食べ物レポート

秩父のパン屋でお気に入り発見

前回の秩父鉄旅で発見した、懐かしさを感じるパン屋さんに着いたのは午前中だった。当然、まだ商品は売り切れていない状態なので、あれこれと選び放題だった。店主自らの接客で、これもあるよとだしてくれたのが大量の調理パンだった。どれもこれも美味そうなのだが、今回は甘いパンを買うつもりなので断念した。調理パンは次回だ。しかし、焼きそばパンを含めどれもこれも美味そうだったなあ。

前回に引き続き調達したのが、売れ筋第一位のくるみデニッシュだ。これはボリュームもすごい。朝食に食べると、一人分としてはちょっと量が多すぎる感もする。とりあえず一つゲットした。

その隣にある激うまニャンなチョコチップは前回売り切れていて買えなかったものだ。これも今回は無事にゲットできた。しかし、「ニャン」とはなんだろう。この店にはネコの店員がいるのだろうか。店主が猫好きというだけのことか。それとも……………と妄想は膨らむ。不思議なPOPだが、秩父のキャラはくまだったはずだし、なぜチョコチップが猫推しにゃんだ??

そして、今回の目玉商品ともいうべき「ざらめ」ペストリーで、これも一つ手に入れた。このパンはメロンパンの原型ではないかと思うのだが、パンの上にざらっとかけられた硬いざらめの食感がすごい。カリカリのザラメは甘さも強烈なのだが、パンと合わせて食べると甘さはあまり気にならない。というか、気にしてはダメだ。このパンを食べている時には、「ああ、今自分は砂糖を直接食べている」という、なんともいえない罪悪感がある。こういう食べものは、10代限定ではないか、歳をとった代謝の落ちたオヤジには向いていない。食べた後には、どこかで贖罪しなければいけないギルティーな食べ物だという認識はある。しかし、背徳感があるほど食べ物はうまいのだ。
あんぱんやクリームパンは、中身の甘さが背徳感を呼ぶ。それでも饅頭の大型変形と思えば多少は和らぐ?背徳感だ。しかし、メロンパンはパンの上に甘い皮が乗っているだけなので、直接的に砂糖成分を食べてる感が強まる。その上をいくストレートな背徳感と罪悪感をもたらす存在が、このざらめペストリーだ。全く言い訳が効かない。
「砂糖力が暴力的に発揮される、砂糖を振りかけただけですが、それがなにか?」という究極の力強さがある。カリカリとしたザラメがそれを増幅する。
これは自分に弁解をせずに、むしゃむしゃ食うしかない。うまいものはうまい。味覚中枢のどこかで悲鳴が上がっているが、そんなものは無視するべき食べ物だ。やはり、砂糖は麻薬の一種なのではないかという疑いが消えない……………
店主にこの商品の開発経緯を尋ねて見たい。ざらめがかかったせんべいを食べて思いついた、という答えが返ってきそうだが。

くるみとチョコチップデニッシュを並べてみた。これはほとんどミラーツインというやつだ。個人的には胡桃が好みだが、半分に切ったものを一つずつ食べると味の比較がしやすい。ハーフ&ハーフで食べるのが望ましい。
どちらもうまいので、できればハーフサイズにして、それを合わせて2個入りにしたものを販売してくれないかなと思う。パン好きには若くて食欲旺盛な人ばかりがいるわけではないので、オヤジ向けに小さいサイズをぜひ検討してほしいものです。ざらめパンのハーフサイズは……………無理だろうなあ。
次回は調理パンにチャレンジだ。

街を歩く

ポテくまくんに会いたい??

秩父神社参道、その一番神社寄りにあるお菓子屋がずっと気になっていた。ただ、オヤジが一人で菓子屋に入るのになんとなく照れがあり、いつも店の前を通り過ぎていたのだが、今回は意を決して入ってみることにした。クルミのお菓子が売っていないかなと思ったのだ。秩父はクルミが名産品らしい。そばを食べる時にもクルミのつけだれが使われる。
店頭にはテレビ番組で放映されたという張り紙がたくさんあった。確かにコロナの時期は、屋外ロケが主体の番組作りが増え、特にローカル私鉄、つまりあまり混雑していない路線を使った番組が多かった。秩父鉄道は関東近郊で一番お手軽に使えるローカル線だったから取材も増えたのだろう。
鉄道番組、旅番組で秩父鉄道と同じくらい目にしたのが大井鉄道、東武鉄道の北部方面路線、北陸の旧JR系路線、そして伊豆鉄道だった。この路線は四季を通うじての景色が流れていたから、ずいぶん慣れ親しんだ気がする。

さて、くるみ菓子を探しに入ってきたが、店内で気が変わった。このお店のスターであるらしいポテくまくんのお菓子を調達することにした。最近のローカルキャラ、ご当地キャラではアニマル系が人気者のようだが、大先輩である熊本県のクマキャラが知名度では群を抜いている。非公式で私設キャラでありながらほぼ千葉県船橋市公式っぽい不思議キャラは、最近露出が減っているようだが、ネット記事で読むと業務多忙で体調が思わしくなく業務量を調整しているとのこと。人気がありすぎるのも大変で、何事もほどほどが良いということか。
熊本県くまキャラは、確か影武者もいて何人(何頭?)かの複数ローテーションだったはずだ。人気者はそれなりに体調管理が必要だろう。
このポテくまくんの実在モデル(きぐるみ?)はお目にかかったことがない。自宅のある埼玉県郊外都市のキャラは、駅前で何度か手を振っているのを見た記憶があるが、それ以外の埼玉県ご当地キャラは存在感が希薄だし見た記憶がない。コロナのせいでイベントも減り出動を控えていたのか。
春になれば秩父市のイベントに出動していそうな気がする。武甲山近くの公園では芝桜が有名だが、今年は芝桜ではなくポテくまくんを見にいってみようか。ただ、その時期は花粉がひどい頃なので屋外イベントは避けてきたのだが、意を決してポテくまくんに会いに行くとするか……………
しかし、このお菓子、ポテくまくんではなく、その「おなか」なのだね。美味しくいただこうとは思うが、なんだか食べることに罪悪感も感じるネーミングだなあ。

食べ物レポート

駅前にある「駅前」

秩父プチ旅の第二の目的地はこの店だった。前回、カツカレーを食べに行った食堂の営業時間を確かめるためネットで検索した。その時に、画面横に出てきた「近くの店ランキング」で、この店が出ていた。店名に面白さを感じて、ついサイトの案内ページを覗いて見たら。実に良さそうな感じがした。グルメサイトもたまには役に立つのだ。これはぜひ一度行って見なければと思ったので、のこのこと出かけた次第だ。
店名は「駅前」で、場所も駅前に間違いはない。西武秩父駅前広場に面している。昼から営業しているが、居酒屋風でもあり食堂のようでもあり、やはりこれは実食してみるしかない。

左上から、椎茸、大根の甘酢漬け、こんにゃく、左下は芹のおひたし、きんぴらごぼう、枝豆

店内に入ると亭主が一人で切り盛りしていた。注文を聞かれて、店内のメニューを見渡すと、どうも食堂らしくはない。ラーメンとかカツ丼とか、その手のものは見当たらない。やはり居酒屋なのかと思っていたら、有名な居酒屋探訪番組の取材写真が貼ってあった。それを見て、この店は間違いなく居酒屋だと認定した。
では、酒を注文しようと、とりあえず日本酒をお燗でと頼んだら、いきなり2合で良いかと聞かれた。2合はちょっと多いかと思ったが亭主の勢いに負けて、「じゃあ、それで」などと答えてしまった。続けて聞かれたのが肴の注文だった。
お通しが一皿100円で6種類あるそうだ。それはどうだと聞かれて、これまたつい答えてしまう。「では、6種類全部お願いします。」
職業柄、昔からお店の推しには弱い。ハンバーガー店でご一緒にポテトはいかがですかと聞かれる(強制される)?と、10回に9回は断れない。たった1回断る時も、ポテトの代わりにナゲットくださいと、自分からアップグレード注文してしまうほどだ。
6種類のお通しについても、一体どんなものがあるかとか、おすすめはどれかなどと聞く勇気はかけらも湧いてこない。そんなことをするくらいなら全部頼んでしまうのがよほどお気楽だ。そして6種類全部頼んで正解だった。

お通しを片付けたら、また亭主からおすすめがあった。きのこ汁がうまい。軽い飯がわりにもなるしあったまる。というので、ノータイムで「それください」となった。
何種類ものキノコが入ったキノコ汁は確かに酒に合うと思う。つゆの味はあっさり目だが、キノコの出汁がたっぷり出ている。キノコをつまみ、酒をひと口のみ、汁を啜る。その繰り返しが無限に続きそうだ。無限ピーマンではなく、無限キノコだなと、口には出さず心の中で一人ツッコミしていた。
今回は、精進料理というか野菜のみで終わってしまった。次回はイワナの刺身とか猪鍋とか動物系タンパク質にも挑戦したい。駅前にある便利な「駅前」は、とても良い店だった。

街を歩く, 旅をする

路地を歩いて店探し

街歩きが楽しいところは、特徴あるお店が多い。思わず中を覗いて見たくなる雑貨店や、今日の昼ごはんはここにしたいなと思う食堂などが、街の中に適度にばら撒かれている。そんな感じのする街が、散歩というか、ぶらぶら歩き回るのに向いている。
秩父の街中には古い住宅や商店を改造したようなお店があちこちにある。一軒だけポツンとあるのは店主のセンスの良さということになる。ただ、街中のあちこちに洒落た店が見つかるのであれば、それは街の感性が高いということだろう。
人気の観光地は、もともとセンスの良い街並みがあったわけではない。大多数の場所では、昭和中期に個々の店がバラバラと立て直しをしたり、昔の店を潰してビルに変えたりしたので、街並み景観が不揃いになってしまった。その後、店主たちの高齢化などで閉店する店が増えてシャッター街に成り果てる。昼でも暗いゴーストタウンへ一直線だ。
それとは逆に成功した商店街や町は、まず最初に景観、街並みの整備に手をつけている。そこに小江戸とか小京都という形容詞をつけるのは常道手段だが、〇〇の街というキャッチフレーズで新味を出そうというのもよくある。
ただ残念なことに、愛とメルヘンの町だの、綺麗な環境と夢の町だの、やたら抽象的な意味なしフレーズを使うことも多く、それは逆効果でしかないとも思うのだが。
秩父は昔からの観光地なので、下手なキャッチフレーズはいらない。不揃いな街並みを仕立て直していくことは大切だが、一つ一つ光るお店があるのだから、それが増えていくだけで良い。そんな魅力的な店を探して歩くのが楽しい街だ。

いつも日帰り旅なので、秩父の街に泊まることはないのだが、それでも夜の居酒屋、小料理屋などには行ってみたい。このお店、昔の商店を改造したように見える。ここには夕暮れ時に入って見たい。「秩父めし」というだけであれこれ想像してしまう。地酒は秩父錦か武甲正宗か、あるいは秩父のワインや地ウイスキーということもあるだろう。適度に退色した店名垂れ幕が良い味を出している。

わらじかつを酒の肴にするのはボリュームがありすぎてちょっとしんどいが、枚数少なめにしてもらって、カツをちびちび食べるのはアリかもしれない。秩父名物のくるみだれで、太めゴワゴワの田舎そばをつまむ(決して手繰るのではない)のも捨てがたい魅力だ。
できれば季節の山菜天ぷらなどを注文したい。最初は塩で、少し時間が経って衣がシナっとなった後はくるみだれで食べるとうまそうだ。

ぶらぶら街歩きを続けていると、これまたおしゃれなファサードの店を見つけた。ぱっと見では飲食店に見えない。表に提灯がかかっているから食堂なのだろうとあたりをつけて、店の前から覗いて見た。ガラス窓に貼っている写真から、どうやらピザ屋らしい。ただ、おしゃれな外観なのだからガラス窓にはあれこれ貼らない方が、すっきり見えてアッパー感が出ると思うのだが。その代わりに店頭にブラックボードを置いたりして、おしゃれ感増幅すると良いのになというのが勝手な感想だ。
ただし、白い提灯は街のイベントものらしいので、イベントが終わればファサードも変わるのかもしれない。やはりここも、夕暮れ時に再訪すべきだなあ。

入り口脇に掲げられた小さな店名がすごく素敵だ。Wood Fire Pizza は、日本語にすると石窯焼きのピザということだ。石窯は火力安定のためガスにすることが多い。ただ、本物の薪を使うと(つまりWood Fireになる)木の焼ける匂いが生地に移り実にうまい食べ物になる。石窯ピザのうまさは、実は薪の香りが移ることにある。熱効率がとか、遠赤外線がとかいう前に、薪の燃える匂いが移った食べ物が、人類のDNAに刻まれた原始の記憶を呼び戻すのだと思っている。
この店のピザが食べて見たいな、と素直に感じたのだが、あいにくと営業してはいなかった。それは実に残念。

秩父神社の参道に並ぶ商店街も、平日の人影はまばらだと思っていたが、この2月の寒い時期にも関わらず結構な観光客が歩いていた。おまけにジジババの神社参詣ではなく、若いカップルが多い。パワスポブームということだろうか。それとも古い街並みが若者を惹きつけるのか。
秩父のパワースポットといえば、三峯神社と秩父神社のTwo Topは見逃せない。鎌倉時代から続く秩父札所巡りも、一大パワスポイベントだ。
頭の悪い高齢者が騒いでいる「日本の伝統を守れ」云々でいう伝統とは、大体が明治以降の100年程度しかない古来の伝統とは言いがたい軽い伝承や行為が大半だ。500年続く伝統行事なの数えるほどしかない。ましてや家庭内の序列など、江戸後期に出来上がったものでしかない。
おまけに明治の権力者は貧困武士の成り上がり者が多いので、幼少期には伝承行事に参加していないため(参加させてもらえなかったため)、上流階級が行なっていたあれこれに過大な憧れがある。その系譜を継ぐ、戦後生まれの(これまた)成り上がり者の騒音にはうんざりする。頭悪い奴の戯言としか思えない。
お前たちがピーピー騒がなくても、今の若い世代は自分たちの感性で古くからある日本のものを楽しんでいるだろう、とダメ出ししてやりたくなる。愛国だの道徳だのいう連中が、一番不道徳で自己愛が強く、おまけに自己陶酔しているナルちゃんなだけだと思うのだが。
閑話休題。その秩父神社参道の脇道に、これまたうまそうな蕎麦屋があった。路地に入ったところにある店は、それだけで「うまそうな店」「秘密の一軒」的な期待が高まる。この参道は何軒もの蕎麦屋がある蕎麦屋ストリートだが、この店が一番魅力的に見えるのは、やはり路地のマジックなのかもしれない。
民家改造の旅館も新しくできていた。コロナで苦しんだ観光地も、新しい動きが始まっているのだな。

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駅そばはこちらだった?

秩父鉄道御花畑駅構内?にある観光案内看板は、駅周辺・沿線の名所などを上手に説明してくれる。パレオパラドキシアは化石の名前だが、それが秩父鉄道名物観光SLに使われている。

週末に走る観光SL「パレオエクスプレス」の撮影ボードも駅の中にあった。その駅の真下というか、一段下というかに、とても狭い道がある。その道?(ほぼ獣道級)沿いに何軒か飲食店があるのだが、駅近というよりほぼ駅というべき好立地だ。ずいぶん人気があるのだなとは思うのだが、窓に貼られた店名が凄すぎた。
朝早くだったのでまだ営業はしていないのだが、喫茶店とは朝早くから営業している業態ではないかとちょっと不思議になる。昭和レトロ喫茶と言われなくても、外見を見ただけでレトロ度合いは100%だ。帰りにちょっと寄ってコーヒーでも飲んでみようかという気にはなった。

しかし、問題はそこではない。思わず目を背けて現実から逃げ出しただけだ。目の前にあるものを直視したら、こうなってしまった。どうやら目的にしていた駅そばは、ここにあった。店名もしっかりと書いてある、秩父そばだ。
この直前に食べた立ち食いそば店は、「駅そば(蕎麦)」ではなく「駅のそば(近く)にある立ち食いそば(蕎麦)」だった。今回の旅の目的である「駅そば100名店」で蕎麦を食べるは、まだ完了していない。ミッションコンプリートしていないことになる。おやまあというか、あれまあというか、とにかく蕎麦は食べたが見当違いの「そば」だったわけだ。
秩父そばは次回に挑戦するしかない。ちなみに、駅そば100名店おすすめのそばは、秩父そばの「きのこそば」だ。次回の挑戦は、この本に書いてあるおすすめの蕎麦を忠実に体験することにしよう。

2月のうちに再アタックすることにして、駅からよろよろと歩き出した。今回の目的地は、まだ他にもあるのだ。

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駅そばを食べに行った

今回の秩父プチ旅の引き金は、本棚の隅にあった一冊の文庫本だった。「全国駅そば名店100選」という題名で、日本全国の駅そばをまとめた本だ。発行は2015年なので情報としては古いし、すでに閉店しているところもある。ガイドブックとしては、鮮度が落ちているのだが、それをっ読み返すのはちょっとした楽しみだった。
その本の中に秩父では二ヶ所の蕎麦屋が乗っていた。西武秩父駅と御花畑駅だ。西武秩父駅はすでに全面改装されているので、駅そばは消えてしまっている。改装前の怪しい雰囲気だった屋台街には蕎麦屋があったような記憶もあるが、今ではフードコートになっている。そこで、御花畑駅の蕎麦屋に行ってみようと思った。
秩父鉄道の御花畑駅はいつも脇を通り過ぎるだけだったので、中に入ったことはない。今回は蕎麦を食べるために駅の中に入っていくことにしたのだが。

西武秩父駅から秩父市役所の脇を抜けて御花畑駅すぐ隣の踏切を超えると、そこには狭い小路がある。そこを抜けていくと、どうやら駅に通じるらしい。駅の構内のような駅の外の道のような微妙な感じだ。そこを歩いていくとすぐ左手に不思議な外見の店があり、中を覗くと蕎麦屋だった。おお、これが駅そばなのかと思い、さっそく入ることにしたのだが、普通は入り口付近に暖簾がかけられていたり、大きな店名看板があるはずなのだが見当たらない。
上下左右見渡しても看板は見つからない。一番目立っているのはポテくまくんなので、蕎麦屋とは思えない。ただ、その横にトビ魚のダシとあることからどうにか蕎麦屋ではないかと推理できる。

中に入るととても小さな店名看板があった。なるほど、ずいぶんおしゃれな見せ方だ。だが、駅そばらしくないな。

店頭の看板を見ると、どう考えても蕎麦屋とは思えない。観光地によくあるスナック屋というか、みそポテト専門店のような気がする。

ただ。店内に入れば普通の立ち喰い蕎麦屋だった。天ぷらそばに心惹かれながら、山菜そばにした。カウンターで立ながら食べようと思ったら、反対側に5席ほど椅子が置いてあるので、遠慮なく座って食べることにした。
蕎麦はごくごく普通の茹で置きそばで、立ち食い蕎麦屋の王道スタイルだろう。麺は少し太めかもしれない。だしはトビウオ出汁と言っているだけあり優しい。鰹節、サバ節などを合わせてガツンとくる「お江戸の立ち食い蕎麦」とは違っている。つゆも全部飲み干せそうな感じがする。

蕎麦を食べ終わりふと見上げたら、目の前に(壁に)掲載された記事のコピーが貼ってあった。おお、まさにこの店が、100名店なのだなと確信した。あごだしがポイントなのねとわかる。記事を読んでみると、なんだかテンプラ蕎麦の方が良かったみたいだが、ここで怯んではいけない。美味い山菜蕎麦を食ったから満足だ。
今回のプチ旅の目的その1は無事達成だ。と思ったのだが……………
この記事の題名は「立ち食いそば」で、自分の持っている本は「駅そば」、なんだかちょっと違う。

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秩父に行ってきた 鉄旅・プチ

ここしばらく寒いが天気の良い日が続いているので、ちょいと足を伸ばして散歩に行くことにした。例のお得な秩父旅切符ももうすぐ終わってしまうので、それまでに何度か秩父へ鉄旅に行ってみよう、というお手軽プチ旅企画だ。この切符を使えば実質的には500円程度で秩父旅行?できるのだから、新宿や池袋に行くよりお安い。おまけに秩父の街にはあれこれ楽しみもある。たっぷり歩くので健康にも良い。寒さ対策に手袋と帽子は必需品だが、夏のように汗だくになることもない。実に快適な徒歩旅だ。

駅の改札口脇に、新しいキャラボードを発見したと思ったが、どうやらこれは去年の秋に公開されていたアニメ・コラボらしい。ネットで調べてようやくわかった。いわゆるアニメ聖地は長瀞だったようだ。今や聖地巡礼者は重要な観光客だし、アニメの舞台になると動員客数は桁違いのようだから、そのうち製作委員会に地方の観光協会が出資するとか、誘致合戦をするとか激しい競争が起きそうだな。ドラマのロケ地よりも、アニメの聖地の方が集客力はありそうだ。
しかし、このお話は全く知らなかった。BL /百合という用語もあたらめて勉強し直した。マニアの世界は深すぎる。

秩父は荒川の河岸段丘にあたる場所で、川を底にした段状の地形に広がっている。だから、あちこちにやたらと坂道があり、街歩きをする時にも高低差がありすぎと文句を言いたいくらい、上ったり降りたりする羽目になる。この観光案内地図では、その点が全くわからない。できればデフォルメした高低図にして欲しいものだ(観光地としてぜひ改良をお願いしたい)
ちなみに、この地図の上下、つまり南北方向に伸びる道路はだいたい平坦か緩い傾斜なのだが、左右に歩くとため息が出るほどの坂にぶち当たることもある。当然ながら、真夏の秩父は徒歩観光には向かない。駅前にレンタサイクルもあるらしいので、そこは事前調査が必要だ。電動自転車であれば坂道を気にすることもないし快適だ。

秩父といえば、アニメキャラが街中に溢れていたが、さすがに公開後10年が経ち、店頭のアニメポスターはすっかり少なくなった。その代わりに露出が増えてきているようなのが、この「ぽてくまくん」で、手に持っているのが秩父名物「みそポテト」だ。
甘い味噌がかかったポテトは、実にうまい。いわゆる観光スポットでの食べ歩きできる手持ちの商品として完成度は高い。個人的には全国あちこちにある「ご当地ソフトクリーム」より、はるかに優秀な商品だと思っている。ただ、なぜ秩父でポテチなのだとか、なぜ味噌なのかだとか、ツッコミどころはあるにはあるのだが、そこをあっさりスルーしてしまおう。良いものは良い。
街のあちこちで売っているようなので、はしご酒ならぬハシゴ・ポテトを楽しむというのもありか。ただ、お腹は膨れるなあ。

街を歩く

つくねと老舗と

単純だけに店の技術でうまさが際立つ 「つくね」

鳥のつくねは団子か、棒状なのか、正解はあるのだろうか。よく行く新宿の高級焼き鳥屋では棒状のつくねが出てくる。卵の黄身をつけて食べる、いわゆる焼き鳥というよりも鳥料理だ。ところが、これまたよく行く高田馬場のリーズナブル焼き鳥屋でも同じスタイル、棒状のつくねに卵の黄身で提供される。どうも、値段の高い安いで変わる訳ではないようだ。
新宿三丁目の焼き鳥屋では、この店と同じだんご三兄弟的な丸々とした鶏団子が登場する。まったく謎だ。大阪の梅田で有名焼き鳥屋に行った時に食べたつくねは、棒状黄身付きだったから東西食文化の違いでもなさそうだ。
鳥つくねの元祖という店がどこかにあるのかは知らないが、屋台の焼き鳥が進化して焼き鳥屋として店を構えるようになった過程で、アップグレードしたものなのかなと推測している。原型つくねは団子で、進化高級化したものが棒状つくねと想像している。そういえば、秋田の名焼き鳥屋でも棒状だったなあ。
まあ、どちらのスタイルも好物ではあるから、焼き鳥屋に入ると絶対注文する二品は、砂肝とつくねのペアになる。鳥に限らない焼き鳥屋(串焼き屋)で、もつ焼きなども出してくれる店だと、これにカシラやタンを追加する。ささみ焼きに梅やわさびを乗せたものも好みだが、こうなると焼き鳥というより鳥の創作料理に近くなるのだが、それはそれで楽しい。
つくねは単純に塩で食べるほうがうまいような気がする。そういえば最近は焼き鳥屋でタレを頼んだ記憶がない。どうしてだろう。

西新宿というか新宿駅西口を出て右側の一角、小田急ハルク北側にある飲み屋街は、この3年間で随分と代替わりをした。見慣れない店が増えた。その中で、古色蒼然というか泰然自若というか、名門の風格を感じさせる老舗焼き鳥屋は、昔の通りしっかり営業していた。それどころか夜の9時過ぎても、入店客がひっきりなしに訪れ、満席のため入店を断られていた。ちょっと前までは考えられないことだ。
老舗の力とはこういうところで発揮されるのだなとは思ったのだが、東京都の飲食業向け暴政に耐えこの3年間を生き延びてくれたことに感謝するしかない。

街を歩く

雪が降った次の日の散歩

翌日の早朝の光景 昼過ぎには雪なしだった

先週末は、大雪が降るとテレビのニュース番組で散々騒いでいた。とりあえず用心してあれこれ対策をしてみたが、結果的には翌日の朝には雪が溶け始め昼にはすっかり消えていた。自宅の猫の額ほどの庭でも午前11時にはほぼ雪が溶けていた。
雪道用に長靴も用意していたが、使うことはないままに雪騒動は終わった。昼過ぎにまだ濡れてはいるが雪のない路面を確かめて散歩に出かけた。大雪が降るぞとメディアは騒いだが、いつもの狼少年情報だった。が、こういう予想は外れた方が良いので、腹を立てることもない。ただただ、テレビの発信する情報はやはり信用が置けないと思うだけだ。

その散歩の帰り道に近場の電気屋に寄ったら、なんと年末まで品切れ状態だったゲーム機がなんの制約もなく買えるようになっていた。月末にはアマゾンの購入権付きメールが送られてきていたし、人気ゲーム機の在庫は積み上がっているらしい。
ネットでちょっと確かめてみたが、転売屋の設定価格が定価に近くなっているようだ。一時期は定価の3倍近い値付けをしていた悪徳業者が、在庫を抱えて売り逃げに大騒ぎということか。フリマサイトでも3ヶ月もすると定価割れでの販売になるだろうから、安物買いを狙うのであれば転売ヤーをぶっ叩くチャンス到来という感じだ。
ただ、今まで買えずに我慢していた人も、この機会を逃さずにゲットした方が良さそうだ。6月には絶対定番の人気大作ゲームが発売されるから、また瞬間的にゲーム機本体が品切れになるかもしれない。その前に普通の電気屋で普通に定価で買っておいた方が良さそうだ。
個人的には、この現象を見てコロナが終わったんだなという実感がする。ステイホームでのゲーム機需要急拡大と、ステイホームで生産工場、部品工場が稼働せずに、生産数が低減したことが原因の品切れだった。
おまけに、ソニーが貧乏国日本への供給数を絞り込んだため、日本市場で転売屋が暗躍する象徴的な商品だった。任天堂のゲーム機が一年以上前に販売正常化したのに、ソニー製品は遅れたままだった。この辺りも(個人的には)両ゲーム機メーカーにおける世界戦略みたいなことが影響しているはずだが、日本発企業が日本市場を見限るつもりだとすれば、その報いは必ず形を変えて直接的に襲いかかるぞと言いたい。歴史に学ばない経営者が率いる会社は本当に大丈だろうか。PS6はきっとゲーマーに見放されてしまうと思うが。

食べ物レポート

日本酒居酒屋 アゲイン

日本酒好きの友人が久しぶりに東京に来た。一杯やろうということで、最近知った西新宿の日本酒専門?居酒屋に行くことにした。前回行った時は酒の種類の多さに喜んでいたが、料理も気に入ったので、今回は料理をあれこれ頼んでみようと考えていた。
前回は居酒屋定番の刺身盛り合わせが見当たらないなと思っていたのだが、メニューの裏側に載っていた。なぜ裏なんだろう、刺身が売り物ではないということか?などと疑問を感じつつ、注文してみたのは三人前の盛り合わせだった。無理を言って、その一つを好物のしめ鯖にしてもらった。自家製とのことだが、程よい酸味で身も柔らかい。どこかの工場で作った酢のきついものとは違うな、とありがたく頂戴した。うましだ。

鶏肉を塩麹に漬けたものは、やはり絶品だと思う。シンプルな焼き鳥が、一段グレードアップした感じになる。これは真似をして自分でも作れそうだなと思い模したが、やってみると大抵は失敗する。塩味のバランスが難しいことは予測できる。漬け込み時間で味が激変しそうだし………
プロの料理というのはそういうものだろう。自分で作ると、味の評価がプラスにバイアスがかかるので(つまり自作品には甘い評価をしてしまう)、ついついうまいと感じてしまうが、実際には大したことない平凡な料理にしか仕上がらないものだ。料理の評価は、自分以外の誰かに味を確かめて貰うべきだ。料理の世界で自己満足は自己中でしかない。
それでも、これはやはり挑戦してみたいぞ、と思ってしまった。キモになるのは塩味の染み込み具合だろうとはわかるのだが。その加減が難しいと思う。何度か試行錯誤する必要はある。
あとは、この絶妙な焼き加減が実現できるかだ。自分で焼けば、きっと黒焦げにしてしまう気がする。火加減は難しいのだ

塩でいただくあさりのかき揚げが絶品だった。これは、うまい。熱々もうまいが冷めてもうまい。なんというか、酒飲みの気持ちをよくわかった料理だなと思う。量と味付けの計算がすごい。かき揚げだから、味を濃くしないと衣が抱き込んだ油に負ける。ただ味が濃すぎると、やたら喉が渇く、油っぽく感じるなどあれやこれやの問題点が出る。その辺りを計算した一人前の量だろう。ただ、一人でこれを食べ切ると、かなり腹に応える。甘口の日本酒とは相性が良いと思った。

最後に注文したのは、特別の期待もなくなんとなく惰性で頼んだピザだ。締めにするのであれば蕎麦も注文できるのだが、なんとなくピザを頼んだ。味噌と山菜のピザという、ちょっと変わったものだったから、興味本位で注文したのだが。
実は、これが「今日一番なお料理」だった。味噌味がチーズによく合う、というかチーズと味噌が混じりあって何か別のものに感じてしまう。その味噌チーズと具材とのバランスが絶妙に良い。
冷めたピザはまずいというのは、チーズが溶けて固まると味が一気に落ちてしまうためだが、この味噌とチーズ混合体は冷めてもうまい。チーズの油が味噌に溶け込むせいだろうか。これを計算して作ったものだとすれば、全国のピザ屋はもう少しお勉強しなければいけない。
たまたま出来上がったのだとしたら、料理の達人の技というしかない。最後の一切れを食べながら、10年前にこの味を(味の方程式を)気がついていればなあ、と泣きたくなった。なぜか居酒屋で、人生は後悔の連続なのだという悲しい真実を思い知らされた。Good Jobな居酒屋の夜でありました。まだ試していない名作品を食べに、また行かねば。