断捨離進行中で、梅谷翔太主演の作品を二つまとめて見た。その一つが「ウッドジョブ」だ。矢口史靖監督作品はちょっと元気になりたい時に見ると良い。ハイティーンを主人公にした「スウィングガールズ」「ウォターボーイズ」は青春映画としてリアルな高校生を描いているナイスなコメディーだし、「ウッドジョブ」は大学生になり損ねたドロップアウト青年の精神的再生の物語だった。
人生は色々と面倒なことはあるけど、基本的には明るいよというエールでもある。
矢口作品は日常の暮らしにちょっと疲れた時、元気をもらえる映画と言って良い。三谷幸喜のコメディーは計算されつくした精度の高さが魅力だが、彼の映画は疲れた時に見るのはちょと辛い。姿勢を正してとまでは言わないが、画面を注視していないとさりげなく貼られた伏線を見逃してしまう。矢口作品にはその緊張感はいらない。
ウッドジョブ主演の梅谷翔太は、よい演技をしているが、作品中で1年間を経過して、歩き方まで変わっているという、若者の成長をよく描いているし、よく演じている。
彼の演技は携帯電話会社のCMで三太郎トリオを演じているのが一番うまいと思っている。そろそろ青年から中年大人の役に移る時期だろうが、童顔なのでもう少し若者役を続けるのだろうか。
さて、ウッドジョブの舞台となる三重県の山奥には一度行ったことがある。車を運転していてあれほど怖い思いをした道はない。ガードレールのない一車線だけの道が延々と続くのだ。松坂市から30Kmほど山奥にある城跡を見に行って(ここまでは二級国道で問題なし)、そこからナビの言う通りに山越えをして伊賀に抜ける道だった。
3桁国道なので狭いことは覚悟していたが、山間のくねくね道が1時間続く。おまけに地元民には抜け道になっているらしく、後ろから大型トラックがピッタリとくっついて追走してくる始末。今であれば煽り運転で捕まる程度の車間距離で執拗に迫ってくる。あれほど怖い思いをしたことはない。
以来、カーナビで山越え道が出てきたら、道幅優先で再検索することにしている。
ウッドジョブの舞台は、まさにそんな山間にある林業地帯だったのだと、自分の経験に照らし合わせて、妙な感銘を受けた。山奥へトラックの荷台に乗って作業員がいとすシーンはまさにあの恐怖な道と同じだった。
高知県の山奥にも似たような道があったが、ガードレールだけはあった。長野県と新潟県が繋がる峠越え道では新潟県側が道幅も広くてよく整備されている道なのだが、県境を越え長野県側に入るといきなりで舗装が荒れガードレールがなくなると言う経験をしたこともある。
大都会で住んでいるとまずお目にかかれない、田舎あるあるなのかもしれない。そんな細い山道を軽トラックがものすごいスピードで走っているのを見て肝を潰す。地元民はすっかり馴染んでいるのだ。
まあ、都会のおしゃれなトレンディー暮らしより、そう言う田舎暮らしの方が良いのかもしれないなあと最近はしみじみ思うようになったのだが、あの細い道の運転が付きまとうので、田舎暮らしは無理だろうとも思うのであります。
ウッドジョブを見て一番印象に残ったのが山道暴走ドライブシーンだったというお話です。
