
最近の自分勝手に盛り上がっているカレーパンめぐりは、パン屋巡礼みたいなものかと思う。三鷹の人気パン屋を目指して久しぶりにJR三鷹駅で降りた。が、駅前の風景に全く記憶がない。おそらく三鷹と言えば北口周辺にしかいったことがないのだろう。南口でおりても初見の街という感じしかしない。ただ、JR中央線は、もう数十年もの間、延々と改良工事をを続けているので、駅前風景が変わってしまっただけなのかもしれない。
その三鷹駅から住宅地を歩いて15分でたどり着く。こじんまりしたベーカリーは、確かに町のパン屋さんの気配が濃厚にする。

当然ながら、カレーパングランプリ推しのポスターが店頭にかけられていた。売りは「サクサク」らしい。

オレンジデーというのがあるのは知らなかった。確かに、オレンジマーマレードとチョコの組み合わせはうまいぞと思う。オレンジの皮のチョコは大好物だし。
ついでに気になったのが、今月のおすすめ「ちくわパン」だ。北海道のベーカリーのヒット作がじわじわと全国区商品になっていくのは、長年のちくわパンファンとして、なかなかうれしい。ただ、ちくわパン本家である「どんぐり」を超えるものにはお目にかかったことがないのだが・・・。


さて、カレーパンだが、形状は小判型で確かに表面はサクサクしている。揚げたてを買ってきたので家に着く頃にはだいぶ萎んでしまったが、フィリングと薄い生地に大きな隙間はない。明らかに生地とフィリングのバランスが良いのがわかる。
食べた感想を言えば、これまでで一番お気に入りのカレーパンだ。カレーがちょっと大人めというか、程よいスパイシー感があり、薄めの生地とのバランスが絶妙なせいだろう。肉まんを食べる時によく感じる、生地が多すぎる、肉はどこいった?感がまったくない。
中にフィリングが詰まったパンでよく起きる現象、最後の一口はパン生地だけという位がっかり感もない。最後のひとくりまでカレーと生地の調和が楽しめる。
底面についている網目の跡から想像すると、このカレーパンは油の中に深く沈めて浮き上がらないように網で押さえつけられているのだろう。上下左右から均一に加熱されているから、生地に薄いところ厚いところができていないのだと推測する。
普通のカレーパンはぷかぷか油面に浮いているので、相当丹念に上下を裏返して調理しなければ底面が加熱されてしまう。生地厚の不均衡ができる原因だ。
この店のカレーパンはそれがない。技術と商品進化の賜物だと感激した。
こういうパン屋がある町は幸せだろうなと思いつつ、また15分かけて三鷹駅まで戻るのかと心が折れかけていたのだが、店の前を頻繁にバスが通っているのに気がついた。道路の反対側にバス停もある。試しにバス停を確認してみたら、なんと吉祥寺駅行きだった。迷わず次に来たバスの乗って、わずか5分ほどで吉祥寺駅に着いてしまった。道すがら確認したら井の頭公園の横を通っていた。どうもこの店は三鷹というより吉祥寺のパン屋なのだな、と最後に認識を改めた。
が、場所がどこであろうとうまいパンはうまい。こういう時は吉祥寺に住んでいたらよかったと思ってしまう。