
池林房の近くにある沖縄料理の店は池林房出身者がやっていると聞いて、何度か行ったことがある。池より大きく海のように、林より大きく森のようにということで「海森」という店名になったと聞いて、ほうほう、なるほどねと思った。師匠より羽ばたいて大きく成長したいというのは、正しい野望だと思うのでよい店名だと感心した。そのお店もどうやらしばらくお休みらしい。

ゴーヤーチャンプルで泡盛、それも八重仙をロックであおれば、何より気分は琉球だ。那覇のモノレール駅横の居酒屋で飲んでいる気分になる。石垣島の居酒屋で、泡盛飲んでほろ酔い加減になった気分が蘇る。よいお店なんだよねと思っているので、連れていくのは一人か二人。ついつい飲みすぎてしまうのが、ちょっと危ないが。

この焼き鳥屋も老舗の店らしい。たまに、レトロっぽく飲みたい時にふらりと入る。混雑する店なので滞在時間に制限があるが、焼き鳥屋でそんなに長居をすることもないから、まったく問題もない。変哲もない焼き鳥屋がどんどん街から消えていくので、こうした「古き良き焼き鳥屋」は実に貴重だ。
すでに自宅近くの街では、焼き鳥屋は消滅している。生まれ育った札幌の町でも、健在だと断言できる個人経営の焼き鳥屋はほぼ壊滅して、残るはすすきの近くの福鳥くらいだ。
すっかりチェーン焼き鳥屋にやられてしまったのだが、裸電球のカウンターでちびりと熱燗・・・みたいな世界はもはや映画の中にしかない。それが、新宿ではまだ現役なので、ありがたいものだ。

ただ、その庶民的な居酒屋も今ではランチ営業をしないと食べていけない時代らしい。昼過ぎに、店頭に立ち並ぶランチメニュー看板を見ると、これは大変な生き残り競争だなと考え込んでしまった。
新宿三丁目界隈でランチを食べることなど想像もしていなかったが(たまにラーメンは食べに行っていた)、今や居酒屋は昼夜二毛作のブラック営業をしなければいけないようだ。これが続けば店主は過労で死んでしまうのではと心配になる。
やはり、ここはささやかながら夜にいっぱい飲みに行って、応援して来なければなあ。という、飲みたがりオヤジの言い訳であります。