旅をする

高知駅ナカで 駅弁探してみた

久しぶりの鉄道旅で、ちょっと気分が高揚していた。そして、これまた久しぶりの高知駅でキオスクがわりの某コンビニ大手(JR四国は全部これに変わっているはずだ)で飲み物を買おうとして、隣の土産物屋の前に「駅弁」の幟が立っているのをみつけた。
早速駅弁コーナーを見学に行った。発見したのは、手作り感のある微妙な凸凹を感じる、おこわのおにぎりだった。鳥と山菜を選び購入決定。おこわのおにぎりはなかなかめずらしいが、おこわ特有のもちっとした食感が好みなので見つけるとつい買ってしまう。栗入りにも心惹かれたが、流石に3個は多すぎるので諦めた。

「かつおめし」というのは高知の家庭料理なのだと聞いたことがある。醤油と味醂などで甘辛く煮たかつおのほぐし身をご飯の中に混ぜ合わせる。ちらし寿司がかつお味になったようなものと思えばよいだろう。
生姜が効いているので、思いのほかさっぱりとした味がする。かつおめしの素は土産屋でも売っているが、スーパーでも普通に置いているようだ。高知土産としては、実用性の高い(笑)名品だと思っている。
それが駅弁になるとは、ちょっと嬉しい。ただ、ルックスは茶色い飯が箱いっぱいに広がるだけなので、あまりビジュアル効果はない。一気にかき込まないと均一の味なので途中で飽きが来るかもしれないが、この弁当の量であれば一気喰い可能だろう。

高知の持ち帰り品としては「鯖寿司」が有名だったはずだが、いつの間にか「焼きサバ」に変わっているみたいだ。衛生管理上の問題からなのだろうか。高知の鯖寿司は、京都の棒サバ寿司や大阪のサバ押し寿司と比べてワイルド感があり、好きだったのになあ、とこれもちょっと残念に思った。
ひろめ市場あたりに行けば、まだ以前の「鯖寿司」は売っていそうな気がする。ただ、ひろめ市場の鯖寿司は一人で食べるには随分と大きいというか量があるので、そこが難点なのだが。

駅弁チェックを終わり店を出たところで気がついた。なんだか不思議なピンクの像がいた。べろべろの神様って何だよーと突っ込みたくなる。高知は宴会のことをおきゃくというらしい。
だから、このピンクな方は宴会の神様で、それも最近お生まれになったみたいだ。少なくとも3年前は見たことがない。当時は、まだささやかに活躍していたのかもしれないが。なんだか、坂本龍馬より、カツオより親近感のわく高知代表選手という感じだ。次代を率いる高知ゆるキャラになってくれないだろうか。

高知駅 北側は妙にさっぱりとしている

高知駅は外からの見栄えの割りに駅ナカは簡素というかさっぱりしている。幕末に活動した方達の銅像がある方(南側)が市内中心部向きなので、反対の北側はバスターミナルを過ぎるとすぐに住宅地だ。そのためか、駅ナカを自転車を押して通る人も見かける。
高知駅は首都圏で言えば私鉄の急行駅くらいの感覚になる。

それでも改札付近には高知観光、四国観光の広告がたっぷりと並べられている。

志国土佐とはなかなかの名文句だな、などと広告コピーの出来を偉そうに批評しつつ、駅の中をあれこれ見て回った。結論としていうと、JR四国(とその広告代理店)制作の広告は極めて優秀だということだ。
個人的見解として言わせてもらうと、あきらかに予算潤沢なJR東日本の広告より相当にレベルが上だ。予算規模で言えばほぼ青天井だった東京オリンピックの広告物の酷さを思うと、広告は金だけではないなと改めて感じた。自分が現役時代だったら、このJR四国チーム(広告代理店)を引っ張ってきたかもしれない。
駅ナカは買い物したり、ご飯食べたりするだけではなく、お勉強もできる場所なのだな。

旅をする

高知駅前で楽しむ

高知駅前はかなり大きな広場になっている。イベントなどもたびたび行われているようだ。その広場の真前に立っているのが幕末の土佐を代表する方々。どなたも天寿をまっとしないうちに世を去った。生き急いだ方達だった。動乱期とはいえ切ないものがある。土佐出身者で明治政府と関わりを持ち長生きした方も多いが、長生きした方達はどこかでひっそりと銅像になっている。ものの哀れという言葉が浮かんでくる。

その銅像の裏側に高知の幕末イベントを開催していた館を改造した観光案内施設がある。中には、土産物屋や高知各地の見どころの紹介など、高知を楽しむための情報がたっぷりと用意されている。

館内には坂本龍馬の実家を再現した日本家屋が設置されている。昔の武家屋敷などとはちょっと異なる、町屋の武家屋敷というか、商家と武家の合体屋敷というか、面白い作りになっている。
来年の朝ドラでは高知出身の植物学者がモデルになっているから、その辺りの宣伝もさりげなく幕末武家屋敷に・・・というのが高知らしさか。観光立国を標榜する高知県だから、これくらい頑張らなくてはねと思った。

そんなことを思いながら出口を出たところに、最新ヒットアニメの舞台もさりげなくアピールしていた。歴史的な名所旧跡めぐりだけではなく新・聖地巡礼対応もさりげなくというのは観光地として重要だ。アニメ・ツーリズムは周辺グッズの販売を含め今や成功ビジネスモデルだし、アニオタのほうが下手なインバウンド客より金使いは荒い。(はずだ)
少なくとも幕末もので興味を引くより、新アニメに協賛してヒットを狙う方が、若い世代には響く企画になるだろう。アニメで高知に引き込み、高知に来たら美味しいものもあるし、楽しいところもあるしと、二重三重に畳み掛ける立体型マーケティングの仕掛けが欲しいところだ。
某公営放送の大河ドラマや朝ドラの観光客吸引効果はそろそろ見直しが必要だろうと思う。そもそも某公営放送の年代別視聴率を見れば、誰をひっぱれて、誰をひっぱるのは無理というのが明白だろう。
最近の高齢者は旅に出ても土産を買わないという調査結果を見たことがある。要は高齢者も昔ほど購買力がないのだ。「推し」に対しては金を惜しまない若者世代(一部中高年を含む)にターゲットを当てた「観光マーケティング」が必要なのは高知県だけではないのだろうけれど。それでも幕末コンテンツに寄りかかりすぎでは・・・。
個人的な思い込みで「がんばれ、高知」と言いたいのでありますよ。

旅をする

日曜市での獲物

田舎寿司

日曜市で必ず調達するのが田舎寿司だ。日曜市のあちこち、だいたい4−5箇所で売っている。地元の人にはそれぞれ贔屓のお店があるらしい。売り切れごめんなので人気店は午前10時くらいには完売する。味付けも店によって随分と違っているので、できれば2−3箇所を食べ比べしたいところだ。お値段は一折り400−450円とお手軽な価格設定だから二つ三つ買うのも無理はない。
おまけに中身の組み合わせが、同じ店で売っていてもひとつ一つ違う。よーく確かめないと、自分の好みの寿司が入ってなかったりする。これが迷いどころというか、楽しみの原因だ・
基本的な具材は野菜で、薄切りにした酢漬けの野菜や筍がマグロやヒラメの代わりになった握り寿司と思えば間違いない。特徴的なのはこんにゃくで、甘辛く煮たこんにゃくを乗せたり巻いたりしている。卵焼きを海苔がわりに巻いたものは、田舎寿司の中でも贅沢品だろう。

田舎寿司で、魚入は珍しい?

店によっては酢漬けの魚(サバとかアジ)を乗せていることもあるが、基本はきつめの酢飯に野菜オンリーだから、ご馳走というよりも握り鮨のコピー料理のような気もする。今のご時世ではビーガン専用食と言っても通りそうなので、時代がひと回りして最先端料理になっていくのかもしれない。東京で創作寿司として売ればヒットしそうな気もする。
高知の町中の寿司屋では、この田舎寿司を作ってくれるところもあるようだが、いつでも買えるわけではないだろう。予約もいるだろうし、値段もそれなりに高いものになるはずだ。

押し寿司は高級品

珍しくアジや鯖の押し寿司を売っている店があった。この店も開店時間が遅いようだが、店を開けると常連さんが3個4個とまとめ買いするので、それなりに早く店じまいになるらしい。押し寿司としては小ぶりなので、飯というよりは酒のつまみのような気もする。

これはひろめ市場で手に入れた

高知特有の巻物、土佐巻は、間違いなく酒のつまみだと思う。鉄火巻がマグロを使うのは高知でも同じようだ。ただ、鉄火巻よりこのカツオを巻いた土佐巻の方が、なんとも偉そうに見える。中身のカツオが大きいこともあるが、実はニンニクの薄切りがわさびがわりにカツオとあわせて巻かれている。
食べると、ニンニクのがつんとした味が口の中で爆発する。海苔巻とは思えない暴力的な力強さだ。これとくらべると鉄火巻きが実にお上品な食べ物に思えてくる強烈さだ。
これをバクリと一口がじって、冷たい日本酒で流し込むというのがおすすめだと思うが、やはり「普通の人」には抵抗がある食べ物かもしれない。全国あちこちで鰹を食べてきたが、この鰹の巻き寿司は高知独特のものみたいだ。ひょっとすると鹿児島や宮崎のカツオ漁港では存在するのかもしれないが・・・。

テント屋台でパンを売っていたのはびっくり

帽子パンは帽子のつばに当たる部分が、メロンパンの皮というかビスケット生地で、真ん中にあるこんもりとした部分は、なんの味もない丸いパンだ。だから、縁の部分を先に食べてしまうと、なんとも情けないというか、味のないパンが残る。パンの部分と唾の部分を交互に食べるべきだ。これも食べ方は要注意だろう。
お土産に帽子パンを買うと、持ち運ぶ時につばが折れないよう、とても気を使う。だから、これはお土産向きではない。それでもルックスはそれなりのインパクトがあるので、小さいお子さんがいるお父さんであれば、我が子のびっくりする顔が見たくて買ったりするんだよなあ(自己体験です)

旅をする

高知の日曜市

高知は公道を使った「市」が市内各所で定期的に開催される。その中でも日曜市は中心部を通る主要道路の片側二車線を封鎖して開かれるので、店舗数も多区賑やかだ。高知を舞台にした映画では、アジアンなストリート・マーケット的雰囲気があるとまで言われていた。確かに人通りも多いし、店のおばちゃん達も元気だから、とても賑やかだ。スーパーには並ばないような野菜や果物が売っているのも魅力だろう。

その日曜市の端っこの方は、刃物や古道具店の店頭で露店商売が楽しめる。店の前に置かれた怪しげな物品はまさに掘り出し物とガラクタの混在で、ひとつひとつじっくりと眺めたくなる。そして、ここでしか見られない光景もたくさんある。
骨董道具屋の店頭にあった「刀買います」の看板は、色々と感慨深い。少なくとも今の法律で、刀は武器では無く美術品として登録されている。それを売ろうとすると、なかなかハードルが高い法的手続きが必要だと思うのだが。
家に帰ると土蔵の中に刀がゴロゴロしているようなうちはあまりないだろう。押入れから父親の形見の日本刀が出てきた、というのも想像し難い。そんな品物を「古着買います」的なノリで書いてあるのだから、やはり高知はすごい。ひょっとすると幕末のどさくさの時に、ごっそり刀を仕舞い込んだ庄屋さんみたいな方がいたのかもしれない。しかし、誰に向けて言っているんだろうなあ、と不思議な気分になった。

なんだか古びた帽子が洗濯ものを干すようにブラさがっていた。値段はひとつ300円らしい。衣料品店の倒産品・質流など色々と考えてしまった。
この店はJRで忘れ物として保管されていたものが放出されたあれこれを売っていた。世の中面白い商売があるものだと感心した。しかし、忘れ物であれば仕入れ値は無料ではないかと思うのだが、それを洗濯したり選別したりという手間賃が300円なのか。

日曜市では、多分一番行列ができる店の「いも天」。これは一度食べてみなければ旨さがわからない、高知の隠れ名物だと思う。さつまいもをざっくりと乱切りにして、それに衣をつけて揚げただけだ。衣は甘めだ。例えていえばホットケーキミックスみたいなもので、普通の天ぷらとは違う。揚げたてを売っているので、紙袋に入った「天ぷら」は手で持つのも難しいほどの熱々だ。これをハフハフ言いながら食べる。手が油でベタベタになるが、そんなことを気にしてはいけない。
コロナの最中は嫌がられた歩きながらのつまみぐいも、どうやら復活したみたいだ。

コロナが流行る前は、道の両側に隙間なく屋台というかテントがびっしりと並んでいた。今回確かめてみると1/3くらいが空き家になっている。たまたまこの日は休んでいたのか、あるいはお店の免許を持った方達が廃業してしまったのか、定かではない。あてにしていた高知特有の野菜売りのおばちゃんの店、自家製の布袋など小間物を売っていたおばあちゃんの店も無くなっていた。

隙間が多いせいか思っていたよりあっさりと全部のお店を見終わってしまって、いささか拍子抜けしてしまった。お天気のせいもあるが客が少ないようだった。特に観光客が全然いない。年内にはなんとか昔の賑わいを復活して欲しいものだなあ。日曜位置を冷やかして回った後は、ひろめ市場で一休み。

旅をする

高知で鉄道旅

鉄道旅をするのは久しぶりだ。コロナの前は「青春18きっぷ」を使いのんびり旅をした。鉄道オタク、鉄オタという種族の中では「乗り鉄」と言われる種族らしい。ビジネス出張では、どうしても時間効率を考え特急、新幹線利用ばかりになるが、自分の楽しみであれば各駅停車・普通列車、鈍行での移動が楽しい。特に青春18切符のような乗り放題では、気ままに途中下車をできるのがありがたい。
そんなノリ鉄だけれども特急列車に乗るときはついついヘッドマークの写真を撮ってしまう。記念というか習慣みたいなものだ。
JR四国に乗るのも久しぶりで、特急あしずりが新型になっているのも知らなかった。

移動先は高知県中西部の漁師町なのだが、特急で行くと1時間ほど。首都圏で言えば宇都宮、高崎、静岡あたりの移動になる。ただし、それは新幹線での移動なので、距離は100km近い。この特急あしずりでの移動は、新幹線ほど高速ではないが「旅気分」は遥かにこちらが上だ。

特急というと10両くらいの大編成を想像してしまうが、なんとこの特急あしずりは2両編成で、指定席は1号車の半分だけ。なんというか、首都圏周りのロング編成を見慣れていると微妙な感覚がする。コンパクトというか、ちょっと寂しいかも。

たまたま、あしずりを待っていたら、高松方面から来るアンパンマン列車が到着した。降りてきた乗客には子供連れが多い。内装が相当にというか、ほとんどテーマパーク状態なので、小さい子供を連れたファミリーに人気なのは当たり前だ。だから当然のように、降りてきたらアンパンマンのヘッド車両で親子揃って撮影会になる。その間は駅員の方も写真に写り込まないように活動は控えめだ。
ところが、ファミリー撮影会が終わっても、明らかに大人の一人旅の皆さんが帰らない。どうやらアンパンマンと自撮りをしたいようだ。これも微妙な鉄オタの撮影シーンかとも思うが、誰も一眼レフカメラを持っているわけではなく、スマホや携帯でパチリという感じ。だから「鉄分」は限りなく低く、「アニオタ」的なレベルのようだ。個人的には車体のベースカラーが黄色なので、自宅周りの私鉄を思い出してしまった。うーん、旅の風情が消えていく・・・。

その後、出発した特急あしずりに、次々と通学する高校生が乗り込んできたのは、この路線特有の事情らしいが、鉄道旅と高校生というのは不思議な組み合わせだった。それにしても女子率が高いのは、何か高知特有の原因があるのか。高知県では男子の列車通学が軟弱男子撲滅のため禁止されていると言われたら信じてしまいそうだが。都市伝説というか土佐伝説がありそうだ。

旅をする

高知の土産 イチオシ

高知の土産物といえば色々と有名なものがある。ただ、昔から愛用しているのが「土佐手拭い」だ。出張先でも時間があれば手拭いを探してまわる。ずいぶん昔からハンカチがわりに手ぬぐいを使っているからだ。手ぬぐいもある程度使い込むと、新しいものに置き換えるので新品を常時二十枚くらいはストックしている。その中で一番のお気に入りが、この土佐手ぬぐいだ。当然ストックも多い。気に入った色やデザインは複数用意している。

定期的に高知に通っていた時期は、新作が出るととりあえず全種類(だいたい5種類くらい)を買い込み、季節や気分に合わせて色を変えていった。最初のころは野菜や植物モチーフが多く、色使いも「淡い」。色使いが派手目な感じが主流の手ぬぐいとしては、土佐手拭いは珍しい部類だった。
仕事に行くときには「藍」「茶」を使うことが多かった。逆にプライベートであれば黄色をよく使っていた。今回発見した新作は、くっきりとした赤が地色で土佐手拭いとしては珍しいものだった。

この酢みかん手拭いも、しばらく高知に来ていないうちに発売されていたようだ。酢みかんは高知特有の柑橘で、ゆず・すだち系の柑橘類の一種、土佐の変異種らしい。高知以外では流通していないようだし、首都圏では見かけたこともない。高知西部の宿毛では「直七」というゆずの特異種の果汁(多分)が商品化されているが、酢みかんはまだ地域産品として発展途上だと思う。
たまに知人から緑の酢みかんを送ってもらって、それが黄色くなるまで大事に使っている。鮮烈な酸っぱさが、魚にはよく合う。そういえば、酢みかんは八百屋で買うようなものではなく、庭先になっているものをもいでくるのが普通らしい。(知人の弁だ)
この手ぬぐいのデザインも、緑と黄色の酢みかんが使われている。高知らしい絵柄だと思う。

旅をする

グランピング場を初めて見て感動した件

パン屋を目指して行き着いたところがキャンプ場だったという、なんとも不思議な経験をした。要するに、キャンプ場のセンターハウスというか食堂で、パン屋の営業を始めたらしい。確かに、キャンプ場は営業が週末、長期休暇型なので、平日や閑散期の商売安定のために、パン屋を始めるというのは良いアイデアだと思う。特に埼玉県北西部の山沿いにあるこのキャンプ場は、周りが住宅地でもあり平日需要はそれなりに期待できそうだ。
ネットで調べてみると、このキャンプ場は元公営の施設だったようだが、今は温泉ホテル経営の会社によって運営されているらしい。最近キャンプ場は全く利用していないので、ひょっとすると今の流行りはこの手のハイレベルな施設なのかもしれない。しかし、ピザ釜が借りられるというのは、単純にすごいなと思う。昔々、コールマン社の組み立て式のオーブンでピザやパンを焼いて楽しんだこともあるが、あれはやはりおもちゃの類だった。石窯とはねえ・・・と感心するしかない。

そしてこのキャンプ場は川沿いにある「グランピング」施設が主体のようだ。離れたところにテントサイトもあるのだが、この超高級グランピング・テントを見てしまうと、心が半分くらい持っていかれてしまうだろう。何も知らずにテントをサイトを予約してきたら、楽しいキャンプ気分をぶち壊してくれる「凶器的存在」だ。でも、ここで泊まってみたいというワクワク感が湧き上がる。困ったやつだ。

また、この季節ならではの光景だが、桜並木沿いにグランピング施設が並んでいる。いわゆる「映え」のする光景だ。春休み中ということもあるのか平日にも関わらず利用者が多い。朝のキャンプ場といえば子供の声で騒がしいというのが相場だが(まあ、それを楽しむのもキャンプらしさではあると思う)、ここは意外と静かだった。大人のグランピング場ということと、朝食はセンターハウスで楽しめるらしい。

サイト脇では川のせせらぎの音を聞きながらハンモックでまどろむという、なんとも贅沢な時間が楽しめるらしい。なんだか、昔に貧乏キャンプをやっていた頃のことを思い出してしまった。テントを貼るのが面倒くさくなり、車中泊のできる車に買い替え、全国あちこちにキャンプに出掛けていた。それでも外で焚き火をしたくて、ホテル泊まりはほとんどしなかったのだが、今では焚き火のできる「グランピング」があるのだな。であれば、車中泊などもする必要がない。良い時代になったものだなあ。

旅をする

新青森駅でねぶた・ねぷた・立ねぶた

新青森駅でホームから降りたすぐの場所に、青森三大?ねぶたが飾られている。ねぶた祭りといえば青森市で行われて大きな山車が街の中を引き回されるものと思っていたが、五所川原、弘前でもそれぞれ独自のねぶた祭りがあるようだ。
それぞれの土地でつくられるねぶたの意匠も異なっている。五所川原の「立佞武多」はテレビで見ただけだが、実に背が高い。ビルの4−5階の高さだったような記憶がある。リアルサイズガンダムだなと思った、上に伸びるねぶただ。屹立型とでもいうべきか。

青森のねぶたは、逆に横に広がるねぶたで、主役級二人(二柱)にお供が多数という横広がりなものだ。劇団ねぶたとでもいうべき登場人物多数、たまには獣や魔物も同行するという賑やかさだ。集団演舞型と言える。

弘前のねぷたは優雅だ。「ぶ」ではなく「ぷ」だと、弘前の学芸員の方に教えられた。その方曰く、「ぶ」は海の近くの荒い言葉、浜言葉で、「ぷ」は優雅な穏やかな響きだそうだ。うろ覚えの記憶だが、どうやら、津軽の中にも言葉の差というか分離があるようだ。弘前ねぷたは優雅な静置型という感じか。

ついでにマイタウンファーストでもあるらしい。札幌と函館の言葉の関係に似ているなと思った。北海道でも日本海沿岸部は津軽文化圏なので、浜言葉といっている言葉は津軽言葉に近いようだ。札幌は行政都市で人工都市だから、言葉は日本国中のミックスになっている。イントネーションの違いはあるが、いわゆる平均的な語彙というか言葉遣いが主流だ。当然、津軽弁対ミックス弁の主導権争いがある。北海道でも誰もがマイタウンファーストで主張する。特に、十勝モンロー主義とまで言われるくらい近地の独自志向は強い。まあ、裕福な土地の証拠だろう。
北海道文化のルーツのひとつである青森のねぶたが北海道に流入しなかったのはどうしてなのだろう、などと考えながら新幹線を待つ間、三種のねぶたをかわるがわる眺めていた。新青森駅は待ち時間も楽しい。

食べ物レポート, 旅をする

青森でライブ居酒屋

弘前駅のホームで見つけた

この手の絵を見ると青森に来たなと思う。ご当地の方はどう思うのだろうかと知りたくなるが、個人的には骨太の絵が津軽を直感的に感じさせてくれる。津軽海峡を挟んで青森県西部と北海道南部函館、松前あたりは津軽海峡文化圏だと思っている。食文化や言語が極めて近しい。だが、この絵画様式は北海道南部に移入されていないようだ。
瀬戸内海を挟んで讃岐と備前、備中あたりが似通った関係にみえる。特に、瀬戸内の島に拠点を持った海賊、海洋王国の強者どもは瀬戸内海沿岸部を両岸くらいにしか思っていなかっただろう。函館と青森もそのような共通文化基盤を持った地域だった。その共通文化の粋が「いか」だと思う。(全く個人的な見解です)

青森産と言いながら、津軽海峡で獲れたら
上がった場所が青森か函館かの違いしかない海峡イカだと思うのだがなあ。

最近は、某大陸国家・半島国家の乱獲のせいらしくイカの不漁が続き、もはや庶民の食べ物とは言えない高級品になりつつある。それでも、流石に津軽海峡文化圏ではなんとか新鮮なイカが食べられるようだ。ちょっと甘いねっとりとしたイカは、お江戸では食すのが難しい。確か東京湾でイカ釣りができたから、別に北国のイカでなくて良いので東京湾イカを宣伝してもよいと思うのだが。
魚屋で東京湾上がり、いわゆる江戸前のイカというのはお目にかかったことがない。横浜あたりに行けば売っているのだろうか。(コウイカという肉厚のイカはたまに見かける)

とても気になるココナッツアイス

津軽の名物がずらっと並んだホワイトボードを眺めると、右端から全部ちょうだいと言いたくなる。一番右端のフジツボは5年前に青森で食べるまで食用になるとは知らなかった。食べてみると、甲殻類の濃厚な味がした。亀の手も似たような味だった。ホヤとウニを人類最初に食べた誰かを密かに尊敬しているが、フジツボを食べ物と見破った人にも同じく尊敬を捧げたい。
あとは、このホワイトボードの中で馴染みがないものといえば、「嶽きみ」というとうもろこしくらいだ。あとは、全て北海道の食材と重なる。というか、津軽の食べ物が北海道のルーツになっているのだろう。

名物を食べすぎると、カルチャーショックが大きいので普通にうまい冷奴をバランスに頼んだ。硬めの木綿豆腐は日本酒によくあう。腹が膨れたあとは、ちょっとつまみにナマコも頼んだ。コレも初めて食べた人類の誰かは尊敬されるべき食べ物だ。
この店は食べ物もうまいが、実は津軽三味線ライブの店なので、ちょっと早めに来店してうまいもの三昧をしたあと、酒をちびちびやりながらライブを楽しむのが良い。コロナが終わり(?)、気軽に旅ができるようになれば、年に数回は訪れたい。青森良いとこ、何度もおいで・・・だ。

旅をする

青森の醍醐味とは踊りと・・・

青森駅から徒歩で3分程度の場所に立派な展示館がある。ねぶたの家ワ・ラッセという。毎年夏に行われるねぶた祭りで使用されたねぶた山車を展示している。何年か続け見に行った。ここ2年は旅をするのもままならなかったし、そもそもねぶた祭りも制限を受けていた。

何年かぶりで見に行くことができた。既に雪が降り始める冬の最中に、ここを訪れたのは初めてだ。個人的好き嫌いでしかないが、雪が苦手なのだ。成長期に冬の間は雪に埋もれるような暮らしをしていたせいか、二十代に東京付近で住むようになり、冬に雪のない暮らしの方が雪国暮らしより長くなった。
今や、雪の降る季節は気が重い。だから、12月をすぎると仙台より北に行くのは苦手だ。日本海側の積雪地帯も春になって雪が溶けるまでは遠慮したい場所になる。

展示場への通路 暗がりが美しい

ただ、雪深い土地も一旦室内に入ると快適だ。コートを着ていると暑く感じるほどで、当然ながら室内ではコートを脱ぐ。と、これがまたじゃまなのだなあ。冬の寒さは諦めるが、嫌いな季節に変わりはない。真夏の盛りにやったお祭りの山車を真冬に見るというのもなんだか違和感があるのだが。と、ひとしきりぶつぶつ言いながら中に入った。そこは別世界だった。

照明が落とされた薄暗い展示場で、大作が煌めいている。やっと見にこられたという思いもあり、久しぶり見る大作にくらくらする。

ねぶた師が作るねぶたは一つ一つ表情が違う。立体芸術なので、できれば360度ぐるっと回って、前後左右から眺めるべきだ。

裏側に回っても、脇役たちがブイブイと迫ってくる。主役を食うほどの力強さだ。夏の夜にコレを見れば、さぞかし勇壮なことだろうし、当然ながらお囃子の音響効果もあるわけで、死ぬまでに一度で良いからライブで見に行きたいものだ。
このあと行った居酒屋でハネトのパフォーマンスがあった。およそ30秒ほど、掛け声に合わせてぴょんぴょん跳ねているのを目の前にした。たった30秒だったが、肩で息をつくほどの運動量らしい。夏にこの激動パフォーマンスをしていたら、まあ、神様が降りてきても不思議ではない気がする。高知のよさこい祭りでも同じような神がかり状態になるらしく、祭りの熱狂の中で結婚相手を見つけることも多いそうだ。
神世の昔から踊りと祭りと男と女の関わりは変わりがないのだろう。現代でも祭りは恋の始まりなんだろうなあ。(ぼーっと遠くを見る)