晴れた日に自転車で街を乗り回すのは意外と快感だった。札幌の都心部は、歩道の幅が広いところは自転車通行可になっているらしいのだが、交通標識がまだらに設置されているのと、古いビルの前は歩道が狭いままだったりするので、自転車は車道を走るのか歩道を走るのか、まるで博打のような状態だ。そこを老若関係なく爆走チャリ、もちろん交通ルール違反が団体でのさばっている。
チャリの暴走の話の危険シティー札幌だった。それでも中心部を抜けて、きちんと車道を走れば、それなりに快適なサイクリングになる。10分も走れば円山公園にたどり着く。

円山公園の外れには北海道神宮がある。神社としては新参者で多分150年くらいしか歴史がないはずだが、それでも境内は清々しい、神社らしさがある。一年前には、外国人観光客で身動きが取れないほど混雑していたものだが。日本人が団体旅行でローマの神殿や教会堂を占拠していたのと同じことだから、ここは心を広く持とうなどと、イライラしながら思っていた。その外国人観光客がいなくなれば、普通の神社の風景に戻ってしまう。正直、ほっとした。

伊勢神宮は別格として、日本のあちこちにある神社の風景とはだいたいこんなものだろう。あまり人影も見えず、音もせず、掃き清められた境内をのんびりと歩いて、ちょっとだけお参りして帰る。宗教心はあまりないけれど、神社に来ると厳かな気分になる。そんな場所だ。
自転車で来て正解だったな、などと思いながら、帰りには円山公園でオシドリ探し。札幌の9月はサイクリングに向いている。