街を歩く

所沢の展望

市役所の最上階は食堂になっているが、そこからの光景はなかなかのものだ。

タワマンがずらっと並んでいる。その隣にある低層ベルも、10階建て以上の高層マンションで、何やら東京都心部並みのマンション街で、こうしてみるとびっくりする。

不思議なのは、タワマンが立つところが駅から遠いところだったのが、どんどん駅に近づいてきて最新のものは駅から徒歩1分みたいな場所になった。古い街なので道路の幅が狭く、こんなに世帯数が増えると駅周りの渋滞はひどくなるのは間違いないが。

市役所の下にひろがるのは中央図書館で、これがなかなか立派なものだ。個人的には所沢が誇る文化施設だと思うが、実はこの写真の左側にもっとすごい施設がある。零式艦上戦闘機の陳列がある航空博物館。そして、おそらくこの地域では桁外れに音の良いコンサートホールがある演劇施設。確かに文化施設的には素晴らしい都市なのだ・・・。が、なかなか演奏家や演劇の「すごい出し物」が来てくれないのか、呼べないのか。この辺りをもう少し頑張ってもらえば良い町度も上がると思う。

最近の話題でいえば、紅白にも出たカドカワの大図書館ができたし、早稲田大学もある。西武ライオンズのホーム球場もある。ジブリのトトロの森のモデルもこの街にある(らしい)。もう少しマイホームタウン意識を持つべきだろうなあ。

街を歩く

所沢駅前の謎スポット

所沢市は埼玉県西部にある、東京都の県境のまちで、新宿や池袋にはアクセスが良いベッドタウンだ。人口は34万人。県庁所在地の人口で比較すると28位の奈良市の次くらいで、所沢鳥も人口の少ない県庁都市は結構ある。だからといって、賑やかな街かというとそうでもない。飲み屋街で言えば、大方の県庁都市より貧弱だ。百貨店もつい最近に消滅した。西武百貨店が今や所沢ショッピングセンターになってしまった。その所沢駅前の繁華街で、バブル前の映画を晒す謎の建物が2件ある。もとマルイだったぼりと元ダイエーだったビルで、地域の顔といっても良い一等地?にある。そこが幽霊屋敷のように見える。

元マルイで、今はなぜかオフィスビルっぽい。

駅前商店街 プロぺ側から見るとまるで廃墟ビルのように見えるが、反対側(たぶんこちらが正面)からみると、まだそれなりに商業ビルらしくも見える。残念なことに屋上の看板は買い手がいないらしいので無印だ。このビルの一階はパチンコ屋で、商店街側はセブンイレブンと、楽天モバイル販売店があるだけ。最近2階にレストランが開店した。エレベーターホールに行くと、3階以上は色々なオフィスで占められているらしい。空きビルではないのだが・・・。

元ダイエー 

そこから歩くこと200mほどで、元ダイエー、その後イオンに変身して、ついに廃墟化するかともわれたビルが、どうやら雑居型商業ビルとして再生する。テナントを見れば、最近の勝ち組というか、ロードサイドでも生存競争に勝ち抜いた面々のようだ。スーパーのOKは首都圏南部では大勢力だし、ミスターマックスとニトリは日本の北と南から全国制覇を狙う「正統的な流通戦国覇者」みたいなものだ。なんでも自前でやりますといっていたGMS最強チーム、ダイエーの跡地としては、なんだか色々と考えさせられる組み合わせだ。

所沢駅の新駅ビル きれいですねえ

バブルの前の時代に、流通業の二大勢力だったダイエーと西武セゾングループは、今やどちらも消滅した。ダイエーがイオンに統合され消滅したのは、GMS戦争の結論だったと思う。しかし、西武セゾングループはもっと哀れだ。本丸の西武百貨店はセブンイレブン傘下でも再建が厳しい。各地で閉店続きだ。弟分のパルコはJフロント(大丸・松坂屋連合)に買い取られ、なんとなくDNAが薄まった感じがする。ファミリーマートは商社の子会社になり、コンビニ業界では永遠の第3位的な位置付けで精彩にかける。
所沢は西武グループの企業城下町でありながら、西武百貨店は撤退した。(そもそも西武鉄道グループもいまやファンドの管理下だし)あれまあ、という感じだが、最近の西武鉄道は本拠地池袋都心から郊外へ、つまり所沢に重心を移すらしく、所沢駅前はみるみる「大変身」となっている。初めてこの街に来たときは、なんと田舎な街だと思ったが、ダイエーやマルイ、西武百貨店が盛り上げて、それなりにバブルの頃には賑わいもあったのだ。それが、今や団塊世代の子供たちは遠距離通勤を嫌がり都内に移住。人口は減少し続けている。なんだか、首都圏郊外都市の衰退のモデルみたいな場所だが、生まれも育ちも所沢という人も多いようで、ここ最近はジジババが闊歩する街だった。コロナのせいで外出自粛かと思いきや、意外と所沢駅前にジジババが戻ってきているのは、いったいどうしたわけだろう。ひょっとしてダイエー跡地のせいか?

謎だ。