自粛解除になった直後の札幌は、予想以上に人出が少なかった。自粛明けで一斉にドバッとあちこちに繰り出す人が多いと思っていたが、地下鉄もJRもガラガラで、飲食店も人影はまばらなまま。
それでも久しぶりに蕎麦を食べようと馴染みの蕎麦屋に入ってみたが、店内には着席禁止マークが大量に貼られている。ソーシャルディスタンスのせいで半分の席が使えない。
もり蕎麦をチャチャっとタグってサッと店を出ると行きたいところだが、意外とそばの出てくるのが遅い。昼時でも客席が埋まらないのだから、おそらく注文が入ってから蕎麦を茹でるのだろう。見込みで茹でるほど客が入らないということらしい。しかし、蕎麦とラーメンは家庭で作っても、どうしてもプロのレベルにはたどり着けない食べ物だけに、お店が開いていてくれるのがありがたい。待たされるくらい平気と言うものだ。

蕎麦を食べる前、地下街を歩いていがついたのだが、なんだかものすごい行列ができていた。これも間隔を開けて並んでいるので、アフターコロナ の新様式なのだろう。札幌三越の開店前にできた行列なのだが、特に限定品の販売があったようでもない。普通の開店前の状態がこうなってしまったのだ。皆さん、そんなにデパートに行きたかったのかとも思うが、並ぶほど待ちわびていたことなのだろうか。自粛の反動と言えば、そうなのかもしれないが・・・。

久しぶりに蕎麦屋で蕎麦を食べて感動する人間もいれば、久しぶりにデパートが開いていることで感動する人もいるという、まあ、自粛が生んだそれぞれの価値観の違いを目の当たりにして、いろいろ考え込んでしまった。想像するに、デパートで買い物をしたいわけでもなく、ただただ店内をうろうろと歩き回ることで、普通の暮らしが戻ったということを実感したいのだろうと。
この手の気分がわからないから、政府の対応が非難されているのだな。