街を歩く, 食べ物レポート

つなぐ横丁ではしご酒

札幌駅西側の高架下は現在新幹線工事のため改装が始まっている。5丁目はすでに閉鎖され、愛用の店も無くなってしまった。6丁目はまだ健在で、「つなぐ横丁」も元気に営業していた。札幌駅で落ち合った年長の友人と、このつなぐ横丁を訪れた。
屋台が立ち並ぶ横丁の雰囲気を模しているので、簡単にハシゴ酒ができるのが良いところだ。一軒目は博多の屋台風の店で博多名物とハイボールを楽しんだ。隣にあるたこ焼きとハイボールの店も気になったが、二軒目は松本からやってきた焼き鳥屋にした。

焼き鳥番長という。つけだれで焼き鳥を食べさせるなかなか珍しい店だ。焼き鳥については色々とご意見のある方が多いのだが、このツケダレ焼き鳥はぜひ一度ご賞味いただきたいものだ。埼玉県東松山の辛味噌をつけて食べる焼き鳥(焼きトン)もうまいが、このつけだれは相当な実力者だ。地元ではスーパーで販売されるほどポピュラーだそうだ。

塩で焼いた串をつけだれに自分でつけて食べる

番長発祥の地は上田らしい。つなぐ横丁本店は松本にあり、そこにも一度食べに行った。次は上田本店に行ってみなければ、などと店長との話を聞きながら思った。会話は相当な時間続いた。屋台的な店の良いところだろう。

信州の酒を特別に置いているというので、日本酒を注文した。一番のおすすめはなんとワイングラスで出てきた。それ以外の銘柄も特製徳利というか片口もどきで提供される。ノンベイの趣向をそそるにくい演出だった。ついつい値段も聞かず注文したので、会計の時にちょっと痛い思いをしたが、それもまた屋台な飲み方経験だろう。

大信州は、東京の酒屋でもなかなか手に入らない。札幌ではレアというか希少種だろう。地元の酒蔵を贔屓にした店が、屋台横丁の中に何軒もできてくれると、いながらにして全国漫遊みたいな気分になれるはず。はしご酒の聖地として長く続いて欲しいものだなあ。

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たまには高級店で焼き鳥

この店は本当に美味しいと思います

焼き鳥は大衆酒場であるべきだ、などと偉そうにいうつもりはない。料理としては串に刺した肉を焼くというシンプルなものだが、直火で焼き上げるというのが家庭ではなかなか難しい。だから、どちらかというと専門店で食べる類の料理だ。
そのあたりはラーメンや蕎麦と似ている。簡単な食べ物でありながら、プロの技を感じる。そして、自分の家で作ったものより、プロの店が圧倒的にうまいという「技術優位」の料理だ。
ただ、その技術の上に素材の力を載せてくると、大衆料理が高級料理化してしまう。屋台の簡便食だった握り寿司が、いつの間にか銀座の高級店になってしまうというのが典型例だ。だから、一旦高級化した大衆料理は、必ず反動で再大衆化という価格破壊コンセプトに逆襲される。銀座の接待向け寿司屋に対する反発は、回転寿司チェーンの興隆という結果になった。
ただ、焼き鳥屋にも似たような動きがあるかというと、これがちょっと違ってる気がする。確かにお高い焼き鳥屋はあるのだが、たくさんあるわけでもない。やはり庶民の味としての感性が「お高い」店を嫌がるのだろう。逆に低価格焼き鳥ははどんどん拡大してチェーン店化することが多い。北海道の串鳥、大阪の鳥貴族など、それぞれの地域では大ブランドだ。

つくねが芸術的

それでも、たまに高級焼き鳥屋に行ってみると、あれこれ学ぶことも多い気がしている。たとえば、店内に煙がこもっていないとか、客層にカップルが多いとか、若い層は少ないとか、当たり前のようなことだが低価格チェーンとは違った景色が見える。
つくねが柔らかくうまいのは高級店の特徴だ。鶏肉も肉自体がうまい。焼き鳥以外のメニューに刺身があったりする。ただ、こういう店を使うときは一人で来るのはよろしくない。やはり、商談をするとか、いろいろお世話になった人と会うとか、それなりの理由が必要だ。
一人焼き鳥は自分の好きなものを好きなだけ頼めるのが良い。しかし、こうした高級店で社交的な活動をするのであれば、飲み物との取り合わせとか食べる順番とか色々と考えなければならない。それを苦行と見るか、生きていく上での修行と考えるかが、高級店を楽しむ境目かも知れない。
まあ、本音を言えば高級店は何を食べても美味しいから、一人飲みに行きたいのだけれど、接客レベルが高すぎて一人客を黙って放っておいてくれない。それが困る・・・というひねくれ者なので。

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この一杯の充実感

今回は飛行機に乗る前から、この店のラーメンを食べる気で満々だった。何かきっかけがあったわけではないが、札幌に行って何を食べようかと思った時、ぱちっとスイッチが入った感じだ。
それも思い浮かんだ脳内映像は、白いスープの上に浮かぶ赤い梅干だった。ラーメンを味ではなく、色彩で思い出すというか、記憶しているというか、我ながら変な思考回路だと思うが、味ではなく色の記憶は忘れないものらしい。

この季節なので冷やし中華がメニューにあった。北海道的には「冷やし中華」ではなく「冷やしラーメン」と表記するところだが、それでもこの店の冷やし麺を見たのは始めてだ。おまけに、その隣には何やらヘンテコな(個人的感想です)名前のラーメンが載っている。この店は定番だけで十分戦闘力があると思うが、何か新しいことをしてみたいのかな。ひょっとすると、東京あたりの中華チェーンの影響なのかもしれないが、価格を見るともはやラーメンの域を超えそうになっている。これでいいのかなあ、と不安になる。

結局、冷やし中華のメニューを見て脳の中で変な回路がつながり、注文したのは冷たいビールだった。ラーメンが到着する前にぐびっと半分ほど飲めば、さぞかし熱いラーメンも美味くなることだろうということだ。

あー、これこれと思う。濃厚なスープに硬めの細麺というベース。それに胡麻とキクラゲの食感がコリコリ系なので、麺と絡むと食感のバラエティーが余計強くなる。チャーシューは焼肉というより煮豚で、それもトロトロに仕上がっている。濃厚なスープの中で、この食感違いの食材が混在している。単純にラーメンと言ってはいけない、実に計算が尽くされた麺料理だと思う。これが食べたかったのだ、と満足感は大きい。

カレーラーメンのメニューがテーブルの上に置かれていた。これも食べたら美味いとは思う。店主の力作なのかもしれない。でも、やはり注文するのは定番の塩味になってしまう。
もしこういうバリエーションを増やしたいのであれば、追加ペーストで味変みたいな方向にしてもらえないものだろうか。それであれば、きっとお試し注文するのになあ、と定番大好きオヤジラーメンファンは思うのであります。

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串鳥のある町は幸せだ

札幌への旅のルーティンとなりつつある「まずは串鳥」だ。色々と地場の好物はあるのだが、最近はとりあえずの一軒目として串鳥に入ることが多い。当然、到着当日なので一人飲みになる。自分のペースで、自分の飲みたいだけ飲む。飲みながら、今回の予定などを確認しつつ、一息つける。串鳥は札幌市内ほぼ全域にあるので、店を探すのに困ることはないが、時間によっては混み合って入れないことも多い。場所よりも時間が選択の鍵になる。地元の小都市では六時くらいまでであればなんとか大丈夫といった感じか。

青南蛮つくねと砂肝(塩)

焼き物は北海道の焼き鳥屋でありながら、鶏肉主体なので、ネタとして特殊なものは少ない。ただ、いつもの定番注文が青南蛮つくね(南蛮とは唐辛子のことをいう)で、合わせて砂技も頼む。青南蛮で舌がヒーハーするのだが、そこは酒で宥める。その灼熱感が収まったら、のんびりと砂肝を楽しむ。
この日本以外はその日の気分で選ぶ。新生姜の豚肉巻きを好んでいるのだが、今回は名称が「岩下の新生姜の豚肉巻き」に変わっていた。岩下さんとコラボしたのだろうか。味は変わらないような気もするが。

梅ささみと岩下の新生姜の豚肉巻き

そして、どうやら新商品らしい鶏皮の酢の物も頼んで見た。これが、なんと今年の夏のイチオシと言いたいくらいの出来の良さだった。鶏皮とトコロテンが合わさった酢の物で、実にさっぱりしていてツルツル食べられつ。酒のつまみというより、濃厚な麺料理にちかい。これを発明した人は偉いと素直に言いたい。

トコロテンが食感のキモだ

コロナ対策で卓上から消えていた調味料が戻ってきているのも嬉しいが、びっくりしたのは醤油のラベルだった。「道民の・・・」とは、なんというか究極の北海道モンロー主義ではないか。どれだけ北海道ラブなんだろう。

ハッピーアワーも午後7時までと長めで、これはなんというか、お手軽に飲むには、串鳥に行くしかないでしょうという気がしてくる。

串を3−4本注文して、サワー二杯でだいたい1000円。串鳥のある街に住みたいというのが正直な実感だ。サイゼリヤや王将がなくても良い、ぎょうざの満州も諦める。マクドナルドもケンタッキーもいらない。でも、串鳥だけ欲しい。串鳥のおっちゃんたち、東京とは言わない、埼玉だけでも出店拡大してくれないかな。(ちなみに東京にも吉祥寺などに串鳥はありますので、吉祥寺に住むという選択肢もありなのですが)

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クレの食堂

昭和中期に生まれた中高年オヤジであれば記憶している方も多いだろう「土佐の一本釣り」という長編漫画がある。当時は青年誌に連載されていたが、主人公は16歳の少年漁師でその町の大人たちとの関わりを描く物語だった。少年ジャンプの主人公は大体が高校生だったはずだから、少年漁師の物語が青年誌に連載されるということはちょっと変わっていた。画風が独特だったこともあり、実写映画化されたコミックのはじまりだった。ヒロイン役がアイドルグループの一人だったから、余計に話題になっていた。(記憶モードです)
その物語の舞台がクレ(久礼と書く)という高知県中西部にある港町だ。その町の中心部にあるのが、昔ながらの市場である「大正町市場」で、今では観光客が訪れ、うまい魚を買うところだ。テレビの旅番組にも度々登場する。

その市場の前に、小ぶりな食堂がある。市場で売っている魚を使った料理も食べられるが、イチオシはスープカレーと焼きうどんだ。焼きうどんは自家製漁師のラー油を使った、コッテリとした味わいのもの。焼きうどんなのに腹持ちが良いという不思議な代物だ。

熱々の鉄板に乗せられた焼きうどん(焼きラーうどん)は、卵と鰹節が乗っている。個人的にはこれをごちゃごちゃと混ぜ合わせて、食べるのが好みだ。味付けは漁師のラー油が効いているので、それなりの辛味はあるが塩辛くはない。卵の黄身のせいで甘さすら感じる。熱いうどんをハフハフいいながら食べると、今日も一つ美味しいものを食べました、ありがとうございます、という気分になる。

とれたて、焼きたての鰹を食べたければ、市場の中にある食堂で楽しむこともできる。焼き魚も含め地場の魚を中心に素朴に美味しいものが用意されている。カツオ丼(ドンではなくドンブリと読む)は、飯とカツオというシンプルな組み合わせが最高で、カツオ好きにはたまらない。
カツオどんぶりで一度やってみたいのが、半分くらい食べたところで、上から冷酒をかけて茶漬けならぬ酒漬けでかきこんでみたい。どこかで鯛めしの変形でやっているらしいが、カツオどんぶりの方が豪快そうではないか。

などと、焼きラーうどん食べながら酒漬けの妄想していたら、知人の魚屋さんが差し入れてくれたカツオの刺身とたたき。そうそう、これを食べにはるばるクレまで来たのだよと、改めて感動するのでありました。
カツオ好きの高知人もわざわざ鰹を買いにくる町、久礼。機会があればではなく、機会を作ってぜひ鰹を食べに行ってほしい。お帰りには、カマスの干物かおすすめであります。

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札幌の名食事 あれこれ

札幌駅前地区、北海道庁の隣に北海道議会のビルがある。議場と議員室があり、全道から陳情やら要求やら密談やらをしに、「悪い」人たちが集まってくる場所と思い込んでいた。議会ビルが建て変わり、ビル内に「喫煙所」を作るように超党派で喫煙議員が運動して、例の受動喫煙防止法で定められた公共施設の敷地内の禁煙措置に対し、議会は行政とは違う組織だから法の適用外という珍理論を展開した。その悪評で一度見に行ってみなければと記憶に残った曰く付きの建物だ。
その議会ビルの一階という好立地に議会食堂がある。議会関係者以外も自由に入れるので、陳情に来たおっちゃん、おばちゃん、議会見学に来た小学生の団体なども、みんなで中特ご飯を食べている。
そこの蕎麦は盛りが良くて安いと評判らしいので、何度か蕎麦を食べに行った。個人的にはだんだん質が落ちているのではと懸念している。その「議会食堂」の日替りメニューが、イカ天おろしそばだった。味はそこそこ、蕎麦の盛りはたっぷりめ、そこまでは良い。値段がなんともりそばの二百円ましというのには参りましたよ。日替り定食が高額メニューというのは、なんだか反則気味な気がする。
まあ、白を黒というのが商売の北海道議会にある食堂なので、とても高い日替り定食があっても嘘ではないから許される・・・。お暇な方は、道議会食堂おすすめです。人間観察にも向いています。

どうもやら東北、津軽あたりがルールであるらしいニシンの切り込みは、北海道の居酒屋では普通に置いてある。イカの塩辛みたいなものだから自家製にこだわる店はほとんどない。ただ、メーカーは乱立気味なので、店のこだわりで色々と味違いを選んでいるようだ。
お気に入りの居酒屋では、ちょっと甘めの切り込みが出てくる。カットされたニシンも大ぶりなのでか見応えがある。日本酒を熱燗で飲むには最適な一品だと思う。よく、こうした小鉢料理をシェアしたがる人がいるのだが、実はそれが圧倒的に苦手だ。小鉢を頼みたいというのであれば一人一皿にしてほしい。好きなものを好きなだけ原則からすれば、チビチビ食べたい小鉢をシェアすると、チビ・・・で終わってしまう。
今回の同行者はそれがわかっていて、自分の分を追加で注文していた。飲みにいくならこういう人がいいな。

さっっポロで居酒屋に行くと、ノータイムで頼むマイ定番が「ラーメンサラダ」だ。これも冷静に考えると、マヨネーズ系ソースで和えた冷やし中華という定義が正しいような気がする。サラダの一族というには麺麺しすぎている。
これもお店によるアレンジがすごいので、もはや元々のラーメンサラダの定義は何?と言いたくなるくらい並行進化が続いている。この店は日本酒倉本の直営店なので、魚系料理が中心だが、ラーメンサラダは肉系料理に変身した上でボリュームタップリ2人前という形になっていた。もはや、これは締めの麺に近い。胡麻味は嬉しいが、2人前の麺を食べると飽きてくる。
ただ、こういうバリエーションをあれこれ文句を言いながら食べるのが、ラーメンサラダを食す場合のお作法のような気もする。札幌に観光に行った時には、ラーメンもいいけれどラーメンサラダを何店か挑戦して欲しいものだな。

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湯島でイタリアン だったはず

高知の知人に連れられて湯島のイタリアンに行くことになった。久しぶりなきちんとしたレストランだと思って喜んでいたが、店の前に行って初めて気がついた。ビストロなんですね。いや、ビストロに文句をつけるつもりはない。ただ、ビストロはイタリアンとはちょっと違うはずで・・・と気になっただけ。料理の仕立てがちょっと変わるのかなと思った程度だ。

高知からの食材にこだわった店だということなので、当然ながら美味しいカツオが登場してくる。香菜をたっぷり盛ったたたき風の仕上げは、実に料理感がある。カツオの身が持つ独特の臭みを香草でマスク・アレンジするのは「あり」だなあと、素直に楽しんだ。高知で食べる焼きたてたたきもうまいが、お江戸のお仕事がなされた鰹もうまい。

店内は落ち着いたムードで居酒屋的に使うのは申し訳ないが、メニューを見るとまさにビストロ、洋風居酒屋なのでこれは二度三度と使いたいお店だった。どのメニューも高知テイストがさりげなくばら撒かれているので、高知県人には人気が高いそうだが、高知県人でなくてもたっぷり楽しめる。ただ、メニューアレンジがワインよりも日本酒と合わせてみたいと思う不思議な魅力があり、そこがなかなか悩ましい。

鰹以外にも、土佐の豚や鳥を使った料理が思っていた以上にうまい。素材の良さもあるのだろうが、やはり料理としてのお仕事が、素材の魅力を引き出している。料理とはかくあるべしというお手本みたいなものだ。
特に、自家製ベーコンは、こっそり独り占めしたくなる。今回はみんなでシェアしながらの試食みたいな感じで色々と注文したので、次回は一人で好きなものを好きなだけ注文作戦を実行するとしよう。

最後におすすめとして出てきた「豆腐」のアレンジ品が絶妙だった。豆腐のジャーキー風干物は、そのまま単品で齧る。沖縄の豆腐窯のような味噌漬けは小さく切り分けクラッカーに載せるとこれが実に絶品だった。
世の中、まだまだすごい食べ物があるのだなと感動してしまう。ちなみに、この手の珍味は店長自ら仕入れてくるそうで、店頭でも販売しているから帰り際に自分へのご褒美として気に入ったものを買って帰ることができる。誠にいたせりつくせりのお店だった。
しかし、湯島で高知以上に高知を楽しむ。良い時代だなあ。

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夏の流行り物?

仕事の待ち合わせ時間の調整で、久しぶりに喫茶店に入ってみようと思った。平日の午後にも関わらず席待ちになる混雑ぶりだったが、何故この店がそんなに人気があるのかよくわからない。一つだけはっきりしているのは、ファストフード以外で軽食が食べられる場所が世の中ずいぶんと減ったことが原因だと思う。あとは、セルフサービスが嫌いな人が意外と多いということかもしれない。
とりあえずコーヒー推しではない喫茶店なので、コーヒー以外を頼もうと思って入った。

一人だというとカウンターに案内された。たまたま仕事で入力作業をしたいと思っていたから、カウンターで問題はない。ただ、ずらっと並んだカウンター席を見ると、いささかげんなりする。喫茶店というのが憩いの場所ではなく、作業スペースに代わっていることがはっきりするからだ。
あまりに機能的なカウンター席に感動すら覚える。省スペースの極みだ。にも関わらず、注文はタブレットではなく口頭で直接従業員に行う。何だか、それも不思議な体験だ。

コーヒーゼリーは入ったアイスコーヒーにクリームがたっぷり乗ったものを頼んだ。昔で言えばコーヒーフロートの変形盤だろう。今ではすっかり〇〇ラテや〇〇フラペチーノに置き換わってしまった、昭和の遺物みたいな飲み物だ。ただ、現代的アレンジもあり、中身のアイスコーヒーが加糖か無糖を選択できる。無糖を選択するとシロップ添加するかも聞かれる。ご自分で甘さ調整をどうぞ、ということなのだろうが、クリーム山盛りで無糖というのは、なかなか奇妙な注文という気がしたので、あえて、無糖、シロップ付きで頼んでみた。
自分でやる甘さ調整はあまり上手にできないことがわかった。クリームが溶け出したら、どっと甘い飲み物になってしまうからだ。
元祖版を注文ししたので、店頭のポスターに書いてあるような「ティラミスもどき」になるのかはわからないが、夏の飲み物としては好みだなと思った。いや、冬でもうまいかもしれない。意外と、昔懐かしの喫茶店メニューはありがたいものだと再確認した。

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ローカルなパン

ローカルのパンというのは、旅の体験としてなかなか楽しいもので、見知らぬ土地に行ってベーカリーをのぞいたりスーパーのパン売り場を見て歩くのが好きだ。それでもパン売り場では時間帯によって並ぶものが変わったりするので、必ずしもローカルパンが見つかるわけではない。
滋賀の沢庵漬けを刻んだものが入ったコッペパン、香川の甘納豆が入った丸いパン、岡山のメロンパンとは言わないメロンパン、盛岡の無限大にアレンジできる福田パンのコッペパンなどなど、全国でびっくりパンを見つけては喜んできた。

羊羹パンは北海道のローカルパンだと思っていた。それを高知空港の売店で見つけたので、かなりショックを受けた。なぜ、高知で、それも西の果ての宿毛で。疑問はたっぷりある。とりあえず一つずつ買って食べることにした。味は、羊羹パンだった。北海道のものより甘さが控えめという感じもする。
このパンの放送袋の裏に羊羹パンの謂れが書いてあり、それを読んで納得した。いわく、羊羹パンは北海道や静岡にもあるが、その関連はわからない。高知の羊羹パンは昭和中期に、パンを焦がしてしまったのをごまかすために羊羹をかけたという説があるらしい。
こうなると静岡の羊羹パンが俄然気になる。北海道の羊羹パンも謂れが知りたい。謎が深まる羊羹パン事件だった。しかし、これまで10年以上高知に通いながら、高知羊羹パンの存在は全く知らなかった。高知の謎は、とてつもなく深いのだな。

と言うことで実食した。見た目は丸いパンだ。北海道のコッペパンスタイルとはちょっと違うものがスタンダードらしい。

うっすらと羊羹がかかっているところまではほぼ同じ。しかし、食べてみてわかったが、中はあんこがぎっしり詰まっていた。つまりあんぱんの羊羹かけということだ。当然ながら、羊羹の味は中のあんこに負ける。口の中はあんこ一色に染まる。いくら甘い物好きと言っても、あんこ+羊羹とは、高知人凄すぎだ。

帽子パンは高知特有のローカルパンらしい。全国あちこちのパン屋に行ったが似たようなものを見た記憶はない。強いてあげれば「メロンパンの皮」みたいなものだろうか。メロンパンの表面を覆っているビスケット生地だけを焼いたものは見たことがある。食べても見たが、お菓子っぽくてなかなかうまい。
高知の帽子パンは帽子のふちにあたる部分が、まさにこのメロンパンの皮で、真ん中の盛り上がったところは普通のパンだ。この中身をフィリングでアレンジしたものもあるらしいが、プレーンな帽子パンを買うとなんの味もしない。ただのパンだ。
だから、食べ方としては帽子のふちから真ん中にかけてバクリとかじり、ふちと頭の部分を一緒に食べる。そうするとメロンパン的な味わいになる。あるいは、ふちだけを最初にちぎって食べてしまい、頭の部分はジャムとかバターをつけて食べる。
食べ方はそれぞれ個人の好みで良いのだろうけれど、色々とうるさい人が指南をしそうな気がする。これまた、高知的な厄介さというきもするなあ。

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2年ぶりに1000ベロ酒場

なぜかコロナの間はすっかりいくのを忘れていた「一軒め酒場」だが、確かにこの店で飲むと2軒目にいくことはほとんどない。一軒目だけ酒場みたいなものだ。おまけに1000円あれば、ベロベロとまでは行かないが、限りなくそこに近づける。コロナの間はどうなっていたのだろうと不思議に思いながら、久しぶりに入ってみた。
変わっていたことは二つ。一つ目は店内禁煙になっていた。まあ、これはコロナだけではなく時代の流れ、法律変更だから当たり前かもしれない。ただ、2年前のスモーキーな店内を思い出すと、時代は変わったなあという気分になる。
二つ目が、日本人従業員だけになっていた。多い時は従業員の7割くらいが、あちこちの国から来た人たちだったのだが、今は顔を見ただけで日本人かなと思う人で揃っている。円安のせいでみんなお国に帰ったか?などと、ちょっと政治向きなことを考えてしまった・

定番マカロニサラダの量が倍くらいに増えていてびっくりした。「揚げ出し」は昔のまんまの大きさだと思うが、お値段がちょっとだけ上がっていた。鉄板を使った焼き肉というか、串がなくなったもつ焼きというか、カシラの黒胡椒焼きは期間限定メニューらしい。どれもこれも一人呑みにはぴったりだ。
ソロキャンプの流行と一人呑み・ソロ飲みの間には、やはりコロナによる社会意識の変革があるのだろうか、などとほろほろ酔いながら小一時間滞在した。やはり一人呑みは大人の贅沢だなと思いながら周りを見渡したら、グループ客はひと組だけで、後はソロ・オヤジばかりだった。うーん、この光景はなんだ。友達を無くした孤独な老人という言葉が頭の中に浮かんできて、とりあえず全否定しながら帰ることにした。次回は5種類以上あるレモンサワーを「端から順番に」呑みにしよう。