食べ物レポート

7月の美味いもの

昔のお取引先の方からご連絡をいただき、10年ぶりくらいでお会いした。間にコロナも挟んでいたので、人との付き合い方、特に距離感が微妙に難しい。例えばマスクをつけるつけないにしても、地方都市と東京では明らかに雰囲気が異なる。田舎町に行けば、高齢者を中心にまだまだマスク社会だ。
とりあえず商売の話をするわけでもないので、あまり失礼なことにはならないだろうとマスクなしで昼食に臨んだ。
昔よく使っていた老舗割烹がビルごとなくなっていて、新築の商業ビルの中に移転していたのは驚きだったが、今の八重洲界隈はビル新築のラッシュだから、低層の建物はほとんど消滅している。オリンピックの後は建築不況になるなどと言っていたのは嘘のようだ。
予約が取れないので開店前から並び、注文したのが金プラ重で、どうも立派なエビの天ぷらのことを金プラというらしい。知らなかった。
久しぶりに食べた天麩羅重は、何やら心に沁みるうまさだった。普段はあまり食べない天麩羅だが、量と腹の減り具合のバランスさえ合えば、実に剛毅なご馳走だった。暑い時に食べる天ぷらは意外と美味いものだと思った。夏の間にもう一度うまい天麩羅を食べてみたい。

思い返せば、コロナの間はかき氷を食べていなかった。在宅時間の長さのせいもある。今年は、これで2度目のかき氷だ。やはり夏の間に、できれば、あと2ー3回は食べたい。
一見真っ白でシロップもかかっていないふわふわかき氷だが、これはメロン味だ。メロンジュースを使った薄い色のシロップらしい。氷はほんのりと甘く、メロンの香りがする。氷の中にメロンのかけらが隠されていた。お上品な「カフェのかき氷」だった。


命の危険がある暑さだとテレビのニュースは連呼している。確かに、凄まじく暑いのだが、実はこの暑さはそれなりに楽しい。スーツにネクタイなどの重武装でいれば、楽しいなどと感じることはないが、今のお気楽な服装、短パンにTシャツであれば、意外と暑さは凌ぎやすいものだ。
ずいぶん昔のことだが、シンガポールの男は一年中、服は二着しか必要ないという笑い話を、シンガポールの女性に聞いたことがある。つまり、今、着ているTシャツと短パン、今は洗って干しているTシャツと短パン、その二着だそうだ。確かに当たっていると思った。シンガポールのおっちゃんたちを見ると、Tシャツがみんなヨレヨレだったのは、そのヘビーローテーションのせいだったのだな、きっと。
そして、今は自分でも似たような格好をしている。さすがにTシャツは2枚とは言わない。もう少しある。が、汗をかいたら日に2度3度と着替えるので、ヘビーローテションぶりはシンガポーリアンと変わらない。だから、暑さが楽しめる。

今日の昼には、サンダルばきで近くの茶店にかき氷を食べに行こう。

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謎肉大盛りヌードル

謎肉大盛りの実食をするべくカップヌードルを買ってきた。これは、カップヌードル以外で試しては行けないと思う。他メーカー品はもちろんアウトだが、シーフードヌードルとか味噌味とか、ともかく味変したものはいけない。(個人的見解です)
それも、サイズはレギューラーに限る。大盛りではいけない。

通常のカップヌードルに入っている謎肉は4ー5個だったと思うが、10倍くらい入れてみようと考えた。個数を数えたわけではないが、ざっくりと10倍くらいの目分量を袋から取り出した。
謎肉の箱に書いてある解説によると、この謎肉一箱の内容量がカップヌードル47食分とのことなので、この小皿に持った分で10個分にはなりそうだ。

お湯を入れて待つこと3分。思っていたよりもスープの量が減っている気がするが、食べてみればあまり味に変わりはない。謎肉をひとかけら食べてみたが、ちょっとカリカリする。そこでスープと麺を底から引っくり返し、謎肉をスープの中でぐるぐるとかき混ぜた。
とりあえず食べ始めると、一口ごとに謎肉が入ってくる。10倍も入れたから当たり前なのだが、この大盛りチャーシュー的な謎肉ヌードルは実に「うまい」。というか、うまさよりも達成感が強い。なんだかすごいことをした気分になった。
思い返せば、カップヌードルの歴代テレビCMは、いろいろな面白さや可笑しさを表現してみせてくれた。カップヌードルのイメージが陳腐化しなかったのは、あのCMに負うところが大きいと思うが、できればこの謎肉大盛りを映像化してみせてほしい。見るだけでシズル感がありそうだし、食べてみたいと感じさせる、ある種のドキドキ感を演出するのにはとても良い素材だと思うのだが。

謎肉大盛りヌードル、次回はカレーでやってみたいぞ。チリトマ、シーフードは不可だろうなあ。もしかして、謎肉に加えて、乾燥卵と乾燥エビの別売りもあれば、全部乗せ大盛りができるのだが。日清食品の開発担当者様、是非ご検討ください。

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謎肉バンザイ

以前にも発売されていた「カップヌードルの謎肉」単品をようやく買うことができた。これも季節限定というか、たまに、ごくごくたまに、突発的に売るだけなので、巡り合うこと自体難しい。
日清食品の皆産、ぜひこれを定番商品にしてください。月に一回は買いますから。

箱の裏側にはアレンジメニュー例が色々とあるが、絶対にやりたいのがカップヌードル謎肉特盛だ。ただ、写真に載っている通りに盛り付けると、カップの中のスープは全部吸い取られてしまい、焼きそば風になるのではないかと恐れており、何度か実験しなければいけないなと思っている。チャーハンはうまそうだ。キムチ丼もうまそうだ。
やはり、「謎肉販売」は定番化してほしいぞ。

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豚骨ラーメン 対比してみた

こちらは徳島 来来

徳島ラーメンと和歌山ラーメン、どちらもご当地ラーメンとしては名高いが、たまたまあまり時間を置かずに二種類を食べる機会があった。なんとなく、「あれ??」という感じになった。どうも似ている。味だけではなく全体の印象が似ているのだ。
どちらも豚骨スープでコッテリ系だ。明らかにわかる違いは生卵を乗せるかどうかくらいだろう。ちなみに麺に卵を乗せる「月見系」は好みではないので、生卵乗せは注文していない。写真を見比べて改めて思うが、豚骨醤油系ラーメンはどうもルックスに差が出ないようだ。食べていると口の中がてらてらしてくるコラーゲンたっぷりスープのせいで、スープ自体もとろり感がある。

こちらも徳島 麺王

和歌山、徳島、どちらにも「系統」の元祖にあたる店があり、その店からの暖簾分け、弟子の独立、コピー店の登場などで「ご当地ラーメン」が出来上がっているのは似たようなものだ。
ある程度、系統に属する店を食べ歩くともっと理論的な分析はできそうだが、それはご当地のラーメンフリークに任せるしかない。旅人のラーメン試食は、所詮一期一会でしかない楽しみだ。

和歌山 丸美商店

どちらもを食べても似ている気がする。全国のご当地ラーメンが結集するお江戸ではあるが、不思議と徳島・和歌山の南海ブロックの店は少ない。だから、よくある東京向けにアレンジされたローカルラーメンと比べてみるのも難しい。
あえて言えば、徳島系が重いという感じだろうか。和歌山ラーメンはどろっとしているが、軽さがある。ただ、和歌山ラーメンも二系統に分かれているはずだし、徳島・和歌山の比較自体が意味がないと言えば意味がないのだろうなあ。テーブルの上に同時に出されなければ、和歌山と徳島の見分けはつかないかもしれない。

福岡 ラーメン亭

個人的には、豚骨スープ・ラーメンの中では、昔ながらの博多ラーメンが好みで、これに高菜と紅生姜で味変して食べるのが一番の好物だ。

札幌 紫雲亭

札幌で食べる豚骨スープラーメンも、最近では百花繚乱気味で、どんどん新手が生まれているみたいだが、昔ながらの味も捨て難い。個人的には、豚骨味噌ラーメンを贔屓にしている。昔は、これが異端の札幌ラーメンだったが、今ではほぼ標準になっている。見た目は、和歌山ラーメンに近いようだ。


もうスープまで完食することはできなくなった(しなくなった)が、ラーメンは最初の一口のうまさが全てだ。それは今でも変わらない。スープと麺の芸術であり、最上の「チープ・グルメ」だと思うのですよ。最近はあまりチープではないけれど。

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再訪しても満足する

高知で知人に連れて行ってもらった居酒屋に、一人でもう一度行ってみた。いつもの、食べたいものを好きなだけ食べるというわがままを果たすべく、早い時間に出かけた。人気店なので、ちょっと時間がズレると満席になってしまうようだ。この日も、カウンターに席を取ったすぐ後に、一気に満席になってしまった。

ぶしゅかんは仏手柑と書くらしい。高知特有の柑橘類で、ゆずだかすだちだか忘れたが、その変種らしい。酢みかん、つまり酸っぱい柑橘の夏の代表だと高知の友人に教えられた。これの皮をすりおろして、「メジカのシンコ」刺し身にかけて食べるとうまい。と教えてくれたのは、カツオの町の大先輩だった。そのぶしゅかん+メジカを食べるためには3年ほどかかった。なかなかメジカ漁のタイミングに合わ背て高知にくる機会がなかったからだ。
今では高知人が「メジカ」を求めて狂騒するようで、旬の時期に来てもメジカを食べるのは難しいよと言われた。それも、魚屋の大将から言われたのだから始末に悪い。メジカは諦めるにしても、「ぶしゅかん」は無くなりはしないだろう。おそらく大丈夫なはずだ……………。今年は、ぶしゅかんを焼酎割りにして楽しもうと思った。

とうもろこしの天ぷらも、この時期、高知ではスタンダードなものらしい。これが実にうまい。今では、日本全国で甘いとうもろこしが栽培されているから、産地に限らずとうもろこしの天ぷらが食べられそうなものだが、不思議と高知以外では目にすることが少ない。熱々の天ぷらを塩で食べると、夏が来たなあと思う名品だ。

高知といえばカツオのたたき、ということになっているはずだが、実はウツボのたたきも好物だ。ウツボを食べる文化は高知と和歌山にあると、高知県庁の方に教えてもらった。確かに黒潮は海のハイウェイみたいなものだ。高知から和歌山に行くのは随分と簡単なのだろうし、黒潮でつながる共通の食文化圏であっても不思議はない。
最近はうつぼ漁をする漁師が減ったせいで、ウツボの水揚げも少ないと、これも元漁師の友人に聞いた。
ウツボを養殖するというのはどうだろうか。うなぎやはも、穴子などニョロニョロ系の魚は人気があるのだから、ウツボ養殖もビジネスになりそうな気もするのだがなあ、とウツボを食べつつ妄想していいた。

そして締めにはナスのたたき。「たたき」尽くしの夜になった。高知県でいう「たたき」は物理的にヒットする叩きではなく、焼いて表面を焦がす料理のことだと思われる。
ナスのたたきも色々と流派があるようだが、この店は軽く油通しした茄子に夏野菜をたっぷりとのせている。ニンニク・チップをアクセントにして「たたきのタレ」、要はポン酢しょうゆに似たもので食べる。爽やかサラサラ系の一品だ。これも最近まで知らなかった、高知の家庭料理として定番らしい。この野菜の下にある茄子が、炙った鰹に変われば鰹のタタキになる。

どれを食べてもうまかった。独り占めしてわがまま放題で食べた。腹はパンパンに膨れたが、心はもっと満足だった。いやあ、久しぶりにすごい贅沢した気分になった。高知の夜は「うまいうまい」なのであります。

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蓬莱の食堂

大阪近郊で豚まんといえばホウライで間違いはなさそうだ。少なくとも、百貨店地下や駅構内にある販売店を見る限り、どこの店でも行列が絶えない。新幹線の駅にある店も、お土産にこの店の豚まんを買い求める客の長い列は当たり前の光景だ。
ただ、豚まんのテイクアウト専門店というわけではなく、何ヶ所かレストランを併設しているところもある。
難波にある本店には、一度だけ晩飯を食べに行ったことがある。食べた感じは普通に美味いだったが、やはり大阪系中華料理店の特徴なのか、味付けが甘い。ただ、大阪と東京でどちらの中華料理店が美味いかという話をするつもりはない。
大阪にしろ東京にしろ、日本の中華料理はインスパイアード・チャイニーズ・フード、中華料理に影響を受けた日本料理だからだ。本場の味の再現より、地域の嗜好の差が当然強い影響を持つ。特に、甘さ、酸っぱさ、塩辛さなどの好みが地域ごとに違う。だから、この国には中華料理の「標準」などあるわけもなく、たまに本場中国で学んだみたいなシェフがいたとしても、あくまで日本料理のカテゴリー内の止まってしまうのだと思っている。
そもそも中華料理で使う調味料、例えば醤油が日本のものであれば、それはやはり日本的な味付けになる。酢なども典型だろう。だから、中華料理はそれぞれの地元の味を楽しめば良いのだ。ハワイで食べた中華料理も、エビと合わせた野菜は青梗菜ではなくブロッコリーだった。地元で出に入る食材で仕上げるのが中華料理の本質なのかもしれない。

ちなみに、いつでもどこでも注文する酢豚だが、その甘さ、酢の加減で地域特有の味になっていることが多い。これが楽しみだ。おまけに具材が、これまた地域によって変わる。豚肉の唐揚げと玉ねぎは標準的食材のようだが(豚がなければ酢豚にはならないし)、これに「パイナップル」が入るのは東日本に多い。西日本で見つけたのは「きゅうり」の入った酢豚で、これはきゅうりの歯ごたえが面白かった。地元の街では、中国残留孤児引揚者が経営する中華料理店が多い。帰国後の研修施設があったせいだ。その店では味付けが、おそらく大陸のオリジナルに近いのだろう。また日本的変化を起こしていない、強烈なものが食べられる。チャーハンですら目を見開く味だったりする。そのみせのひとつではマンゴー入り酢豚を食べたことがある。マンゴーはなかなか美味い。シンガポールあたりでありそうなメニューだった。


筍、椎茸、キクラゲなどは日本全国あちこちで使用されていた。ギョウジャニンニクが入っていたこともある。ピーマンやにんじんが彩りとして使われることも多い。それと比べると、このホウライの酢豚がなんとビジュアル的にストロングスタイルであることか。
おまけにスプーンがついてきたということは、酢豚の餡もすっかりお召し上がりください、ということだろうか。食文化の地域差は、いつも面白いものだ。

街を歩く, 食べ物レポート

王将の夏

湿度が高くジメジメとした暑い日は、冷房の効いた店で冷やし中華を食べたいものだ。それも最近流行りのゴマだれではなく、昔ながらの酢がきついキリッとした醤油だれで食べたい。


個人的に冷やし中華トッピングとして熱望するのは、あの紅生姜なのだが、残念ながらプチトマトに代わっていた。薄っぺらなハムは冷やし中華の定番だが、これがチャーシュー細切りになると一気にご馳走化する。+300円程度でチャーシュー・アップグレードができると嬉しいのだがなあ。そもそも、冷やし中華は寒い時期でも売っていて欲しいと思う。まあ、体感温度での好みというより「酸っぱいものが食べたい」だけかもしれないが。

ただ、冷やし中華は麺の量が足りない。しかし、麺を大盛りにすれば良いというものでもない。麺の大盛りは、腹は膨れるが途中で食べ飽きる。蕎麦などがその典型だ。だから、麺大盛りの代わりにライスを追加するかというと、どうもそれは違う。よくネタになっている、お好み焼きをおかずにご飯を食べる状態だからだ。あれは、ちょっといただけない。
なので、ハーフサイズの料理を注文できる「王将」のシステムは素晴らしい。キクラゲと豚肉の炒め物は大好物なので、それを追加した。量的には冷やし中華と合わせてジャストという感じだろうか。
いや、ちょっと食べ過ぎだが、腹の満足度より舌の満足度がはるかに上がる。冷たい麺と熱々の料理という、温度の調和が良いのだろう。
しかし、わざわざ高知で「王将」に行くのは、これまたどうかとは思ってしまうのでありますよ。高知名物を一回食べ損ねた気分にもなるので……………

街を歩く, 食べ物レポート

地下食堂街という誘惑

北海道を代表するバス会社「中央バス」の札幌ターミナルは、札幌から道内各都市への長距離便が発着する交通の要所だ。最近、札幌駅前のバスターミナルは閉鎖されてしまったが、それまでは交通の便が良い札幌ターミナルがバス基地としては主力だったので、この中央バスターミナルは場末感が漂うところだった。
そもそも札幌の都心部としてはハズレにあり、中心地である地下鉄「大通り駅」からは随分と離れている。ただ、よく考えるとこのすぐ近くに札幌市営バスのターミナルもあるので、はるか昔、札幌オリンピック開催が決まった頃に交通網の集約が行われたのかもしれない。
個人的にはほぼほぼ使うことのなかった長距離バスなので、このターミナルに来たのは何十年ぶりになる。最後に来たのは学生の頃だったかもしれない。
その「懐かしのバスターミナル」地下にあるラーメン屋の話を聞きつけてわざわざ尋ねてみることにした。我ながら、酔狂なことだと笑ってしまう。

地下にある食堂街は、全盛期であればなかなか賑やかだったのだろうなと思わせる。客席が10ー20席程度の小ぶりな店が多い。残念ながら閉店して空きテナントになっている箇所もいくつかある。というか、昼は営業している店の方が少ないくらいだった。それでもあけている店は人気店のようで、開店前から待ち客が並んでいたりもする。このラーメン屋も昼前に行ったにもかからず10分ほど待つことになった。

お目当ては札幌でも珍しくなくなくなった「とんこつラーメン」だ。この店はかつての有名店が一度閉店した後で、復刻した「老舗ラーメン」の後継だそうだ。一般的な札幌ラーメンとはちょっとテイストが異なる。
そして、サイドアイテムとして提供されるカレーが、どうも名物らしい。チャーハンではなくカレーというところがなんだかすごい。席について迷うことなくラーメンとカレーと注文した。

ラーメンはクセがある。ドロドロ系のスープが苦手な方には向いていないかもしれない。2度3度と食べるたびに好きになっていくタイプとでも言えば良いだろうか。個人的にはもう一度食べてみたいと思った。どこか他の店と違うが、その違いがうまく言えないという「難度の高い」ラーメンだと思う。

カレーはサイドアイテムなので半量だが、カレーだけで注文したくなる本格派だった。札幌といえばスープカレーというくらい、スープが有名になっているが、実は伝統的なドロドロ・ルーのカレーもうまい店が多い。ただ、それとも異なるサラッとしたキーマカレーだった。これはクセになりそうだが、ラーメンと合わせると膨満感が激しい。困ったものだ。半ラーメンとカレーという希望は聞き入れてもらえるだろうか。

そのラーメン屋の向かいは夜だけ営業の居酒屋らしい。この店作りがどうも怪しげで興味をそそる。今度は、夜に居酒屋に行って、その帰りに締めでラーメンを食べようか、などと体に悪いことを思いついてしまった。地下食堂街(もはや死語だろうに)は実に怪しく素敵なのだなあ。

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北九州のごちそう

博多という街は実に多彩な料理が楽しめるグルメなところだ。実は熊本名物馬刺しを初めて食べたのも福岡、中洲にある料理屋だった。毎朝熊本から直送しているということで、味は保証済みとの触れ込みだった。
九州各地の有名食材は確かに福岡に集まってくる。福岡にいるだけで、九州名物を堪能することは可能だろう。つまり、福岡はいいところだ。
たまたま入った料理屋で、伊万里牛という見慣れない言葉を目にした。これはなんだろうとお店の方に尋ねると、JAを通せば佐賀牛、JA以外のルートだと伊万里牛になるのだとのこと。なるほど、つまりこれは全国に名高い佐賀牛と同一品なのだなと、迷わず注文してみた。柔らかくうまい。銘柄牛の旨さはあちこちで試してきたが、脂と肉のバランスはそれぞれ異なっているので、自分の好みに合わせた肉を見つけると良いのだと思う。この伊万里牛は、自分の好みに近い。完食するまでエンドレスで食べ続けてしまった。

呼子のイカは全国的に有名だが、魚種としては剣先イカらしい。少し小ぶりのイカを頼んでみた。このサイズでお値段はそれなりのものだが、一人で食べ切れるサイズだったので文句はない。お約束通り、げそは天ぷらにしてくれた。
イカはどこで食べても旨いと思うが、「呼子のいか」となるとブランド効果で体感的うまさが倍くらいに跳ね上がる。
福岡名物は、明太子を筆頭に加工のうまさが目立つものが多いが、この牛とイカは素材の単品勝負という福岡では珍しいものだった。やはり福岡はいいところだなあ。

食べ物レポート, 旅をする

博多ラーメン 古典編

博多駅周辺の再開発は完了したようで、何年か前に来た時には工事中だった駅ビルは全て完成していた。駅周辺のビルは全て地下通路で連絡しているらしく、博多駅地下はまさにダンジョン状態になっていた。地下街は方向感を無くしやすい。碁盤の目のように真四角に通路が通っていればそれなりに迷うことはないが、博多駅の地下街は大雑把に言えば台形のような形で、斜めに走る通路も多いので最初にあるくときは迷ってしまう。その新・地下街ダンジョンの中で昔からある「駅地下」はなにやら懐かしいスポットになっていた。

なんとも懐かしい風情がする赤い看板のラーメン店を見つけ、久しぶりの博多ラーメンにありつくことにした。隆盛を極める豚骨スープラーメンを初めて食べたのは福岡長浜だった。福岡の仕事先の方が、会食の後にタクシーで連れて行ってくれた。夜遅くなのに行列ができているラーメン店で、初めて替え玉という言葉を覚えた。
その後、博多でもラーメンは進化を続けているようで、昔ながらの博多ラーメンを食べたいと思うと、あれこれ下調べ、情報検索して確かめないといけないらしい。そうなると、この老舗ラーメン店は実に貴重な存在ということになる。

店内でラーメンを注文した後に発見したのだが、博多が舞台の名作「クッキングパパ」でもこの店が紹介されたようだ。確かにこの巻は記憶にある。熊本に新幹線で帰る友人と駅でチャチャっとラーメンを食べるシーンだった。

博多ラーメン屋のはずだが、入口ではなぜかちゃんぽん推しだ。場所柄かもしれないが、ちょい飲みセット(餃子とビール)も目立っている。博多という大都市駅地下にもかかわらず、随分とリーズナブルなお値段ではないか。北の大都市札幌もこれを見習ってほしい。(札幌のラーメンは気が遠くなるほど値上がりしている)

今回はちょっと偉そうにチャーシューメンにしてみた。チャーシューが追加で3枚入ると、これまたずいぶん正直にメニューに書いてある。普通のラーメンであれば、ここからチャーシューがへるだけなので、ラーメンとしてはシンプルの極みだ。

しかし博多ラーメンは(自分の記憶している限り)テーブルの上に置いてあるカラシ高菜漬けと紅生姜は使い放題だ。それを自分でトッピングする。高菜漬けのからさで味変しながら食べるのが博多ラーメンだと思っている。なのでたっぷりと紅生姜と高菜を乗せてみた。流石に替え玉を追加するほど腹ペコではなかったが、味変したスープに麺を追加するのも博多ラーメンの楽しみなのだ。
本当に久しぶりにスタンダードな博多スタイルでラーメンを食べて、実に満足した。次回は、(もし来る機会があれば)やはり替え玉を追加するしかない。駅のホームでもラーメン食べたいし、できれば長浜のラーメン店を再訪してみたい。うーん、博多は美味いものがありすぎるので困ってしまうなあ。