Blog

食べ物レポート

一人焼肉を研究してみた

北海道では定番の牛肉 サガリ

100円ショップで売っている300円商品(変な言い方になるが)に、焼肉用(?)の炭火コンロがある。使い終わった捨てるだけのお手軽さだが、燃焼時間は1時間程度と書いてある。実際に火をつけてから着火剤の煙が止まり安定した炭火になるまで15分くらいかかるので、実際に肉を焼こうとすると使用時間は40分程度だった。
それでも炭と網の距離が近いので、焼肉屋で焼く感覚で一気に肉が焼ける。野菜や肉の厚みに気をつければ、それなりにお手軽なバーベキューが楽しめる。使用してみた感想として、おひとり様焼肉であれば全く問題がない。延々と肉を焼き、そのまま食らう。誰かと途中で喋るとか、やけた肉をシェアするとか、余計な動作がない分だけ、「焼いて食う」に集中できるので、30分もあれば満腹になること間違いない。
ステーキ肉のような厚切り肉を焼くのであれば、多少工夫は必要だが、カルビ焼肉やジンギスカンのような薄切り肉を焼く時には、かえってこちらの方が使い勝手が良さそうだ。

一度火がついた後は、まず火加減を確かめるため網の半分ほどを使って焼いてみた。問題なく火が通るようだったので、全面に肉を乗せて焼いた。バーベキュー台を使うときのように、火力の強い部分弱い部分のような調整はできない。全面的に同じ火力なので、肉は手早く乗せる(時間差を作らない)とか、野菜と肉の置き方を考えるといった手順は必要だが、一人で肉だけ焼いて食うという場合は、ほとんどノープランで大丈夫。ただ、やけた肉を取る時にコンロ上部はかなり熱いので、ドングなど耐熱を考えた道具があった方が便利だと思う。

この日の飲み物は、サッポロクラシックと決めていたのだが、ついついセコマPBのトマト酎ハイにしてしまった。酎ハイと言いながら、意外と甘味が強い。トマトの甘みだとしたら、とんでもなく糖度の高いトマトを使用していることになる。それほど高糖度なトマトであるのなら、生で食べてみたいくらいだ。
ちなみに、この日の締め肉は当たり前のようにタレ付きジンギスカンだった。短い北の国で夏の楽しみ「ジンギスカン」は決して忘れない。これは「ハート&ソウル」に刻まれた幼少期からの記憶、チープなご馳走感覚の賜物だ。
ちなみに、今ではラム肉も牛肉並みに高いので、ジンギスカンは決してチープなご馳走ではないことを追記しておく。えへん。

街を歩く

街角の片隅で発掘を楽しむ 二景

去年はほとんど見かけなかったが、有名観光スポットで写真を撮る観光客が戻ってきていた。ただ、観光バスが横付けされて修学旅行のように群れているインバウンド観光客の姿は見られない。チャイニーズスピーカーも、ほとんどが台湾から来た人たちらしい。この時期は、服装や格好で観光客の日本人・外国人の区別がつきやすい。
地元民は、まだ恐る恐るの夏仕様で、半袖のシャツあたりが限界だが、南方から来た人たちは、足元は素足でサンダル、派手目のTシャツというサマーバケーション的なラフさだからだ。日本人観光客でも、さすがにショートパンツ姿は少ない。
北の街で屈指の観光名所に設置されている、撮影台に上る観光客の姿は見られない。個人的な感想で言えば、この上に立ってWピースサインの姿を撮影してもらう(自撮りする)のは、かなり恥ずかしい。観光地によく置いてある、顔の部分に穴が開いてある撮影ボードも恥ずかしいが、このお立ち台の方がはるかに羞恥心をそそる。
少し時期が変われば、この撮影台も賑やかになるのかもしれない。どうも北の街の人たちは、オーバーツーリズムという視点は感じていないようで、もっと観光客が増えても良いぞ、という感覚らしい。
ホテルの宿泊代は、すでにコロナ前より高騰している。バブル期の経済状況に似ている感じもするのだが、それでも観光客増を望むのは、あのコロナの落ち込みぶりが恐怖感に繋がっているのだろうか。

観光地とは全く関係ない場所だが、地下街中央部にある休憩施設の閉鎖が続いていた。もはや時代遅れの町飲みならぬ地下街飲みで、騒いだ若者グループが市民の顰蹙を買い、飲んで騒ぐのは禁止となった後に、酔っ払いが暴力沙汰を起こて全国ニュースにも放映される事態になった場所だ。ある意味、今年の有名スポットだ。閉鎖されて二月以上も経つのだが、どうやら行政は解放する気がないようだ。
前に見た時も思ったことだが、これは立体造形的というか現代アートっぽい感じがする。どうせなら、地下街のあちこちにこんな感じのアートな展示を行なって見るのはどうだろう。地下街の人通りもすっかり少なくなった気がするので、街の活性化として取り組むのが面白いと思うのだが。「地下街・アートストリート」みたいな感じか。
災転じて福をなす。雪まつり前の観光イベントとして考えれば面白そうだけどなあ。

街を歩く

サンドイッチ天国 

ススキノのハズレから徒歩5分くらい?

コロナの間はいつ行っても長い行列ができていた。ようやく落ち着いたらしく、午後になれば店外に並ぶことも無くなったようだ。ただ、現在の卵不足は一番人気のたまごサンドにも影響が出ているようなので、ちょっと注文するのを遠慮した。

普通に美味しいハムサンドはハムがたっぷり ポテトサラダのベーコンの組み合わせは大人仕様だ

今回の獲物は「ハムサンド」と「ベーコンポテトサンド」だ。ハムカツサンドにも心惹かれたが、ここは当初の意思を変えずハムサンドにした。コンビニで売っている「なんちゃって系ハムサンド」は食べるたびにアレコレ考えさせられるから、最近買ったこともない。多分、3年くらいコンビニで三角サンドイッチは買っていない。
個人的にはぼったくり商品だと思っているせいもある。量産可能な商品で300円超えの値付けは、ほとんど犯罪的な価格設定だと思うが、コンビニ各社は確信犯的に利益邁進に励んでいる。
そのサンドイッチで稼いだ分をおにぎりの販促費用に充てている感じもする。個人的に真っ当な商売感覚では無いような気がしているが、勘ぐりすぎだろうか。コロナで焼け太っていたコンビニ各社が、この先の価格戦争勃発時に巻き込まれずにいられるか、かなり意地の悪い視点で見ている。
全国各地に激安弁当の店はあるが、それと比べても予想以上にサンドイッチ店は少ない。なぜかサンドイッチは単体で販売することが難しいようだ。あのMマークのハンバーガーチェーンも、昔々に三角サンドの店を展開しチェーン化に挑戦したが撤退してしまった。デパ地下に入るような高級品サンドはそこそこ生き残っているが。大衆価格のサンドイッチ店は限りなく少ない。なぜだろう。
ただ、適正価格で良質な商品という基本を守れば、この店のような繁盛ぶりはあると思うのだが。この店の立地は、繁華街から外れている住宅地で、決して良い立地ではないのに、24時間営業で賑わっている。
最近、何十年かぶりで新店を出したそうだが、そちらも人気店になっているようだ。商売にお困りの方は、一度見学に行ってみると良いと思う。手土産に買っていきたいと思うサンドイッチが、コンビニサンドよりはるかに安いのだ。そして、明らかに品質はこちらが数段も上なのだから。
コンビニサンドと商品比較をするならば、タマゴサンドとハムサンドがベンチマークになる。フルーツ系サンドも適正価格で、東京の小洒落たぼったくり系サンドと比較するとため息が出るはずだ。個人的には秘密にしておきたい名店だが、学ぶことは多いのでご紹介します。

街を歩く

街角の片隅で発掘を楽しむ

昔、というかコロナの前によく通っていたセルフ焼肉屋が閉店してしまった。しばらくテナントが空いていた場所に、また焼肉店がオープンしたらしい。店頭に置かれているブラックボードで気がついた。
ただ、その表示が最近では珍しい「喫煙」可能のお誘いだ。ちなみに、北海道では成人男性(30ー40代)の喫煙率が都道府県別の統計ではずいぶん高いらしい。全体の喫煙率も全国で上位だったはずだ。
喫煙者は室内での喫煙が止められているので、屋外喫煙の場所を探すのが大変なようだが、特に気温の下がる時期では屋外でタバコを吸うのも一大事だろう。吹雪の日に暴風と雪と戦いながらの喫煙は想像するだけで寒すぎる。もはや戦闘シーンだ。
考えれば、焼肉屋は肉を焼いた煙を追い出す強制換気システムが活躍しているので、タバコを吸っても室内環境的に問題はなさそうだ。

それが気になって、焼肉店の看板をあれこれ眺めていたら、なんと「羊肉」に特化したお店らしい。これは一度入ってみたくなる。「羊肉」好みは昭和の北海道人に刻み込まれた食文化、刷り込みの賜物だろう。
ただ、なぜかこの時期の「推し」メニューが、牡蠣の食べ比べになっていた。確かに厚岸の牡蠣はいつ食べても美味い。宮城の牡蠣も美味い。が、季節は夏だ。生牡蠣の食べ比べと言われても、ちょっとあれこれ考えてしまう。グリルで焼いて食べるのかとも思ったが、どうなのだろう。
謎がたくさんある店のようなので、やはりこれは一度行ってみなければいけない。牡蠣と羊肉という組み合わせは危険な香りがするが。それでも、マトンのタタキもうまそうだしチャレンジしなければ。
この店に行く時は、匂いがついても良い服装で行かなければいけないだろうから、あらかじめ虹地を決め予約していく覚悟が必要だな。ふらりと入ると、帰りの交通機関の中がすごいことになりそうだ。
ただ、予約しようにも店名がわからん………… 不覚だった。

街を歩く

蕎麦屋で追加飲み

ススキノで飲む事は少ない。昔から、ススキノではなくその周辺でばかり飲んでいた。新宿でも渋谷でも、盛場のど真ん中みたいな場所は微妙に避けているので、やはりこれは性分というものかもしれない。新宿であれば歌舞伎町ではなく新宿三丁目だし、渋谷はセンター街、道玄坂を外して桜ヶ丘あたりに行くことが多い。
この店も、ススキノで飲んで締めの一軒にするという感じではなく、午後遅くにちょっとだけ酒を飲みながら蕎麦を啜る、みたいな使い方だ。蕎麦屋は飯屋というより酒が飲めるファストフード感覚で使うものだと思っているせいだろう。

まず日本酒を頼む。気温に関わりなく蕎麦屋では熱燗(ぬる燗)がよいと思う。突き出しについてくる揚げた蕎麦をぽりぽり齧りながら、チビチビと飲む酒が良い。蕎麦屋で飲む酒は、ぐいっと一息に生ビールとはいかない。ビールを飲むにしても瓶ビールでチビチビがよろしい。

蕎麦屋に来て蕎麦を注文しないのはさすがに罪悪感がある。それでも、かしわ抜きを頼み、出汁の効いた熱い蕎麦つゆをごくりと飲み、酒をちびりとやる。それを延々と繰り返す。
少し腹が減っていれば追加でもりそばを頼み、それも蕎麦を一本ずつつまみながら酒を飲む。ずるっと啜るのは、そばが乾き始める頃、最後の最後だ。
偉そうに語るつもりはないのだが、蕎麦屋の使い方、蕎麦の食べ方にはそれぞれに自分なりの流儀があっても良いと思う。ラーメン屋やうどん屋ではあまり感じることがない、こだわりのお作法みたいなものを蕎麦屋で感じるのは、やはり酒を飲む場所としての完成度が高いからだろう。
ラーメン屋で飲むなら、チャーハンにビールだし、うどん屋だったらそもそも飲まないかもしれない。
そんな流儀を守ろうとすれば、蕎麦屋は一人飲みに限る。おそらく蕎麦屋は元気に飲んで、賑やかに語る場所ではないのだろう。そうしたければ焼き鳥屋やおでん屋、親父が一人でやっている居酒屋にでもいく方が良い。
多分、コロナの後遺症なのだが、一人飲みにすっかり慣れてしまうと、そんなふうに考えるようになった。

街を歩く

インバウンドもどき 復活中??

昭和の中期、外国人プロレスラーがリングに上がる時に来ていたような「お言葉」が書かれている
さすがに魚の名前のシャツは着ていなかったともうが

確か去年まではマスクコーナーがあった場所だった。驚安の殿堂の店舗で、入り口の周りはその時々のトレンドが現れる「今の日本」的ポイントだ。この時期であれば、暑さ対策グッズがずらっと並びそうなものだが、目に入ってきたのは「デザイン的にこれはどうよ………」と言いたくなる、ド派手なTシャツだった。
高知の帯屋町商店街の一角で、高知弁で書かれた「おもしろご当地語」のTシャツが売られている。観光グッズなのだと思うが、キャラクター商品的な扱いにもなっているようで、高知の住民も買っているようだ。(ただし、用途は自分で使うのではなく県外人へのギフトだと思うのだが)
このTシャツ群は見ればわかる通り、漢字がデザインとして使われている。書体は様々だが、達筆という感じはしない。これくらいのレベルで良いのであれば、自分でもかけそうだ、と思うくらいの「並の書き手」の字だ。
観光地である北の街に「こういう需要」が戻ってきたのだとわかる。一度、自宅近くにある驚安の殿堂店にも行って同じものがあるか確認してみよう。自宅近くは、観光とは全く無縁の場所だから、もしそこにも「ヘタウマ漢字のシャツ」が売っていれば、観光客相手ではなく今年の夏のトレンドと考えることにする。

もう一つ気になったのが、この漢字Tシャツの脇でこっそり置かれていたJapanエコバッグという代物で、デザインは赤青白とド派手なJapanナショナルカラーを使ったそれっぽいものだ。
ただ、気になったのはそこではなく「エコバッグ」と書かれていることだ。カタカナが読める人を対象にしている商品なのだろうか。それとも、販売対象不明のまま怪しげな商品として売るつもりなのだろうか。相変わらずこの店の販売意図は面白い、というか意味不明のまま放置されているのがよい。
こんな不思議な体験ができるから、驚安の殿堂は人気があるのかもしれない。個人的には、安売りといえるほど安くない商品が多いと思うが、お宝探し(今すぐ必要ではないが、自分にとって響いてくるもの)の店としては、優秀過ぎるくらいだ。遊び心がある店が全国展開出来るというのはすごいことだといつも感心する。

街を歩く

小樽でぶらぶらしてみた

何度も小樽には行っているのに、全く知らなかったレトロアイスクリームの店を発見した。アーケード街の一角、それも2階にある店のようだ。これまで一度も視界に入っていなかった。レトロアイスクリームの情報すら知らなかった。これは、ぜひ次回の目的地にしなければ。
なつかしのチョコパフェも魅力的だが、アイスクリームと両方は無理だろうなあ。

あんかけ焼きそばは、最近の町おこしメニューらしい。アーケード内にある中華食堂で食べた記憶はあるが、この店は入ったことがない。運が悪いのか、いつ小樽に来ても定休日にぶち当たっていた。たまたま、この日は営業中だったが、こちらのお腹が満腹状態で店に入る勇気が出てこなかった。
次回は、レトロアイスとあんかけ焼きそばに決定か。定休日を事前に確かめなければいけない。

駅前のショッピングセンターに貼ってあったポスターに気がついた。対面式というのは、いわば大学対抗の罵り合いだ。北海道大学と小樽商科大学、つまり北大対樽商の運動部が年に一度、定期戦をするのだが、その事前イベントとして両校応援団が互いを罵り合う。
学校の根幹に関わる事象を、あれこれ並べ連ねて罵倒する。罵倒の対象は、両校を超えて札幌市対小樽市という構造にまで広がる。(はずだ)
その罵倒の作法が発声法や、前口上といった部分に残されている。ユーモアを持った罵倒とけなしあいが前提なので、口汚く罵るものではない。おまけに両校応援だの服装が、明治のボロボロ衣装(和装)なので、見た目にはやたら汚らしい。
多分、実際にも汚いのだと思う。あの服は洗濯をしたら服の体をなさずボロ切れになってしまうのではないかと思う。
最近の対面式の現場を見たわけではないので、あくまで当時の記憶での想像だが。平成生まれの応援団員は、もう少し衛生観念が進んでいる気もする。コスプレ化しているのかもしれない。
見に行きたいような、でも見てはいけないもののような気がして、結局行かなかったのだけれど。来年は、札幌開催になるはずだから、開催地である大通公園(多分)にいってみようかな。

食べ物レポート

メロンパン 行脚は続く

北の街で駅前通りにできた新築ビルの地下に、おしゃれなパン屋さんが開店しているのは知っていた。おしゃれな店だから「パン屋」さんとか「ベーカリー」とは言わない。フランス語らしきブーランジェリーというおしゃれな言葉が使われている。
あまりにおしゃれすぎて敷居が高かったのだが、たまたま他に誰もいないタイミングで、こっそり並んでいる商品を見て歩くと、おやまあ的な美しいパンが並んでいた。ここぞと気合を入れて、メロンパンを買ってみることにした。

白い粒々が上面にある、なんとも不思議な形状のメロンパンだった。生地はブリオッシュという高級生地だ。白いつぶつぶは、氷砂糖らしい。食べるとカリカリっと砂糖が口の中でつぶれていく。想像を絶する甘さだ。当たり前だが、砂糖の塊を食べているのだから仕方がない。氷砂糖の食感と柔らかいブリオッシュ生地のアンバランスが職人さんの狙いだろうか。
高級感はあるが、かなり甘いのが難点かもしれない。甘党にはこれくらいのパンチのある甘さが評価されるはずだが。この半分くらいの大きさにしてくれると自分としては良いのだけど、などと思ってしまった。確かに、変わったメロンパンとしては絶妙なものだった。

最近好みのクイニーアマンもついでに買ってみた。表面のキャラメリーゼが重要ポイントだが、これは食感を楽しむ食べ物なので、特にカリカリ感が大切だ。
甘さが控えめなクイニーアマンにはお目にかかったことがないが、これも強烈な甘さを楽しめる一品だった。和菓子と比べると「甘いパン」の甘さは、まさに食として段階が違う別物の強烈さなのだが、最近はこの強烈さがすっかり気に入っている。
まさか、甘さを感じる機能が低下したとも思えないので、やはり歳を取ると子供と同じように単純な味に好みが移るのかとも思う。
微妙な甘さとほろ苦さのバランス、みたいなものは最近どうでも良いのではと思うようになった。
メロンパンは単純な甘さの典型だが、クイニーアマンに代表される最近の流行り物は、やはりもう一段上の「強烈さ」が評価のベースにあるようで、和菓子と抹茶的な危ういバランスを楽しむのとは、違う世界の食べ物なのだろう。甘さの世界では和菓子と洋菓子職人の世界観が違うとしか思えない。
最近は洋菓子方向に思考が移っているのだが、舌が幼児時代に回帰しているということだろうか。もしそうだとすると、これは幸せなことなのか。甘い甘いメロンパンを食べ歩きながら感じる、己の不条理みたいなものだな。
ただ、世界は間違いなく「とても甘いものが好きな」方向に変わっていっているのも確かだ。アメリカ人に日本の菓子は甘すぎる、と言われる時代がやってきそうだ。

食べ物レポート

薮半 ファイナル

小樽の蕎麦屋詣も回を重ねて、ついに4回目になった。暑い夏の盛りも、雪で滑る寒い時期もこなしながら、ついに食べてみたいメニューを制覇した。良い店の困ったところは、食べたいメニューが多すぎで、完全制覇するまで何度も足を運ばなければいけないことだ(笑)
とりあえず今回でファイナルだと思ってはいるが、またあれこれ食べにきたくなるのは間違いない。

今回は、北海道産日本酒「国稀」を燗酒にしてもらった。特に何も言わなくても、ちょうど良いぬる燗だった。最近の燗酒は熱めなことが多い。レンジアップのせいだが、よくできている店ほどぬる燗で出してくれる。店のレベルを図る目安には燗酒が重宝する。
今までは冷やでばかり飲んでいたのだが、国稀はぬる燗の方が明らかに美味い。香りが違う。また一つ勉強させてもらった。そば味噌を舐めながらちびりとやるのが、蕎麦屋酒の良いところだ。

抜きシリーズは三品制覇したので、今回はいちばん気にいった「かしわ抜き」にした。汁物で酒を飲むというのは、居酒屋ではなかなかできない。出汁の効いた「ぬき」を酒の肴にするのは、やはり蕎麦屋独特の楽しみ方だろう。天抜きも注文したかったのだが、流石に二品は手強すぎる。

代わりに天ぷらを追加で頼むことにした。定番のエビではなく、小樽名物のイカにしたのだが、これが大正解だった。抹茶塩で食べてくれ、ということだったが、たしかに塩で食べるイカ天は美味い。
ただ、最後の二切れは、誘惑に勝てず「かしわ抜き」に放り込んで食べてしまった。やはり、天ぷらの衣がそばつゆに浸ってぐずぐずになっていくのを食べるのは、背徳的なうまさがある。こういった、セルフアレンジができるのも蕎麦屋酒の良いところだな。

そして、この日のメインイベントは、カレー丼に続く名品「カレーせいろ」だった。ああ、これは美味い。自分の好みぴったり合う。
蕎麦屋のメニューの中で、カレー味は変化球でゲテモノ的な意識があったが、この店に通ううちにその意識はすっかり変わってしまった。
「もり」で締めるのがそばの常道だとして、蕎麦屋の店主は「もり」の品質にこだわるのだろう。それに逆らうつもりもないし、普段食べるのも「もり」がほとんどだ。寒い時期に、ちょっと浮気をしておかめそばを頼むくらいで、蕎麦といえば「もり」そばだと思っている。
ただ、カレー味は超絶技巧な技の発現だと思い知らされた。何気なく食べたカレー丼もそうだが、このカレーせいろのカレーつゆが、蕎麦の食べ方を極限まで広げてくれた気がする。
しかし、カレー南蛮はよく見かけるが、カレーせいろはお江戸の蕎麦屋で見たことがない。気がついていないだけだろうか。埼玉名物の武蔵野うどんでは、ほぼ定番でカレー味があるが、蕎麦屋では見た記憶がない。
これは、お江戸の老舗の蕎麦屋巡りを再開して、カレーせいろ探索をする価値がありそうだ。お江戸で見つからなければ、またこの店に戻ってくれば良い。戻ってくる理由が一つ増えた。めでたし?

街を歩く

ぶらぶら歩きの発見 記録3

知人と最近のビジネスの話をした時に、繁盛店ほど人手不足に悩み営業時間を短縮していると言われた。そんなバカなと思って聞き流していたのだが、その実例を見つけてしまい、しみじみ考えさせられた。
確かに、繁盛店で長時間営業するのは経営効率が悪い。ピーク時の満席状態を全力で回して、その後はさっさと閉店する。それができないのは、繁盛度合いが足りないからで、暇な状態でもダラダラと入る客をかき集めるしか売り上げを増やす方法がないからだ。ダラダラ営業というのは人員効率が悪い。
そもそも、改めて考えるほどのことでもなかった。効率の良い繁盛店とは、スープが売り切れ次第で閉店するラーメン屋みたいなものだ。ただ、自分の気に入っている繁盛店がそうなっていると、なんだかちょっと考えさせられる。
まあ、閉店間際の遅い時間に行かなければ良いだけのことだし。営業中のサービスが悪くなるわけでもない。相変わらず、気持ちの良い接客と高い品質の商品が出て来るのだから閉店時間が早くなろうが関係ない、といえば関係ない。
これも、人気店だけが生き残る厳しい時代の表れと考えるべきだろう。

なんと、狸小路が誕生150年らしい。コロナの前に、北海道開基150年とか言っていた記憶があるから、狸小路とは北海道開拓とほぼ同時期にできたということか。いや、びっくりした。凄いな。
狸小路には、今でいう性風俗店(女郎屋)やぼったくり系飲み屋がたくさんあって、まるで狸にばかされるような目に遭うということから狸小路と名付けられた………という話を、昔々、大先輩から聞いたことがある。
本当かどうかは怪しいが、狸小路のアーケードがなくなる西の端の方は、確かに昭和後期まで怪しい建物が残っていた。今では、古い店もすっかりなくなり全国ブランドのチェーン店も多いから「狸」にばかされそうな場所は無い。すっかりたぬきキャラがぽんぽこ踊る街だ。
ちなみに、コロナの間にインバウンド目当てのドラッグストアに代表される「集団買い出し」店舗はすっかりなくなった。日本人観光客目当ての「土産物店」も数を減らしたので、なんとなく改造途中の街という感じもする。

その改造途中を感じさせる新型高層ビルが7月中旬に開業するのだが、これは新しい札幌のランドマークになるだろう。すでにテナントとして入居する銀行の支店は開店していた。
ただし、銀行は2階にあるようで、路面の一等地は金融機関が占有するというまちづくりの常識はすでに過去のものらしい。しかし、開業迫る新商業ビルで、開業まで残すところ3週間というタイミングにも関わらず、テナント募集中というのもお江戸あたりではちょっと考えにくい。不思議な光景だ。
ちなみに、このビルの目玉は「水族館」で、ペンギンショーが見られるようだ。けっこう楽しみにしているのだが。個人的には、オオカミウオを是非とも展示してほしい。

すでに書いたことだが、狸小路からちょっと外れたところに、中古本のチェーン店がある。ビルの1階から4階までぶち抜きで使用しているので、相当な人気店だと思うが、その店でオリジナルキャラクターのポスターが貼ってあった。
そして、なぜかこのキャラは「たぬき」ではなく「きつね」なのだね。狸小路からの距離は実に微妙なもので、その距離感がキツネを選ばせたのか。たぬき小路に対抗心があるのか。改めて、気になってしまった。タヌキャラにも会いたい気がするが……