
昼飯のタイミングを逃し中途半端な時間になってしまった。ふと思い出し、札幌市役所の地下食堂に行ってみることにした。職員向けの食堂は昔の学生食堂のような、ある意味でさっぱりとした雰囲気だが、勘弁色と考えるとこんなもので良いのだろう。街中の古びた食堂で感じる昭和感も漂う。
メニューはかなり絞り込んであるから、昼過ぎに行くと定食類は売り切れのことが多い。しかし、頼みたいのは面なのでもんだいない。こちらは売り切れになることはないようだ。味噌ラーメンがイチオシで最近流行りの辛味噌も置いてある。どちらにするか迷ったが、迷ったときは定番にするのが良い。

というわけで味噌ラーメンにしたのだが(醤油は前回食べてわかっている昭和レトロ版だった)、こちらも昭和50年頃よく食べた味噌ラーメンのままだった。豚骨スープで仕立てられた最近にコッテリ系味噌ラーメンとは明らかに異なる。味噌ラーメンの形容にさっぱりというのはおかしいとは思うが、やはりさっぱり系味噌ラーメンというしかない。トッピングはお約束のもやしが載っているが、味噌ラーメンにチャーシューは載っていなかったのが昭和スタイルで、そこはアレンジというか進化しているらしい。
味噌ラーメンには胡椒ではなく一味唐辛子をかけるのが定番だが、このときはかけ忘れた。セルフの大食堂スタイルなので、ラーメンカウンターで商品が出てきたらすかさず唐辛子をかけなければいけない。テーブルには調味料が一切置いていないから、これはちょっと失敗だった。
普通に美味い味噌ラーメンだったが、自分の直前にインバウンド観光客二人が何故かラーメンを注文していた。外国人観光客が市役所の食堂に来るということ自体がよく理解できない。食堂内には日本語表記しかない。食券販売機も日本語しか書いていない。スマホの自動翻訳機能でも使っているのかもしれないが、商品を注文するには難度の高いところだと思う。おまけにセルフサービスであり出来上がったら食券番号と品名で呼び出す仕組みだから、日本語がわからないとできたかどうかすらわからない。
案の定、恐れていた問題が起きた。自分の商品をもっていかれそうになった。従業員にそれは違うと嗜められたが強引に持って行こうとする。従業員が身振り手振りで順番違いを説明するが、どうも不満そうだ。仕方がないから自分の商品を急ぎで持ち去ることにした。あとの対応は……………知らん。
どうも札幌市はオリンピック誘致に失敗した後は、外国人にあれこれ過剰対応するのはやめた気配がある。京都のオーバーツーリズムも大変そうだが、札幌のように塩対応することにすれば、そのうち婿から勝手に来なくなるのではないかなあ、などと美味しい味噌ラーメンを食べながら考えていた。午後の市役所食堂は思索の場にふさわしい。