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食べ物レポート, 旅をする

駅前の「駅前」 再訪

西武秩父駅前にある居酒屋「駅前」を再訪した。昼のみの営業だそうで、午後早い時間に訪れてみたら、店主はお昼寝中だった。暖房の効いた店内は、確かに昼寝をするには絶好の条件だった。他の客もいないので、あれこれ話をしてしまったのだが、元々はお姉さんがやっていた定食屋の後を継いで、常連中心の居酒屋にしたそうだ。現在は秩父の山登りをしにきたグループやゴルフに行った帰りに立ち寄る客がほとんどで、だいたい予約をして来るらしい。だから、ふらりと一人で入ってくる客が珍しかったそうだ。メニューは壁に貼っているものだけで、テーブルには何も置いていない。壁に目をやりながら今日は何を食べようかと考えていたら、店主自らお通しセットをお勧めして来るので、そのまま言われたものを食べるのも良いかと思った。

お通しは六品で、全て一皿100円だという。消費税込みで660円と実に丁寧な説明だった。予約して来る客でも、このお通しだけでちびちび酒を飲む人が多いらしい。野菜中心の組み合わせだが季節によって出るものは変わるそうだ。枝前やこんにゃくを食べながらちびりと酒を飲んでいた。お通しの次は何か注文しなければいけないかと思ったのだが、それは無用な心配だった。
次のお勧めが登場した。フキノトウは好きかと聞かれ、全く問題ないと答えると、「酒の肴にもなるきのこ汁」が登場してきた。店主曰く、この時期の山のものらしい。進められたきのこ汁の上に、パラパラとかかっているのがフキノトウだった。フキノトウと聞かれた時には、春の山菜天ぷらなどを進めてくれるのだろうと思っていたので、これは随分な変化球だった。フキノトウをスパイス的に使うのは面白いアイデアだ。

きのこ汁を食べていると、今度はセリの束を持ってきて、これから茹でるのだが、セリのおひたしはどうだと聞かれた。では、お願いしますというと、これは追加のお通し扱いらしく一皿100円と言われた。ただ、そのセリの束を茹でるとほとんど小皿一つ分にしかならないらしい。いや、これで商売大丈夫かとちょっと心配してしまった。

セリを食べ終わる頃にまた声をかけられた。柚子巻き大根を出したっけというので、それはなんですかと尋ねたら、また一皿100円だからとことわりのあと出てきたのが、大根の酢漬けを巻いたものだった。確かに、ゆずの香りがしっかりしている。

結局、野菜料理の小皿が8皿と酒の肴になるきのこ汁で腹がいっぱいになってしまい、当初注文する予定だった、山菜の天ぷらとか鳥料理にはたどり着けないまま、引き上げる羽目になった。この日は4時から予約が入っているということであり、その前には引き上げるつもりだったが、「今からだと15時29分の電車だね」などと電車の時間まで教えられてしまった。西武秩父駅の発車時刻は全て記憶しているそうだ。どうやら客との会話も、電車の発車時刻で調整するらしく、これは「駅前」の営業ノウハウだなと感心した。
走れば発車時間の3分前で大丈夫だ、などと教えてくれたが、余裕を持って15分前には店を出た。野菜で腹が膨れるというのも不思議な経験だが、あと何回通えば「肉料理・魚料理」に辿り着けるか、ちょっと心配になる。まるで修行をするようなお店なのだが、季節により出し物は変わるそうなので、肉を食べるには春の終わりぐらいにいけば良いかもしれない。夏は川魚だそうだ。

街を歩く

コッペパンの専門店@秩父

店頭に「有名な手作りコッペパン」と自ら書いている、プライド高きコッペパン専門店に普通のコッペパンを買いに行った。コッペパンと聞いて思い出すのは、学校給食に出ていた「あまり美味くない食べ物」だ。どうも学童期の嫌なトラウマの一つになっていて、大人になってからもコッペパンを好んで食べることはない。
ただ、全国のあちこちにコッペパンの美味しい店は存在していて、岩手県の福田パンには本店までわざわざ出かけて食べに行った。あれを食べてコッペパンの苦手意識が薄れたのは間違いない。横須賀にあるコッペパンの有名店にも何度か足を運んだ。横須賀市民が愛する老舗パン屋だけに、確かに美味い食べ物だった。
最近では、コンビニ各社がコッペパンを推しまくっている。多分、学校給食でまずいコッペパンが出なくなったせいで、トラウマ持ちの子供が減ったからだろうと邪推している。
この秩父のコッペパン専門店は、店の前を何度か通ったことはあるのだが、店内を覗いてみるといつも売り切れだった。今回は午前中ギリギリに間に合うように来てみたのだが……………

しかし、この手書きのPOPはものすごい迫力がある。模造紙に書いてガムテープで貼っているのだから手作り感100%だが、その分だけ気合というか売る気というか、ものすごい迫力が出ている。創業99年というのも、実に力がある。来年になれば創業100年、ついに営業期間3桁突入という凄さだ。この100年近くの間で、原料も変わればパン焼き釜(オーブン)も何度か代わったことだろう。それを乗り越えて味を維持してきたのだから、まさに人間国宝級の快挙ではないかと思う。

さて、店内に入り注文しようとした。最近流行りのあんバターも取り入れたラインナップなのだが、お目当ての⑦ジャムや⑧ピーナッツはすでに売り切れだった。というか、このシンプルなコッペパンは全て完売。残っていたのは、ここには載っていない、サラダパンなどの調理系コッペパン・グループだけだった。
ポテトサラダが入ったサラダパンは好物なので、それに文句をつけるつもりはない。実に美味しくいただいた。おまけに、レーズンパンのようにパン生地に小豆が練り込まれたあずきパンを、強く勧められ買ってみたが、それもまたなかなか美味しい。最近、普通に売られるようになった豆パン(甘い豆が入ったパン)と同系統のものだが、レーズンパンより好みかもしれない。うましだった。
しかし、ジャム入りコッペパンが食べられなかったのは相当に悔しい。次は開店直後の朝9時に買いにいかなければ、などと思ってしまったのだが、よくよく考えると、トラウマ持ちのコッペパンを買うために早朝から電車に乗るのもなあ……………
これはちょっと検討してみなければいけない微妙な案件だ。秩父の山奥へキャンプに行った帰りにでも立ち寄ることにしようかなあ。ただ、それだとまた売り切れていそうな気もする。悩ましい限りだ。

街を歩く

Foodexに現代神話を感じる??

黒いビジネススーツが大復活していた

Foodexは、食品業界の見本市みたいなもので、年に一度のお祭り騒ぎという認識をしていた。以前の会場は幕張メッセで、1日かけてわざわざ出かけるプチ旅気分を感じる展示会だった。それがコロナの間は中止になり、今回から東京ビッグサイトにお引越しとなった。幕張メッセに行く思いをすれば、ビッグサイトははるかに近い。おまけに残念ながらプチ旅気分はすっかり消滅してしまうから、(個人的には)ビジネスモードが著しく強まる。昔であれば大量の名刺を持ち、ビジネススーツに身を固め、いざ戦闘仕様で出撃という感じだった。
それに合わせてというわけでもないが、今回はすっかりピクニック気分で、服装もピクニックに行くような格好になり(歩きやすい格好が重要)、名刺は要求されなければ渡さないという、ビジネスパーソンとしては堕落し切った対応でよしとしている。会場で営業活動に励んでいる企業の方から見ると、あまり付き合いたくない不良客だろう。それでも、親切に話しかけてくれる営業担当の方たちには素直に感謝する。

何やらアステカの神殿のような趣もある……………現代の商業神殿かな

ビッグサイトの正面を真面目にみたことがないなと気がつき、おもむろに写真を撮ってみた。そうすると、これは現代の神殿ではないかと感じてしまった。金儲けの神様たちが、ごっそりと集まっている、金ピカ族の神殿だ。だが、金儲けの話を横に置いても、かなり荘厳なデザインだったことに改めて感動してしまった。
やはり、普段の視点をちょっとずらして、立ち位置を変えてもの事を斜めから見直すという作業は必要だ。神殿詣で久しぶりにビジネスの基本を思い出したのだが、それにしては本人の自覚があまりに足りない。コロナの間にすっかりダメなビジネスパーソンに落ちこぼれてしまったようで…………… 無念だ。

展示場の館内は、驚くほど大量の人で溢れていた。入場券を手に入れるための行列もすごい。おまけに、こういうところではまさに人々の本音が見えると思うのだが、もはや行列に並ぶ人たちには「間隔を開けて並ぶ」という概念は無くなっていた。前の人との距離はピッタリと密着とまではいかないまでも、息のかかる距離しかない。
コロナは終わったのだ(人々の意識の中では)と改めて気付かされる。まだ世の中で一定の割合の方は、コロナ怖いと思っているはずだが、そういう人はこのような混雑する場所には出現しないだろう。結局、コロナが怖い人は自発的に「いつでもステイホーム」を実践するグループになる。大多数の一般人は、3年前の行動パターンに復帰する。完全復帰は、夏頃になるのだろうが。
そんなことを考えていたら、また一つ思いついた。識者と言われる人が最近よく口にする「社会分断」だが、それは他人に強制されるばかりではなく、自分で自発的に社会から分離する集団も存在するということだ。アフターコロナでは、「コロナ怖い」と「コロナは終わった」という二大勢力が軋轢と騒動を引き起こす。これが、最大のコロナ後遺症かもしれない。パンデミックは社会を分断し続ける可能性があるという学びだ。それが端的に現れるのが、マスク論争だろうとは容易に推測できる。
たまたま今は花粉の大量発生時期だから、マスクは必須な来場者も多いのだが、来年はマスクなしの開催になるだろうし、会場の中と外で来場者がどう変化するのかが楽しみだ。

会場内は撮影禁止だったが、写真を撮りたいほどの印象的な展示もなかったので、出展ブースの感想も特にない。良くも悪くも平凡な内容のブースが多かったのは、コロナ後に世の中がどう代わっていくのか様子を見ている感じだからだろう。
帰り際に「東京アンテナショップ」によって、ジョーク土産を買ってきた。「東京ばな奈」ではなく「おだいばばな〜な」なのが、なんともおかしい。さすが、オタクの聖地だけある。東京駅の土産物店では、ちょっと販売が難しそうだ。
ちなみに、中身のお菓子は、バナナ型の人形焼みたいなものでした。

食べ物レポート, 旅をする

立ち食いそばの旅 その2

前回の立ち食い蕎麦の旅は、なんとお目当ての店を間違えるという冗談みたいな失敗をしてしまった。駅の構内に2軒も立ち食いそば屋があるなど、普通は想像できないと思うのだが、事実は改札口の左右に2軒蕎麦屋があった。ちなみに、この本日の蕎麦屋の向かい側にはラーメン屋がある。なんとも素晴らしい麺麺天国な駅だ。それを支えるだけの乗降客数があるのだろうか心配になるレベルだ。秩父市民は無類の麺好きなのかと思ってしまう。

芝桜駅と書いてあるが、この駅は「御花畑」駅だ。芝桜の名所が近くにあるので、飾り看板としてかかっているのだろうし、愛称駅名だ。その駅舎の隣に立ち食い蕎麦屋がある。これも実に古典的な立地だ。

店名は、どうやら「秩父そば」らしい。この店の他にも店があるのかもしれない。メニューは駅そば店としては珍しくシンプルだ。ただし、今回のお目当てはきのこそばで、それもメニュー板を見ると季節限定とある。何も迷わずにきのこそばを注文したが、メニュー板をよくよく眺めてみると、これが一番高額な看板メニューだった。きのこそばは天ぷらそばより高いのだから、「きのこ」はトッピングとして偉いようだ。キング・オブ・トッピングというやつだ。

注文の品は、ほぼ待ち時間なしに登場してきた。(駅そばなので当たり前か)そして、味はジャパニーズ・ファストフードである立ち食いそばの伝統をしっかり守った逸品だった。大量にのっているきのこは、何種類かのキノコがミックスされていて、薄い塩味がついている。ネギも多めだが、立ち食いそばの名脇役であるワカメもたっぷり入っていた。
このワカメというのは、伝統的な蕎麦屋ではあまり見かけない気がするが、立ち食いそばでは海苔の代わりに廉価版トッピングとして使われているのだろう。わずかにただよう磯の香りが、出汁の聞いたつゆにはよくあう。
蕎麦は茹で置きしたものを使っているようで、柔らかめだった。蕎麦の味は蕎麦っぽい。というと変な表現だが、立ち食いそば屋で多く使われている、小麦粉の割合が多いうどんに近い麺とは違っているという意味だ。つゆは薄めのあっさり系だった。どんぶりの底が見えるほどの完食をしてしまった。

楽しみにしていたサイドアイテムの味噌ポテトは売り切れだった。多分、観光客が押し寄せる週末だけの提供ではないかと思う。原材料はじゃがいもだけに、夏だけ提供という季節性はないだろう。今ポテトは蕎麦と同じくらい期待していたので、これは残念だった。
ただ、写真を撮っていて初めて気がついたのだが、キノコそばに匹敵する高額メニューがあった。「しゃくしなそば」だが、これは食べたかった。しゃくし菜漬けのうっすらとした酸味と蕎麦はよく合いそうだ。おまけに、これまた全く知らなかったのだが、SLパレオ号のカレーというものが存在するようで、それを使ったカレーラーメン、カレーうどんがある。なんと、こちらの方がキノコそばよりはるかにご当地蕎麦っぽいではないか。おまけにぶっちぎりの高額メニューだった。

その後、SLパレオのカレーを探してみたが見つからなかった。ひょっとすると秩父ではなく熊谷駅あたりで売っているのかもしれない。カレーラーメンも食べてみたいが、それより先にカレーを食すべきだろう。
また、秩父に行く用事ができたようだ。

食べ物レポート

新宿駅で朝飯を食す

JR新宿駅東口、改札近くにある小体なお店は朝からビールが飲める。この店の向かいは立ち食い蕎麦屋で、そこも客はひっきりなしに出入りしている繁盛店だが、混雑度合いはこの喫茶店+ビールスタンド的な店の方が圧倒的だ。朝は喫茶店で午後は軽食、夜になると飲み屋に変わる三毛作と言えば良いのだろうが、実際は朝昼晩フルメニューで営業している、何でも屋と理解した方が良さそうだ。
ビールのつまみに出てlくるハムやソーセージは本格的でレベルが高い。だからなのか、夜に入ろうとして入れたことがない。いつ行っても満席で、「ああ、今日も入れなかった」を永遠に繰り返している感じがする。一度だけ、たまたま空いている席が見つかって入ったことがあるくらいで、入店確率は10-20年に一度だなと諦めている。
この日も、朝9時に店の前を通りかかったら、なんと3席も空いていたのですかさず飛び込んで席を確保した。朝に入るのはこれが初めてだった。(いつもは満席で諦めて、向かいの立ち食いそばにする)

このトーストとハム(サラミ)とゆで卵半分がセットになっているのが、モーニングメニューの一つだ。これに飲み物がついて、500円でお釣りが来る。たいへんリーズナブルなせいなのか、客層を見ると男女半々といった感じで、いかにも都会の忙しい人たち向けの店という雰囲気がある。店内を観察していると席の回転も早い。
ただ、このモーニングメニューにつける飲み物が定番のコーヒーだけではなく、しっかりビールも選べることだ。(ただし別料金)トーストを齧りながらビールを飲むと、何やらすっかり無頼な人になれるような気がする。

いまだにこの「テーブル障壁」は使用中だが、13日以降はどうなるのか

たまたまなのか、両隣の席が空いてそこに入ってきたのが外国人観光客だった。ここ最近、新宿の街を歩くと外国人観光客を見かける頻度が急増している。大袈裟に言えば、靖国通りや新宿通りを歩くと、すれ違う5人に一人は外国人観光客だと感じる。聞き分けられる言語だけでも英語、仏語は当たり前で、それに中国語が多い。急増した感があるのが韓国語で、なぜかアウトドアショップにやたら登場している。韓国でもキャンプがブームなのかと疑ってしまうくらいだ。ただ、誰も買い物はしていない。ただ見て回るだけのようだ。
薬局で解熱剤が中国人観光客に買い占められているというニュースを見たが、アウトドアグッズはそこまでの人気はないようだ。それはありがたいことだと思う。キャンプ用シュラフやテントが爆買いの影響で品薄ですなどと言われたら、うんざりしてしまう。

この店のメニューはあまりに多過ぎで、一つ一つ確かめるのも大変だ。おまけにモーニング、ブランチ、ランチと時間帯により細かくセットが変わる。唯一変わらないのがいつでも飲めるビールだ。いつも満席で諦めているのだが、しばらくは熱心に空席探しをしてみようか。その時にはフランクフルトソーセージと黒ビールでのんびりしてみようか。
あれこれ考えつつ、10分でモーニングを平らげ店を出た。すっかり気分は都会の忙しい人モードになっていた。そんなに急ぐ用事なんて、全然なかったのだが。周りの人に煽られるというのは、たまにあるものなのだ。コロナの間はすっかり忘れていた「都会のあわただしさ」だった。

食べ物レポート

2月の満洲 で気かついたこと

自宅から歩いていけるチェーン店の本店というのは、なかなか珍しい物ではないかと思う。満州発祥の店はすでに他の店に変わっているが、そこから移転したのがこの本店のようだ。満洲チェーンの中では比較的大きな店になるのではないか。この本店の横に別館があり、パーティールーム、宴会部屋として使われている。そのパーティーメニューが満漢全席ならぬ満洲全席になっていて、一度試してみたい物だと思っているのだが、誰か満洲本店での宴会に付き合ってもらえない物だろうか。
宴会の帰りには満州餃子をはじめとするテイクアウト商品の詰め合わせセットなどご用意できるのだが。

恒例月替わりメニューを食べていなかったと気がついたのは2月もほとんど終わりになる頃で、これはいけないと、のこのこと出かけてしまった。ここ数年、冬の時期の恒例になっている「辛い麻婆豆腐」が2月の月替わりメニューだった。
満洲のメニューは町中華にはあるまじき絞り込みがなされていて、シンプルの極みだ。そもそも餃子の店が多少中華メニューを増やしたという体裁だと疑っているのだが、それにしても月替わりメニューの変化の薄さはなんとかならないものか。大ハンバーガーチェーンが必ず秋に実施する月見メニューのようにほぼ定番化された季節メニューも世の中には存在する。だが、中華料理店はもう少しあれこれ変化球にしてくれないかなと思う。
コロナ以前はそれなりに挑戦的なメニューも投入していたので、ここ最近はコロナによる経営打撃や原価高騰などからマイナーチェンジに留まっているのだろう。同じ埼玉発の中華チェーンである日高屋も最近はすっかりおとなしいメニューになっている。
満洲の場合は、餃子がうまければみんな満足ということもあるので、変化の乏しさも致し方ないかと諦めている。それでも月替わりメニューはちゃんとチェックしているのだから、まんまと作戦に嵌められているのは間違いない。
さて、2月の辛い麻婆豆腐だが、どうも昨年のものと変わり映えがしないような気がする。一口目はあまり辛くない。食べ進めるとだんだん辛さが増してきて、最後の方ではうっすらと額に汗をかく。そんな感じの味付けだ。文句はないし、普通の麻婆豆腐より辛いのでネーミングに嘘はない。ただ、年毎にもう少し変化しても良いのではと思うのは、無理なお願いだろうか。
この本店の客層を見ると半分は高齢者なので、高齢者は変化を嫌うという考えがあるのかもしれない。ただ、今の高齢者は70歳を過ぎてもジーンズで街を歩く。足元を見ればそれなりのブランドのスニーカーだったりする。(ナイキが多いのが不思議)ハンバーガーは20代の頃からバリバリ食いまくり、競争社会に適応した「団塊世代」で肉食集団だ。世間で思われるほどジジイ化していないとは思う。いや、いまだに油ぎったウルサい人たちが多いのだから、もっとギラギラした食べ物でも彼らには問題なかろうと感じるのは間違っているのか。

辛い麻婆豆腐があまりにシンプルだったので、追加で定番のホイコーロを頼んでみた。これも、味噌味はマイルドで、回鍋肉特有の油まみれ感はあまり感じない。やはり満洲は、オイルレスでヘルシーな方向にメニューをゆっくり変化させている途中なのだと改めて気がついた。しかし、オイルレスで味付けが薄めな町中華とは、なんとも不思議な存在だ。
健康志向だとかオーガニックだとか声高に叫ぶチェーンの宣伝くささ、嘘っぽさには辟易しているが、本当に健康志向な舵取りをしたい経営者は、あえて何も語らず定番メニューの変化で客を惹きつけるということだろう。次に行くときは、宿題にしていた「玄米で作った炒飯」を食べてみなければ……(満洲は米を使ったメニューで玄米か白米を選ぶことができる)

街を歩く

ひっそりと駅名変更告知

東京ビッグサイトに、また展示会を見にいく機会があった。そこで、国際展示場駅の中を探索してきた。前回の、駅名変更の謎を確認してみようと思ったので、一階にある改札口付近を中心に探し回ってみた。
しかし、改札口付近には何も見当たらない。改札口からかなり遠くにある壁面にポスターが大量に貼っている掲示板コーナーみたいなところがあり、そこに例の「謎」の証があった。
まずは校名がひっそりと書かれた、りんかい線全体の絵が一枚。渋谷から直通18分というメッセージが微妙に効きそうなのは、やはりビッグサイトを聖地と崇めるコアなファン集団の属性だろうか。
りんかい線直通の大規模駅は渋谷の他にもたくさんある。「新宿」から20分とか、「池袋」から25分でも良いではないか。いや、それをいうのであれば「赤羽」から40分?とか、「大宮」から60分でも良いはずだが、やはり渋谷以外の場所は魅力が薄いのだな、きっと。
新宿が舞台であれば「深夜食堂」、池袋が舞台であれば「池袋ウエストゲートパーク」など名作もあるが、聖地巡礼集団にはダメなのか。赤羽であれば、迷エッセイ漫画「東京都北区赤羽」もあるのだが。大宮が舞台となる作品は……………思いつかない。「翔んで埼玉」でも大宮描写はあったかなあ。

そして、これが大本命の駅名変更告知?だった。期間限定で実施されることがわかる……………のかな?
それとよく見るとりんかい線全線とのコラボらしいので、他の駅にもこのような企画が動いているのかもしれない。ただ、それを確かめる元気はない。その手の努力は、聖地巡礼を行う「使徒」に任せるべきだろう。

当然、コラボグッズのポスターもあった。これは重要な資金源なので、絶対に掲示が必要な案件なのだが、そもそもグッズはどこで買えるのだろうか。駅構内に販売所が見当たらなかったのだが。ひょっとすると改札を出たところにあるコンビニ店で、特設コーナーがあるのかもしれないと気がついたのは、家に戻ってきてからだった。
まあ、鉄道コラボの企画が動くということは、コロナが終わった証拠みたいなものだから、歓迎すべき「善き事」なのだ。全国のアニメ聖地巡礼も復活しているようだし、世は全てこともなしな平和が戻ってきた。

食べ物レポート

ハイスペックディナー@新橋

高知の友人からご招待されて、新橋にある高級イタリアンレストランでお食事会に参加してきた。高知の地元産物を使ったフルコースで、ワインも飲み放題という久しぶりの「ディナー」だった。

テーブルの上にあるナプキンではない「マスク入れ」から今の日本が垣間見える。ただ、ここ数年間はこうした集まり自体が自粛というか禁止というか、令和の魔女狩りというべき「狂乱」の時代だったことを思えば、随分とマシになった。この3年間のさまざまな統計数値を見て、後世の歴史家はどう書き記すことになるのだろうか。最近、あまりニュースでも見かけなくなった例の医療関係者提言集団の「提言」を読めば、数値に基づいていない煽りがあきらかなのだが。医療関係者のボス達は理系集団ではなく、何やら怪しい呪文を唱える数字無視のカルトなグループだったらしい。「怖い怖い教」の教団幹部だったということか。

スペシャルディナーの最初に出てきた前菜は、一口サイズでぱくり。お米を使った「イタリアンなおかき」が食感・味共々斬新だった。併せて出てきた、柚子を使ったカクテルとの相性も良い。

カツオは、おやまあ、これがカツオですかという大変身をしていた。高知スタイルでのカツオのスタンダードな食べ方、つまりポン酢とニンニクとは大幅に違う。野菜としっかり併せて、口の中でのミックスを楽しむ料理になっていた。
無類のカツオ付きとしては、目から鱗が落ちた気分だったが、確かに「鉄分」の多い青魚であるカツオは、強めのソースと合わせると上手くなるし、野菜と合わせる方が食感も楽しめる。なるほどね、これこそプロの腕ということかと、ただただ感心していた。

パスタは白いソースと赤いソースで、かっちりとしたイタリアンスタイルの二種提供だ。この辺りがちょっと嬉しい。

メインアントレは、ジビエ(鹿肉)のローストだった。残念ながら高知さんの鹿は手に入らずということで、今回は滋賀県のもの。ジビエも普通に食べられるようになったのは、どうやらSDGsを売り物にした地域生産物として、全国各地で出回るようになったせいらしい。
確かに鹿は全国ほとんどの場所で捕獲すると懸賞金がもらえる害獣扱いだから、それを有効に利用するというのは良い考えだ。ただ、食材として使うには法整備が不十分なので地域であれこれと対処しなければならないことが多い。
想像以上に柔らかい鹿肉だったが、これはやはりシェフの腕前というものだろう。濃い味の肉に濃いめの甘いソースがよくあっていた。

デザートとコーヒーで締めくくった「ディナー」が終わってみるとおおよそ3時間が経っていた。久しぶりののんびりとした美味しい時間だった。同じテーブルについたゲストの方々もお話上手ばかりで、あっという間の3時間だった。
どうも地方政治家に偏見があり、脂ぎった自慢話ばかり聴かせる人たちだと思い込んでいたが、やはり物事には例外というものがある。お若い時代の海外放浪記や、地元の町につくった健康施設での活動ぶり、あるいは女性利用者からの評判などを面白おかしくお聞かせいただき、すっかり楽しませていただいた「町長」、お話ありがとうございました。

美味しいものを食べ、洒落た会話を楽しむ。面白い話を聞く。普通の楽しみが戻ってきて良かった良かった。

書評・映像評

本棚から一掴み その2

これも棚からひとつかみ取り出してきた本で、居酒屋ガイドブックだ。発行は2015年だから、情報価値はほとんどないだろう。永久保存版と銘打ってはいるが、立ち食い蕎麦屋と同じで居酒屋もコロナに対する抵抗力が弱かった。名店であっても、店主が高齢の場合は閉店してしまった店が多いようだ。
また、この本が発行された平成末期は低価格が良しとされていた時代でもあり、掲載されている店はどちらかというと低価格志向の店が多い。
角打ちなる言葉に誘われて、あちこちの立ち飲みの店に遠征した記憶もあるが、その頃はまだ一人飲みは少なかった。角打ちに行くにしても少人数でサクッと飲むような感じだった。今では、すっかり一人飲みが多くなったので、改めて令和版の一人飲みガイドブックが発行されないものかと期待してみるのだが。
すでに若年層のアルコール離れが言われて久しいので、購読層が限定される。一人飲みはオヤジやジジイの専業的楽しみだからデジタルではなく、紙での出版が望ましい。この時点で厳しい気がしてきた。ライターは誰がとか、ムックにするか新書判にするかなど、あれこれ考えるととても出版は無理だという気がしてきた。幻の一冊になること決定だ。

太田さんの本は随分と買い込んでいた。紹介された店もあちこち行ってみた。出張の時には、全国にあるいくつかの店をありがたく使わせていただいた。最近ではテレビで居酒屋探訪番組を欠かさずに拝見している。
これも改めて思うことだが、居酒屋巡りのリストとして「本」は活用しやすい。ただ、今では住所や電話番号などの店舗情報はスマホでチャチャっと検索できてしまう。それどころか、人気メニューや価格までもグルメサイトで探し出せる。サイトの中の情報は、この居酒屋ガイドにある体験記録、特に情緒性などの要素は吹き飛んでしまった「生の情報」なのだが、それでも良い時代になったということだ。(ちなみにグルメサイトの感想文はどこまでが本物で、どこまでがやらせかという問題が解決していないので、ほぼ読まないことにしている)
確かに飲食店の情報を入手するのが難しい時代は、食通とか言われる人の感想や意見に頼るしかなかった。今の時代は、道具立ても含めて、その他大勢扱いされていたモブ・群衆の大量意見を計量化してみることができる。
一人の食通が言う意見よりもみんながつぶやく平均的な意見の方が役立つと感じる時代になった。こうなると食通の意見は権威もなく、影響力も無くなるのかと思うのだが、それはそれで食の民主主義という理解をすれば良いのかもしれない。アルファブロガーと呼ばれる声の大きな発信者も存在するが、やはり大衆の発する声の集合量にはかなわない気がする。
だからこそ、カリスマの意見に従うのではなく、ファンとして好みの店を慕っていく。そんな楽しみ方が時代に合っている感じだろうか。その読者代表が書いた体験記録で一つの店の話を読んで、ああ、この店に行ってみたいなあと思う。これはグルメサイトで感じない「知的遊戯」ではないか。それでも、とりあえず次に行きたい店を選んだら、グルメサイトで営業しているかどうか確かめなければな……………

食べ物レポート

ツインストアの片割れ

以前に書いた一つの建物に2軒のラーメン屋が入居している場所の2軒目に行ってきた。前回のラーメン屋はこの右側にある。ただし、入り口は一緒だ。中にはいる入り口のドアが左右に2枚並んでいる。左のドアに入ればまぜそばの店だ。
この店は埼玉県のあちこちにあるローカルチェーン店で、お店のサイトを調べてみたら、なんと隣の店が本家で、このまぜそばの店が分家というか子会社のような位置にある。なぜ埼玉特化型なのかはよくわからないが、埼玉の風土にあった麺料理を出している………ということでもないらしい。
ただ、店の中に入ると埼玉ラブな感じが、あることはある。

この店の注文の仕方はちょっと変わっている。まず食券販売機で注文するものを決める。従業員に食券を渡すときにトッピングや味付けの指定をする。このあたりが「二郎系」呪文を唱えるのと同じだろう。当然、増量も可能で、例の「ニンニクマシマシ」みたいな呪文になる。
今回は初回なので、全部入れにしようかと思ったが、①③④⑥にしてみた。増量はなしだ。エビマヨは食べたことがないので最初に決めた。ベビースターは食感パリパリに重要だし、追加調味料としてニンニクと辛味は外せない。次回は、ヤサイマシマシにしてみようと思ったが、初回は普通盛りにしておいた。

待つこと10分程度、太麺は茹でるのに時間がかかるので多少待ち時間が長めになる。後から入ってきた客は、連続して長めの呪文を唱えていた。それがどうにも気になって、隣の客の注文が出てきたときに横を見て確認してしまった。それはものすごいものだった。なぜか丼の上にどんぶりが逆さまになって盛り上げっているような印象がある。山盛りではなく富士山盛りという言葉が思い浮かんだ。
それを食べるのかと、ついつい隣の客を尊敬してしまう。やはりこの店のスタンダードな注文は、麺もトッピングも全てをマシマシにした、超巨大ガツン系まぜそばにあるらしい。どうりで自分の注文の時に「普通で良いのですね」と何度もダメ押しされたはずだ。

出てきた麺普通盛り、トッピング四種だけ増しなしのライト級まぜそばを、ぐしゃぐしゃと混ぜる。広島の汁なし担々麺は5回混ぜると言われたが、これもしっかり混ぜるためには、それなりの回数、時間が必要だった。混ぜているうちにニンニクの匂いがぐわっと立ち昇ってくる。混ぜるたびに見た目は悪くなっていくのだが、その分だけ味は良くなるはずだ。
そして、混ぜ作業を完了し実食すると、まずはニンニクが強烈にくる。その後、濃いタレと混じった歯応えのある太麺が、麺料理とは思えないハードさを味あわせてくれる。顎の筋肉強化には絶好だろう。噛み締める。飲み込む。次の一口を口の中に入れて、噛み切る。噛み締める。飲み込む。これを延々と繰り返す。その途中では一度も「麺をすする」という行為はない。ツルツルではなくモグモグだ。いや、モグモグというよりガシガシかもしれない。
ものをしっかり噛むと空腹感が収まるらしいが、この一杯を食べ終わった時には、満腹感しかない。ニンニクのせいか、顔にはうっすらと汗が浮かんでいた。達成感がある食事になった。

カウンター上にある間仕切りは埼玉ネタ、埼玉アルアルが描かれていた。カウンターに並んでいる間仕切りの全部を確かめてみたくなった。都道府県別人気ランキングで、いつも最下位近辺をうろちょろしている埼玉だが、自虐ネタが大好きなのは某ヒット映画で明らかになった。
千葉県オンリーとか神奈川県オンリーというローカルラーメンチェーンはいくつか知っているが、ここまで地元愛(自虐愛)に溢れたところは知らない。良くも悪くも埼玉らしいというべきか。
次回は、マシマシのまぜそばにするか、それともまぜそばを超えるヘビー級と言われるオリジナルな「ラーメン」にするか、ちょっと悩ましい。