食べ物レポート

廉価版の肉まん

9月まで9月中旬になっても暑い日が続く。すでに日本では5月から9月まで猛暑期となっているので、冬には雪も降るが「亜熱帯」認定して良いのではないか。それでも企業の企画担当者は、古き良き伝統に従い9月になると秋物商品を一斉に投入する。
夏の間は販売していなかったヤマザキの肉まんが9月になると発売開始された。ちなみに9月1日の気温は真夏日どころか36度越えだった。冷房を効かせた部屋で熱々の肉まんをどうぞ召し上がれということらしい。
さて、この4個入り肉まんは約300円。各メーカーが販売している肉まんの中で最安値だろう。ちなみに、一個当たりの重量は90g程度なので、まんじゅう業界(?)の中では一番小ぶりだ。つまり、小さいけど安いから勘弁してね作戦をとっている。

断面を見ると、圧倒的に皮が厚い、というか皮がほとんどだということがわかる。これは「皮」を食べる食べ物なのだ。他のまんじゅう屋とは設計思想が異なる。それはそれで良い。この小ぶりな肉まんを二つレンジアップして、朝飯にするとちょうど良い量になる。トーストにハムやベーコンを乗せたものの代用品として考えれば、皮の厚さ自体が意味がある。
この肉まんをチープというのは、肉まん業界から見た視点であり、消費者視点、利用者の使い勝手という点から見れば、「朝飯肉まん」としての完成度は十分に高い。2個食べても150円程度、コンビニのおにぎり一個と変わらない。高くて美味しい肉まんを作ろうとせず、「肉まんに似たもの」を大量生産販売する、したたかなヤマザキの戦略と考えるのは、考えすぎなのだろうか。

街を歩く, 食べ物レポート

夏の終わりの十徳

久しぶりに新宿で知人と会うことになり、あれこれ行く店を考えてみたのだが、やはりいつもの居酒屋を選んだ。新宿には東西南北(笑)に好みの店があったのだが、コロナを境に古い店はどんどん閉まってしまい、今では片手で足りるほどの店しか営業していない。
西新宿ではこの店ともう一軒、古い焼き鳥屋くらいだろう。歌舞伎町の中はもはや別世界だし、東口にある新宿アルタ近くの店も長い間休業していた。3丁目で行きつけの店は随分と閉店してしまった。ああ、残念。

さて、この日楽しみにしていたのは「トマトのお浸し」だった。実はこれが食べたくてこの店にしたと言っても間違いない。トマトはすでに通年商品だが、なぜか夏になるとあちこちの店で「トマトのお浸し」をメニューに追加してくる。
湯むきしたトマトを出し汁につけただけというシンプルさが良いのだ。トマトは生食も良いが、出汁との相性も良いので、一人でこれ一個くらい食べてしまう。酒の肴というよりサラダの一種だろう。

マグロのたたきというのは珍しいが、個人的な感想を言うと、これはたたきではなくローストマグロではないかなと思う。カツオのたたきは、カツオ特有の血の味、ヘモグロビンの味?を和らげる。ただマグロはカツオよりマイルドなので、表面を炙ったくらいではあまり味の変化はしないように感じる。まあ、普通に美味しいが逸品と言うほどでもないか。

カンパチだったかシイラだったか、魚のフライはごく普通にうまい。魚は下味をつけたものをあげるとなおさら旨いのだが、今回の下味は微妙すぎてよくわからなかった。でも、美味い。白身魚のフライにタルタルソースをかけて食べるのよりもはるかに美味い。(個人的感想です)

冷やしワンタンは秀作だった。冷たいワンタンを濃いめのツユにつけ食べる。実に好みであった。夏らしい涼しげなメニューだ。これが餃子だとちょっと違うなと思わせるので、やはり料理人の腕前をいうものだろうか。ワンタンのツルッとした食感が素晴らしい。まさに夏の一品だった。拍手。

夏野菜のサラダは辛めの中華ドレッシングが良い仕事をしていた。添えられていた揚げワンタンのクリスピーなカリカリ食感が爽やかな感じを増幅させる。しゃきっ……と、ぱりっ………が合わさったサラダで、味というより食感で楽しませる一品だ。

やはりこの店は料理が素晴らしいものだらけだが、日本酒と合わせた時の仕立てになっている。料理好きの知人友人を連れて行くのも良いが、やはり一人で行ってチビチビぬる燗の日本酒を飲む方がもっと良い使い方な気がする。

食べ物レポート

信州名物 野沢菜のおやき

自宅近くのスーパーにて、期間限定ご当地名物コーナーで発見した

長野県の郷土食として有名な「お焼き」だが、30代中頃までその存在を知らなかった。二十代に北海道から転勤してきて埼玉県の地方都市で暮らしていた。まあ、金もなく知識もなく、何が美味いとか何が名物だという情報を全く持ち合わせていなかった。
一年ほど米国で暮らしたあと日本に戻ってきて、日本の食事とはなんなのだろうという問題意識が芽生え(笑)、あれこれと有名な食べ物に挑戦するようになった。その頃は埼玉の地方都市から川崎という大都市に引っ越しをしていて環境が良くなったせいもある。
その後、仕事で全国の著名な食べ物を研究する機会があり、その中で信州お焼きを知ったが、実食したのはその一年後だった。今振り返ると、インターネットでの情報検索などかけらも見えない時代で、情報とは「書籍」「雑誌」から得るもの、あるいは口コミが有力手段だった。だから、20-30代の貧乏サラリーマンに高い情報収集能力を臨む方が無理な時代だったように思う。相当な本購入代金を負担できる経済力、口コミを動員できる人脈形成、どちらも若いサラリーマンには手の届きにくい「知財」だったはずだ。
だから、初めて「お焼き」を食べた時はドキドキしていたものだが、実食してかなり残念感があったのは記憶している。今思い出しても笑ってしまうのだが、その頃から情報を美化して過剰な期待を持つ性癖があったようだ。その後、お焼きは何度も食べる機会があり、手頃な昼飯として好物になったのだが、初見時は「がっかりなたべものだなあ」という諦めと共に食べた。
その憧れと失望のない混じった食べ物が、今では普通にスーパーで売っている。流通の進化のせいか、情報が行き渡ったせいか、よくわからないが、地域の特産は現地に行って食べるものという常識はもはや存在しない。

袋から出す時に割れてしまった

もともと、お焼きとは野菜の漬物などを小麦粉で練った生地の中に入れ、囲炉裏の灰の中で加熱したものらしい。だから中に入るものは甘い味、しょっぱい味にこだわらず色々とある。小豆あんの入ったものは定番だが、野沢菜漬け、茄子の味噌炒め、切り干し大根など実に多彩なバラエティーがある。個人的に野沢菜漬けの入ったものがいちばんの好みだ。

生地はイーストやベーキングパウダーが入っていないのでふかふかはしていない。厚手の餃子の皮と言っても良い素朴な生地だ。だからつくる時の皮の厚さによって仕上がりも変わる。製造メーカーによって生地の厚みには随分差があるので、好みのメーカーを見つけるのも楽しみだ。
ちなみに、お土産で販売されているものは中の具材もたっぷり、生地も厚めのものが多いように感じる。個人的な好みで言えば、長野のローカルスーパー・つるやのPB品が一押しなのだが、これは現地に行かないと買えない。おまけに自社工場で製造したものを配送するので、場所によっては当日の昼過ぎから午後にならないと入荷しない。なかなか手に入れるのが難しい商品だ。

通販では冷凍品もあるので全国どこでも調達可能だが、こればかりはやはり長野県の現地で食べよう、と言っても長野は広いしあちこちでローカルお焼きがあるから、どこの現地に行って食べれば良いのか迷う。
長野市に行って善光寺参りをし、帰りに門前町でお焼きを土産に買うというのが一番ポピュラーなお焼き調達ルートかもしれない。
不思議と肉入りお焼きとかチーズ入りのおやきを見たことがないが、これも近い将来、お土産専用品として出現しそうだ。京都の生八ツ橋的な奇形進化をするのは時間の問題だろう。ただ、自分で食べてみたいとは思わないけれどね。

街を歩く, 食べ物レポート

サイゼリヤのゴージャスランチ

たまに肉を食べたくなるとサイゼリヤに行く。コスパが良いということもあるが、単純にサイゼリヤのハンバーグがうまいと思うからだ。肉肉しいという感じがする牛肉ハンバーグが好みだが、ランチセットに出てくる合挽肉のハンバーグも捨てがたい。ただ、合挽肉ハンバーグを食べたければ、びっくりドンキーの定番なので、そちらに行くのも良いのだ。牛肉ハンバーグであればサイゼリヤ一択になる。他のファミレスや肉食堂のハンバーグを鎧袖一触する優れものだ。
豚肉生姜焼きという庶民的な肉料理も飯にはよく合うが、肉だけ食いたい気分の時はハンバーグがよろしい。そんな「肉食べたい欲求」に追い込まれて店内に入ると、メニューを見てちょっとだけ気分が変わる。急にエビが食べたくなったのだ。
昔はサラダのトッピングに使われていた小エビが、最近は単品で食べられるようになった。甘めのドレッシングがうまい。イタリアンなのにワカメが使われているのがちょっとおかしみがある。前菜というより副菜という感じの量だ。

えびのついでに冷たいチキンを頼んでみた。ただ、これは完成度がエビに負けるなあ。普通に美味しいチキンだが、ドレッシングをもう少し強めないと自分には薄味すぎる。この辺り、どういう仕立てにしたいのかもよく見えてこないので、あまりに普通な感じがする。自分のうちで食べられそうな存在感しかない。
そこで、サイゼリヤ特製の赤くて辛いソースをかけて食べてみた。正解だった。辛いチキンは美味い。最近のサイゼリヤは「セルフ混ぜ・味変」推しだから、こういう商品を登場させたのかもしれニア。

ハンバーグには目玉焼きがのっている。いかにもサービスですという感じが素敵だ。半熟の黄身を肉と合わせるとこれまた美味い。ポテトとコーンの付け合わせはハンバーグの定番みたいなものだが、この量もよく計算されていると思う。400円で与える満足感としては、日本の有数外食チェーンの中でダントツ、群を抜いたトップだ。某ハンバーガーM社も普及品ハンバーガーではこのレベルに遠く及ばない。ブランド代表商品のBigMですら、このワンプレートハンバーグには負ける。ましてやフライドチキンや牛丼では敵うはずもない。
ただ、この手のコスパの良い店は絶対的な客数が必要なので、地方都市ではなかなか展開しずらい。首都圏や関西圏では各駅停車に近い密度で店舗が配置されているが、地方都市になると大きなショッピングモール、あるいはせいぜい駅ビルにしか出店していない。言ってみれば地方格差のある都会型ブランドなのだ。だから、地方都市での密度を上げるより国外での展開を選んだグローバル企業でもある。
ファストカジュアルの本場、アメリカ西海岸あたりで展開すれば、抜群の戦闘力を誇りそうだがなあ。なぜか、ユーラシア東岸が主力の展開地だ。

この三皿注文してほぼ千円、休日のランチとしてはあまりにゴージャスだった。

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イカ天とちくわ天 ドッグ

イカ天ドッグ

館山のパン屋で見つけてきた不思議パンの一つが「イカ天」ドッグだった。人の想像力はどこまで遠くに行けるのか、の見本ではないかと思う。イカ・タコ好きとしては絶対に見過ごしてはいけない一品だろうと、熱い思いを抱いて買い込んだ。
食べてみると、うーん、なんだかなあ。イカの味はするのだけれど………近くのパン屋で売っていれば週一くらいで買うとは思う。ただ、期待が高すぎたからなあ。
イカ天を食べるのであれば、大阪駅そば、阪神百貨店の名物イカ焼き風に濃いソース味にすると良いのかもしれない。コテコテの大阪味みたいなものになれば、限界突破の可能性はあると思う。でも館山だからなあ。ソース文化は薄いだろう。

ちくわ天ドッグ

ちくわ天は立ち食い蕎麦屋で蕎麦に乗せて食べるものだ、みたいな先入観がある。たまに居酒屋に行ってちくわの天ぷらが置いてあっても、どうも食指が伸びないのはこの固定観念のせいだろう。イカ天ドッグを買った勢いてついで買いしてしまったが、これはちょっと勇足だった。単純にちくわ天の味が薄い気がする。イカ天ドッグもそうだが、意外とあっさり味でちょっと物足りない。
一緒に買った特製あんぱんの迫力とあんこの暴力とでも言いたいあんこマシマシン状態と比べると、イカ天ドッグもちくわ天ドッグも実におとなしい感じだ。長年のレシピーを守っている店のようだから、地元館山のお客さんにはこの淡白さが受け入れられているのだろう。あまり勝手な思い込みをせずに、素直に味わってみればまた違う感想になるかもしれない。あるいは、好き勝手にソースダボダボかけて味変してみるという手もありそうだ。
などと文句ばかり言っているようだが、このパン屋さんにはもう一度、いや二度三度行ってみたい。良いお店だったのだよね。何年かに一度巡り会う「また行きたいパン屋さん」だった。

ちなみに最近出会ったパン屋の上位にいるのは、岡山の木村屋だ。中村屋、木村屋とお江戸の名店から暖簾分けした名店に出会えるのは、もう一つの旅の楽しみだなあ。

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5年ぶりの鳥貴族 vvv

目黒でホール落語を聞いた帰りに同行者とよく立ち寄ったのが鳥貴族だった。良い演者、演目をみた後は、その感想を話したくなる。そんな時にちょいと立ち寄るには便利な店だった。
そんなことを思い出し、鳥貴族に入ってみたが、よく考えると最後に鳥貴族(多分、東京都内のどこかの店)に入ったのはコロナの前だったから、少なくとも5年ぶりになる。値段は290円(?)から370円に上がっていたが、以前は本体価格表示で消費税込みだと330円だったはずだ。今は税込み価格なので、実質的には1割程度の値上がりということになる。このご時世、随分と良心的な価格調整だと感心した。
まず、ちからこぶの黒胡椒串焼を注文したのだが、「ちからこぶ」とは耳慣れない言葉だ。調べてみると手羽元らしい。鳥貴族は大阪発祥のチェーン店なので、鳥の部位の名称がお江戸とはちょいと異なる。食べれば美味いので問題ないが、頼む時にこれはなんだと思ってしまうことがある。まあ、たいした問題ではない。
さらに載っているマヨネーズにちょっと驚いた。そういえば、焼き鳥にマヨネーズをつけて食べるのは初めてかもしれない。マヨネーズをつけてみても、普通に美味しい黒胡椒焼き鳥だった。

もう一つ気になっていたのが「岩下の○生姜」を使った鳥唐揚げだった。生姜を使った食べ物は気にいっているので、これも勇んで頼んだのだが大正解だった。ただし、出てきた時はルックスにびっくりした。串に刺さった唐揚げが登場して生きたからだ。失敗して黒焦げになった焼き鳥が間違って出てきたのではないかと思ってしまった。
抜刀唐揚 ~紅生姜編~ とメニューには書いてある。串を外してお召し上がりくださいとのこと。何事も慌ててはいけない。あちこちで鳥唐揚げは食べ続けているが、これはとても好ましい味付けだと感じた。個人的には大好物認定しよう。
すりおろした生姜をつけだれに入れて生姜味の唐揚げにするのは普通だが、これはそれとは異なり、もう少し生姜の主張が強い。それが実に美味さを感じさせる。まあ、単純に個人的なショウガ大好き嗜好にハマっただけかもしれないが、うまいものはうまい。

コロナの後、鳥貴族は拡大再開しているようで、それはそれでめでたいことなのだが、自宅のそばにあった店は閉店してしまった。なんとか再出店してもらえないものだろうか。でもパルコが閉まったせいで、街は一気に寂れているから無理かもしれないなあ。
そういえば、この店の従業員の話す言葉が、全くどこの国の言葉かわからなかった。顔つきはアジアン系だったので、ミャンマーとかカンボジアとか、東南アジア内陸部の人たちだろうか。東京都内の居酒屋では、人手不足のせいで多国籍の人たちが働くから共通語が日本語になっていると聞いたが、確かにそうれはありそうなことだ。となると、ますます自宅付近での出店は望めそうにないなあ。

街を歩く, 食べ物レポート

スーパーのPB饅頭

確認するテーマは二つ 本当にうまい と 具材あふれるが 実現できているか

埼玉のローカルスーパーでは色々なPB食品が販売されている。この店のシューマイはとてつもないお気に入り商品で、個人的には横浜崎陽軒のシウマイを凌ぐレベルにあると思っている。だから期待してPB餃子を食べてみたら、こちらは埼玉ローカル町中華チェーンの餃子には全く敵わない。並の冷凍餃子よりはうまいと思うが、普通のうまさ程度という評価だった。焼売と餃子の差、不思議だなあ。
そのPB商品に肉まんがあるとネットニュースで知った。ネットニュースには大絶賛されていたので、いそいそとそのスーパーまで、わざわざ肉まんを買いに行った。シューマイレベルに達していれば、今後は肉まんはこれ一択になるかもと期待度は高い。

さて、袋に書かれた指示通りに再加熱して、ふかふかの饅頭を食べようとしたら、おやおや、ふかふかになっていない。どうも自宅のレンジとは相性が悪いのかもしれない。指定時間通りの加熱ではまんじゅうの皮が硬いままだった。
さいかねつしてたべてみると、皮とアンの間に隙間はないが、皮の上面がどうやら厚い感じだ。これはどうしたものかと思いながら食べてみたが、やはり皮とアンのバランスが悪い。アンの味付けに濃さがちょっと足りないと感じるのは、皮が厚すぎるせいかもしれない。
お値段は一個換算するとコンビニまんじゅう程度だから高すぎるということはないが、スーパーPB商品とはコスパの良さを追求するものだろう。この値段と味ではPBとしてのバランスが悪い気がする。
ただ、この日は買いに行ったスーパーの冷蔵ショーケースが全面的に故障していて売り場が緊急対応している状態だったから、製品の保管状態が悪化していた可能性もある。後日、別の店できちんと保管されている肉まんを買って確かめてみるつもりだ。ただ、それでも同じレベルであれば、わざわざお知らせすることもないので。続報がなければ、この饅頭のレベルは……………なのだなあ。

まあ、期待しすぎずに食べれば、普通にうまいとは思いますよ。

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木更津の駅弁?

木更津といえば千葉県でも南方にある。自宅のある埼玉からは100km近い移動になるので、ほぼほぼ旅行の距離だ。仕事をしていた頃は、この辺りまでひょいひょいと出かけていた。それも朝オフィスに行って、木更津の現場を視察した後、これまた千葉のどこかで仕事をしていたのだ。それから自宅まで帰っていたのだから、仕事をしている時のバイタルというか活力は途方もないものがあったのだなあ。今回は南千葉への移動でヘトヘトになった。移動だけで疲れ切っているのだから、なんとも言えないほど活動力が落ちているようだ。次に木更津行けと言われたら(誰にだ?)、間違い無く一泊の行程にするつもりだ。

そんな木更津駅で飲み物を買いに構内の売店に入ったら、何故か弁当コーナーにご当地名物弁当が売っていた。駅弁ということではないと思うが、木更津ではローカル的に超有名な2種の弁当があり、そのうちの一つが売られていた。
コンビニ弁当の中に混じるご当地弁当は、ちょっと煌めいておりましてついつい買ってしまった。昼飯は近場の町中華で食べようと思っていたのだが、急遽修正し駅弁をベンチで食べようと思った。となると駅のベンチを探しておかなければならないし、おまけに食べた後の処理としてゴミ箱も見つけておかないといけない。
最近、鉄道各社は構内からベンチやゴミ箱をどんどん撤去している。JR東日本に至っては駅内の時計すらコスト削減と称して撤去しているらしい。今や、時計は誰でも持っているという、官僚的な独善主義らしい。
小学生低学年の子供、時計の見方を学校で習ったばかりの子どもたちの存在は、このエセ官僚たちの目には入らないらしい。鉄道は公共財という性格を持つ。彼らの私物ではないのだが、エセ官僚を気取る高給サラリーマンには社会を守る視点など存在しないのだろうなあ。いや、少しばかり怒りを発散してしまった。
というわけで木更津駅でベンチとゴミ箱を探したが発見できず(ホームにベンチはあった)、どこか公園でも探そうかと弁当をぶら下げて歩く羽目になった。

結局、この弁当を食べたのは観光都市館山のJR駅だった。そこには改札前に4-5脚のベンチがあった。ただ、よく考えると特急停車駅なのに待合室がない。開放通路に置いたベンチが待合室代わりということか。あれこれ考えさせられるベンチだった。
ちなみにJRばかり攻めると公平とは言えないかもしれないので、自宅近くの西武線について述べる。西武線もゴミ箱は無くなった。西武線はホームの時刻表も撤去している。スマホで検索できるからという理由だそうだ。ちなみに西武鉄道はすでに外資ファンドに買われているので、純日本企業とは言えないから、非日本的合理性が発揮されているのかもしれない。
他の関東私鉄、東急、小田急、東武鉄道、京急、京成などの大手鉄道会社ではゴミ箱事情はどうなのだろうか。どこも似たようなものかもしれない。確か京王だけが他の私鉄と異なる施策をあれこれを実施していたはずだがゴミ箱の数まで確認したことはないなあ。
話が横にそれ過ぎたので弁当の話に戻すと、これは焼肉弁当の変形だろう。白飯の上に敷き詰められた豚焼肉をワシワシと食べる、米主力の弁当だ。実際に食べてみると、米の量が本当に多い。良くも悪くも牛丼的な、おかずになる肉がちょっと足りないよと言いたくなる弁当だ。ただし、腹ペコの時に一気喰いするにはちょうど良い。函館ハセストのやきとり弁当と良い勝負だ。添え物的についているフライドポテトがちょっとおかしげだが。これもご愛嬌か。
きっと、肉特盛という設定もあるに違いない。木更津市民は幸せだと思う傑作弁当だった。それだけに、あの木更津駅の設備不足はなんとかならんものかなあ。

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慣性の法則は回転寿司に厳しい

スシロー、くら寿司、はま寿司が回転寿司業界の大手三大チェーンだ。スシロー、くら寿司がそれぞれ事件を起こした後、お値段を上げて複雑な怪奇な食べ物屋になったのとは異なり、はま寿司は百円均一路線をできる限り守ろうとしている。
くら寿司は回転寿司専業であるだけに、ある意味の見識がある。鮨屋ではなく回転寿司としてのプロ意識みたいなものだ。スシローはファンド所有の変わり者外食企業だけに、ビジネスに関して独自な価値観を持っているようだ。業態に関しては若干、ドライな感覚を持っているように感じる。
はま寿司はすき家率いる巨大外食コングロマリットの一員だが、DNA的には正しいファストフードの一族だと思う。つまり、合理化と巨大化で低価格を志向する。個人的には貧乏人に幸福をもたらす幸せ産業だと思っている。だから、はま寿司に関しては細かいことをぶつぶつ言わない。言うつもりもない。それでも今の外食産業を知る定点観測をするにはもってこいの企業なので、二月に一回ほど視察に行くのだ。

鯖はもともと低価格ネタのトップクラスにあったが、最近の回転寿司業界では値段が上昇気味だ。はま寿司の鯖は、見た目は残念な感じだが味には問題ない。低価格を維持するための貴重な努力だ。

マグロのすき身にタレをかけた軍艦巻きは、まさに大手外食企業が腕を見せる、つまり低原価のものを美味しく仕立てることに絶好なネタだ。これも普通にうまい。中に何が混ぜてあるかは詮索しないのが正しい客の流儀だろう。そう言うことをしたい人間は、回転寿司に行ってはいけない。 

とうもろこしのかき揚げが乗っている一皿。揚げたてらしいので熱々でカリカリだった。ただ、カリカリすぎるので料理の時間を間違ったのではないかとも疑ってしまった。揚がりすぎてコーンの味はどこにあるのかといった感もある。かき揚げと寿司はあまり相性が良くないと思うがなあ。
この時期にあちこちでコーンというかとうもろこしの天ぷらで出てくる。生のとうもろこしをあげるのか、下茹でしてあるのかはわからないが、それを食べて感じることは工場生産できるものではないよということだ。このかき揚げ、ちょっと残念な気がするが、季節の賑わいとしてはなかなか良い。

一番残念というか笑ってしまったのが、シャリ玉に海老天を乗せたもの。天むすの寿司版みたいなイメージなのだろう。味がどうこうというつもりはない。ただ、シャリの上に海老天を乗せて、その上にトッピングとしてネギを乗せる。そうなると、完全に積載重量過多になっているのだろう。
回転レーンを静々回っているのであれば何とかなるのかもしれないが、今では寿司は回るものではない。特急レーンを高速で移動してきて目の前で急停車する。その時、無情にもえび天には慣性の法則が働いてシャリの上から転落する。面白いのがエビの転落は前後両方になることだ。

おそらく、まず皿が止まった瞬間に前面の海老天が落ちる。その後、反動て後ろの海老天が落ちるのだろう。見事にはシャリ玉2個を挟んで前後というか左右に海老天が鎮座する。こちらは、おもむろにシャリ玉を取り、その上に自分で海老天を乗せネギを乗せパクりと食べる。回転寿司でセルフ寿司メイクするのもなかなか乙なものだ。

慣性の法則まで計算にいれて料理するのは、料理人に酷というものだろうなあ。でも、海老天の向きを考えて皿をレーンに乗せれば対応できるのかもしれない。そうなると、店のオペレーション問題かも。いや、回転寿司は奥が深いねえ。

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ワクワクとあれっの饅頭

横浜中華街にある名店の肉まんを買って試してみた続き。実は肉まんよりもチャーシューマンに期待していた。よく町中華で出てくる焼豚という名の煮豚ではなく、本格的中華料理店で売っている叉焼が入っているのではないかとワクワクしていたのだが。
レンジアップしてから袋を開けると、皮が割れている。何だか本格的なまんじゅうの風情がする。うまそうではないか。期待感が高まる。

饅頭を割って中身を見ると、何となくイメージと違う。勝手な思い込みなので、それはまあ仕方がない。少なくとも、肉まん通常品とは明らかに見栄えが違うから、当然味も違うだろう。いざ、実食。

うーん、表現に困る。普通にうまいとは思う。味は肉まんと違う。肉の存在はわかる。しかし、これは一体どういう食べ物だろうという、饅頭という存在の根源に関わる疑問が生まれてきた。
ハワイのローカル中華料理店で食べた叉焼マンみたいな感じだろうか。あれは甘めの硬いチャーシューが好きだったのだが。これは、2度3度と食べるとクセになるのかもしれない。素人衆にはちょっと難しい食べ物ということで良いだろうか。
ただ、この饅頭一個の値段で、蓬莱であれば一箱4個入りが買えてしまう。何とも評価が難しい。都会人向けの味付け、と考えて忘れることにしよう。