食べ物レポート

えきそば in 鳥取

旅に出たら駅そばを試してみようと思うことが多い。特に最近は、地の美味いものを探す気力もすっかり薄れているので(笑)、駅に降りるとついキョロキョロと立ち食い蕎麦屋や駅前のラーメン店を探している。残念ながら、駅前では立ち食いそば、ラーメン店どちらも絶滅危惧種というくらい減っている。代わりに蔓延っているのは、おしゃれなシアトル系カフェかベーカリーショップだ。
食の洋式化というより無国籍化が進んでいるせいだと思う。ベーカリーだろうがカフェだろうが、一番人気な商品は和洋折衷型に変容したものだ。抹茶ラテとかアンバターサンドが老若男女関わりなく人気なのだから、伝統的な食である蕎麦やラーメンが駆逐されるのも無理はない。
そのような個人的感慨はさておき、BS番組でローカル鉄道に乗って、駅周辺の麺類を食べ歩くというちょっと変わった趣向の旅ものがある。ローカル線に乗って酒蔵を訪ねるというのは某公営放送の人気コンテンツらしいが、そこをパクった?としか思えない。が、見ていて楽しいから良いのだ。酒好きで麺好きにとってはどちらも嬉しい番組だ。酒は飲まなければ味が想像できないが、麺は自分の過去経験を総動員すると、脳内で味の再現ができる。(と思っている)
都内の立ち食い蕎麦屋であれば、ちょっと時間を作って食べに行ってみることもできるが、この麺食い鉄道旅に登場する駅は実に遠い。簡単には到達できない場所ばかりた。青森県の津軽半島の先の駅だとか、四国の街外れにある私鉄駅だとか、中国地方の秘境駅近くのドライブインなどと、たどり着くには凄まじく難度の高い駅ばかりを番組では選ぶ。
その中でかなり印象に残っていたのが鳥取駅の「砂丘そば」だ。麺の印象よりも「砂丘」という言葉に引っかかっていた。

久しぶりの鳥取駅は綺麗に改装されていて、以前に利用していた駅舎とは全然異なっていた。新しくなった駅舎の隅っこの方にひっそりとこの店はあるのだが、中は意外と広い。立ち食いではなく座席がしっかり用意されている。
注文したのは、店名通りの砂丘そばだ。蕎麦は柔らかめ、つゆは甘い薄口で、おそらくアゴだしだ。西日本では標準的な仕様だろう。唯一砂丘らしい?のは、ご当地名物であるアゴ(飛魚)のちくわが乗っていることだ。これは実に歯応えのある竹輪で、魚の旨みが濃厚なものだ。
結論。なるほど、砂丘とは全く関係ないということがよくわかった。お江戸の立ち食い蕎麦屋で言えば、小諸そばとか箱根そばという地名をつけた店があるが、その地名に「鳥取」ではなく「砂丘」を使った点が、おそらく鳥取人のプライドみたいなものだと理解した。出雲で出雲そばといわず大社そばというようなものだろうか。(実際には、出雲そばと言っているが)
おそらく、お江戸でいえばスカイツリーそばだったりするのだろうし、千葉であればディ◯ニーランドそば(ネーミングライツだけで法的問題が起きそうだが)みたいなものなのだ。

普通に美味しい熱々のそばだった。従業員の方たちも親切だった。優しい味のそばと優しい人たちが、砂丘そばの中身ということだろう。満足。

街を歩く, 食べ物レポート

漁師町での居酒屋ライフ

新宿とか池袋に居酒屋で出てきそうな鉄鍋料理 うまいのだが漁師町では微妙な……

高知県の漁師町で友人と一杯やりに行く居酒屋で食べたのが砂肝だった。漁師町だから魚ばっかり食べるのかというと、そうでもない。商売柄、カツオを延々と食べ続けている人たちなのに、それでも飽きずに居酒屋でカツオを食べる、注文するの。
我が身を振り返ると、やはり居酒屋で鳥唐揚げとピザを延々と食べ続けていた。それと同じようなものかと思う。(最近は、ピザもとり唐揚げも全く注文しなくなった)
だが、どうも彼らはカツオを注文しても一切れ、せいぜい二切れくらいしか食べない。カツオ大好きな自分としては不思議で仕方がない光景だ。好きなだけ食べて良いと言われれば、カツオのたたき一本(こちらでは一節というらしい)、切り身にして十切れくらいはへっちゃらで食べる気が満々なのだ。
それでも、今回は遠慮してカツオは頼まないでおこうと、スバ議ものニンニク炒めにした。高知ではにんにくの葉をよく食べている。感覚的にはニラと同じようなものだが、にんにくの葉の方が肉厚で食べがいがある。今回はにんにくの芽だったが、これをにんにく葉で炒めてもらうと、より高知らしさが増す。

ミックスフライが予想外に美味かった ありがたしだ

それでも漁港なのだからシーフードにチャレンジだと選んだのがこれ。本日の地魚フライというメニューがあり、地魚とはなんだろうと興味を持って頼んでみたのだが、実は地魚と言いながらマグロが入っていたり(カツオと一緒にマグロも釣れるらしい)、一般的にはよく地魚扱いされるアジやサバが入っていなかったりで、魚の種類も聞いたのだがすっかり忘れてしまった。聞いたことのある魚と聞いたことのない魚が混じっていた、という記憶だけある。(飲み過ぎたとは思わないが、記憶力低下は間違いないなあ)
この魚ミックスがあれこれ面白かった。タルタルソースは自家製で甘めの味付けだったが魚フライにはよく合う。友人の説明によると、漁師町だから地魚は山のように取れるかと思いきや、網での漁はほとんどしていないので、よくイメージする小魚地魚は港のセリに出てこないそうだ。漁港といってもカツオに特化した専用漁港ということらしい。
伊勢海老もよく上がるそうだが、この町で食べたことはない。機会があれば地物伊勢海老を食べてみたいものだが、居酒屋で注文できるものだろうか。どうも大都市に向けて全量放出され、地元には1匹も残っていないみたいな気もする。
その時は、大将ご自慢のもつ煮込みで諦めるしかないかも、と思うとちょっと残念な気分になってきた

食べ物レポート

ご当地おでん in 松江

松江おでんがどれほど有名なのかはよく知らない。出雲そばほどの知名度はないような気がする。それでも、この優しい味のおでんはなかなか記憶に残る。今回も久しぶりにおでんの名店を再訪した。
松江の街は松江城、県庁付近を中心とする旧市街と駅前を中心とした新繁華街に分かれているようだ。その中間を川が流れているので、川を挟んで南北に飲食店や飲み屋が固まっている。このおでん屋はその川沿いにあるので、よく言えば中間点だし、悪く言えばどちらからも遠い場所になる。結論から言うと、目的来店をする店、わざわざこの店にやってくる客が集う店と言って良い。
カウンター席に座ったが、従業員と客の対応を見ていると、やたら常連比率が高い気がする。

さて、松江おでんだがその特徴は………よくわからない。おでんの具は地方によって随分と異なる。食べ物界で言えばおでんはラーメンよりも自由なローカル・ルールで生きている。なんでもありだ。
お江戸で人気のちくわぶという粉物具材(魚の練り物ではない)は、西国には存在しない。北海道のおでん屋ではワカメがあったが、全国のおでん屋の中でワカメを見かけることは少ない。がんもどきはおでんの絶対定番だと思っていたが、がんもどき自体が存在しない地域もある。さすがに豆腐はどこでもあるが、はんぺんをおでんの具材に使うかどうかはやはり地域差があるようだ。今回の一番推しは「筍」だった。これは、うまいものだなと感心した。
出汁は甘めで色も薄い。昆布とアゴだしを使っていると思うんだが、これは西国の日本海側ではほぼ標準的な組み合わせのようだ。
大阪のおでん(関東炊きと言われるもの)も、西国版おでんとして色は薄いが味は濃厚だった。それと比べると、松江おでんは明らかに薄味、甘めの味付けだった。

追加の料理でイカの煮物を注文してみた。どうやらおでん出汁で煮込んだ気配がある。これも醤油で真っ黒になる程に煮込んだ関東風煮物を見慣れている目からすると、やたら新鮮に感じる。イカでも上品なルックスになるのだなあ。

最初に頼んだタコだが、これだけはおでん鍋の中で仕上がっているものではないようで、注文後の調理になるらしい。串に刺さったタコの足は柔らかく、これまた上品な仕上がりだった。しかし、このサイズの足ということは随分と小ぶりなタコなのだな。

カウンター席は川に面している。夕暮れ時の光景はなかなか風情がある。これが、陽が落ちた後であると、もっと飲み屋的な情緒がますのだろうなあ。ちなみにこの店の前にはバス停留所があり、飲んだ後に駅までバスで帰ることができる。超便利スポットだった。ありがたや。

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駅そばの経験値を増やす

旅先に行ったらご当地名物の美味いものを食べたい人は多いだろう。個人的には最近になり、仕事としてあれこれ試食をしなければならないぞなどと、強迫観念に襲われることもなくなったので、適当にご当地名物を楽しめば良い「お気楽モード」になった。めでたい。
だからというわけではないが、ぶらりと歩き回るうちに目についた立ち食い蕎麦屋に入ることが多い。昔はお江戸の駅前や駅のホームにやたらとあった立ち食い蕎麦屋も、この数年で激減したようだ。疫病の影響とはこうも深刻なるものかと嘆きたくなる。
もともと立ち食いそばという業態は商売として滅びゆくものだったのだろう。駅ナカ環境の変化(経営の変質)も大きいが、何より人手不足の影響が深刻だ。(早朝から深夜までの長時間営業が主流なので人の手当が大変)
それでも、いまだに営業を続けているありがたい店を見ると、ついつい応援がてら暖簾をくぐってしまう。
お江戸でいえばターミナル駅周辺にはいまだに立ち食いそばがわずかに生き残っているが、駅の中、特にホームの蕎麦屋で生き残っているのは、この品川駅山手線ホームと、あとはどこだろうか。五反田はまだ生きているはずだが。立川のホームの蕎麦屋はどうだったか。確か自動販売機売り場に変わっていたような気がする。

お江戸の力業? イモコロッケを乗せる剛腕ぶりだ ネギは白ネギ

店内に「名物はコロッケそば」と書いてあった。おすすめのまま久しぶりにコロッケそばを頼んでみた。これはお江戸のチープ・グルメの典型だとずっと思っている。今ではコロッケトッピングも全国に広がっているようだが、具材がイモだけのコロッケが乗っているそばは、中身が少なくほぼ衣しかない「かき揚げそば」と双璧をなす、立ち食いそば界の二大スターだろう。実にチープだ。
コロッケもかき揚げも蕎麦のつゆを吸ってぐだぐだになる頃が食べ頃だ。コロッケから染み出す油分がつゆに濃厚さを加える。といえば格好良いが、実際にはちょっと伸びた柔らかい茹で麺と溶けたコロッケという炭水化物のみの組み合わせに「脂肪」が加わることで旨みが増す。タンパク質は………基本的にゼロだ。チープだ。
海老天そばとは比較するまでもないが、ゲソ天そばと比べるてみても2段階ほどレベルが下がる。明らかに上等感にかける。だからこそ、これが良いのだと思うし、この安っぽい味が好きなのだと自己弁護する。
汁を吸ってぐだぐだになったコロッケは、そばを食べ終わったあとに、最後の締めとして一気に食べる。なんとなく貧乏感丸出しな食べ方だが、お江戸に出てきて初めてコロッケそばを食べて以来、この食べ方はずっと変わらない。まさにチープの王道だ。
ちなみに生まれ育った北の街では、コロッケそばは存在しなかったように記憶している。今でも、多分売っていないのでは? 不確かな記憶であるし、次回確かめてみようか。

今回の旅の続きで、たまたま岡山駅で立ち食い蕎麦屋を見つけた。在来線と新幹線の接続口近くにある。ちょっと引っ込んだ場所で、知る人ぞ知るというか、通過する旅行客は相手にしないぞと言いたげな立地だった。
JRグループ各社の経営方針というか、駅ナカ開発による収益拡大路線で、一番えげつないのがJR東日本だというのは誰しも認めることではないか。特に首都圏の巨大ターミナル駅は、すでに多毛作による商業施設への転換が進み、なんとも異質な空間になっている。おまけに地の利を占めるJR(運営子会社)が、家賃ぼったくりするため駅ナカ施設はほとんどが高単価な店になりがちだ。
そのJR東日本の次に大規模駅を抱えるJR西日本だが、どうも駅開発のコンセプトがふにゃふにゃしている感じが強い。当然ながら、収益性を考えたビジネスミックスを構想しているはずだが、なぜか立ち食いそば撲滅推進派のJR東日本とは反対方向を向いているようだ。つまり駅そば存続派であるらしい。
JR西日本最大のターミナル駅、新大阪ではまだ立ち食いうどん屋が健在だった。(この前行った時までは)そして、岡山では立ち食いではなくカウンター席がある「座れる蕎麦屋」だった。えらいぞJR西日本。

なんとはなしに優しい ネギは青ネギ

ということで、岡山駅ではちょっと奮発して営業応援してしまった。トッピング全部乗せを頼んだのだが、なんと料金はかけそばの2倍近い。が、これも一期一会だ。おそらく二度とこの店でそばを食べることはあるまい、と大盤振る舞いしてしまった。
実食した感想は、東西における食文化の違いでがはっきりしている、つまり出汁が違うということだ。おそらく昆布とアゴだしだと思う。甘めでやさしい。お江戸のだし、つまり醤油の辛味がガツンと来て鰹出汁の強烈さが支える「濃いつゆ」とは全然違う。そばも柔らかめで腰がほぼない。
コロッケそばのチープさと比べると、お上品というか料理として一段上の感が強い。小倉で食べた九州系?とはまた違う、西国の味だった。確か、姫路でもホームの立ち食いそばが現役のはずで、機会があれば西国立ち食いそば比較をしてみよう。ぜひ立ち寄ってみたいものだなあ。

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なつかしのハンバーグ

久しぶりにハンバーグ専門のファミリーレストランに行った。この店のアイコンとでもいうべき、大きな木製メニューボードも健在だった。実はこのブランドが誕生した頃から、ずっとお世話になっている。
一号店は岩手県盛岡市に開いたと聞いているが、2号店はなぜか札幌だった。そして、札幌の2号店(当時は店名が異なっていた)に足繁く通っていた。アルバイト代が入るとその店に行って特大サイズのハンバーグを食べ流のが月一の楽しみだった。記憶の中では、店内は今のようなカジュアルなスタイルではなく、もうちょっとアップグレードしたものだったが、いつの間にか今のスタイルに変わっていた。
ハンバーグというものが牛豚合挽き肉だと思い込んでいた時代で、牛100%のハンバーグを食べてその味に衝撃を受けるのは、それから数年後だったようだ。人生初期に刷り込まれた習性なので、今だに合挽肉のハンバーグは「旨い」と思う。牛肉100%の味とは違う楽しみ方だ。
ちなみに牛肉100%のハンバーグ(ハンバーガー)を食べて、これは旨いと思ったのはアメリカ合衆国で高級ハンバーガーレストラン(ファストフードではない)に行った時だから、もっとずっと後のことになる。
アメリカで食べるハンバーガーは肉肉しい。というか、肉が獣臭い。日本のファストフードのハンバーガーは、肉が紙っぽいといつも思っているし、味が工業製品的な感じがする。紛い物とは言わないが、米国ハンバーガーとは違うものだろう。


その点、合い挽き肉ハンバーグはいつ食べても旨い。まさに日本化されたうまさだと思う。ただ、ちょっとだけ不満を言えば、この合い挽きハンバーグにたっぷりとトマトケチャップをかけて食べたい。デミグラスソースなどではない。ケチャップだ。最近流行りのチーズソースなど勘弁してくれと思う。ハンバーグは「カ◯メ」のケチャップ一択しかない。できれば米国製のケチャップは避けたい。長野県のローカルケチャップメーカーもちょっと好みと違う。

サイドに福神漬けが載っていると完璧なのだがなあ

などと言いながら、実はカレーがかかったハンバーグが好きだ。これも学生時代に刷り込まれた「歪んだ食習慣」だとわかっている。学生食堂で一番安いランチセット150円の時代(なんと古いことだろう)に、プレーンカレーも150円。そしてハンバーグカレーが180円だった。
だから、週に2ー3回はハンバーグカレーを食べていた。ただし、それが旨いカレーだったかというと全く違う。今あれを食べたら完食できないレベルだと思う。ただ、一番安いランチでは肉がついてこない。一番低価格で肉料理が食べられるのがハンバーグカレーだっただけだ。不味さを調整するべく、醤油をかけたりソースをかけたり、さまざまな味変を試みた。が、どれも虚しい努力だった。
おまけに1-2年目の使う学生食堂ではカツカレーが提供されていなかった。3-4年が使う上級食堂(笑)ではカツカレーがあったが、確か230円だった。一度そのカツカレーを試して感動した。これがカレーの味だと思った。早く偉くなって?カツカレーが食べたいとしみじみ感じた。

以来、ご馳走第一位はカツカレー、第二位はハンバーグカレーで、今でも食堂に入りカツカレーがあると条件反射的に注文したくなる。ハンバーグ店でもカレーソースがあると、ついついそれにしてしまう。
この年少期に取り憑かれた強力な呪縛に勝てるものは「オムライス」しかない。ただ、オムライスにハンバーグを乗せてくれる洋食屋は極めて稀で、おまけにそういう店はオムライスにかかっているのがケチャップではなくデミグラスソースなことが多い。それではダメなのだ……………

かくして、いつものハンバーグ店でカレーソースがかかったハンバーグを愛用している。きっと人生の最後までこの店のハンバーグを「オイシイ」と言い続けるのだろうなあ。

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朋、遠方から集まる

昔同じ仕事場にいた同僚が立川で居酒屋をやっているのを思い出し、元同僚の定例飲み会をその店でさせてもらった。立川駅前、飲食店ビルの裏通に面したちょいと隠れ家的な立地、それも一階ではなく中層階にある。ぶらりと飛び込みで入るのは、まずあり得ない立地なので、口コミで客が広がるのだろう。常連客主体で盛り上がる、良い居酒屋のようだった。

もつ煮込みがうまいと言われ、まずそれを注文した。店主も一緒に飲んでいるので人数分マイナス1で注文しようとしたら、店主曰く「俺も食べる」と。なるほど、自分の店の商品を金を払って食べるほどうまいと思っているのだ。それは自信がある商品だろうと確信して実食。いや、確かにうまいぞ。世の中、グデグデに味噌味で煮込んで味が味噌一色になっているもつ煮込みが多い。それはそれでうまいのだが、この店の煮込みはもつそれぞれの味が独立して感じられる塩味だった。
宴会でわいわいと話をしながら食べると料理の味は二の次になりがちなので、今度は一人で食べに来ようと決めた。それくらいにうまい。

ニンニクが旨さの決め手

おすすめはトンテキだということなので、これまた大ぶりなトンテキを注文した。三重のトンテキはわざわざ現地まで食べに行ったことがある。あの独特のニンニクソース味を期待したが、ちょっとマイルドけな仕上がりだ。お江戸ではこれくらいのマイルドバージョンの方がウケが良いのかもしれない。
これも、次回再チェックメニューだ。やはり肉料理は独り占めしてガシガシ食わねば、食った気がしないというものだ。(個人の独善的意見です)特にワイルド系の料理は、お腹の治り具合が味付けの重要な部分だと思っているのでシェアしないで一人食いしたいものだ。

もつ焼き屋だから当然のように「もつ焼き」はある。メニューを眺めてみると、あちこちに一風変わった料理が散りばめられているので、それはぜひ試してみたいのだが、全てを試すにはあと二、三回は通わなければならないだろうか。

なんせ、この店は昼から時間制限なしの飲み放題をしているので、3時のおやつの時間より前から入店してソロ酒に挑むのが良さそうだ。それにしても、豚軟骨煮は沖縄風なのだろうか?それともハワイ風? いやいや、次回が楽しみだな。

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小樽の隠れ名物・・・のはず

小樽の街中にある老舗食堂が札幌に出した支店は北海道庁の目と鼻の先にある。北海道庁付近の居酒屋は、基本的に北海道庁関係者が多数利用している。仕事柄、ちょっとそういう関連の方たちとはお会いしたくなかったので、札幌駅周辺で飲むことはあっても北海道庁付近には近寄らないようにしていた。だからこの店には入ったことがない。
ただ、たまたま店の前を通りかかった時、それも昼飯時に、店頭のノボリに目を奪われてしまった。一旦、店の前を通り過ぎたのだが、のこのこ戻ってきてしまった。それまでは蕎麦を食べる気満々だったのだが、急に気が変わった。あんかけ焼きそばには怪しい吸引力があるのだ。

ランチとしてはスーパーヘビー級

小樽のあんかけ焼きそばは昔から有名だったのだろうか。少なくとも昭和中頃は、さほど名が通っていたと思わない。平成の真ん中ぐらいの時期に、何となくご当地メニューブームに便乗してメディアに登場するようになったという記憶しかない。
小樽あんかけ焼きそばの特徴は、麺が生麺を焼いたもの、海鮮系の具材がたっぷり使われている、量が多いという感じだろうか。かかっている餡も油分が多くコッテリとした味だ。長崎の皿うどんの餡は比較的あっさり目の味だから、それと比べると見た目は同じような餡だが決定的に味が違う気がする。
上にかかっている餡は実に熱々なのでハフハフ言いながら食べる。本当に熱い。そえられている紅生姜をぱらぱらとかけて味変部分を作る。麺量も多いし、餡もたっぷりなので完食すると身動きしたくなるほどの満腹感におそわれる。


今回初見のこの店を毛嫌いしていたわけではなく、小樽の本店や最近千歳空港に開いた支店はたまに使うのだが。次にこの店に行くときは、比較的夕方の早い時間に行って、一番奥の席に座ってあれこれ飲み食いしてみようか。17時から1時間一本勝負にすれば、あまり面倒臭いことにならないだろうし。ちなみに、官公庁付近にある飲み屋は混雑する時間が早い。定時退社(退庁)するものが多いせいもあるのだろうが、実は定年退職後時短勤務で再雇用される爺さまの存在がある。時短勤務なので10時ー16時のような、羨ましいシフトで働く方が16時5分から飲み始めたりするからだ。お江戸でいえば半蔵門界隈には夕方、早くから営業する居酒屋が多かったなあ。


夜のメニューにオムライスがあるかどうかも確かめてみなければ。(ちなみに、小樽水族館の食堂はこの会社が運営していて、その水族館名物料理がカメの形をしたオムライスなのだ)

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メインはカニ

時計台の隣にある鮨屋によく行く。人気店でいつ混み合っているが、最近の居酒屋化した鮨屋ではなく、料理のほとんどは鮨でちょっとだけサイドがあるという程度の鮨メインな店だ。コロナの前後でずいぶん値上がりはしたが、商品のコスパの良さはやはり頭一つ抜け出ている感じがある。
その鮨屋のランチセットで握り寿司と大ぶりな汁物に茶碗蒸しがついたものをよく食べる。ただし、これを注文するのは、本日の汁物の種類を従業員に聞いてからだ。この汁物、日替わりどころかランチの途中でも変わってしまう。隣の客が注文したのを聞いて、ではそれを頼もうとするとすでに汁が変わってしまったことがある。何とも、すごいシステムなのだ。
そして、自分が注文するのは「花咲蟹」の味噌汁、つまり鉄砲汁のときだ。もう一つ妥協できる(笑)汁物となれば、冬になるとたまに出てくる「カジカ汁」だろう。
今回は鉄砲汁と聞いてノータイムで注文した。鮨屋に来たのにメインはカニの味噌汁とは………と思うが、自分の感覚的には明らかに鮨はサイドアイテムに化けてしまっている。カニは偉大なりだ。


カニ汁の余韻を感じながら、デザートの様に鮨を食べるというのは何とも言い難い。本末転倒というべきか。まあ、でも鮨屋の楽しみ方は人それぞれだ。鮨が大好物だった友人は、カウンターで片っ端から刺身を注文して、ではそろそろ握ってもらおうといタイミングになると食べていないネタがなくてしまい、締めはいつもかっぱ巻きだった。

カニ汁万歳な鮨屋は北海道でも珍しいので、もし見つけたらお試しください。ちなみにカニの足を割って身を食べようとすると、かなり熟練の技が必要なので、併せてそれもご承知奥ください。

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好物だけ食らう寿司屋

サバ巻きが食べたくて、回転寿司にいった。このサバ巻きという不思議な巻物はどこの店にでもあるわけではない。北海道を代表するハイパフォーマンス回転寿司屋各社でも、サバ巻きを置いているのは一つだけだ。全国チェーンではお目にかかったことがない。これだけを5皿食べて帰ってるという荒技に出るのは、何とも店に申し訳ないので、一応は客としてあれこれとバランスよく注文しなければと思う。しかし、本音で言えばサバ巻5皿食べてささっと帰るのが良いのだが……………

追加の一皿は、このアマだれのついたイカゲソが好物なのだが、お江戸の場合ゲソがモンゴウイカの時がある。あれはいただけない。やはりマイカの柔らかいゲソが良い。このアマだれ付きゲソも5皿くらい注文したいのだがグッと堪える。
この回転寿司店は、紙に注文を書いて渡す仕組みなのだが、受け取った従業員が注文の品をいちいち全部読み上げる。「カウンター〇〇番様、げそ、アマだれ付き、5皿、ありがとーう、ございまーす」などと復唱されると、こちらは相当に恥ずかしいではないか。これが、ウニ5皿だとちょっと違うかもしれない。ちなみに、ゲソもサバ巻きも、どちらも最低価格品なのだ。美味さと値段は関係ないのだけどなあ。まあ、万人向けのうまさと自分の好みは一致していないからなあ。

そこで、ちょっと見栄を張る感じもあるが「本日のおすすめ」花咲蟹を注文した。これはお高い皿だ。5皿注文しても見栄を張れる。が、数量限定と書いてあるので、それを独り占めにするのはいかがなものかという配慮も脳裏を掠めていくので、一皿に限定する。
花咲蟹はうまい。タラバガニより美味いと思う。ただし、小ぶりなカニで殻も固い。自分で捌くのはなかなか骨が折れる。大抵は指先を怪我する。甲羅のトゲトゲが刺さってしまう。だから、花咲蟹は誰か他人に処理してもらえると嬉しい。
花咲カニを食べていたら、裏メニューである利尻ウニのおすすめコールがあった。カニを食べ終わったら注文しようかと思っているうちに、速攻で売り切れた。回転寿司はその場の勢いで注文しないといけない反射神経ゲーム場になっているとは知らんかった。売り切れの原因はインバウンド客の中に、ものすごい量のウニを注文したやつがいたらしい。うーん、金持ちは迷惑行為をやめてくれ。ウニの買い占めは国際条約で禁止してほしい。

回転寿司も今では政治の場になっているなあ。ちなみに、利尻のバフンウニは、ウニ世界のエンペラーだから、本当に希少なんだよね。

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かしわ汁のつけそば

高校生の頃から通っている蕎麦屋がまだ営業を続けていることには感謝しなければならないと思う。この店ではもりそば、納豆そば、おろしそばをローテションで食べるだけで、それ以外のものを食べた記憶がない。残りの人生時間を考えるとこれではいけないと、今まで食べてこなかった蕎麦を順番に食べると決めた。その第一弾が、この温かいつゆで食べるつけそばだ。カシワのつけ蕎麦とメニューにはあるが、よく考えるとこれは変形のカモセイロではないだろうか。
つけ汁だけを見ると、「カシワ抜き」のようにも見える。蕎麦を啜る前につけ汁を一口試してみた。当然ながら、このまま飲むには味が濃い。カシワ抜きは熱い蕎麦つゆベースだから比較的薄味でそのままのめる。基本的につけ汁は冷たい蕎麦ベースなのでとても味が濃い。その違いはあるが、感覚的にはカシワ抜きに近い味がする。

これはなかなか美味いものだ。お値段は上の方のメニューだがなぜ今まで試したことがなかったのだろう。そういえば、天ぷら蕎麦もまだ食べていない。カレー南蛮も食べてみたい。この店独自メニューのカニセイロというやつもある。鮭チラシなどという北海道仕様なセイロものもあったような気がする。いかん、時間が足りない。一回行ったら2食食べることにするか。

これまた面倒くさい問題が、人生の後半で発生したものだ。