街を歩く

一度はおいで 高知の漁師町

南国高知といえど冬はそれなりに寒い。ただ、夏の間は湿度が高くいつも海はもやっているように見えるが、秋から冬にかけて一気に空気の透明度が上がる気がする。高知西部の漁師町久礼で鰹の上がる漁港のそばから見る海は実に穏やかなものだ。

漁港の中には漁に出ていいない船が停泊している。お天気の良い日は必ず漁に出るというものでもないらしい。友人に聞いたところ漁師の世界も働き方改革が進み、鰹船も年間の休漁日が決められているそうで、なんとなく海の男がサラリーマンになったような気がしてびっくりした。

久礼湾は一度ヨットでクルージングをしてもらったことがある。湾内はそれなりに静かな海だったが、一度外海に出るとまさに太平洋ど真ん中で、黒潮が流れる大海原というものだ(そうだ)
調べてみると黒潮というのは時速15Kmくらいで流れているようで、これは自転車を結構早めに漕ぎまくった時の速さだ。古代の手漕ぎ船であれば、一旦黒潮に乗るとそこの中から脱出するのは相当に難しかっただろう。おそらく南方の民が日本列島に流れ着いたのは、黒潮に捕まってジタバタした結果なのかもなあ、などと思う。

そんな黒潮洗う漁師町に、名物スナックがあるから、美味しい鰹を食べるくるついでに立ち寄ると良い。高知県の観光ポスターにもなった賑やかなスナックで、しょっちゅう宴会で賑わっているが、ふらりと立ち寄った旅人も歓待してくれるはずだ。いまは昔となりつつある、昭和のスナックはかくありかしという見本のようなお店だ。
マスターと奥さん二人で切り盛りしているが、生粋の高知弁(久礼弁)の会話を楽しむのがおすすめなのだが、この高知弁がとてつもなく難度が高い。自分では日本語、英語に続く第三外国語と理解することにしている。ただ、その第三外国語も聞き続けて10年も経つとヒアリング能力が向上するので、今では日常会話には困らない(笑)

注文すれば名物ラー油味の焼きうどん(焼きラーうどん)のつくってくれる。(はずだ)ただし、この街にはほとんど宿泊施設がないので、飲んだ後の足を確保することが必須条件なのでご注意を。タクシーも10時前には運行停止になる。夏なら港で野宿というてもあるいが、他文化の大軍にやられると思われます。

今年の高知県観光キャッチフレーズ 「ど田舎」高知を楽しむを、そのまま体感できる良い街、良い店なのですよ。年が明けたら、またこの店、ロンドナーで新年のご挨拶をしなければ。

良いお年をお迎え下さい。

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