街を歩く, 旅をする

日本三景 制覇した

竹田城に行こうと思い福知山に泊まった。その途中というか、ずいぶん遠回りをして「天橋立」を見に行った。テレビの旅番組では常連中の常連観光地だが、実は関東から出かけていくにはなかなか難度の高い場所だ。新幹線で京都まで行き、在来線特急を乗り継いでいくことになる。今回の行程でよく理解できたが、丹波・丹後に行くには、京都市内を抜け延々と山の中を通り抜ける山間ルートで、車窓の光景は山と木しかない。あまり面白いのない道のりだ。そして、鉄道ではなく自動車で移動したとしても、光景に変わりはない。国道は山間を流れる川沿いに伸びているので、見える景色は山と川になる。だから日本海側に抜けると、実に爽快な気分になる。天橋立は、当たり前だが海の景色だった。

車のナビ通りで天橋立に辿り着いたが、そこは観光客向けの駐車場だった。まあ、ナビとしては正しい。予備知識もなしで突撃してきたので、駐車場の管理人の方に、あの有名な光景はどこに行ったら見られるのか聞いた。まったくおバカな質問だという自覚はあるが、とりあえず徒歩5分くらいのところにビューランドというものがあるということがわかった。

朝一番の登頂を目指し長い行列ができていたが、開場後はあっさりとリフトに乗ることができた。モノレールもあるが、晴れた日であれば開放感のあるリフトの方が楽しい。

リフトに乗ること5分くらいで山頂に着く。この展望する場所を「飛龍観」という。天橋立の光景が、龍が天に登るように見えるからだそうだ。飛ぶ龍を見る場所という意味合いになる。なるほどなあ。ただし、これは帰りがけに仕入れた知識だ。

リフトを降りて坂道を少し上がったところで振り返ると、おお、あのよく見る光景が目の前にあった。なるほど、確かにこれはすごい。映像の数倍もリアルが素晴らしいということを実感した。周りにいる観光客はほとんどが日本人で、さすがにお勉強熱心な人も多く、飛龍観の説明が気を並んで読んでいた。

有名な股のぞきをするための台がいくつか置いてあるが、ちょっと前にここから股のぞきをして転落したというニュースがあったので、台から離れた場所で股のぞきをすることにした。そのあと、台の上でのぞいてみようとしたが、これはかなり危ない。高齢者はバランス感覚が悪いので、挑戦してはいけないデンジャラスゾーンだと逃げ出した。

帰りはリフトではなくモノレールにしたが、それが正解だった。車両全面に広がる光景は実にゴージャスなものだった。だんだんと高度が下がり、天橋立の見える角度が変わるのも見ものだ。

展望台の上であちこち場所を移動しながら写真を30枚ほど撮ってみた。一番良さそうなものがこれだ。良い写真を撮るには、やはり数で勝負だなと改めて思った。アマチュアカメラマンはフィルムをケチるから良い写真が撮れないと言われたのは、もはや遠い昔のことだ。今ではスマホでもデジカメでも嫌というほど撮りまくって、その中からお気に入りの一枚を選び出すのが正しい撮影のお作法だろう。残る条件は天候の良し悪しで、こればかりは旅行のタイミングを調整するか、金にあかせて長期滞在するしかない。
今回は、とりあえずの晴れでめでたしめでたし。このあと、そそくさと竹田城を目指すことにした。

食べ物レポート

京都なメロンパン

京都と聞くと「雅」とか「伝統」とか、これまたステレオタイプな印象しかない。料理で言えば京懐石みたいなちまちまと美しいものを思い浮かべるか、湯豆腐のようなシンプルの極みを思い出すかだ。だが、実際に大衆的な食堂で食べることであれば、京都のラーメンは福岡を超える濃厚豚骨スープだし、京風おこのみ焼きも本場大阪を超える濃い味だと思う。いや、お好み焼きのギトギト感という点で言うと京都の方がすごい。
ただ、京都市内の街角にあるパン屋さん、ベーカリーというよりブーランジェリーという方が似合っている感じがある、おしゃれなパン屋ではまさに京都風と言いたくなるパンに出会うことがある。おしゃれ感の方向が他の大都市のパン屋とは良い意味で違っている感じがする。京都のパン屋巡りをしたことがあり、なかなか楽しい経験だった。

だから、京風メロンと書かれたパンを見つけた時は思わず手に取ってしまった。そのままカゴに入れた。あとで、袋を開けて取り出してから、なんとなく違和感があるぞと思った。袋をよく見ると「メロンパン」とは書いていない。実際のパンを見ても、あのメロンパン特有のザクザクした生地ではない。形も丸ではなくラグビーボール状だ。食べてみると生地はほんのり甘い、そして、真ん中に白あんが入っていた。なるほど、メロンパンではなく「メロン」風な味のパンだったのだ。
製造元の山一パンのサイトで確かめると、「さくさくメロン」と言う一般的なメロンパンは別に販売されている。京風メロンは、京都吟味百撰に選ばれている「折り紙つきの京都の食べ物」だった。やはりこれは畏ってありがたがるべき食べ物だったらしい。このメロンの他に、黒豆のパンやあんぱんも認定されている。うーん、京都はパンにすら格式をつけるのだなあ。なんか、すごい。

食べ物レポート

メジカ横丁

高知県で夏の終わりになると爆発的ブームになるのが「メジカ」だ。メジカとはソーダカツオのことで、その幼生体をシンコとよぶそうだ。メジカのシンコは、身のもちもち感が売り物なのだが、朝釣ったメジカは昼までに食え、昼釣ったメジカは夕方までに食えと言われるほど、身の劣化が激しいのだそうで、現地に行って釣りたてを食べるしかないという「希少な食べ物」になる。高知市内では、この時間制限に間に合わないので食べられない。多くの人がわざわざ中土佐町久礼までメジカを食べにくる。買いに来るのではないようだ。
その釣りたて捌きたてのメジカを買うために、特設販売所が市場の中に設定される。それぞれの小屋は漁師の船ごとで、漁師の奥さんたちが夫の釣ってきた魚を売っている。どの店の魚を選ぶのか、基準はよくわからないが船・小屋ごとに行列ができる。週末ともなれば三時間待ちも当たり前だそうだ。その行列ができる前に写真を撮りに行ったのは朝の9時ごろだが、9時半になると10名くらいの行列が何本もできていた。

メジカのシンコはあまりの行列の凄さに地元の人も買えない、食べられないとのこと。また、地元の人にはなんとか伝手を辿ってメジカを手に入れてくれという依頼、強要、おどし(笑)が引きを切らないそうだ。お盆過ぎからは町を挙げての大騒動らしい。高知市内から来ると、久礼の町までは自動車で一時間くらいだが、中には大阪から来たというツワモノもいるらしい。ネット社会の凄さを知らしめる事例だろう。

メジカはソーダカツオだが、それ以外のカツオ類のシンコもうまいそうで、元漁師の友人がすすめる「もんつき」という符牒で呼ばれるスマカツオを食べてみた。ふむふむと納得したのだが、どうもカツオの食レベルが低いせいで、違いがよくわからない。うまいのはうまいので文句はない。ただ、久礼の町にいるカツオマイスターの舌には遠く及ばないことはよくわかった。

最近度々お世話になっている居酒屋で裏メニューとして出してもらったが、これ以外にも色々と必殺技的裏メニューが多く、居酒屋の店主がニコニコしながら進めてくる「今日のうまいもの」を楽しみにしている。漁師町の居酒屋はなかなかあなどれない「うまいものや」なのでありますよ。

街を歩く

京都風なラーメン

京都から福知山に向かう時、特急を使わないと途中の駅が終点で、そこから乗り継ぐことになる。京都駅を出発してから30分ほどで着いた街は、駅前はだいぶ寂れている。京都市内までは通勤圏だと思うが、典型的な地方都市の感じがする。駅から少し離れたところにイオンがあるのも地方都市のお約束だ。そして、街道筋、ロードサイドに大多数の商業施設は移転済みで、駅前を利用するのは交通難民である高校生と高齢者だけ………のはずなのだが、なぜか駅の反対側に大きなサッカースタジアムがある。確かに、この街も京都府なのだ。Jリーグのチームがホームにしているらしい。

そもそも現在の京都府は、元々の山城国に加えて丹波国の一部、丹後国が行政区分に入っている。つまり京都市から日本海に向かった地域も京都府なのだ。そして、山間に点在する地方都市は昔の領主、豪族が支配した拠点だった。
この街の主人はなんと明智光秀で、駅には「明智の殿様推し」の案内板があった。絶対支配者への反乱という負のイメージは、どうやらこの街では存在しないらしい。城下町を切り拓いた尊敬すべき領主として記されていた。
その光秀の街でたまたま見つけたラーメン屋が妙に気になった。黄色に黒字といいう交通標識のような目立つ看板のせいもあるが、それ以上に目を引いたのが「味は一番だ」という宣言だった。
これは微妙に意味深だ。うちのラーメンの味は一番だ、と言いたいのだと思う。ただ、ラーメン店にとって「味」は一番大切だと思っております、という決意とも取れる。おまけに京都伏見が発祥の地らしい。ただし京都市の一部である伏見は京都でも南部、京都市内中心部からはかなり離れた場所で、すぐ隣は奈良県境になる。いわば山深い京都が生まれ故郷なのだ。ワイルドではないか。一度店の前を通り過ぎたが、気になり戻ってきてしまった。

結局、京都のラーメンを食べることになった。ちなみに京都のラーメンの特徴は、ギトギト豚骨系スープだと思う。豚骨ラーメンの本場、九州のそれよりももっと濃厚なスープで、かつ、ドロドロ系であるという認識だ。出てきたラーメンは、まさにその通りのものだった。ただ、見た目と違い塩味は薄めなので、意外とサラサラと麺を食べてしまう。だが、スープは濃厚なので口の周りはコラーゲンでツヤツヤになる。
其のドロドロラーメンを食べながら思い出したことがある。昭和の中期に一時期はやっていた「京風ラーメン」のことだ。あれは全くの創作料理だったのだろう。京都という言葉に触発されたような和風だし系さっぱりラーメンだった。トッピングも、ビジュアル重視のあっさりしたものだったような記憶がある。しかし、その京風ラーメンというものに、京都で出会ったことがない。京都のラーメン代表といえる有名店はどこもコッテリドロドロ系と決まっている。

まして、このラーメンは京都といっても南部の伏見が発祥地のせいか、京風というより京都辺境風とでも言いたくなる凄みがある。ふらりと入った店で、なんだかすごい強者と出会ってしまった。

食べ物レポート, 旅をする

同名の焼き鳥と間違えた?

岡山駅近くにある百貨店の裏側は、相当に賑わう飲屋街だった。ただ、不思議なことに魚居酒屋・寿司屋が見当たらない。地元民であればみんな知っている有名店がありそうなものだが、旅先で訪れた街ではなかなか見つけにくい。いかにもうまそうな大衆居酒屋的な店はどこも満席で入れそうにない。飲み屋難民だななどとぶつぶつ言いながらさまよっていたら、どこかでみた店名がある。
北海道ではおそらくナンバーワンの知名度を誇る焼き鳥チェーンの名前ではないか。ついに、東京・大阪を乗り越え岡山まで出店したかと感動した。

いつものように セセリとつくね 

おまけに看板を見ていると、骨付鳥まであるではないか。この骨付鳥は瀬戸内海の反対側、讃岐国では圧倒的な人気商品のはずだが、瀬戸大橋を超えて岡山にも渡ってきたか、すごいぞ串鳥………と思って気がついた。脳内で店名を漢字変換したので気がついた。この店は、「串鳥」ではなく「串どり」ではないか。妙にパクった感がある。いや、たまたま同名で字が違うだけだと思う。そういえば見慣れたロゴもないしなあ。と思いつつ、これも何かのご縁かとこの店に入ってみることにした。

中に入れば普通の焼き鳥屋で、注文した焼き鳥は普通にうまかった。問題なしだ。それでも岡山の骨付鳥が気になったので、焼き鳥の追加注文は取りやめにして、骨付鳥を頼んでみた。

出てきたものは、讃岐の骨付鳥とはだいぶ異なる。と言うか、ルックスは骨付鳥とはほとんど別物で、食べてみれば味付けも全く別物だった。似ているのは親鳥の肉が固いことだけだった。料理というものは生まれたところからだんだんと変化しながら伝播していくものだと理解はしている。しかし、瀬戸内海という海を渡ると距離的には近くても劇的な変化を遂げてしまうらしい。料理の創作とアレンジの間には、これまた随分と深い深淵があるようだ。鳥料理について、また一段と学んでしまう夜となった。

食べ物レポート

姫路駅ホームのそば

テレビ番組で鉄道を取り扱う時には、とても登場回数の多い有名な場所が、ここ姫路駅在来線ホームにある立ち食い蕎麦屋だ。
ホームの蕎麦屋がどんどん消えていく時代に、今でもしっかりと存在感のある店舗?で営業中ということも理由だろうが、ネタになる最大の原因は「麺」にある。暖簾に書いてある通り「名物まねきのえきそば」を食べるとそれがわかる。

店舗が車両を模した形になっているのは「鉄道愛」あふれる経営のせいだろうか。なつかしの国鉄カラーだから余計に郷愁感が漂う。

早速、えきそばを実食することにした。トッピングはかき揚げだ。出てくるとすぐにわかるが、麺が蕎麦ではない。黄色味を帯びた中華麺だ。ただ、いわゆるラーメンの麺としての歯応えや固さなどは感じない。どちらかというとうどんよりの柔らかい麺だ。 
出汁はいわゆる関西系の濃いだしなので中華麺に負けることはない。むしろ東京で食べる立ち食い蕎麦屋の濃い味付けをはるかに超えている。この蕎麦の主役は明らかにつゆだった。

良いものを食べさせてもらった。駅そばは奥が深い。

食べ物レポート, 旅をする

カツカレーのうまい店

岡山発の土讃線高知行き特急には超有名キャラのラッピングがされている(全部ではないらしい)が、高知駅で折り返すためホームで停車している車両をじっくり眺めることができる。バイ◯ンマンは悪役なのに人気キャラのようで、中央部車両に主役級の登場をしている。一度この特急には乗ったことがあるが、内部もキャラワールド満載でなんだかほっこりとした気分になる。来年は某国営放送でこの著者が主役になるらしい。ちょっと前には牧野先生で盛り上がった高知だが、来年も朝ドラは高知推しになるようだ。

高知駅から岡山とは反対方向に土讃線を乗ると終点が窪川になる。そこから先、高知県最西部の宿毛に至るまでは、JRと直結する「私鉄」での旅だ。一度は宿毛に入ってみたいと思うのだが、あまりに遠い。高知から特急で四時間強かかるのだ。同じ時間で、高知駅から空港に行き、空路で羽田、そして東京駅まで行ける時間だ。高知は東西に長いというが、それを鉄道旅で実感したいとはあまり思わない。自動車で移動すると、宿毛のはるか手前で高速道路は終わる。自動車移動も楽ではないしもっと時間がかかる。

そんな高知のDeep西部への入り口にあたる(?)四万十町、窪川にたびたび仕事で訪れている。四万十ポークというのが売り物らしく道の駅では、「豚」料理がマックスで出てくる。お店の方に聞くと豚丼がおすすめなのだそうだ。が、それは前回食べた。今回は、絶対カツカレーにすると決めていた。
実食の結果を言うと、大変うまいカツカレーだった。カツは揚げたてなのでじゅわと熱い。実に勝つらしい勝だった。しかし、絶賛したいのはカレーの方で、当然ながらポークカレーなのだが、これが実に素晴らしい。ほぐれた豚肉が混ざっている。スパイスのバランスが絶妙で、中辛な感じのコクのあるカレールーだった。これはカツ抜きでも十分に堪能できる。問題は、このカレーを楽しむために、一体どれだけの距離を移動しなければならないかと言う点にある。
うまいものを食べるにはそれなりに代価を支払わなければならないのは理解できるが、カレーの十倍近い交通費をかけるとなると、そうそう簡単には堪能できない。実に悩ましいカレーと出会ってしまった。

食べ物レポート

満洲のつけ麺

久しぶりに「満洲」に行ったら、つけ麺が登場していた。以前のつけ麺とはちょっとスープが変わったらしい。それと、麺の大盛りが注文できるようになっていた。このチェーンのオペレーションについて、外食各社はよく研究したほうが良いと思う。チェーン店に限らず、ラーメンを中心とした町中華を経営する中小企業も学ぶべき点は多い。
その最大の特徴はメニューを増やさないということだ。季節感を出すために月替わりで登場する期間限定メニューはある。ただ、このメニューが定番化されることはほぼない。それどころか、人気商品であった鳥唐揚げは定番から外し、季節メニューですら登場しない。おそらく、主力商品である餃子とぶつかることが唐揚げ排除の理由だろうが、それ以外にも理由はありそうだ。揚げ物メニューがオペレーションラインを複雑にする。なべふりだけで全てが完結するオペレーションの邪魔なのだ。
餃子を売り物にするチェーン、町中華は多いが、フライヤー、揚げ物を放棄できる店は少ない。大阪発の餃子チェーンは、京都初の餃子チェーンはメニューが無限大に増殖している。福島初のラーメンチェーンは、なぜかそれと同じようにメニューを複雑化して町中華に変容したいようだ。ただでさえ商品の品質がばらついている現状を無視しての暴挙とも言える。
急速に店舗数を増やしている新興ラーメンブランドは、メニューを無駄に増やさない。スープ数種、麺を数種、トッピング5ー6種の順列組み合わせだけでバラエティー感を出している。これが守れるか守れないかが、大チェーンへの関門となるはずなのだ。

だから、季節限定の「つけ麺」を食べてみるとわかるのだが、完成度はあまり高くない。というか本気度が感じられない「なんちゃって商品」だ。だが、このチェーンは時々意図的に「なんちゃって商品」を投入してくる。そもそも季節限定、期間限定商品は圧倒的な固定客への季節のサービス的なものと考えているようだ。週1回のペースで通ってくる常連客に、たまには変わったものも出してますからねとアピールするだけが目的とも言える。
このつけ麺で新しい客を呼び込もうという気配はない。だが、それでいいのだ。チェーン店でありながら地元の固定客を増やす戦略として正しい。経営の軸足は固定客の満足に置かれている。そして、新商品をばらばらと投入する代わりに既存商品の質を上げている。
まあ、そんなことを考えながら「なんちゃってなつけ麺」を食べていたので、文句をつける気もない。また、来年になったら改良版が登場するだろうから、つけ麺は定番にしなくても良いよ。つけ麺なくても、いつものウマ辛菜麺で満足してるしね。

旅をする

福知山から篠山城

福知山駅に降りたのは今回が初めてだった。数年前に青春18きっぷの旅で春の日本海側を旅した時も、山陰本線をこの駅で乗り換えたくらいで駅前の風景を見ることもなかった。今回の目的地は竹田城で、JRの乗り継ぎで行けなくはない。山陰本線で和田山駅に行き、そこから播但線に乗り換え竹田駅で降りる。ただ、これはローカル線の乗り換えという悲しい事情で時間効率がとても悪い。福知山からレンタカーで移動するのが、京都・兵庫北部の山間地を回るのには都合が良い。

駅のホームで気がついたのだが、この駅から京都丹後線で天橋立まで行けるのだった。どうも西国、特に日本海側の地理には疎いので、この辺りの地理感覚が疎かになっているなあ。

ローカル線は大体が1両もしくは2両編成なので前面に連結用の受け口がある。これがなんとも可愛らしいというか愛嬌がある。青春18きっぷの愛用者にとってローカル線の接続駅はとてもお世話になる路線なのだが、福知山は通貨駅でしかなかったと反省した。

福知山駅を外から眺めると予想以上に大きな駅だった。京都丹後線(私鉄)の乗り入れ駅だということもあるし、城崎や宮津(天橋立)といった観光地へ向かう列車の発着がある要衝なのだ。

福知山線にのり大阪方面へ向かうと、篠山口駅で乗り換えになる。ちょっと寄り道をすることにして篠山城を見に行った。篠山は戦国末期、徳川の西国支配に拠点として築かれた。戦国末期以降の築城だけに、いわゆる平城で堀が広い仕様となっている。山の上に築かれた城は廃城になったあと廃墟感があるが、平城は堀と石垣が残っているので巨大建築物という感が残っている。

今では土産物屋が残る大手門前も、当時は大繁華街だったのだろう。強者どもが夢のあと、という寂しい感じがしないのは良いのだが、駅前あたりは意外にさっぱりとしている。今と昔のギャップを感じるのは、お城のある地方都市ではよくあることだ。しかし、丹波国とは山と山の間にある盆地の集合体だったのだと改めて思う。この国が古代から続く先進地帯だったとは今では思いもよらないことだなあ。

食べ物レポート

梅田でがんこ

ひさしぶるに梅田に来たので、懐かしの大阪風握り鮨を食べようと記憶を頼りに「がんこ寿司」を目指した。店の前に辿り着き気がついたのだが、店名に寿司がなくなっている。どうも寿司屋から総合和食屋へ全社あげて転換したらしい。だから、鮨屋だと思っていたら定食も肉料理もなんでもありになっているのだが、それはそれで好ましい変化だ。特に、肉寿司が寿司屋で食べられるのは、かなり嬉しい変化だと思う。
ただ、今回の目的は握り鮨であり、大阪風押し寿司も食べて見たい。だからあまり浮気をするわけにもいかない。腹の容量問題があるからだ。

はもちり というらしい

まず最初に頼んだのは、夏場の関西に来ると必ず食べたくなる「はも」だ。湯引きとか、おとしとか、色々呼び名はあるようだが、丁寧に骨ぎりをした鱧を梅肉で食べるのは、夏限定な無常の喜びだ。ここでは「はもちり」というメニューになっていて、ちょっと混乱したが、ビジュアルも含め美しい商品を堪能した。

さばたく

ふた品目は「さばたく」にした。さばと沢庵を合せたもので酢の物の変形料理という感じだった。さば好きとしては、これまで食べたことがないことを大いに悔やむ「旨いさば料理」だった。自宅でも簡単に作れそうだし、これだけもう一皿お代わりしたいくらいだった。

ランチの握りは定番のネタだが、たこに甘だれがついているのが嬉しい。シャリはちょっと多めだから、お腹ぺこぺこなヒト向けのお昼ご飯としては最適だ。個人的にはもう少し小さいシャリ玉にしてくれると嬉しいが。ネタも大振りなので、本当にボリューム感あふれるランチ寿司だった。

どうしても追加で食べて見たい「ゲソ」を一貫だけ注文した。タコもそうだが、ゲソにも甘だれが塗られていると旨さが10倍くらいに跳ね上がる(個人的感想です)

この日、午前中ですでに30度越えの猛暑日で、とりあえず冷たいビールも合わせていただくことにしたが、ビールに最適の肴は「暑い日向を歩き回ること」だと改めて確信した。が、あまり頻繁に使えない危険な技でもありますねえ。歩き回るのは程々にして、美味しいお料理をいただきました。