

くら寿司からメッセージが送られてきて、カニ祭りがすごいみたいな情報だったので、いそいそと出かけた。ところがそれは早とちりというもので、カニ祭りは翌日から開始だった。お目当てのカニは食べられなかった。全くの自爆行動だったから文句をつける相手もいない。仕方がないので、くら寿司のあれこれを一人で検証してみた。
回転寿司というのは技術革新の塊で、外食産業の最先端を行っているのだと感心する。まずすごいのが、潜水艦の食堂のようなスペース活用だ。テーブルの真ん中の蓋を外すと、そこに醤油やガリ、箸やスプーンが隠れている。自衛隊の潜水艦でもこんな感じの工夫をしているのをみたことがある。食べるときは蓋をして元に戻すとテーブルが復活する。

くら寿司名物びっくらポン・マシーンも見た感じがアップグレードしていた。が、それよりもすごいのが「無添加」「抗菌寿司カバー」「スマホ注文」の三点セット訴求で、うまいとかお値打ちとか産地直送などの「食べ物」に関わる記号が全くないことだ。
さらっと食品の安全安心を訴えている。特別にコロナ対策を言っているわけでもない。外食の供給者としては極めて「かわった」主張だと思うのだが・・・。これが時代の一歩先ということなのかもしれない。

そしてタッチパネルでの注文だが、実は一番最初に「びっくらポン、やりますか?」と聞かれるのが笑った。寿司の注文の前に確認お求めてくる。どうやら参加宣言しないと、ルーレットが回らない仕組みにしたらしい。知らずにやった客が当たりでびっくりしたとか、注文したいのにルーレット画面が出て注文できなかった、みたいなクレームがあったのだろうか。
それとも、びっくらポンの景品コスト削減だろうか。そんなことを色々と考えると楽しい。ちなみに、回転寿司大手のタッチパネルの操作性を比べると、実は埼玉ローカルの回転寿司(実際にはほとんど寿司皿は回転していない)が一番使い勝手が良い。残念ながらくら寿司のタッチパネルは、作り込みが下手くそみたいに思う。スシローも似たようなものだが。外国語対応よりも、スムーズな注文の流れをシステム開発会社と検討して欲しいものだなあ。(作りの悪さはファミレスでも似たようなものだが)

結局カニは食べられなかったが、くら寿司のお得なランチセットを堪能した。おまけでついてくる茶碗蒸しが、実は1番の好物だったりもする。この茶碗蒸しはあちこちにある和食ファミレスなど相手にならないハイレベルだ。寿司でない方を感動されても、ありがたくないかもしれないが。茶碗蒸しの質でブランドを選ぶとすれば、くら寿司は最上位だと思う。
回転寿司業界はとんでもないレベルで機械化、省人化が進んでいるので、結果的にそれが有効なコロナ対策になっている。外食業界の住人はもっとお勉強をしに回転寿司(それも新店)を見に行くべきだと思うが、不思議と業界人っぽい人は見かけないなあ。