
佐渡島のフェリー乗り場にある売店で買った佐渡のローカルパン。カステラサンドとあんかつを食べる前にカットしてみた。断面を見ればその味が想像できるか?
カステラサンドは上下のパンの間にカステラ生地を挟んである。甘いカステラ生地にはクリームが塗ってある。ただ、見た目よりも甘さは感じない。生地を生地で挟んだ食べ物とは、かの有名なお好み焼きで白飯を食す、炭水化物ダブル食品みたいなものだな。
これと似たようなものでカステラ生地を上下にして、中にはあんこを挟んだジベリアという菓子パン?があるが、あれはほとんど和菓子レベルの甘さで、まさに菓子パンだ。このカステラサンドは名前の通り、明らかに菓子というより甘いパンだが、発想は似たようなものだろう。
佐渡以外のどこかで似たようなものをみたことがある気がするのだが、定かな記憶ではない。現代パンの主流はチーズを使うことと、脂分たっぷりな濃厚生地の使用だろう。それとは全く別方向の仕上がりだから、やはり昭和レトロ的で「生き延びた伝説」風な食べ物なのかもしれない

アンカツは、まさにあんこのカツだった。これとあんドーナツの差はなんだろうか。表面のカリカリとしたパン粉が、たしかにカレーパン的なルックスだし、「カツ」的な見栄えではある。
食べてみると、これは……………実に重たい食べ物だ。揚げた生地の油分とあんこの甘さはウルトラ・ヘビーというしかない。カレーパンの世界でも、すでに揚げないカレーパン、焼きカレーパンも一般的になっているから、やはりこの揚げたあんぱんは昭和時代の遺物という気がする。ただ、これを焼いてみたところで普通のあんぱんにしかならない気もするし……………
昭和のイチゴは糖度が低く酸っぱくて、練乳をかけるのが一般的な食べ方だった。今のいちごは糖度が爆発的に上がり、練乳をかけて食べると甘すぎるし、そもそもイチゴの風味が曖昧になる。昭和から令和にかけて農産物はすっかり高糖度化して、野菜ですら甘い。果物は何もつけず生食が当たり前になっている。
どうもこのアンカツを見ていると、昭和のイチゴを思い出す。糖度を上げるために練乳をかけるのも、濃厚な味にするためにあんぱんを揚げるのも、発想的には似たようなものだ。
最近のコッペパン・揚げパンブームもパンの旨さが際立つ。実は昭和のコッペパンはかなり不味かった。学校給食のコッペパンは、これが人の食べるものかと思えるほどに不味かった。原価の削りすぎ気原因だが、当時は給食があるだけマシな生活という戦後の気配がまだ残っていた。
そのまずいコッペパンをなんとか美味しく食べる工夫が揚げパンだったのではないか。揚げたパンにきな粉や砂糖をまぶす。酸っぱいイチゴに練乳と同じ考え方だ。貧乏人の感性と言って良い。
今のコッペパン・揚げパンはるかに高品質のパンを使用しているし、中に入れるフィリングも昭和のなんちゃって苺ジャムなどとは違う、本格派のフルーツソースや生クリームを使った「進化型」だ。
このアンカツも佐渡島から飛び出て海を渡ると、令和のアンカツに進化しそうな気もするが、誰か試してみないかなあ。