かりが足りないと思う。ただ、コーヒーを飲んで静かに時間を過ごすのには居心地が良い空間だ。昔は喫茶店とはタバコの煙とコーヒーの香りが入り混じった大人の空間というイメージがあったが、このご時世ではタバコの煙が消え去り、コーヒーの香りが鮮烈になった。BGMにかかるクラシック音楽以外には、会話すらほとんど聞こえない静寂。大人のちょっとした贅沢、そんなことを思っていた。都内でこんな場所はどれだけ残っているのだろう。

地元所沢では、茜屋珈琲店がいまだに健在なのでありがたいと思っております。

駅弁

松本駅の駅弁 2

発車時刻案内板の中央西線と中央東線という表記は、ひょっとすると松本駅でしかみられない書き方なのではないか、などと変なところで感心してしまった。確かに松本駅は篠ノ井線の駅なのだろうけれど、そのあたりを詳しく書いても旅行者にはわかりにくいだけだろう。そもそも松本駅利用者(訪問者)の立場で考えてみると、新宿から松本経由で長野に行く人がどれだけいるだろうということだ。東京駅から新幹線で長野に行く人が圧倒的に多いだろう。たまたま住まいが八王子で、東京駅に行くよりは、特急あずさに乗って行った方が楽かなあ、と考える人がどれだけいることか。
その上、松本で一旦降りて、また長野を目指すという複雑な行程の旅人しか、この中央東線のお世話になることはないのだ。この時刻案内板には、その辺りのJR関係者の微妙な感覚が表れているような気がする。謎は深いなあ。

松本の駅弁の二つ目は、やはり塩尻の駅弁屋のもの。幕の内弁当風な、ちまちまとしたおかずがたくさん入っているタイプで、ご飯が少なめ。受ける感じとして、在来線でのんびり鉄道旅を楽しみながら、酒のつまみとしてワンカップを片手にどれを食べようかあれこれ悩む、みたいなオッチャン向け商品だ。包装紙に書かれた内容説明を見るだけで楽しくなる。

ところが、ちょっと笑ってしまったのが、包装紙を開けたらなんと違う名前の弁当が出てきた。うーん、色々とツッコミどころはあるが、おそらく弁当箱の在庫を大量に抱えたまま、リニューアルすることにした。そのため、包装紙で名前を隠してしまう作戦、みたいなことだろう。ここは笑って許そうではないか。何年か経てば、在庫処理も終わり新しい箱が登場するに違いない。

そして蓋を開けて中身を見ると、いやはや、傑作だった。これだけあれば、ワンカップどころか酒の2杯や3杯は飲めそうだ。これまでは鳥取駅「とっとりの居酒屋」と弘前で買った「津軽の弁当お魚だらけ」が駅弁界の二大酒のつまみ駅弁だと思っていた。その酒のつまみ弁当についに新規認定するものが現れた。これで、三大酒のつまみ弁当になる。
個人的には、卵焼きと蒲鉾の組み合わせはあまりに幕の内弁当っぽいので評価が下がるが、世の中にはこの二品が弁当の絶対定番と思う人もいるだろうし、文句をつけようとは思わない。かの名作、横浜シウマイ弁当にも卵焼きとかまぼこはセットされている。弁当界の定石と諦めよう。
塩尻定番の山賊焼と、キノコの酢の物あたりがご当地感、山国感を強く打ち出している。あきらかに塩尻の駅弁はハイレベルだった。実はこの弁当屋の釜飯も食べてみたいのだが、それはいつの日にか。釜飯の傑作、横川の釜飯と匹敵しそうな予感はしているのだが。

食べ物レポート

信州らうめん ここにあり?

この店で初めてラーメンを食べたのは10年以上前のことだ。当時、何度目かのラーメンブームが起きていて、コミック「美味しんぼう」に触発されたグルメ漫画がラーメンを大きく取り上げていた頃だったと思う。ご当地らーめんが爆発的に広められ、札幌ラーメンのようなチェーン店化されてシステムが広がっていった。その一方で次々と新ご当地ラーメンの後継者が出没していた。
会津喜多方ラーメンが走りで、京都ラーメン、尾道ラーメンなどなど百花繚乱だった。そこに九州系豚骨ラーメンが暴力的に殴り込んできて、日本中あっという間にとんこつブームになった。そんなご当地ラーメンブームの中、なぜかほとんど取り上げられなかったのが信州ラーメンで、確かに信州といえばそば王国だしな、という思い込みが強かったのだろう。その信州松本で行列のできるラーメン屋としてぶいぶいと言っていたのが(個人的な感想です)この店だった。そのときの食べた記憶は濃厚な味噌ラーメンだなあというもので、信州味噌を使うとこんなアレンジになるのかという程度だった。

お蔵を改造したと思しき店内は意外と狭く厨房とカウンターでできている。入り口にある自動販売機で食券を買う。席につく。ラーメンが出てくるのを待つ。というシンプルの極みな動線だ。夜の8時過ぎで店内には誰もいない。超がつく繁盛店でもこんな感じになってしまうのか、と寂しい気分になってしまった。午後8時というまだまだ夜も浅い時間で店内独り占めだった。

券売機で人気NO1と書かれていたみそラーメンプレーン。追加トッピングもなし、味変もなし。シンプルの極みだが、まず初見のラーメン店ではプレーンを注文するものだと決めている。初見ではないが、味をすっかり忘れているので、ここはやはりプレーンが正解だろう。

明らかに見た目がコッテリ系のスープで、食べてみればコラーゲンでどろっとした濃厚な豚骨スープだった。それに負けない味噌の味の強さで、ああ、この味だったと思い出した。スープの強さに負けない味噌の強さとなれば、結果的に塩味が強くなる。そこに太めの麺を放り込むことで味のバランスをとっているが、これが10年以上前に完成していたというのがすごい。チャーシュー、メンマどちらも今風の高水準なもので、特にメンマは特筆ものだった。柔らかくて長めのメンマがたっぷり入り、太めの麺とのかみごたえ対比がたまらない。チャーシューもとろとろ系というよりふわふわ系の柔らかさだった。
いやあ、もしこれが10年前から変わっていないとすれば、当時はどれだけ先進的ならーめんだったのだろう。おそらく、毎年すこしずつ改良されているはずだから、10年前はちょっと違うものだった可能性が高いが。

「麺匠」を看板にするだけあって、素晴らしい一品だった。「らうめん」を名乗る店に外れなしの法則は正しいのかなあ。

旅をする

ゴールデン酒場 本店らしいぞ

つなぐ横丁で焼き鳥を平らげた後、街をフラフラしていたら、あの気になる店「ゴールデン酒場」に巡り合った。キンキラキンに輝く看板を眺めていれば、馬刺しの文字があるではないか。おまけに店頭のれんは「肴」「呑」「飯」と、積極的にこちらの胃袋を責めてくる。上手な店作りだなと感心した。
そして、馬刺しに飢えていて街を彷徨っていただけに、ほぼノータイムで暖簾をくぐった。店内は完全開放型で、入り口から開けっ広げというか、ほぼ外で飲んでいる雰囲気だった。浅草の浅草寺西側、町外れにある商店街の飲み屋がこんな感じで、路上にはみ出る客までいるアウトドア飲み屋だった。松本も負けてはいないらしい。ただ、冬はこのスタイルは無理だろう。

まだ熱燗が恋しい気温ではないが、ここはあえて松本の地酒を熱燗で注文した。ちょっと甘めで、懐かし系の日本酒だった。昭和の酒は大手メーカーも地元の酒造所も、みんなこんな感じの甘めの酒だった。焼き鳥によく合うのはこの手の日本酒だと、当時は思っていたが、今はちょっと違う感じがしている。好みとして甘すぎるからだが、平成時代に日本酒の作りが劇的に進化したため、そこから取り残されたように元二級酒を売っている蔵の酒はどこか懐かしい。二級酒探しは酒造りが盛んな場所を旅をするときの楽しみの一つだ。

馬刺しは、今やスーパーでも売っているくらいポピュラーな食べ物になったが、ほんの20年ほど前までは、わざわざ名産地まで食べに行く代物だった。福岡で熊本から直送だから美味いですよ、と言われて食べた馬刺しは確かにうまかった。血の味がする野性味と濃厚な脂が熊本馬刺しの第一印象で、それを九州特有の甘い醤油で食べる。これは焼酎によく合うぞと思った。
その後しばらくして、信州馬刺しを食べたとき、油よりも旨みを感じるというか、血の味、鉄の味に甘さが混じり込んだようなかんじだった。生姜醤油で食べるとさっぱりして、これは濃口の日本酒が良さそうだと思った。
久しぶりに信州馬刺しを食べたが、やはり旨味が引き立つさっぱり系だった。生姜で食べるのが定番だが、ここはちょっと変化球でニンニクスライスで食べてみたいななどと思ってしまった。高知のカツオの食べ方だが、ねっとりとしたカツオと鉄分の味が馬刺しに重なったせいだ。
常連となって通い続ければ、そんな面倒な注文も受けてくれそうだが、初見では失礼だろう。レモンスライスは、馬刺しに絞りかけるのではなく、馬刺し最後の一切れを楽しんだ後、まとめて口の中に放り込んで酸味でお口直しとした。
もう一つか二つ、つまみを注文したいと思ったのだが、カウンター席は外気オープンで喫煙可能席だった。両サイドに愛煙家が席につき、少々耐え難い環境となり早めに退散した。11月くらいまでは寒さをあまり感じないで楽しく飲めそうだなあ。でも、夏は暑いし蚊がよってきそうだななどと考えながらお店を出た。

名店でした。

街を歩く

台湾カステラ って台湾生まれですか

松本城に行く手前で、夜歩きをした飲み屋街を昼に歩き回ってみた。蕎麦屋で昼飯にしようと蕎麦屋を物色していたのだが。

そこで発見したのが「王様のカステラ」の看板だっった。松本では台湾カステラがブームになっているのかなと、看板をよくよくみてみたいたら・・・。なんと中華料理屋のコロナ対策で、台湾スイーツの販売を始めたらしいことに気がついた。まあ、あくまで個人的な推測だが。
台湾スイーツはここしばらく流行中と聞いていたので、松本にも台湾甘味が押し寄せてきたのか。おしゃれな街だから、そういう流行ものも当たるのだろうか。

開店前なのに入り口にはメニュー看板が並んでいた。やはり一階は中華料理の店だし、二階は別入り口のようだが、店としては一緒なのかなあ。10月も営業と書いてあるのだから、本当は緊急事態宣言うんぬんでの客数減少への期間限定対策だったのかもしれない。こちらもSTAY HOMEボケで流行り物情報に疎くなっているが、台湾カステラはあちこちで売られているのだろうか。
台湾ラーメンや台湾まぜそばなら詳しいが、台湾カステラはしらんもんねえ。渋谷とか原宿あたりに行けば、行列のできる店がありそうな気もする。唯一知りたいのは、台湾カステラは台湾で売られている純正品なのだろうかということだ。台湾ラーメンや台湾まぜそばは日本の名古屋がルーツの、台湾では食べることができない国産メニューだから、どうもその辺りが気になるのだが。

旅をする

つなぐ横丁の猥雑な感じ

つなぐ横丁の中は小ぶりな店がぎっしりと詰め込まれた、昭和レトロ的空間で、昭和時代の居酒屋を知っている人間からすると、「あーこれこれ、こんな店、よくあったよね」という感想になる。

業種がなんでもありなので、台湾の夜市的なバラバラさというかカオスな感じもするのが楽しい。丸い椅子とパイプ足のテーブルなどもはや死物だと思っていたが。

メニュー板を見るだけでも楽しいが、出てくる酒もなんでもあり。ワインにカクテル、泡盛に日本酒、まさにカオスだ。そう言えば一時期大ヒットだった肉寿司も最近は見かけなくなったと思っていたが、この店ではしっかり現役だ。

平成生まれにとってはこの猥雑感が新鮮なのだろう。昭和生まれにとっては、時代に奪って変わられ消滅していった業態が、ゾンビのように復活した感じもする。アサヒ生ビールは、当時キリンのラガーに対抗するべくキラーコンテンツとして投入され人気があったビールだ。今では生ボールが当たり前で、スーパードライがアサヒの代名詞なのとは、隔世の感がある。最近、アサヒの生ビール缶が発売即売り切れになったとニュースで見た。アサヒ生を懐かしむ世代が買い占めたのか、それともレトロ感に引かれた若者に人気が出たのか。その辺の動向を知りたい気がする。

焼き鳥屋のつくねには2大流派があり、この写真のようにバー状のものをつくねと呼ぶ流派と、丸い団子が3個刺さっている「串団子」ならぬ肉団子を捏と呼ぶ派が業界を分けている。焼き鳥屋でこのつくねの形状の話をすると、どちらの流派でもうちが本物と説教された経験があるので、これは業界のタブーであると思っている。
個人的には団子派なのだが、業界主流はこのバー式つくねのようだ。火通りというか焼き方を考えると、このバー状の方が合理的な形であるように思うが。バー状つくねには卵の黄身を合わせて食べることも多い。団子型つくねの場合、卵の黄身はついてこないようだ。

横丁内の店を見て歩いて発見した「商標登録 ゴールデン酒場」の看板にひきつけられた。一般名詞「ゴールデン」+「酒場」で商標登録できるのかというビジネス的な疑問だった。まあ、語感としてはそそられる。ゴールデンと言いながら、チープシックな感じというか、あまり高級感が感じられないのが良い。
「ゴールデン酒場ねえ、ふふふ」となんだかウキウキしてくるのが不思議だ。新宿とか渋谷に昔あったよねえ、という感じがするし、池袋なら今でもありそうだ。やはり「ゴールデン」という言葉は昭和オヤジの反応率が高いのだな。