駅弁

松本駅の駅弁 

松本と聞くと、昭和歌謡の名作で歌われた新宿発「あずさ2号」のイメージが強く、中央本線の駅だと思い込んでいた。よくよくJR 路線図を確かめると、中央本線は松本の手前、塩尻駅で名古屋方向に向かう。松本駅は塩尻と長野を結ぶ中間点の扱いだった。北アルプス方面の山登りや上高地観光に行く場合は、この松本駅が鉄道乗り換え地点に当たるのだが、それでもあずさ2号が通ると思い込んでいた中央本線駅とは違う。篠ノ井線だった。しかし中央本線の駅ではないが、あずさは通る。全く自分の思い込みの記憶違いだ。
ちなみに新宿発のあずさ号で松本までは2時間40分ほど。東海道新幹線で言えば東京・新大阪が2時間半程度だから、感覚的には松本と大阪は同じくらいの距離になる。だからブレイクハートで旅に出ると、信州松本は程よい距離になる。これが甲府ではちょっと近すぎるし、八王子や高雄ではお手軽すぎる。松本の先、長野まで目指せばどうだと言いたくなるが、長野だと心理的、感覚的にちょっと遠すぎるみたいなところか。昭和歌謡をよく知らない人は、狩人、あずさ2号で検索して歌詞を調べてみると理解できるはずだ。

与太話はさておき、松本駅は駅の規模の割に駅弁の種類が豊富だと思う。東北新幹線や北陸新幹線各駅でも、これ程の駅弁ラインナップを持つところは少ないはずだ。その理由は、松本駅の駅弁と中央本線塩尻駅の駅弁が販売されているからだ。東京と横浜の駅弁が並ぶ品川駅みたいなものだろう。駅弁の種類が豊富で選ぶのに困ってしまう。
おまけにもう一つ困るのが、改札口の中に駅弁売り場があり、土産として駅弁を買うためには入場券が必要になるということだ。仙台駅では改札の外に駅弁専門店があるので便利だった。札幌駅、盛岡駅、京都駅、広島駅も改札外で駅弁が買える。東京駅の「祭」は改札内、新宿駅、品川駅も改札内だから、駅によって駅弁販売の対応はさまざまなので文句を言っても仕方がないか。

改札の外にある駅弁ポスター 入場券販売強化を狙うJRの陰謀のような気がする

今回のお目当ては「とりめし」で、弁当の包装紙にあるように塩尻市の弁当屋さんのものだ。鳥のイラストもゆるい感じでほのぼの感があるが、このご時世で税込み700円というのはずいぶんと張り切った値付けだ。ただ、この駅弁は歴史が長いようで、ずっと前から革新的な値付けだったのだろう。ちなみに700円の駅弁として記憶に残っているのは横川の釜飯だが、30年ほど前になる。釜飯はコンビニ弁当の2倍だなという記憶なので、現在の横川の釜飯1000円も似たような価格設定ということになる。
そうなると、このとりめしのお値段はすごいものなのだ。おまけに信州特産野沢菜入りと大きく書かれているが、野沢菜たっぷりが信州人に効き目のある言葉とは思えないので、県外人向け商品なのだろうと推理する。圧倒的な価格戦闘力と、ローカル食材アピールは素晴らしいマーケティングセンスだ。

蓋を開けると、鶏そぼろと鶏肉のW鳥パワーで攻めてくる。野沢菜もたっぷりと言うか、もはやこれは主役級の量で、とり野沢菜メシと言った方が良いくらいだ。紅生姜程度の量であれば、添え物として奥ゆかしい。そして、味違いを楽しむ名脇役になる。ところが、この野沢菜の量は暴力的で、主役を食ってしまうWヒロイン的な強烈さだ。しかもうまい。野沢菜というとすっきりとした浅漬け、時間をおいて発酵した古漬け、どちらも捨て難いうまさだとは思う。が、このとりめしに乗った野沢菜はもう一つの変化系野沢菜で、濃い味付きの野沢菜炒めだった。

結論だが、このとりめしは反則級にうまい素晴らしい駅弁で、できればあずさ10号(例の昭和歌謡のあずさ2号はすでに廃止されている)で新宿駅まで運んできて、新宿駅の駅弁専門店で売って欲しい。今でも、山梨の駅弁は売っているのだから、ぜひ駅弁屋さんとJRの方、ご検討ください。

旅をする

松本の夜歩き そぞろ歩き

松本駅前を日暮どきにぶらぶらしてみた。写真の通りに、松本駅には高層駅ビルがない。JRの駅前開発の主力が新幹線駅であることは間違いない。だから在来線の駅にはあまり力が入らないのだろうな、ということは理解できる。
北陸新幹線が開通したこともあり、在来線しか通っていない地方中核都市はもはや数少ない。南北に眺めてみても、県庁所在位置は概ね新幹線が通っている。新幹線が通らない県庁所在地を思い浮かべると、関東近郊では山梨県甲府、日本海側で福井県福井、鳥取県鳥取、島根県松江、関西方面で奈良、和歌山、三重県津。四国は4県ともアウトで、九州が長崎(これはもうすぐ通る)、大分と宮崎。
こうして並べてみれば、確かにどの駅も高層駅ビルとは無縁なようだ。奈良だけは駅横にビルが立っていたが、それ以外の都市ではは3−4階立てが多いような気がする。ただし、旅をするものから見れば、これくらいの大きさの方、低層ビルくらいが駅らしい。

地方中核都市では、駅前と旧市街に二つの繁華街があることが多い。松本もそれに近い。駅前の飲み屋街には全国展開をするチェーン店が多い。お城の裏手?に当たる一角には古い居酒屋や「女性の接待が伴う飲料主体」の店がある。旧市街は地元民が中心で、駅前繁華街はビジネスホテルも多く、観光客と出張サラリーマンが中心になるのかもしれない。しかし、夕方だというのに人通りが少なすぎる気もした。まあ、ご時世というもので、旅をする人が少ないよりも、飲酒という行為が社会的に歓迎されていないだけなのかもしれない。

駅前すぐの一等地にあったハイボールバーは、かなりオシャレ感が高い。ドアも開け放たれ開放感がある。まだ、夕方は暖かい時期なので、こういう場所で飲むのは良いなあと思うのだが。

そこから100mは慣れれば、なんと魚居酒屋があった。この山国松本で、なぜ魚?と突っ込みたくなるが、それはあくまで観光客、ビジター目線の考え方だろう。松本市民だって魚は好物だろうし、この物流網が整った現代日本では、日本海側の漁港からであれば、2時間もかからず新鮮な魚の配送は可能で、朝に水揚げされた魚が夕方には提供可能、つまり港町で食べるのと松本で食べるタイミングに差があるわけではない。そんな具合に納得はできる。ただ、松本で刺身で乾杯という気分にはならないのも確かだ。だから地元客専用のお店だろう。

似たような話が記憶にある。昔々、沖縄に出張して仕事先の方と会食をした。その場所が鮨屋で、いったいどんな沖縄の魚が食べられるのだろうと期待していたら、「うちの魚は全部築地から空輸している」と職人さんに威張られて、気が遠くなった。たしかに沖縄の人にとっては、築地から空輸した魚といえば高級品という意味になっているはずだ。それを理解できないことはないのだが。あの大きい青い熱帯魚みたいなやつの刺身食べてみたかったのだよね。

ビルとビルの間にできていた小路に、下がっている赤提灯が飲む気をそそる。入り口の前に止めてある自転車が、町の飲み屋という感じがする。こんな街で暮らしてみたいと思わせる、風情のある光景なのでありました。

旅をする

珈琲まるも

松本駅から松本城に向かうと、途中で小さな川を渡る事になる。川筋沿いに土産物などの店が立ち並ぶのはお城側で、反対側はちょっと趣の異なる店、飲食店などがバラけた感じで広がっている。中町通という昔ながらの商店街のようだ。その外れに近いところにあるのが、美しい喫茶店と絶賛評価している「珈琲 まるも」だ。2年ぶりに訪れたのだが、コロナのご時世に関わらず相変わらずにしっかり営業を続けていた。実にめでたい。

頼むのはブレンドコーヒー一択なので、他のドリンクの味は知らない。次こそは試してみようと思いながら、あいかわらずのブラックコーヒーにしてしまう。コーヒーの味は、酸味が強めで濃い。スタバなどのコーヒーとはちょっと違う。ジャパニーズコーヒーとでもいうべき、砂糖とクリームが合う濃い味なのだろう。それでもブラックで飲むのは、高校生の頃からの好みなので死ぬまで変わらないと思う。砂糖とクリーム入りのコーヒーを最後に飲んだのはいつだろう。おそらく30年近く前にスタバが日本で開き始めた頃、試しに飲んだカフェラテが最後の砂糖・クリーム入りコーヒーではないか。

店内は随所にコロナ対策がとられているが、もともと空間を贅沢に使った喫茶店で、混雑すると言っても隣の客とは随分離れている。今回も窓際のテーブルを独り占めした。ここは障子越しに漏れてくる明かりが心地よい。本を読むにはくらいが、コーヒーをひっそりと飲むにはちょうど良い。障子越しの間接照明は、残しておきたい日本の文化の一つだ。自宅にも障子のある部屋は一つだけ。今は、窓ガラス越しの直接照明が主流の時代だから余計に障子越しの明かりが気になってしまう。

初めてこの店に来た時から、一度はまるも旅館に泊まってみたいと思い続けている。やはり、思い切って今年は「旅館」に泊まってみようか。この喫茶店の周りには、中町通りを中心に洋食屋、蕎麦屋、焼き鳥屋、うなぎなどなど松本のうまいもの店がずらっと揃っている。秋の夜長を旅先の和室で過ごすのも良いか。

街を歩く, 旅をする

松本名物は「あめ」

おしゃれな外観 まるでブティック

ホテルのモニターに観光案内がつながっていて、ホテルから徒歩圏の観光名所が載っていた。それとは別に松本の名物みたいな情報も載っていて、つらつらと眺めていたら、松本名物は「飴」とのことだ。お城と並ぶ名物らしい。ずっと知らなかった。そこでネットで松本の飴屋を調べると、なんと相当な数の飴屋が存在するらしい。そこでお城の近くの飴屋に行ってみることにした。

潔い看板で、売り物が一眼でわかる。すばらしい。松本が何故あめで有名になったのかわわからないままだが、サトウキビの産地だったということもなさそうだし。原料が水飴だったとしたら、味噌、醤油、酒などの発酵所関連の技術かもしれない。

店内に入ったら従業員の方がいないので暫し待っていた。その間に撮ったのがこの「神飴」の看板。最初は左から読んでしまい「飴の神様っていったいだれだ?」などと考え込んでいたが、ふと気がついた。これは右から読むのだ。そうなると、このお店の飴がとてつもなく美味しいのだという意味になる。実に楽しみだ。そのうまそうな飴を一箱買い込み、これは土産ではなく自分で食べようと決心した。うまいものはシェアする前に、まず自分で確かめておくべきだという、心優しい決意だ。しかし、本当に松本はオシャレな街なのだな。

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焼き鳥番長@松本 GJ

松本つなぐ横丁の店舗ラインナップはサイトで見てもらうのが一番わかりやすい。色々な店があるので、好みの店を見つけてそこに行くのもよし。ぶらりとはしご酒をするのもよし。価格はリーズナブルだから、ちょい飲みでサクッと済ませる、ガツン飲みでどすこい気分、どちらも可能だ。

やきとり番長のカウンター席はこんな感じで、自信作は生レモンサワーらしい。カウンターの上にレモンが山盛りになっていた。「美味だれ焼き鳥」の提灯がよく目立つ。たしかに「タレ」が自慢だというのはよくわかる。ただ、やはり焼き鳥は肉の鮮度と焼き加減できまるので、そこの技にブレがないのが最低条件だろう。
比較的大振りの焼き鳥だが、火通りに問題なし。塩加減上等。うまい焼き鳥屋はこの最低条件に問題を感じさせない。普通に出してくるから当たり前と思ってしまうが、この最低条件をクリアできない、つまりまずいと感じる焼き鳥は多い。日通りが悪く生の部分があったり、逆に焦げ付いていたり。塩味がしない焼き鳥は食えたものではない。その塩味のしない焼き鳥に塩をかけても、まずさは変わらない。
チェーン居酒屋ではうまい焼き鳥が出てくることが稀なので、やはり焼き鳥は専門店に限るし、力の差が目立つ。その焼き鳥専門店の中でも、やはりランクというか腕前の差があるので、うまい店を見つけるのはなかなか大変だ。たかが焼き鳥、されど焼き鳥といつも思っている。個人的な活動領域で言えば、高田馬場には良い店が何軒かある。新宿や渋谷、池袋などの繁華街では、焼き鳥は既に消滅した文化のような気がする。

せせり 仕入れの力が見える一品

好みの焼き鳥は砂肝、セセリ、つくねだが、この3種はその店の調達力、鮮度管理、工程管理が露骨に出る「こわい」しろものだ。ちょっとした手抜きや手違いであっという間にひどい商品になってしまう。だから、初めて入る焼き鳥屋では最初に砂肝を注文して、その店のレベルを判断することにしている。
砂肝がダメなら、即時に会計して店を出るべきだ。おそらく焼き鳥で一番味を誤魔化せない部位で、鮮度管理も難しい。セセリも焼き加減が難しいので、焼き方の腕前判定には良いと思っている。また、セセリは調達するのが難しい貴重部位なので「仕入れの力」みたいなものも判断できる。
この店は、その三品全てが高い水準で、焼き鳥屋・エースマークあるいは個人的に星三つを進呈したい。その上で「美味だれ」なので大満足ということだ。

この店の箸袋は、ちょっと工夫がされていて、開運と書かれた部分をめくると。「おみくじ」になっている。今回は中吉だった。まあ、この頃の自分の運勢を顧みると中吉でも出来過ぎという気がする。今年は凶が続くことが多く、そろそろ厄落としをしたいものだから、焼き鳥屋で験担ぎも悪くないなあ。

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つなぐ横丁で焼き鳥

松本駅から徒歩2分くらい ただし、飲み屋街とは反対側

松本駅を降りて右手、東側に進むとホテルの一階に「つなぐ横丁」がある。全国あちこちにある屋台団地のようなもので、カウンター席が10くらい、テーブルが2−4卓という小ぶりな店が10軒くらい入っている。トイレは共用だが、多種多様な店が詰め込まれていて、横丁内ではしご酒も可能だ。焼き鳥屋でビールで乾杯、隣の餃子屋でハイボールを楽しみ、締めはタイ式焼きそばで、みたいな楽しみ方ができる。今やすっかり廃れてしまった、なんでも置いてある総合居酒屋みたいなものだが、専門店の集合体なので、やはり「味」に特徴があるこだわりの店として期待できる。

とりあえず横丁の中をぶらついてどんな店があるかを確認した。その後は、迷わず焼き鳥店に突入。最初に「中生」を注文したのだが、飲み屋で酒を頼むのも随分久しぶりだ。

この「やきとり番長」を目的に松本つなぐ横丁に来た。そもそもの話で言えば、札幌駅高架下にできた「つなぐ横丁」に飲みに行った時に、実は本店は松本の駅前にあるという話を聞いたからだ。おまけに「やきとり番長」という仙台にある居酒屋によく行っていたので、勝手に本店は仙台で、それが松本、札幌と広がってきたと思い込んでいた。実際には、仙台の焼き鳥番長は無関係らしい。

好物の砂肝 新鮮で臭みがない GJ

ここの焼き鳥は「うまい」と思う。世の中にうまい焼き鳥屋はたくさんある。札幌の「串鳥」はチェーン店でありながら、どの店もレベルが高い。焼き鳥屋といえば大衆店の典型みたいなものだが、個店では予約の取れない名人的な店もある。ただ、大衆料理の雄である焼き鳥屋で名人みたいのものはいらないなと思う。人気が出た焼き鳥屋が二店、三店と支店を広げるみたいなパターンが望ましいと、勝手に思い込んでいるが、この店はそのパターンらしい。
焼き鳥ダレが別添で提供される。カップに入ったものとスクーイズボトルに入ったものが出される。中身はどちらも同じなので使い方はお好みでと言われた。カップの方は串を持ってドボンとつける。スクイーズボトルは、マヨネーズやケチャップのように細長く絞りながら串の上にかけるスタイルのようだ。東松山の焼き鳥につく味噌ダレに似ている。こちらは味噌というより、ドロっとしたニンニクの効いたパンチのあるタレだが、個人的には絞ってかける方が量の調整ができて嬉しい。この追い掛けタレスタイルは全国の焼き鳥屋に広まって欲しいものだ。

【この稿続く

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縄手と松本城

松本城の近くを流れる小さな川がある。先日、某国営放送の旅バラエティー番組で松本城の成り立ちをあれこれと解説していた。この川がお城防衛の主要装置であったということを初めて知った。その川沿いに色々なお店が立ち並ぶ一角がある。土産物屋のような店、軽食の店、陶器屋、骨董品、ベーカリーなど雑多な店が立ちならぶ。ぶらぶら歩きにはなかなかたまらない場所だ。お目当てにしていたベーカリーはなんと休業日で当てが外れたが、陶器屋で安い蕎麦猪口を二つほど手に入れ、ほぼ満足した。

四柱神社 大物神揃いだ

その縄手筋の端っこにあるのが大きな神社で、建立が明治12年となると戊辰戦争後の明治新政府の政策神社だと思われる。そもそもつい目の先が諏訪大社の近くという場所で、日本神話の大物神々が4柱も祀られる時点で、神様の政治利用が見え見えだ。そもそも松本は徳川譜代大名の支配地が長く、目的も西国から反乱軍が中山道経由で江戸を攻める時の防衛拠点だから、明治政府にとっては邪魔な場所の代表格だったはずだ。

お城の入り口に続く堀を渡る橋

松本市内を地形図で見ると、確かに松本城は山と川で囲まれた優秀な防衛拠点で、お城の周りに大手町という街の中心が出来上がっている。松本駅とお城はちょっと離れた場所になる。旧市街地から離れたところに鉄道駅があるというのも、明治以降開発が進んだ地方中核都市の典型だ。だから、お城の周りには市役所とか銀行とか商工会議所みたいな政経の中核機関が立ち並ぶ。それに小判鮫のように飲み屋街ができる。そこに意図的に政治目的みえみえの神社が建立される。嫌味な世界だ。

今は国宝松本城を取り巻く公園として整備されているが、この遊歩道あたりは城攻めの決戦地なのだよななどと思いつつ、お堀を渡り天守閣方向に歩いていく。視覚的には良くできた公園だと思うが、観光客がほとんどいない。散歩をする市民の姿も少ない感じがする。ご時世だなあ。

お堀の向こうに見える天守閣は、もう少し青空が目立っていれば、「ぬけ」の良い光景、写真になるのになあなどと思いつつ、アングルを変えて何枚か撮った。松本城には何度も通っているが、やはりこの角度から取るお城が一番フォトジェニックな気がする。特に、空気の透明度が高い初冬が良いとは思うが、空気感でいえば春先も捨てがたい。これはスマホで撮った写真だが、実は保存用写真を撮るために一眼レフカメラも持ち込んでいた。趣向を変えながら大量に撮影した。お城の向こうには北アルプスの山々が広がる、松本らしい風景なのだよ。

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松本駅前 夜に彷徨う

駅前といえば絶対定番の土産物屋だが、最近は駅のキオスク(JR東日本ではNewDays)が、巨大お土産物屋するケースが多い。新幹線駅に限らず在来線でも特急駅は大体そうなっている。松本駅もその典型例で、昔ながらのお土産物屋が一見とはいえ生き残っているのは嬉しい。地酒やらお菓子やら、お店独自のセレクションを見るのが楽しみだ。流石に閉店前で客は1組だけだったが、長く続いてほしい街角の重要な風景パーツだろう。松本駅前のバスセンター地下にも大きな土産物屋があったが、そこは品揃えがまたちょっと違っていた。

信州といえば「馬刺し」と、観光行動テンプレート通りに馬刺しを求めて夜の街を歩き回っていた。看板に馬刺しの文字を発見してふらふらと入った居酒屋は客もまばらで、コロナの後遺症という言葉が思い浮かぶ。看板にある山賊焼も気になる食べ物だが、今回は馬刺し一択だ。

地元松本の酒を燗酒にしてもらった。ちびりと日本酒を舐めながら、生姜醤油煮付けた馬肉を食べる。ねっとりとした感触と、弾力のある噛みごたえが馬刺しの特徴だが、なんだか「肉」を食べているという気がする。初めて馬刺しを食べた時、随分「生」な感じのするマグロだなと勘違いしたものだが、今ではマグロより好みかもしれない。ただ、都内の居酒屋で出てくるものは、カチカチの冷凍薄切りなので、やはり馬刺しは生が良いなと思う。熊本も馬刺しで有名だが、あちらではニンニクで食べたので、東西で馬刺し文化は違うのだろう。

軽く締めにラーメンでも、と酔っ払いオヤジ特有の行動で、ふらふら歩いて発見した「レトロ」な看板にちょっと感動した。看板をよく眺めると、坦々麺推しらしいが、このカタカナで書かれたタンタンメンは、全国あちこちで感じの坦々麺とは似て非なるものであることが多く、その点でも興味が惹かれた。しかし、店名がラーメン屋らしくない。結局、歩き疲れてしまいラーメンを食べることなくホテルに戻ってしまったので、タンタンメンの謎は解明できないまま。ちょっと残念なのだ。

旅をする

夜の松本駅前

長野県第二の都市、松本の名物はなんと言ってもお城だろう。ただ、長野県の中央部に位置するだけに、駅前のバスセンターから出発する長距離バスの目的地が、なかなか壮観だ。東西に伸びる中山道の中間点みたいなものか。

ただし、夜になると人通りは少ない。というか、夜7時で皆無。おそらく、松本の住人は大多数が自動車通勤なのではないか。だから、このご時世では会社から家までまっすぐ帰ってしまう。旅行者も少ないし。実は何度も来たことがある松本だが、夜の街を歩くのは初めてで、夜歩きの気づきを何回かに分けて書いてみようと思う。。

食べ物レポート

弁当のご飯「抜き」

ここ最近のお気に入り ご飯たっぷりの高菜弁当は満腹の友

弁当というか「変形どんぶり」というべきか、どちらにしてもすっかり好みになったご飯たっぷりの高菜弁当。そもそもホカ弁とは、あつあつのご飯を食べるためにおかずが添え物的にあるというもの、ご飯が主体でおかずはおまけ(笑)。白飯優先の食べ物だと思っている。
ホカ弁=ドカベンだと信じているので、ご飯少なめで、栄養バランスよくちまちまとした幕の内弁当みたいなものは、ホカ弁界では人気がないのではと勝手に思っていた。ところがぼうっとメニューを眺めていると「おかず単品販売」という文字がある。アレレという疑問を感じてしまった。ご飯なしのホカ弁って、なんだよそれという気分だ。

見た目はちょっと平らなカツ丼 ご飯の高さだけ低くなる

善意に解釈すれば、追加おかずという大食らいに親切な対応だろうか。のり弁だけでは足りずに、鳥唐揚げ単品を頼むという感じだ。まあ、のり弁に鳥から弁当というW弁当を頼む強者もいるには違いないが、おかず追加はガツンと食いたい客からは普通にありそうだ。ただ、そこでも湧き上がる追加の疑問が、丼の頭だけ、つまりカツ丼の上だけに相当する、「カツ卵とじ煮」なる存在だった。いや、弁当のおかず単品はありだとして、丼の上だけって・・・。
老舗の蕎麦屋に行けば天ぷらそばの蕎麦抜きを注文できる。天ぷらを肴にちびちびと日本酒を飲む。それもそばつゆに浸かりちょっとぶよっとしてきた衣を剥がして肴にする。確かに、こういう食べ物がある。そして、うまい。ただし、蕎麦屋で頼む蕎麦でない方という「裏的」存在だ。
居酒屋でもたまに「カツ玉子とじ」みたいなメニューがあり、確かにあれで飲むビールはうまい。だからカツ丼の頭が単品としてまずいはずはない。仙台にあるお気に入りの居酒屋ではカツカレーの飯抜きがメニューに存在する。これはまさしく絶品で、ハイボールとの相性が最高だ。

牛丼の飯抜きは牛皿として存在している。牛皿を牛丼(並)と合わせて注文して、牛皿を全部そのまま牛丼(並)の上に乗せる。頭特盛の上をいくスーパー牛丼をセルフで完成させることができる。この食べ方は牛丼のプロ級レシピーだと信じている。(ただし、価格は倍になる高額、高級牛丼だが)
これと同じで、カツ丼を頼み、その上にカツ卵とじ追加というスーパーカツ丼を食べたい人もいるかもしれないが・・・。ご飯に合わせてちょっと甘辛く煮付けたトンカツは、酒の肴としてはうまい。この上に冷蔵庫の中に入っている紅生姜でもふりかければ、また一段とうまくなるだろうとは思う。味が濃いめなので、冷えた吟醸酒あたりが合いそうだ。フルボディーの赤ワインも良いかもしれない。
昨今流行りのアレンジメニューというより「ヌキ」メニューだから、手抜き感は半端がない。が、ゴテゴテと飾り立てるより、いらないものをどんどん「抜いていく」断捨離メニューの方がご時世にあっているか・・・。などとつまらぬ妄想をめぐらしながらお庭で昼酒にしようと思ったのでありますよ。