
一宮巡りを始めて随分と時間が経った。途中でコロナがあり、3年間は休止状態になった。関東の一宮は随分前に完了していたのだが、実はこの洲崎神社だけ御朱印がないままだった。平日に行ったため社務所が閉じていて御朱印がもらえなかった。何年ぶりかで、再挑戦することにした。今後は曜日を選び週末にした。

前回来た時には気が付かなかったが、普通であれば神社の由来などが書いてある場所に、地域の名物の話がある。これはちょっと面白い。

すっかり忘れていたが、この神社の拝殿は山の中腹にある。息切れするほど長い階段を上らなければいけなかった。社務所の前に立ってそれを思い出した。御朱印帳を預け、階段の下に立った時、後悔と絶望感とそれ以外のあれこれが押し寄せてきた。
仕方がないなあ、一度お参りは済ませているのだが、ここは上らなければ社務所の方の目が……………
決心して登り始めた。七十段くらいまでは一気に登れた。が、そこからは筆舌に尽くしがたい難航苦行だ。確か秩父札所巡りでも一箇所、絶望的な長い階段を登るところがあった。関東札所巡りでも、確か鎌倉周辺でこれまた絶望的な段数を登ったことがある。不思議と長い階段を登るのは、いつも暑い夏の午後だった。今回も前例の通り暑い夏の日の階段修行になった。ちなみにこの時点で気温は34度、殺人的な暑さではないが150段近い階段を登るには向いていない。
階段を上り切りお参りしようとしたら足がもつれた。みなさんに教訓です。神社や仏閣を詣でるのは、若いうちに済ませましょう。定年退職したらのんびり旅をしてお参りに、などと考えてはいけません。どこかで必ず階段修行に巡り合い挫折します。神社仏閣巡りは40代までの趣味です。(キッパリ)

この神社は伊豆で挙兵して負けた頼朝が逃げてきて再起を図ったところでもあるらしい。確かに、神社からは三浦半島が見える。この距離であれば当時でも船で逃げることはできただろう。どうやって馬を運んだのかは気になるが。落武者が身一つで逃げるには小舟の一艘もあれば良い。
三浦半島から湾岸沿いに陸路でくれば、今でも高速道路を使った自動車移動でさえ1日がかりだし、当時であれば10日くらいかかったのではないか。追手から逃げるには良い場所だ。

しかし、海越しに三浦半島を見るのではなく、階段下をのぞいてみればなんとも言いようがない光景だ。そして登るのもしんどかったが、もつれてしまった足でこの階段を下るのはもっと厳しい修行になる。
神社巡りは、明らかに体力勝負の「修行体験」なのだ。ちなみに、最近流行りの熊野三山はこれに輪をかけた難所なのでお気楽なお参り、観光には向いていませんよ。
神社仏閣巡りは40代まて。同感です。
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