街を歩く

時計台よりフォトへニック

右側の銀杏がちょっとだけ中心部に向かって斜めになっているのが、よって撮ったときの歪み

札幌市中央区、北2条にある中通は、都心部一番の幹線である駅前通りから、旧北海道庁・赤煉瓦庁舎が見える観光スポットだ。明治期に建てられた建物が保存されていると、大概は観光名所になるのが世の習いだが、やはり東京駅の駅舎など赤煉瓦で建てられた建造物はよく目立つ。山形市にある洋風建築物や宮崎市にある宮崎県庁なども風格があるが、やはり「赤い建物」はよく目立つし人気があるようだ。
その中通りにある銀杏が、秋も深まるこの時期には黄色く色づく。赤と黄色のコントラストは実に素晴らしい。これに晴れきった青空がバックになれば、まさにフォトジェニックという風景が完成する。
残念ながらこの日は曇りで、青空が見えない日だった。それがちょっと残念だ。ただ、もう少し季節が進み、この場所が一面の雪に覆われると、それも降った直後の足跡などが見えない瞬間が、もう一つの撮影タイミングなのだが、こちらの方がはるかに難しい。足跡ないのは早朝だけだし、深夜に雪が降り朝はピーカンの青空というのは、一年位一度歩かないかの激レアだと思う。足跡有りでよければほぼいつでもOKだ。

引いて撮ると周辺部の歪みが少なくなる

この日も、この雲がなければ時間的には夕焼けが広がり始め、空の下は赤、空の上は青、赤煉瓦と銀杏という、これまた自然の瞬間芸が楽しめただろう。実に惜しい。
だから、写真とはそういう瞬間を切り取るアートなのだと思う。ちょっと昔であれば、大型の一眼レフカメラを抱えたアマチュア・フォトグラファーがたくさんいたものだが、最近はすっかり見かけなくなった。スマホのカメラの性能が爆上がりしたせいもあるが、なんといってもスマホは撮った画像を補正のしやすいアプリと連動しているので、SNSにアップする手間を考えると一眼レフカメラではスマホに勝てない。


ただし、スマホのレンズは小さいので画角によっては歪みが拡大されるのが弱点だが、それすらアプリで補正できるみたいだ。一番簡単なのは最大に引いた画面で撮影し(これだと歪みが出ない)自分の好みの部分だけを切り取るというテクニックを使うことで、歪みを回避できる。プロとアマの境目が小さくなるわけだ。

良い写真をお手軽に撮れる。ありがたい時代の進化だな。

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やはりこの店、居心地良い

学生時代からお世話になっていた老舗焼き鳥屋だが、その頃から風格があった。カウンターが10席程度、それにテーブル席が二卓という小ぶりな店なのだが、最盛期は支店が数店あったように記憶している。今では、この本店だけみたいだ。
熱燗のコップ酒を初めて飲んだのはこの店だったような記憶もある。それまではビール(札幌の赤星)しか飲んだことのないアルコール初心者だった。コップ酒は大人の階段を上がったような気がした。
まだサワーなどという気の利いた飲み物は存在していなかった時代でもあった。それでも酎ハイはあったのだろうか。確か、焼き鳥屋では梅酒を焼酎で割った梅割りというピンクの酒があったが、この店はビールと日本酒だけだったように記憶している。ハイボールが焼き鳥屋で飲めるようになったのは随分と後になってからだった。

焼き鳥屋のサイドメニューといえば漬物と決まっているが、この店には札幌らしく「にしん漬け」がある。白菜漬けよりちょっと高い高級品という設定たが、今では同じ値段だ。時代の流れなのか、にしん漬けの生臭さが嫌われてしまったのか。原因はよくわからない。
昭和中期には自宅で漬物をつける文化が健在だったので、飲み屋で漬物を注文することもなかったものだ。今では「外食」して食べるのが漬物という具合になっている。焼き鳥屋で学ぶ文化史の変遷例だ。

札幌の焼き鳥屋は、お江戸でいうところの串焼き屋ということになるのだろう。お江戸では焼き鳥屋は鳥肉しか出さない。内臓肉・モツを出すのはもつ焼き屋であり、両方合わせているのが串焼き屋と名乗っている。
札幌の焼き鳥屋では定番なのが、鳥のもも肉を焼いた鳥クシ(鳥精)、豚バラ肉を使った豚クシ(豚精)になる。それに加えてたん・ハツ・レバー・ガツといったモツ系の串がある。つくねは店によって形状が変わり、棒状のものと、丸い団子を三個程度串刺しにしたものが提供されている。当時は、どこの店でも、うちの店で出しているものがつくねだと力説され、他方を否定する「独断と偏見に塗れた」つくね論争があった。今ではそんなこと話は聞かない。個人的にはどちらも上手いと思う。
最近では、あれこれと変わったソースや具材を使った新串へ「拡散と変容」を繰り返し、焼き鳥というより串焼きへと変化している。

この店には簡便なスチール丸椅子に簡素なスチールテーブルという、昔のスタイルがそのまま残っていて、現代風の小洒落た串焼き屋とは一線を画す風格がある。そんな店こそ、居心地が良いと思うのは、やはり高齢化のせいなんだろうなあ。新しいものより古びたものが良いと言い始めるのは、人生の後退期に入りノスタルジーに浸ることが快感になるかららしいのだが。自分もその例外ではないと思い知る「マイ・ホットスポット」なのであります。

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ヤオコーで美味いもの

高知の知人が埼玉県のスーパー、ヤオコーと取引を始め、なかなか面白い「カツオのはらんぼ」を売り始めた。ハランボとはカツオの腹の下側の部分で、とても脂が乗っているが、鰹のタタキを作る工程で捨てられてしまう。高知では、たまに居酒屋で焼いたものが出るくらいで、関東圏ではあまり馴染みのないものだ。それを鰹のタタキのタレに漬け込んで冷凍にしたものを開発した。シーフードサラダや海鮮丼の具材として使うと良い具合だ。
歯触りに独特のコリコリ感があり、熱々の白飯の上に乗せて食えば、白飯を丼で一杯くらいはすぐに平らげてしまうほどだ。

冷凍食品売り場に酒の肴、つまみといった括りで全国のあれこれが並んでいた。たまたま目についた北海道産のホルモンにも食指が動くが、それはまた次回ということにしよう。カツオのわら焼きたたきも同じところで売られているので、カツオ対決?というところだろうか。
埼玉のスーパーが全国の美味いものを集めて売り出すというのは、なかなか高等な食文化提案だし、ゴージャスな食卓を作り出す。食の幸せ的こころみではないか。

その時に見つけた北海道フェアの中に、ヤオコーPBである釜飯の素があった。これはすごいことだと感心した。今年の夏、テレビ番組で取り上げられプチブレイクした「とうきびご飯の素」を再現したらしい。開発期間を考えると、とてつもない超スピードで商品発売にこぎつけたことがわかる。そうでなければ、テレビ番組でブレイク、品切れが起きる前から「先行商品」に目をつけて開発していたということになる。なのだとしたら、それはまた別の意味ですごい。ヤオコーバイヤー・商品開発チームの目利きが凄いということになるからだ。

安売りではなく、わざわざそこで買いたいものを売り出すのが、本当の売る力だよなあと、久しぶりに感服しました。

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ラーメン道場 最後の店へ

ルックスが平面的で立体感に欠けるとは思うが、普通に美味しい 煮卵は沈んで黄身が見えませんでした 残念

千歳空港のレストラン街にラーメン道場という、北海道の有名ラーメン店が集まったところがある。おおよそ10店ほどがひしめいているが、行列のでき方が店ごとに変わっているのが面白い。一番長い行列ができるのはエビそばの店だが、それ以外で言うとやはり味噌ラーメン系の店舗が人気のようだ。
そして、コロナの後に起こったことだが、インバウンド目当ての値付けが尾横行している。特にこの一・二年での値上げがひどい。コロナ前はだいたいシンプルなラーメンが800円前後だったが、今では推しメニューがその倍以上という店も多い。
やたらトッピングが乗っているだけのラーメンばかりで、ラーメンの味自体はトッピングなしのものと変わりはしない。個人的にはトッピングラーメンを頼むことがないので、あまり関係あるとは言えない些細なことだが。
そのラーメン道場で、唯一行ったことのなかった店に入ってみた。すすきのの人気店らしいが、記憶にはない。おそらく新興の人気店だと思うのだが、ここ10年以上、飲んだ後の締めラーメンをしなくなったので新しいラーメン店、それも夜営業の店は知らないのだ。


とりあえず味噌ラーメンを頼んでみた。普通に美味い。ちょっとどろりとしたスープは、現在のラーメンスープのスタンダードに近いものだ。チャーシュー、メンマというサブキャラもスキがない仕上がりだった。ススキノの夜には似合っている気がする。

一番感心したのは、トッピング全部乗せ高級ラーメンではなく、普通のラーメンがこのラーメン道場の中でも比較的低め(多分下から二番目)の値付けにしてあることだ。税込表記なので、本体価格は1000円となる。この千歳空港という高家賃・高人件費の場所で営業するには、このお値段で大丈夫かと心配になる。まあ、客の心配することでもないか。

ラーメン道場の全店舗制覇して思うことが、値付けの心配とは自分でも予想できない結果だった。が、全店試してみたので評価を個人的に考え、おすすめランキングなるものを作ってみた。
意外かもしれないが、札幌味噌ラーメン系の店はランク下位になる。味はまずまずだが、メニュー構成やオペレーションに難がある。どうも人気に負けて店作りが乱暴になっている気がする。札幌以外からのラーメン店は、やはり値付けに課題があり、超トッピングもりもりにしたり(ラーメンとして意味がわからないものまで乗っている)、高級食材使用してますなど言いはり、ビックルする価格で営業している。

実はすでに閉店して代替わりしてしまったが、フードコート内にあった千歳のローカルラーメン店が一番好みだったのだよね。特にカレーラーメン。あの店がなくなったのは実に残念だなあ、などと天邪鬼なことを考えております。

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80年代の英雄達

いつも気になるススキノ近くの立ち飲み屋で、これまた素晴らしいものに出会った。店頭にかかっているのれんのようなものは広告というよりアートだろう。
こののれんもどきアートは、どうやら季節に応じて出し物が変わるようで、初めて見た時は怪獣シリーズだった。前回はキン肉マン・レスラーで、今回は懐かしのお笑い番組キャラに変わっていた。というか、そのパロディーだ。
ただ、この「のれんのような物」に登場するキャラクター・元ネタを理解できるのは、もはやオヤジ族ではなくジジイ族だろうなと思う。リアルタイムでウルトラマン初代や仮面ラダー初代に夢中になった世代が、10代に成長した頃に流行っていたものだ。
土曜の夜といえば子供達はテレビに齧り付いていた。ドリフターズや欽ちゃんのバラエティー番組だった。その世代がハイティーンになる頃に、漫才が復活してブームになり、その勢いで新しいお笑いエンタメのスターが登場してきた。


昭和から平成にかけてのお笑い御三家?であり、今やお笑い業界の巨匠?レジェンドである、タモリ、さんま、タケシなどが毎日テレビに露出し始めた頃だった。その新興芸人が揃って出演していたのが「ひょ○きん族」であり「笑っていいとも」だった。
最近ではあれこれ話題になっているお台場のテレビ局が、視聴率競争でトップに躍り出るきっかけの一つが、新しいエンタメ番組だった。だから、このパロディーネタを笑えるのは、1970年以前に生まれたジイサン(バアサンもか)だけだ。なんとも理解難度の高いパロディーではないか。作成者には一度お会いしてみたものだ。

しかし、赤ちょうちん族といいながら、店頭に赤提灯はない。赤いコスチュームを決め込んでいるのは、Bたけしこと世界の映画巨匠なのだ。

ホタテマンとパーデンネン  ……………だったかなあ

ピンクの衣装で踊っているのは、アホちゃいまんねん。ぱーでん……………などと流行になったフレーズを繰り返す、あのおしゃべりマシーンの若かりし頃の姿で、トークではなくコスプレコントで人気を保っていたのだな。馬鹿馬鹿しさと笑いの間に教会まで紙一重で踏みとどまるセンスが売り物だった。

確かに、たけしとさんまが二枚看板で、それに若手芸人がそれぞれ独自の芸風(ユニークキャラを立てたもの)で人気を博していた番組だが、当時の演者で今でも現役で活躍するものは少ない。それどころか随分と他界してしまってもいる。

今でも忘れないフレーズやキャラ名が、この暖簾を見ていると思い出される。ブラックデ○ルだぞー、とか、あみだくじの歌が脳裏に蘇る。記憶力が低下し始める時期になりながら、どうして若い頃の馬鹿馬鹿しい記憶は鮮明に思い出されるのか、実に不思議だなあ。
やはり次はこの店で「立ち飲み」への挑戦を避けるわけにはいかないと思う。そして、この「のれんのようなアート」の制作者を聞き出さなくては。

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蕎麦屋で一杯の至福

平日の午後、普通の蕎麦屋だと昼休みなる時間だが、すすきの近くのこの店では昼と夜の通し営業なので、ちょっと中途半端な時間に体が空いた時、実に重宝する。この日も狸小路に用事があり、待ち時間が小一時間ほどできた。しっかりと飯を食べるような時間帯でもなく、しっかり酒を飲むには早すぎる。そんな黄昏時直前の怪しい時にこそ、この店の存在価値がある。

ここしばらくの好みは「かしわ抜き」だ。濃いめの蕎麦つゆにとけ込んだ、かしわ、つまり鶏肉を楽しむものだ。かしわ蕎麦からそばを抜き取ったものという意味で、かしわぬきと呼ぶらしい。老舗の蕎麦屋では見かけることが多い。メニューになくても注文すれば作ってくれることもあるそうだ。かしわではなく海老天の入った物、「天抜き」はもっとポピュラーだろう。ただ、天抜きは腹に持たれる。さらっとしているのはかしわ抜きだ。

この店はいつ行ってもかしわ抜きが頼めるのと、ぬる燗というときっちりとぬる燗にしてくれるのが嬉しい。燗酒機でお燗をつける店は、銚子が持てないほど熱いものが出てくる。レンジアップの場合は沸騰直前だろうという、アチチなものもたまに出てくるが、そんな店は二度と行きたくないぞと思う。

そもそも昔の日本酒は芳香族系の不純物が多く、悪酔いの原因になっていたようで、それを飛ばすために温めたのだそうだ。現在の日本酒は温めなければ飲めないような変なものは入っていないので、燗酒にするのはいわゆる味変を楽しむものでしかない。
人間の舌は温度帯によって感度が違うので、冷たい酒よりはぬるい酒の方が舌にとっては優しい(味を解読しやすい)のだ。冷酒やワインのキリッとした味わいと比べて、少し丸くなった、ある意味で間抜けな味になった「ぬる燗」は黄昏時に飲むのにふさわしい。
とろんとした気分で、出汁の効いた蕎麦つゆを合わせて楽しむ。これは人生が黄昏に入ったものには似合っているなあ、などと嘯きながら飲むのにふさわしいのであります。

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串カツ食いたい

串カツが食べたいとなった時、人はどこに行けば良いのか。某全国チェーンに行く手はあるが、あれは一口串カツであり、我が望みのスタンダード串カツとは程遠い。では、トンカツ屋に行けばメニューに串カツがあるかというと、経験的にはギャンブルに近い当たり外れがあるものだ。
町場の小体なトンカツ屋では、とんかつにはロースとヒレの選択ができることが多い。しかし、串カツを出定番でだすところは少ないようだ。
大衆食堂的な町の定食屋ではかなり高い確率で串カツがメニューに存在する。これは実にありがたいことだが、そもそも大衆食堂自体が消滅してかかっている。食べ物屋としては絶滅危惧種だ。
チェーン居酒屋でも最近はカツ自体がメニューから落とされていることが多く、揚げ物で残っているのはコロッケ(それもクリームコロッケ)かハムカツ・メンチカツになってしまう。つまり、「串カツを食べたい気分」になると、ほぼほぼ串カツ探索難民となるのは間違いない。食の道としては狭く険しい一本道になる。

だから札幌の都心部外れにある居酒屋では、席につくと同時に串カツを頼む。一応、ソースと醤油を選べる。気分によって醤油にしてみたりもするが、やはり王道はソースをたっぷりかけて、熱々のうちにジュワッという油を感じながら、ハフハフと食べるのがよろしい。
この日は串カツと湯豆腐で決めてみた。遅めの昼飯だったが、それくらいの量がちょうど良い感じだ。微妙なのは、少し腹が減っている時はこの串カツを3本食べたいのだが、2皿頼むと一本余る。その余りを同行者に押し付けられると良いのだが、ちょっと気を使う相手だと、それもできない。無理やり4本食べると、もう何も食べたくなくなる。悩ましいのだ。できれば串カツは一串単位で好きな数だけ注文できるようにしてくれないものかと、密かに贅沢な望みを抱いているのだ。串カツに伴う悩みは尽きないなあ。

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狸小路のラーメン屋で

札幌の狸小路中心部に山岡家の店並んで立っている。オリジナルのとんこつラーメン山岡家と、味噌ラーメン、そして煮干しラーメンの三軒が連なる姿はなかなか壮観だ。
オリジナルブランド山岡家の店頭には長い行列ができているが、そのほとんどが外国人観光客のようで、日本語ではない会話が聞こえてくる。
そして不思議なのだが、なぜかラーメン店の行列なのにベビーカーが数台いる。自分の考えすぎかもしれないが、赤ちゃんを連れてラーメン屋やそば・うどんの店など、熱い汁物を提供する場所には、とても恐ろしくて入れない。どうも、この方達の安全意識というか子育てに対する危機感が、日本人とは違う次元なのだろうとしか思えない。
その長い、そして子連れの行列を見てしまうとオリジナルブランドの店に入るのは勇気がいる。ここは新コンセプト店舗である「煮干し」ラーメン店にしようかと店内を見たら、空席もある。日本人男性しかいない感じがする。並ばなくて良いらしい。
想像するに外国人観光客にとって、豚骨スープの匂いは許容できるが煮干しの匂いは許し難いものらしい。まあ、その感覚はわからないでもない。
台湾では路上に立ち込める臭豆腐の匂いに閉口したものだが、現地人の友人に言わせると、あれほど美味しそうな匂いはないのだそうだ。煮干しはその手の「臭いタンパク質臭」の発生源であり、おまけに日本独特のものだろうし。

さて、並ばずに済んだのですぐに実食できた。麺を太麺にしたのは、濃いめのスープを想定したせいなのだが、食べてみると細麺の方が良かった。スープの味を強く感じるには、細麺の方が具合がよろしい。
スープに関して豚骨ベースで魚介だしと合わせるというのは、現代の日本ラーメンではスタンダードな技法だから違和感はない。逆に普通感の方が強い。食べた感じとして、青森の煮干しラーメン有名店がこの系統だった。どうやら、この店の元になったのは、その青森の某店のような気がする。
とんこつラーメンは博多駅地下にある伝統的な博多ラーメン店と比べることにしているが、これはその博多ラーメン(My 標準)と比べて、格段にドロドロしている。濃厚であり、もう一息濃い味方向に進めば「箸が立つ」系のどろりスープになりかねない。確かにこのスープは、オリジナル山岡家でたまに見かける、スープが濃いめに仕上がる店の系譜に連なる者だろう。

メニュー写真を見るともう少しあっさり目かなと思ったが、食べてみるとコッテリ濃厚、激アツラーメンでありました。食べている最中にも、やたらと水が飲みたくなる弩級の濃い味なので、実は白飯を軽く一盛りした小ライスを注文すれば良かったなあと思った。その時はラーメンを完食できなくなるが、味のバランスとしてはコメとよく合う気がする。
ただ、この店には豚骨煮干し以外にもバリエーションがあるので、次回は違う煮干しラーメンにするか、それとも隣の味噌ラーメン山岡家にするか悩ましい。いや、そもそもオリジナル山岡家を札幌一号店に食べに行くという選択肢もあるしなあ。

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都心の紅葉

札幌市中心部にある大通公園は、東西およそ1Kmにわたる大型の公園で、季節に応じて数々の屋外イベントが開催される。ただし、そのイベントの嚆矢たる雪まつりは好みではない。寒いのは仕方がないとして、雪道を多数の人間が歩き回るため路上が鏡面化して実に危ない。スリップで人が一人や二人死んでも不思議ではない、危険な路面が放置されその上をよく歩き回るものだと呆れてしまう。おまけに、観光客の中には生まれて初めて雪を見たなどと言う南方の国から来るものが多い。スリップ死した者が高位高官や上級市民であった場合は、国際問題になりかねない危うさだ。
危険性をわかっているのは地元の小市民だけで、そう言う連中は雪まつりに出かけない。行政など責任ある立場のものは、観光事業の金儲けに目がくらみ、危険防止策など検討すらしていない(と思う)
北海道のコロナ発症原点は雪まつり会場だったのになあ。札幌市は明らかに危機管理が甘いのだよ。冬の札幌は室内温度が高く湿度は低い乾燥地帯だから、インフルエンザの温床にもなりやすい。やれやれ。
さて、冬は危険で危ない大通公園だが、夏から秋のイベントは楽しい。グルメ企画も多い。先月末までは半袖で出歩けるっくらいの暑い北海道も、たった一月で思わずブルッとするほど寒さを感じる紅葉の季節になった。10月下旬だから、これが当たり前の風景なのだが、今年の夏はあまりにも暑すぎたのでなんとなくピンとこない。

そして、あと2週間もすると紅葉から落葉に変わり、雪が降り始める。地面が白く覆われるまでにはもう一月以上かかるだろうし、ここ数年は暖冬が続いているのでクリスマスも雪がないかもしれない。
来月末からはミュンヘン・クリスマスという真冬のイベントも始まるのだが、それまでに雪が積もることはなさそうだなあ。

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餃子の満州 新作で考えた

サイドアイテムとしては大盛りなサラダ 微妙な量の設定だなあ

自宅近くの町中華チェーン店で、毎月新作メニューが登場する。その中から次代の定番を選定するという意味合いもあるようだ。これまでは季節の麺の導入が主流だた。(熱かったり冷たかったりの温度変化がほとんどで)
追加で季節・旬を意識した野菜料理が投入されてきた。だから季節商品というより販売実験的な性格なのだろうと推測している。実験が続いていた?玄米炒飯というメニューもほぼ定着してきたのだが、なんと今回はサラダが登場してきた。これは、些細な変化というより大幅な改革の先駆けという気がする。
サラダといっても、あれこれ具材をたっぷり使ったコブ・サラダのように、生野菜で主食を仕立てあげるという方向感ではない。量を見るとわかるが、これは小さめのサイドアイテムだ。ただ、火を入れ加熱するのが中華料理の基本のはずで、熱を加えない生野菜というのは中華料理としてちょっと冒険的だろう。
中華料理にも冷菜という冷たい料理のカテゴリーは存在するが、このサラダはそれとは違う趣向だと思う。新しい食材はパリパリのカタ麺だけで、それ以外の材料は既存の基本メニューから流用している。(カタ麺も季節メニューの共用?)ただし、ドレッシングは専用に開発した感じがするが。これも店内調合なのかもしれない。

ラーメンを食べる時に肉を補うものとして餃子をセットにする、という考え方が満洲の基本メニュー設計だと思う。だから麺以外の料理では野菜料理が多い。これもぎょうざのセット販売を考えているからだろう。
ところが新作のサラダの意味合いをぎょうざの代替品として考えてみると、面白いことに気がつく。そもそもこの店ではラーメン・ラインナップにあるのは、肉が乗った麺ではなく野菜が乗ったものが多い。肉料理も少ない「野菜系重視」のメニュー戦略だ。
そこにもう一段進めた野菜重視戦略というか、「脱・肉食」という新しいビジョンを試しているのではないか、と推測している。看板メニューである「ぎょうざ」を外した、新しい満洲ブランド構築、つまり「サラダの満洲」になろうとする、壮大な試みではないだろうか。

海の向こうでは、世界最大のバーガーチェーンM社が20年以上前に、バーガーの店からサラダとバーガーの店に大変革したことを思い出す。

中華料理の常識からすると、油少なめ?味付け薄めだと思う

新作サラダを試しながら、チンジャオロースーもどき(豚肉なので)と麻婆豆腐(あまり辛くない優しい味)を食べたのだが、改めて薄味であることを意識した。そんなあれこれを考えていると気がついた。満洲はは典型的な中華料理から遠く離れた、油っぽくなくて、低カロリーで、繊維質が多く、栄養バランスの取れた新しい中華料理風日常食になろうとしている気がする。
その先に待っているのは、おそらく日本最大のReady to Eatな食品製造会社なのではないか。自社工場を持つ強みを最大限に活かし、大規模店舗網を構築しながらテイクアウトシフトを強める。高齢者社会、人手不足、時短、コスパ志向の消費者性向、そんなことを掛け合わせてくると見えてくる、新しい外食ビジネスモデル。そんな気がしますねえ。ちびちびサラダを食べながらの妄想でした。

こんなことを現役時代に考えついていればなあ、今頃は……………と思ってしまう日曜の午後でもありました。