食べ物レポート

ファミレスのモーニング

コロナ感染が2年目になり、これまでと違うことを始めるレストランが増えてきた。どれが正解になるのかはこれからの検証待ちだろう。誰もが飛びついているテイクアウトだが、ビジネスの転換施策として上手にできている気配はない。時間帯拡大としてのモーニングも微妙な感じだ。コレまでモーニング営業をしていなかったびっくりドンキーが朝営業を拡大しているので、ちょっと見学に行ってきた。

トーストセットというのが、朝食の本命みたいな気もするが、やはりハンバーグは売りたいのだなというのがよくわかるメニュー構成だった。ちょっと変わっているのは、TKG.、卵かけご飯だ。ご飯と卵といえば牛丼屋朝飯の定番みたいなもので、コレはちょっとねえと言いたくなる。一捻りが欲しい。希少で高級な卵であるとか言われれば「そうかな」的な気分になるが、これではなんとも微妙だ。

おかわり自由なコーヒー

コーヒーはおかわり自由だと何度も念を押されて、おかわりの時は遠慮なく声をかけてくれと言われた。それは良いのだが、どうも声をかけられる距離に従業員が近寄ってくれない。店内に客が少ないから巡回頻度が少ないのか。昔々のファミリーレストラン某D社のように、頻繁に声が消してくれないとおかわりしづらいのではと思う。ドリンクバーでセルフサービ・システムスを導入しない以上、この点はみなおしてもらいたいものだなあ。ただ、コーヒーの品質はすごく良い。好みのコーヒーなのでおかわり自由は嬉しい。

何を注文するか色々と迷ったが、結局は小さいサイズのハンバーガープレートにした。朝飯だというのに普通に食べ切ってしまった。量のバランスのせいなのかハンバーグを朝食にしても、なんの問題もないと思う。普通にうまい。いつもの味で満足した。できれば、この小さいサイズを昼飯でも出してもらえないかと思ったほどだ。
朝飯を食べる場所としてファミリーレストランはなかなか気持ちの良い場所で、何か特別な料理を出さなくても良いのではないか。普通の朝食を出してくれれば良い。マクドナルドのように専用メニューでなくても十分ではと思う。
大方の人間は朝食にすごい品質を求めることもないだろう。その店の「旗印」になるような商品は朝、昼、夜にかからず出してもらえると嬉しい。
びっくりドンキーのモーニングは少し遅すぎたくらいな気もするが、朝からハンバーグを食べるのは、なかなかワクワクするパワーブレックファストになると思う。

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今年のローストチキンは丼の中

ガストがなんだかおかしいんです、と言いたくなる。朝から酒を安売りして、おまけに居酒屋つまみメニューを一気に大放出。ファミ飲みという新コンセプトにでもするつもりなのか。本気でコレをやれば日本全国の高齢者、特に酒好きジジイの天国になりそうな気がする。コレまでは平日18時までのハッピーアワーで行っていたファミ飲みが全面拡大したようだ。12月限定らしいが、この手は一度始めるとクセになるから。来年以降はどうするのだろうかと興味津々だ。サイゼ飲みと比べてもお得感がある。

それとは別の話題として、ガストのテイクアウトでローストチキンを注文した。確か3年前にも頼んだ記憶がある。2年前は予約する前に売り切れていた。今回はスマホで予約して無事ゲットした。お値段はお手頃だった。が、家に持って帰って取り出すと、なんだか微妙な提供方法だった。まさかのチキン丼で、ローストチキンというよりは・・・・と言いたくなる。そのどんぶりから取り出したチキンをよくよく観察すると違和感がてんこ盛りになった。

記憶モードなので証拠はないが、2年前のものより小さい。コレでもチキンに関してはそれなりの知見も所見もあるつもりだが、コレはあまりに小さい。ホールバードとしては最小ではないか。足の部分を見れば概ね大きさの判断ができる。某フライドチキンチェーンの半分くらいと思って間違いない。ローストチキンは焼くと体積が縮むので、見栄えはもっと小さくなる。
二つ目、上側に凧糸で縛った足がある。ということは、コレは仰向けで焼かれている。ローストチキンとしては珍しい焼き方だ。特に腹の空洞に詰め物(リンゴなどの果物やじゃがいもなどの野菜を詰めることが多い)をする時はうつ伏せにしてやらないと火通りが悪くなるような気がする。
また、切り分けるときも収まりが悪いので切りに食い。チキンは胸肉が厚みがあり、背中は肉が薄い。仰向けで焼くと、確かに胸肉ん日通りは良くなるだろうが、背中の皮のカリカリとした焼け具合は楽しめない。
過去の仕事柄、鶏の骨と関節の位置は熟知しているが、それでもこの仰向け状態は切り分けにくい。ひょっとすると最近の正しい調理法は腹が上に変わっているのかもしれないので、あくまで個人的な意見だが。
味については、程よい塩味だと思う。ただ、やたらに肉が柔らかい。ローストすると脱水が激しいはずなので、この柔らかさはどうやっているのだろうと、素朴に湧く疑問だ。
確かによほどの鳥好きでなければ、ホールのローストチキンなど食べ残すに違いない。チキンのスマートな食べ方とは、某フライドチキンで買ってきたチキンを1ピース食べるくらいでちょうど良いに違いない。コンビニチキンも最近は品質が良くなっている。
まあ、違和感が大量発生した今回のクリスマスのローストチキンだが、もはやメリークリスマスなどと喜ぶ歳でもないと思い知ったので、今年のクリスマスにはもうチキンはいらない。

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つけそばに感じた悲哀

HISの新規事業「そば」で、新業態店が開店した。たまたま機会があり、開店1週間のお店を見に行った。コレまでのそば店は、普通に蕎麦屋だった。もりそばと天ぷらそばが定番なのだから、普通にそばを食べる感覚だ。新業態は、つけそばということでちょいと雰囲気を変えている。
コレは虎ノ門にあった「みなとや」のインスパイア系と言われるそばだ。甘さの強い濃いつけツユにラー油が入っている、いわゆるラー油そばだ。ただ、みなとやインスパイア系のラー油蕎麦は、だいたいそばが太くて歯応えがある「もぐもぐ蕎麦」なのだが、この新業態では普通のツルッと系の蕎麦だった。つけつゆも思いのほか薄味というか、さっぱり系だった。
そして、1番の違いはつゆの中にたっぷりと野菜、根菜が入っていること。蕎麦つゆで作ったけんちん汁的な具沢山なものだった。この黒いツユがラー油そばの直系だとすると、もう一つの白いツユ蕎麦が進化系だろう。豆乳とバターで仕上げた白いつゆは都会的な雰囲気がある。

新規開店から間もないこともあり、朝一番から行列ができていたが、どうもその行列の正体は業界関係者がほとんどのようだ。あまり人のことは言えないが、業界関係者の注文は決まったように「蕎麦大盛り+つゆを白黒のW」というわかりやすいものだった。勉強熱心なのは良いが、こういう食い方するからデブデブになってしまう悲しい習性だ。
外食産業において、仕事熱心な者ほど我が身を犠牲にして試食を繰り返すことになる。コレが業務指示によるとすれば相当ブラックな食環境、過剰摂取による肥満の原因であり職業病認定してもらいたいと常々思っている。だが、世間一般を含め周りの人間の見る目は冷たい。食いしん坊の食道楽で、自業自得みたいな言われ方をされる。仕事熱心を貶める差別意識はやめて欲しいものだなあ。
美味しいご飯を食べられるのも、外食人の自己犠牲の上に成り立っているのだよ、と時には思い出してもらいたい。

いや、ただの愚痴ですからお気になさらず。

街を歩く, 食べ物レポート

クリスマスイブは焼き鳥で・・

つくねの名店  うましだったのだが

もはや去年の話になるが、おそらく生まれて初めての体験をしたクリスマスイブのあれこれを・・・。
サラリーマンとして働き始めてほぼ30年以上、クリスマスイブは「働く日」だった。若い頃は2•3日はろくに寝ないで働く日だった。三日間でほぼ半月分を売り上げる超がつく繁忙期で、そのまま年末年始になだれ込み正月明けにはひどい風邪をひいて寝込むのが恒例行事という、今であれば法的処理がなされるであろう昭和のブラック環境だった。あれを今やったら確実に死ねると思う。若いということは素晴らしい。
その後も、クリスマスは朝から夜まで働くのが当たり前だった。クリスマスイブのカップル狂騒曲みたいなニュースは、関係ない世界の話だと全く無視していた。それが、今回のイブはなぜか話の成り行きで、外で会食をすることになった。この時期であれば鍋料理かな、などと思っていたが同行者の強い要望で焼き鳥になった。クリスマスイブに焼き鳥とは、なんだかとほほな気分にもなる。

できれば、こんなおしゃれな外観のレストランで、妙齢の美人さんとワイングラスを傾けたい、などと思う歳でもなくなっていたのが救いだ。今回のイブの夜は、オヤジが三人で集まって仕事がらみの話をするという、全く世間的にはあり得ない展開だった。
イブに、オヤジ三人で、焼き鳥屋で、焼酎。いやいや、コレはないでしょうと言いたくなる、泣きたくなる、ぼやきたくなる。ほとんど罰ゲームに近い。おまけに三人の飲むペースが違うので、なかなかお開きにならない。うん、確かに今回のイブは記録には残らないが、記憶にはバッチリ残る特殊事態だった。

焼き鳥屋の代わりに入りたかったビアバーの店頭がおしゃれだった。最近は入り口ドアにベタベタ張られているあれこれ、カードやスマホ決済の利用可能ブランドだったり、東京都のお節介マークだったりがボードにまとめられていて見やすい。こういう細部に店舗マネージメントの力が見えてくる。この店の店長はさぞかし優秀なのだろうと感心した。

その隣にあったボードが、それ以上に凄い出来だった。思わず唸ってしまった。すごいコピー力だ。「2Fにも感動あり」と言い切る力はすごい。特に、「にも」が意味のある言葉だ。2Fにも、というからには、1Fは絶対的な感動があるということだろう。
危うくおっさんクラブで気が滅入りそうな怪しいイブの夜を、この店頭ボードの洒落っ気に救われた。年明け1番に、この店へ美味しいビールを飲みに行こう。

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古典的商売に異業種参入

HISが旅行業以外の商売に手を出したのは一昨年の暮れの時期だった。旅行会社の発展としての外食業進出みたいな言われ方もされていたが、個人的には社長の趣味的なものではないかと思っていた。一号店は川越の町外れにあり、それもビルの二階というかなりすごい立地だった。売り物は打ちたての蕎麦と天ぷらということで、典型的な日本そば、古典的な商売をどのように企業化していくのか、なかなか興味がわいて、年の瀬にぶらぶらとみに行ってみた。その後半年ぐらい音沙汰なしだったが、一年たってみると都内のあちこちにお店が増えていた。どれどれということで飯田橋の近くに空いた新店をみに行ってきた。外観を見ると典型的な松の蕎麦屋だが、立地が面白い。ビジネスホテルの一階で、どうも朝はホテル宿泊客向けの朝食提供、昼は蕎麦、夜はちょい飲み居酒屋という三毛作になているらしい。なるほど、コレは旅行会社の発想だなと思った。

蕎麦は普通の、本当に普通のそば、普通にうまい。妙にこだわりがあって変形させるより、ストレートな蕎麦が良いだろう。都心で店を出すときは、この普通さを守ることがなかなか難しい。妙な差別化意識が先走り、変な蕎麦になって結局客層を狭めることになりかねない。お味を確かめるにはもりそばとかけそばを注文するのが良いのだが、この注文の仕方をするとお店の人が、こちらを怪しんで構えてしまうのは経験的にわかっている。どうしてもやりたいのであれば、まず森を頼み、一息置いてかけそばを頼むくらいだろうか。わさびがパック入りなのはちょっと不思議な感じだが、今や回転寿司でもわさびはパック入りが主流で、わさびを使うのはもはや少数派、あるいは変人に近いのだろう。つゆはちょっと薄口だった。お江戸の蕎麦つゆというより全国的な平均値といったところだろう。ただ立地がビジネスホテルなのだから、全国的平均値でも頷ける。

夜は天ぷらをつまみに一杯やる店になるようだ。三毛作ができる立地はなかなか見つけ辛い。ましてやホテルの一階に場所を取るのは、相当な条件交渉がいるだろう。その点、ホテルに対する誘客力を持つ旅行代理店であれば、それなりの影響もありそうが。普通の外食企業では、ちょっと手の出ない立地とも考えられる。この辺りが新規事業としての切り口になっているとすれば、なかなかの深慮遠謀ではないか。
次は、夜にそばでいっぱいやりながら考えてみたいものだ・

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今年の「うまし」なラーメン

恵比寿 おいしいラーメン(自称)

コロナに明け暮れた2年間だった。自粛強制の外出禁止令や禁酒令の発令など、やはり政府は馬鹿なのかとの思いを強くした、民主主義政府の典型を学んだ2年でもあったように思う。ただ、民主主義政治とは「良い政治」が行われる政体ではない。独裁という権力暴走で、普通の人が捕まったり、強制労働させられたり、殺されたりしないための政治形態だ。「最悪を防ぐ政体」であって「良い政治」が期待できるわけではない。だから、おバカな政府は民主主義の正当な結果と諦めるしかない。ただ、そのおバカな政府のせいで、ラーメンを食べる機会が減ったことには、ぶつぶついうしかない。だから、今年のうまいラーメンを選出をしようとしてもサンプル数が少なすぎるので、いささか無念なのだが・・・。2年間、ほとんど食べる機会がなかった「神座」の「おいしいラーメン(自称)」が、今年の二番候補になった。今ではすっかり希少になった「清湯」的スープと、腰の強い麺は時々無性に食べたくなる。トッピングが白菜というのもユニークだ。星三つ。

新宿 アゴだしラーメン

新宿歌舞伎町の端っこにあるカウンターだけのラーメン屋「たかはし」が、やはりぶっちぎりで一番に認定。顎出しの濃厚スープ(これで塩味スープだ)と、もっちりとした麺の絡みぐらいが最高で、おまけにチャーシューは2種類。低温調理の柔らか焼豚と煮豚の対比が素晴らしい。太メンマも好みだ。いつも忘れてしまうが、これに海苔を追加トッピングするべきなのだ。

札幌のラーメン店も二店ほど加えたいが、今年は札幌に行く機会も激減したので、もっとうまいお店が開いている可能性もあるなと思い、今年の北海道ランキングはなしにした。来年は、もっとラーメン探検ができますように。

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銀座の広島 目的外利用でした

銀座一丁目のあたりには、各県のアンテナショップが集中している。有楽町の交通会館はまさにアンテナショップ密集地帯だが、銀座一丁目も相当な数だ。沖縄、高知、石川、山形、茨城、そして広島だ。
店構えもそれぞれに特徴があるが、意外感のあるのはこの広島県アンテナショップで、ぱっと見は高級雑貨店のような雰囲気がある。見た目が、ひろしま、ひろしましていない。(広島のイメージが思い浮かばないというのもあるのか)沖縄ショップは表に大きいシーサーがお出迎えしてくれる。高知ショップは坂本龍馬が見張りをしている(歓迎しているのかもしれない)。広島は、何がお出迎えしてくれると、しっくりくるのだろう。牡蠣・もみじ饅頭のゆるキャラではないだろうなあ。

広島といえばまず連想するのがお好み焼きで、その次が牡蠣、3番目が厳島神社という感じだろうか。だから、「レモン推し」されるとちょっと不思議な感じがする。
確かに瀬戸内の島でレモンを作っているのは知っていたが、広島県という意識がなかった。なんだか、瀬戸内海の島は全部、香川と岡山みたいな思い込みがあるせいだ。

その広島県名物で最近よく耳にする「つけ辛麺」を食べようと意気込んで広島県アンテナショップに乗り込んでみたら、なんともう一つの広島名物「汁なし坦々麺」に変わっていた。
どうやら調べたネットの情報が古かったらしい。当てが外れてしまい、まっすぐかえろうとおもったが、せっかくここまできたのだからと思い直して汁なし坦々麺に挑戦することにした。
最近ではあちこちで坦々麺屋を見かける。当然、ほとんどの店で汁なし坦々麺も食べることができる。すでに汁なし坦々麺は広島を飛び出し全国区商品になっているようだ。
ただ、広島名物汁なし坦々麺に限らず、油そば、汁なしそばの類をちょっと苦手としている。個人的な偏見だが、あまり旨いと思ったことがない。たぶん、濃い目の辛いタレと麺のバランスが好みではないのだろうと自己分析している。もっと、汁だくにしてくれればなあと、油そばを食べながら、いつも思っている。

いささかためらいながら、いざ食べることに決めて注文しようとしたら、なんと選択肢はほとんどない。基本は辛さを選ぶ、麺の量を選ぶだけ。お店の方から、おすすめのランチセット、温玉と小ライス付きを勧められ、なんとなくそれにしてしまった。席について2分ほどで注文した品物が出来上がった。早いのはありがたい。その二分間待っているうちに満席どころか外に行列ができていた。人気店なのだ。

座った席の真前に、「正しい食べかたマニュアル」があった。おすすめの通り、お作法に従って混ぜ混ぜして、追加で山椒をかけ、温玉につけながら食べた。山椒の痺れ感がたまらない。ただ、やはり味が薄い気がする。また、氷入りのお水は最重要な脇役だということに気がついた。大量に水消費する食べ物だった。カレーを食べるときより大量に水を飲んだ気がする。

ランチセット 並み盛り

麺を完食した後、マニュアル通りに米を丼に投入し、後掛けのたれと酢を垂らした。鷹の爪も放り込んだ。ただ、間違って量が多すぎたが、取り出すこともできないので、一気に撹拌した。見た目は非常に悪い。料理として出されたら脱力しそうだが、セルフ混ぜなので気にしない。

正直にいうと、この混ぜ飯が抜群にうまい。麺よりもこちらが気に入ってしまった。できれば、TKGに続く第二の混ぜ飯コンセプトとして独立して欲しいくらいだ。小さい茶碗に入った白飯、味付き飯などが5種類くらいあり、トッピングで鶏そぼろ、オカカに鰹フレーク、海苔に錦糸卵が良さそうだ。後は薬味に、ネギ、山椒、生姜等々がついていて、タレが甘い醤油、出汁醤油、味噌タレ、にんにくタレみたいなラインナップにする。大きめのどんぶりでかき混ぜては食べていくと、段々に色々な味が混合されていって・・・。と、業界初のまぜまぜご飯屋のコンセプト開発をしてしまった。

おそらく広島式汁なし坦々麺は、2度3度と食べて味に慣れていけば好物になるのだろう。大阪発のラーメンも慣れるまでに時間がかかった。慣れるには時間と回数が必要な食べ物は多い。何度食べても慣れない博多のうどんみたいなものもあるが。
食の多様性は重要だ、食のダイバーシティーだなと、満腹感に満たされながら銀座で広島を楽しんだ。

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新宿の居酒屋で楽しむ

かわはぎ 肝醤油で旨し

どうも生来の天邪鬼みたいなところがあり、盛り場で酒を飲む時は、なぜか中心を外すことが多い。新宿でよく酒を飲んでいるが、歌舞伎町で飲むことはほとんどない。誰かに誘われて行くことはあっても、自分で歌舞伎町に足を向けることは少ない。すすきの界隈で飲むことは多いが、この道を渡った先がすすきのみたいな場所がほとんどだ。仙台でも国分町で飲むことはなかった。仙台駅前の小路の店が好きだった。
今回の新宿も、靖国通りを渡らずに新宿駅寄りの雑居ビルにある居酒屋を選んだ。

金目鯛 だったかなあ? あげ銀杏もうまい

12月だというのに予約もしないでふらりと入ったら、ほぼ満席。ここ一年では見なかった光景だ。コロナ前は予約も取れない人気店だったので、ようやく元に戻ってきたということか。おうち時間に飽きたオヤジたちがふらふらと吸い込まれてくる。それでも、大声で話す客は少ない。隣のサラリーマンの声が店内にやたら響いていたのは、いわゆる雰囲気がわからない、空気が読めないと言われる「ダメオヤジ」認定者だからだろう。
流石に居酒屋で黙食とは言わないが、声の大きさには随分気遣っている人が多いようだ。それにしても、綺麗に盛り付けられた刺身をみたのは本当に久しぶりな感じがする。

あれこれ注文したときについていた、飾り物でちょっと遊んでみた。色味を考えて料理を作るのは基本の基だが、こうして集めてみると日本料理は色彩美だなと思う。

ちょいと季節外れな感じもするが、今年の秋には食べ損なっていた松茸の土瓶蒸しを注文した。居酒屋では食べたいものを食べたいように食べるというわがままを貫き通してきたつもりだが、最近は最初に汁物にすることが多い。
単純に嗜好が変わって、出汁の効いたスープや汁が好きになったので、健康のためとか悪酔いしないようになどと殊勝なことを考えているわけではない。ただ、最初に暖かい液体をお腹に収めると、酒がうまく感じるような気がするからだ。
焼酎を飲む時も、以前はロックオンリーだったが、最近はお湯割りを頼むことも多い。やはり、歳をとって胃袋の頑強さというか耐久性が落ちていることを、体が正直に発信しているのだろう。こんなことを考えながら、居酒屋で飲めるのはありがたいことだ。

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徒歩3分の洋食屋

自宅近くの駅前にある洋食屋で、ランチの定食はハンバーグと豚天という不思議な組み合わせの日替わりを出している。ハンバーグはファミリーレストランなどで出てくる工業製品っぽいものと違い、形も不揃いというか歪なこともある。そのゴツゴツとしたハンバーグは妙に昔懐かしくなる。ランチ時に行列ができることはないが、それでもいつもだいたい満席で、おまけに夫婦と思しき年配カップルが多い。街の洋食屋らしいという感じがする。逆に若い人は全くいない。向いがラーメン屋、それも二軒が並んでいるので、若い方々はそちらに吸収されているのかもしれない。そんな街の洋食屋に、とてつもなくうまいものがある。

ケチャップのたっぷりかかったオムライスは、時々無性に食べたくなる。禁断症状が出ると我慢できなくなり、近くの洋食屋にかけこむのだが、その店選びは慎重でなければならない。特に、最近流行の洋食屋は候補として除外することにしている。いまどきのオムライスといえば、トレンドとしてフワトロ卵にデミグラスソースがほぼ定着している。個人的には、これはオムライス亜種であって、定番ケチャップ型からの進化系ではないと思う。
正統オムライスとは卵焼きが薄く(ペラペラ感が重要だ)、ソースはたっぷりとケチャップがかかり(これもケチっていけない)、中身はチキンが入ったケチャップライスであらねばならない。変形版として、ドライカレーになっているまでは許す。チキンの代わりにハムが使われていても許す。しかし、マッシュルームとベーコンになると、これは様式の逸脱だと思う。
半熟フワトロ卵はいただけない。だからあちこちにあるオムライス専門店は嫌いだ。独断と偏見にみちみちたオムライス観だとは自覚しているが、これをかえるつもりもない。
幸いなことに、「我が正統なオムライス」を提供してくれる店はあちらこちらに現存しているので滅び去った食文化ではない。残りの人生でも、おそらく全滅はしないだろう。ということで、いつものホームタウンの洋食屋で、正統オムライスを楽しめるうちは人生安泰というものだ。
この店の生姜焼きは旨そうなのだが、いつもオムライスを頼んでしまうので未見の名品扱いにしている。あとはカレーライスとかハヤシライスも食べてみたいが、やはりオムライスに引き寄せられてしまう。オムライスは、魔物だなあ。

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自由が丘のビストロで味わう幸せの正体

ニンジンのラペ

知人と自由が丘で会食することになり、一軒目は有名な居酒屋で日本酒を楽しんだ。二軒目は少し様子の違う店をということで連れて行かれたのが、自由が丘の外れにあるビストロだった。よく考えれば、ビストロなる店に行くのも、ほぼほぼ2年ぶりくらいになる。おうち時間が増えるということは、おいしい食べ物と会えなくなるのだ。
飲食商売が大変だという話はあちこちで聞くが、うまいもの食いたいという買い手、使い手が、すっかりおいしいものを食べる機会が減ってしまって・・・とぼやいているのはあまり聞かない。自粛ムードの中で、少数意見として葬り去られたか、それとも「自粛擁護派」への忖度として、情報自粛していたのだろうか。
ワインを飲みながら、野菜料理を食べる。作り手の技量に感動する。普段であれば当たり前の「食を楽しむ」行為が凍結されていた一年半だったのだと改めて思った。
この赤い野菜はニンジンのラペ、酢で締めたニンジンとてもいえば良いのだろうか。赤いのはおそらくビーツを使ったのではないかと思うったが、料理を運んでくれた従業員に聞きそびれてしまった。

砂肝もこうなればご馳走

一緒に頼んだのが、砂肝のコンフィ。低温で油で加熱したものだ。低温調理なので、肉が硬くなりすぎないのが良いところだった。一つつまんでゆっくりと味わう。まさに「おいしい食べ物」を食す楽しみ。丁寧で嫌味のない接客も合わさり、良い時間を過ごした感じがする。

個人的な見解ではあるが、レストランの楽しみの半分はおいしい食べ物で、残り半分が綺麗なトイレだと思っている。トイレが綺麗な店は、店全体が綺麗だ。逆にトイレが汚れている店は、厨房内や客席の床が間違いなく汚れている。トイレだけ綺麗で他が汚いという店はありえないと思う。清掃とは、そういうものだ。だからトイレの清掃状態や備品、調度品などを見ると、その店の衛生レベルや店主の考えがわかると思っている。

トイレへの気配りができれば、店の中は綺麗に隅々まで掃除されていて、厨房内も清潔で、接客も気持ちが良いはずだ。良い店の条件は、そんなことの積み重ねだろう。このビストロには、久しぶりの大満足を感じて帰ってきた。飲食店経営者のみなさんに、「最初のコロナ対策は、トイレの改装だ」と言いたい。