「ぎっち、うまいき」が正しい高知の言葉遣いであるか自信はないのだが、聞きかじりの高知弁学習では「たいへん、おいしい」というような意味があったと思う。発音的には「ぎーっち、うーまいきぃ」を早口で言う感じだろうか。英語的なイントネーションが高知弁の特徴であるとも感じている。高知弁は英語に続く第二外国語と思い聞き覚えていたものだ。

最近、柑橘果汁を調味料としてよく使うようになった。スーパーで簡単に手に入るレモン果汁は、あまり香りが好みではないので、スダチやカボスなどの果汁をあちこちで探しては買い漁っている。
地域により栽培されている柑橘の種類が違うこともあるが、それ以上に果汁に加工する工程で味の差が出るようだ。
高知県はゆず、すだちの生産量は多いはずなのだが、それほど「柑橘産地」として有名ではない。その高知県に直七という超ローカルな柑橘がある。確か高知県西部、宿毛周辺だけで採れるすだちの変異種だったと記憶している。
その直七果汁を、一時期仕事で使っていた。自家製ドレッシングにこれを使うとすだち以上の強い香りが立つからだ。商談をしたのは高知県の地産外商課(当時)経由だったと思うが、極めて希少な柑橘なので問屋ルートに商品が乗っていなかったためだろう。そんなことをふと思い出して、高知県アンテナショップまで足を伸ばしたら、今でも販売していた。
これを使って食べる鰹のタタキはとてつもなく美味いのだが、お江戸で手に入る鮮度の落ちた鰹では楽しめない。「カツオ」の魚体が固く締まっている鮮度の良いものでなければいけない。豊洲市場経由のカツオでも、例えそれがお江戸近くの千葉産であれで焼津産であれ、すでに身が柔らかくなっているものがほとんどだろう。まして、海なし県埼玉で手に入る鰹は、残念ながら何とも言い難いレベルだ。(これでも高知県と仕事で関わりがあったこともあり、なかなかカツオにはうるさいのだ)

カツオやとれたての魚と合わせる柑橘果汁として、これはもっとローカルな品種「ぶしゅかん」の果汁も発見した。
「仏手柑」と漢字では書くはずだと記憶していた。が、この漢字表記の柑橘類はどうも高知県の「ぶしゅかん」と違う発音で「ぶっしゅかん」と読むらしい。ネットで調べた情報では、『仏手柑』は柑橘の一種らしいがバナナの房みたいな形をしている。
「ぶしゅかん」は現地(高知県中西部)では庭先に植えてあって、実がなればそれをもいできて使うという「自分のうちにある当たり前」のもののようだ。高知の知人にはわざわざ金を出して買うほどのものでもない、とも言われた。
そのぶしゅかんの味だが、これは柑橘果汁としてかなりクセの強いものだと思う。柑橘特有のシトラス香に加えて、一種独特な青くさい香りがある。搾汁の時に皮に含まれる成分が移るのだろうか。ただ、その香りがたまらないとも思う。
しかし、このひと瓶は柑橘果汁として相当にお高い部類に入るので、気軽にお試しできる価格とは言えないが、白身魚(タイとかヒラメ)にはよく合う。レモン果汁よりは絶対に美味いと(個人的に)思っているが、どこにでも売っているわけではないのが難点だ。

そんな高知産品を販売している高知県アンテナショップは、入り口でちょっと大人めな(青年というよりおっさんくさい)龍馬さんがお出迎えしてくれるが、今は某連続朝ドラで「まきのさん」が熱烈展開中ということもあり、若いお二人も一緒にお出迎えしてくれている。


少し暑さがおさまったら、また高知県アンテナショップで隠れ名品を探してこよう。有名なお土産用和菓子もバラ売りするようになって、なかなか商売上手になったのですよね。あまり広くはない店内にギュッと押し込まれた大量の商品が、何やらドンキ〇〇っぽい賑わいを醸し出しております。