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メリーメリークリスマス

たちのポン酢 酒が進む

クリスマスの夜、一人飯を食うことになった。今更、誰かと集まりクリスマスパーティーなどやる年でもないので、特別の感慨もない。ただ、自分の好きなものを食べようとあれこれ考えた末、どうも洋食とか居酒屋は避けた方が良さそうだと気がついた。世間ではクリスマスに集まることこそ意義があると考えるものも多い。そんな大騒ぎの中に紛れ込んで一人の時間を台無しにされては敵わない。ということで、鮨屋を選んだ。良いところを見出したと自分を褒めてやりたい。流石にチキンではなく鮨でパーティーを企むものはいないようだった。カウンターを中心にカップルが数組いるくらいだ。
ほっとしつつ、まずは季節のものを頼む。鱈の白子、北海道的に言えば「たちのポン酢」だ。濃厚な白子が実にうまい。この白子は足が早いので食べる時は、慎重に店を選ばなければならない。小さな居酒屋だとハズレを食わされることもあるが、この日は大正解だった。ただ、昔は実にお安い食べ物だったはずだが、今ではいくらに並ぶ高級品になっている。

北海道の鮨ネタといえば、かにだのえびだのサーモンだのがしゃしゃり出てくるが、やはり絶対的にうまいと思うのが鯖とマイカだ。鯖は福岡で食べるのが良いと思う。太平洋沿岸、つまり東北から四国、九州の南部にかけてあちこちに鯖の名所はあるけれど、やはり日本海側の鯖の方が旨いように思う(個人的な意見です)
北海道ではチェーン鮨屋でも鯖は時点で占めていることが多いので、外せない一品になる。イカはここ数年、不漁続きだったそうだが、今年は回復したらしい。イカ、うましだ。

そして、これもメニューにあったら外せないイカのゲソと鮑を頼んだ。実にうまい。北海道産の鮑は、小ぶりなのだが身が閉まっている。特に冬場の鮑はなかなかのものだと思うが、これを獲る漁師はこの寒さの中、海に潜るに大変だろうなあ。感謝だ。

ということで最後の鮨三昧はクリスマスの夜でありました。どうもこれは癖になりそうだ。

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くちとりでとしとり

北海道では新年を迎えるにあたり、大晦日の夜に盛大なご馳走大会を開く。いわく、年取り(としとり)という。おせち料理とは大晦日に食べるものだたずっと思っていたが、どうやらこれは北海道と一部の東北だけで行われる風習らしい。
その「年取り」でなぜかお菓子のセットが一人一人に下げ渡される。鮮やかな色使いの鯛や海老などの縁起担ぎの形状をしている。
中身は「餡」だ。これを年取りのご馳走として食べるのだが、おそらく甘いものが貴重だった時代の名残だろう?
味は単純に甘い。あんこをボリボリと食べるイメージだ。食感は餡なので柔らかい。甘いのですぐ食べ飽きる。子供の頃は、もっと洋風な甘さを求めていたので、大抵は食べきれずに食べ残していた。今ではすっかり小降りになっているが、当時は鯛や海老の起きさが、おおむね20cmもある巨大なものだった。

たまたま年末に札幌にいたので、昨今の口取りを見に行ったのだが、これは随分と小ぶりになっていて、おまけに色鮮やかな造形が溢れていた。定番の鯛と海老のほかに行く年の干支と来る歳の干支も入っているあたりが、現代的な芸の細かさだろう。

お土産に一つ買ってきたのだが、どうも観賞用であり食用ではないと思われたようだ。まあ、見た目からするとそうだよなあ。

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10年ぶりの渋谷で蕎麦

JR渋谷駅と京王井の頭線渋谷駅の中間あたりに、ごちゃごちゃとして飲食店が固まっている一角がある。ほとんどが居酒屋、焼き鳥屋、ラーメン屋などの軽便な飲食店であり、その中に数軒パチンコ屋も混じっている。
渋谷の駅がまが発展途上の田舎町だったころの残滓とてもいうべきか。。なかなか居心地の良い場所なのだ。その中に立ち食い蕎麦屋が一軒ある。渋谷で簡単に飯を食べたくなるとたまに立ち寄っていた。ただ、ここ10年ほどはご無沙汰していた。

ふと気になり久しぶりに店の中に入り、いつものかき揚げそばを注文した。そのかき揚げがやたら緑色で、どうやら春菊のかき揚げになっている。明らかに記憶の中にあるかき揚げとは違うのだが、10年ぶりに行ったので、その間にかき揚げがバーションアップしたのかもしれない。あるいは単純にそばを作るお兄ちゃんが、普通のかき揚げと春菊かき揚げをいれ間違った可能性もある。
そんなことで目くじら立てることもない。ちょっとびっくりしたが、そのまま食べ始めた。かき揚げは衣少なめなので、そばつゆの中に押し込むとハラハラと溶け出していく。この半分くらい溶けたかき揚げが好きなのだが、どうも溶け具合が速すぎて全部溶けてしまった。かき揚げそばではなくたぬきそばになってしまった。これはちょっと困る。


この店は立ち食い蕎麦屋では珍しく、蕎麦もつゆもうまい。だから、多少のことでは腹を立てることもない。旨いものはうまい。昔はちょっと高級な立ち食い蕎麦屋だったが(お値段が他店と比べて1割くらい上だった)、今では駅の立ち食い蕎麦よりも安い。コスパが良くなっている。
長く続く店というのは、やはりこのように、味と価格のバランスが良いのが絶対条件だろう。やはり、10年などという間を空けてはいけないのだ。せめて、月に一回は利用しなければなあ。次は海老天そばにしたいぞ。

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良い喫茶店の価値

新宿紀伊國屋本店の地下にある飲食街が耐震工事で休業したあと、新規テナントの入れ替えなどもあり新しくなった。その中に、新宿駅東口にあった古い喫茶店の支店ができていた。ただ、すでに開店一年だそうで、1年間全く気が付かないでいたのだ。どうしてだろう。

東口にあった本店も落ち着いた良い店だったが、場所柄か席の間隔が狭かったような記憶がある。ちょっと窮屈な感じだった。こちらの店はかなりスパースを贅沢に使った、落ち着いた店になっている。昔ながらの喫茶店という感じがしみじみとする。

一杯ごとにドリップするコーヒーが運ばれてきた。焙煎が強めで苦味が立っているコーヒーだった。これは実に好みだ。喫茶店の珈琲とはかくあれかしと願う、典型的な一杯だった。また来ようと思ったのだが、会計をしてちょっと驚いた。
おそらく帝国ホテル1階カフェで飲むコーヒーと同じくらいのお値段。ドトールのようなセルフ喫茶店であれば、おそらく6杯分くらいなのだ。場所も場所だし、雰囲気も良いのだが、この値段ではなかなか足繁く通うのは難しいなあと諦めるしかない。

たまに新宿でのんびりしたい気分の時に、また訪れることにしよう。カクテル一杯と同じだと思えば、飲みにいく前の戦闘準備(笑)に向いているとも言える。

良いものはお高いのだ、という世界の真実を突きつけられた。

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中華料理な日 part2

さて、忘年会パート2を少し時間を空けて、早めの夕方から開始した。特別に予約もせず行き当たりばったりの店で良いかなということで、新宿で待ち合わせをしたのだが、駅の周りの手近な店で良いではないかということになり、駅を出て徒歩1分の店を選んだ。
隣の店も安直なチェーン居酒屋で、そちらにするつもりだったが、喫煙推奨店?だったダメ断念した。今では数少なくなった「喫煙者の楽園」らしく、それなりに混み合っている。ということは店内がスモーキーハウスとなっているのは間違いない。同行者が嫌がり、隣の中華チェーン店に入ることになった。
昼にも中華だったので、少し軽め、サッパリ系のメニューにしようと選んだのが豆苗と干し海老の和物。これはほとんど味付けのないオイル・アンド・ビネガー的なお腹に優しい料理だった。

追加であれこれ注文したが、餃子などのサイドメニュー的なものに偏り、ちょっと炒め系の料理が食べたくなる。そこで選んだのが豆腐とエビの餡掛けだったが、何とこれは変形酢豚のようなもので、すっかり昼メニューとかぶってしまった。が、普通に美味しいので文句はない。どうやら豆腐は一度さっと油を潜らせたようで、表面の食感がかりふわ的になっているのがポイントだ。

そして、締めは現在では絶滅種になってしまったらしいキムチチャーハンにした。一時期は街中華のどこでも食べられたものだが、今ではすっかり存在が薄い。あの日高屋でさえ、限定店舗でしか食べることができないのが悲しい。ちなみに自宅近くの日高屋ではドロップされているのが、もっと悲しい。
さて実食してみれば、おやまあと軽くため息が出た。余りキムチの味がしない。ほんのりとしたキムチ味というべきか。もっとどかっとニンニクのパンチが効いた味を期待していたのだが、生存するためにマイルド化路線に転向してしまったのだなあ。いや、ちょっと残念だ。
ちなみにこの店ではアルコール類が激安でどんどんおかわりしても懐は傷まない。だが、何杯飲んでもなかなか酔いが回ってこない。不思議だな。薄いのかな。まあ、良いか。忘年会で酔っ払うほどの失態はない。

当たり前のように「良いお年を」などと言って別れたが、これもビジネスマン人生で身についた条件反射のような挨拶で、こういうことだけは意識せずにすんなりできる。後からそれに気づいて、我ながら呆れてしまった。新年会は全く予定もないので、こうしたサラリーマン気質の挨拶をすることもないとは思うのだけれどね。

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中華料理な日 Part 1

すっかり世間的な行事、忘年会などはご無沙汰していたが、今年は何と1日に昼夜二件という忙しいことになってしまった。テレビのニュースでは師走だ、年末だとかしましいのだが、自分としては全く実感がない。すっかり季節感がボケてしまったという自覚は……………ある。
さて、その忘年会昼の部では東京駅近くの中華料理屋で軽めのコースになった。
最近の高級チャイナレストランはすっかりビジュアル重視のオシャレなものになっていて、食器や什器を見ても、北米大陸西海岸で広がったヌーベルシノアの影響が強い。あるいは本家本元の香港系なのかもしれないが、やはり米国的な感じがする。

メインはいつもの好物「酢豚」で、これは旨い普通の酢豚だった。あえて普通のというのは、20世紀末に黒酢の酢豚などという新潮流が酢豚界に生まれていて、あれは余り好ましくないもからだ。酢豚の旨さとは甘酸っぱさのバランスと玉ねぎにかかっている。(独自の見解です)これはまた食べたい酢豚だった。ちなみにパイナップルもマンゴーも入っていない正統派だ。

そして締めには、これまたオーソドックスなココナツミルクのタピオカだった。量もちょうど良いコースだったので、久しぶりに正しくランチを堪能した。ここまでは忘年会として見事な設定だったと思うのだが……………続く

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あけおめ

Photo by katja on Pexels.com

また新しい年になり、またひとつ歳をとる、などと考えるのは高齢者特有のものらしい。元気な友人は、また今年も湘南の海まで日の出を見にいくはずだが、こちらはごくごく普通い寝て起きるだけの新年だ。

できれば、今年の冬は大雪が降らないでほしいなあなどと思っておりますが、お江戸のドカ雪サイクルでは今年が当たり年になりそうな気がする。お正月が終われば2ヶ月待てば桜の季節。春が来るのをじっと待つ。何だか冬眠中の動物のような気分で迎えた、新年でありますよ。

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新宿ナイト

元は果物やだった新宿東口ランドマークの一つ

日本一地面の値段が高い場所は銀座鳩居堂前ということでニュースになる。ただ、日本一家賃の高い居酒屋と言われたら、ほぼ間違いなくこの店ではないかなあと思うスーパーお高い立地がJR新宿駅東ぐり前にあるこの店だろう。ビール一杯2000円と言われてもふシゲはない場所だが。この店はは一体誰が飲んでいるのかといつも不思議になる。
一度も入ったことはないので、いつかは行ってみたいと思うが、店の中に踏み込む勇気がなかなか出てこない。

このアーチを見ると「龍」シリーズのゲームを思い出すのだよね

そして誰もが認める不夜城新宿の正門とでもいうべきアーチがある。生まれて初めて一人で新宿まで来て、このアーチをくぐるのが怖くて踵を返したことがある。あれから随分と時間が経ったが、今では何の感慨もな区歌舞伎町内の小道を歩けるようになった。
どこそこの店に行くにはこの中小路を通り抜けてみたいな脳内地図が出来上がっている。自分の人生の中で一番通った盛り場が新宿だと思うが、歌舞伎町の店を使うのは余り多くなかった。今や歩いているものの半数が外国人だと思えるくらいインターナショナルな街になったが、この独特なけばけばしさは昔と全然変わらない。変わったのは風俗店の看板が減ったことくらいだ。

まあ、新宿は夜歩くべき街なので、昼間に歩いているのは日本人観光客と歌舞伎町のホテルに泊まっている外国人だけだと思う。つまり昼飯を国は向かない街なのだが、夜になるとオーラを纏う怪しい街になる。

新宿ナイトウォークもたまには悪くないと思いますよ。

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トイレの眺望

おそらく男性トイレ専用の仕様だろうなあ 女性用がこの世にあるとは思えないが

所用があり東京駅に出かけた。そしてビジネスランチ(パワーランチというほどの力はなっくなってしまった)をすることになったのだが、その前にちょっとトイレに行ってみたら、何とあの「シースルートイレ」、つまり空に向かって用をたすというスタイルだった。
札幌駅ビルの展望階も同じように空に向かって立つというもので、あれには感動したが、こちらは東京駅を見下ろすのだ。すごいなあ。

東京駅には嫌になる程通っているが、大丸のレストランを使うのは稀で、おアケにこのトイレを使うのは生まれて初めてだった。何とも、まだまだ人生には未経験なことが多い。

デパートのトイレで感動することが多いのは(良くも悪くもだが)、良い意味では広々とした快適空間を作ろうという努力がわかること。悪い意味では、例えば個室の便器が座るとグラグラしたりするほど老朽化していて、それを修理もせずに放置していることなどだ。
百貨店業態が衰退業の一つであるのは間違いないが、それに甘んじてトイレの維持もできない会社がある一方で、集客力抜群、売り上げ好調な百貨店ほど改装した「良いトイレ」を設置していることだ。この辺りがひょっとすると商売の良し悪しを分つ境目なのかもしれない。顧客のプライベート空間をしっかり整備できるか、そこまで配慮できるか、ということがサービス業の原点であり基本なのだろう。

あえていうが、トイレのダメな店に客は来ない。というのは外食業にも共通する鉄則なのだよね。せめてJRの駅のトイレ(最近急速に改装が進んでいる)くらいのレベルは見習ってほしいものだ。

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焼津の名物……………

新宿紀伊國屋本店地下の飲食街がリニューアルされて随分経った。空き家だったところもほぼ全部埋まり、昔と比べると随分と印象が変わった。昔の場末感のある飲食街は好きだったのだが、今ではすっかりおしゃれ感のある店になってしまった。おまけにどの店おも大変お高くなった。お江戸でも随分と高い設定ん店が多い。
その一角に全国から選んだ名産品をテーマにしたレストランがある。なかなか面白い企画だなあと思っていたが、その店頭でこれまたなかなか意味深なポスターを見つけて、しばらくじっくりと眺めてしまった。
そもそもネギトロなどという加工品は産地を選ばないだろう、というのが第一感だった、生のマグロであれば、産地指定なりありそうだが、冷凍マグロは世界中の海で獲られている。マグロの産地表紙を魚屋でよく見ると太平洋とかインド洋とか地中海とか、まあまあ大雑把な括りでしかない。それでも問題表記にはならないのだから、水産業界はおおらかなのだ

おまけに焼津のネギトロだけ何か特殊な製法や機械を使用しているのか、それならもっとそっちを説明してほしいものだというのが第二感だった。

何だか冷凍マグロの水揚げが多い漁港で喧嘩がお競おうなフレーズだなあ、とも思うのだ。「うまいネギトロなら塩」とか、「本物ネギトロは博多ばい」とか、「銚子のネギトロは宇宙一」とか言い出しそうだ。

ポスター制作者の気持ちはわかるが、これ言って大丈夫と言いたくなる。確かにネギトロ丼好きな人には圧倒的にグイグイ迫るビジュアルではあるけど。でも、ネギトロは加工品だしなあ……………という非常に消化不良な思いを抱かせてくれた迷作ポスターでありました。

個人的には一度食べてみたいとは思いますけど。