
新潟古町の交差点近く、銀座で言えば三越のあるような場所は大型オフィスビルとイベントスペースになっていた。平日であったが、キッチンカーが営業していたから、そこそこの人出はあるのだと思う。
沖縄那覇で県庁前のビルでも似たような光景を見かけた。キッチンカーは人の多いところにしか出現しないから、やはりここが古町の中心部であるのは間違いないと思った。
そのイベントスペースから地下に降りるエスカレータがあり、不思議に思い潜ってみた。なんの予備知識もなかったので、地下駐車場にでも通じているのかと思ったのだが。

そこは地下街の跡、シャッター街になった地下商業施設だった。流石に照明はついているが営業している店はない。空気はかなりカビ臭い。人影はほとんどない。

写真で見る限りそこそこ明るいが、実際にはどんよりとした空気で実に薄暗い。あちこちに装飾がそのまま残されているのが、街としての無惨さを際立たせている。「廃墟」という言葉が脳裏に浮かぶ光景だった。
なんとなく。ゾンビ映画に出てきそうな光景だ。誰も歩いておらず、あかりだけが寒々しい。全国あちこちで地下街を見てきた、歩いてきたが、これほどの結末を迎えたところは見たことがない。地下街で一番の古めかしさを感じるのは銀座線浅草駅に続く、日本最古の地下街だろうが、あそこはまだ古びていても生きている街だ。ここは、明るくてカビ臭くて死んでいる。すぐに地上に戻りたくなる現代の遺跡だった。

エスカレーターで地上に戻れば、こんな立派なビルがあるのに。この写真を撮った場所も元・百貨店のメイン入り口だったはずだ。新潟屈指の目抜きの交差点のはずなのだがなあ。アメリカの地方都市で、市役所や商店街だったところが廃墟と化している光景とよく似ている。

新潟アンダーグラウンド・ブルース……………そんな言葉が思い浮かんだ。
気になってGoogleマップで新潟市周辺のショッピングモールを調べてみた。結果は、新潟駅を中心に東西と南に大型モールが出店している。新潟駅も大改造して巨大な都市型モールに変身している。
新潟駅と日本海に挟まれた旧市街エリアが、競合店で完全に包囲された格好だ。自動車によるアクセスの不足さ、駐車場整備の遅れなどで旧市街が衰亡したのは間違いない。政令都市規模でもこの手の「縮退」が起きるのだから、今の日本で人口問題は根が深い。政府の機能を東京からどこかの地方都市に移転して、官僚が我が身で不便さを味わいでもしなければ、政策は変わらないだろう。中央の官僚は東京都地方都市を順ぐりで転勤するのが宿命だが、それでもせいぜい県庁所在地にしか出張はしない。おまけにあてがわれる官舎は市内の交通至便な場所ばかりだ。国会議員の大半も都市生活者だから、一度北アルプスの山間僻地や中国・四国地方の限界集落にでも強制移住させて、リモート勤務を押し付けテッ見れば良い。多分、三日で根を上げると思うぞ。
自分の見てきた限り、仙台がある宮城を除いた東北5県、新幹線による浮揚効果がない山陰の鳥取・島根と九州宮崎、四国4県、そして北関東3県が似た様な感じだ。が、さすがに地下街の廃墟は見たことがない。
新しい都市モデル、つまり旧市街の活性化ではなく再利用について、国家レベルで対策を考えるべきなのだがなあ。今の復活した保守系政権では地方切り捨てが本音で、そんなことの代わりに借金しても国際パワーゲームに再登場したいのが見え見えだから、このシャッター地下街が復活する目はなさそうだ。
地下街ソンビ発生は、避けられないだろうか。