街を歩く, 食べ物レポート

おそらく一人では決して来ない店

渋谷で飲むことになり、お目当ての店が満員だったので、友人のおすすめする居酒屋に連れてこられた。ビルの奥まった場所にあり、自分一人では入ろうと考えもしないような場所だが、中に入ってみるとこれまた「驚き」がたくさんのお店だった。今風の若者向け居酒屋というのは、こんな感じになっているのだねという、おじさんのびっくり体験だった。

入り口前の暖簾は、典型的な居酒屋風だが、店名を見るとニヤッとしてしまう。この店のある場所は渋谷道玄坂下にある。道玄坂の南側と言えば良いのだろうか。通りの向かい、坂道の北側にはヤングカジュアルなファッションビルがある。なるほどな、と思わせる店名だ。

小皿料理はワンサイズ?

料理は小鉢を色々取り揃えている感じで、お値段はどれも低めだった。小皿料理というよりお手軽なつまみがたくさんという感じだ。居酒屋の定番というメニューも多くあるが、ちょっと変わった気になる「アイデア・メニュー」もある。今回気になった変わりメニューは枝豆の燻製で、スモーキーな香りがついた枝豆というのは、Good Jobと言いたくなる。
老舗居酒屋の定番メニューは意外と進化しない。老舗だから伝統を守るという感覚があるのか、あるいは老舗にあぐらをかいてメニュー改良をサボっているのか。少なくともコロナの激動を乗り越えるには、店のあれこれを変化や進化させる必要があると思うのだが。最近開いた新しい店は、当然ながらコロナの暴風に対応して時代の変化にあわせてきているのだし。
この店も7時を回る頃には若い客で満席になっていた。若者の酒飲み離れという言葉はどこの世界のことだと言いたいくらいの賑わいだった。が、大声で騒ぐものは少ない。

揚げたて天ぷら うまし

この店の「推し」は天ぷらだった。出てきた天ぷらに、ちょっと驚いた。この見せ方というか、盛り付けというか、出てきた感じがどうにもすごい。カウンターに座り、揚げたての天ぷらを目の前のアルミトレイに置いていくスタイルの大人気な天ぷら屋がある。その博多にある人気店を、それなりの外食企業が真似をして、それも完全コピーして出店している。が、コピー店はなかなか成功しない。なにか重要な部分がコピーしきれていないからだろう。
そのあげたて天ぷら提供スタイルが、この店でもそのまま使われている感じだが、それにしてもこのバラッとてんぷら置きました感は斬新だ。勘ぐってしまえば、あまり見かけは気にしないということだろうか。見栄えより味で勝負ということかもしれない。
天ぷらは熱々なので、当然ながら美味い。衣は薄めだが、揚げたて天ぷらにはその方が向いている。天ぷらのうまいさと見た目の凄さのギャップが、この違和感の原因だ。だが、そこはオヤジが目を瞑るしかないなということだ。今風の天ぷらや唐揚げは、揚げたて重視と割り切ろう。
おいしい天ぷらが高級料理で無くなるのは、ある意味正しい世の中のありようだ。天ぷらというカテゴリーが、お座敷天ぷらみたいな高級店しか残らないのであれば、食文化としては継続して成立はしない。
お安い天ぷらは全面的に賛成だ。

その安い揚げたて天ぷらを楽しんだ後に、全く別の意味で楽しんだのが、大根の唐揚げだった。おそらくおでんの大根のように、出汁で一度煮込んだものを、衣をつけカリッと揚げたのだと思う。これはこれで、とてもおいしい。素晴らしい料理アイデアだが、それ以上に楽しんだのはこの袋で、とてもとても楽しく笑わせてもらった。
ご丁寧に袋にも、I’m laughin’ it と書いてあるので、これは笑って楽しむのが正しい。パロディーとしてニコニコするのが大人の嗜みだ。
この店をプロデュースした方、なかなかのジョーク好きらしい。あと一つ二つ、この手の楽しい店を作ってもらいたいものだ。

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