街を歩く, 食べ物レポート

山賊焼という唐揚げ

新宿にあるお気に入りの洋食屋で、ランチメニューの中に気になる一品があった。山賊焼というもので、長野県松本、塩尻周辺の郷土料理だ。焼きとは言っているが、実際には唐揚げだ。ニンニク醤油の濃い下味がついた、衣がカリカリの唐揚げだ。熱々を食べると、いかにもスタミナがつきそうな(昭和的発想だ)ニンニクガツン系の味がする。油とニンニクは実に相性が良い。今風の流行りであればこれにタルタルソースをかけ、より濃厚化させそうだが、この店はストイックに現地風の体裁を守っている。これはポイント高い。
横についているのはオマケの白身フライだが、こちらも自家製らしきタルタルソースにつけて食べると感動するうまさだった。山賊焼がホームランバッターだとすると、白身フライはスマッシュヒットを重ねる技巧派バッターという感じだろう。

そして、このランチメニューは丼飯と味噌汁がついてくる定食屋スタイルだ。ただ、この店は洋食屋であり定食屋ではない……………はずなのだが。新宿歌舞伎町界隈でこのような店はすでに奇跡に近い。小洒落たカタカナ名のレストランは多いが、どこもお値段はこの店の二倍から三倍になる。
和洋中取り混ぜたメニューが並ぶランチは、昔のデパート大食堂のメニューラインナップに近い。そのあたりが懐かしさを掻き立てると言えばそうかもしれない。

内装はシックなもので、窓が大きいため店内は明るい。薄暗い店が好きな客にとってはちょっと眩しすぎるかもしれないが、窓際のカウンター席では食事を終えた後に本を読んでいる人もいた。確かに読書には向いた明るさだろう。
これくらいの明るさの喫茶店があれば嬉しいのだがなあ、などと思いつつ丼飯を完食して身動きが取れなくなった。どう考えても和風ファストフード店よりコスパが良い。次回はもう少しレトロな定食、ではなくランチセットを注文してみよう。

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うま味調味料について

一時期は、まさに蛇蝎の如く嫌われていたうま味調味料が見直されているようだ。世界的な研究機関が、うま味調味料、つまり化学調味料と言われるものになんら問題はないと発表したそうだ。逆に低開発諸国における食事の改善にうま味調味料使用を勧めているらしい。
うま味調味料を使うと舌がバカになるとか、体に不調が起こるとか、実に宗教論的な手に負えない議論が横行していた時期があった。外食企業で働きながら、その手の宗教論議?が好きなものも多くて閉口した記憶がある。自分たちの主力商品には、彼らの視点から言うと過剰というほどうま味調味料が使われていることを知っていながら、「ない」ことにしたままのうま味調味料議論なのだから、全く始末に追えない。
もし本当にうま味調味料、化学調味料が体に悪いものだとしたら、自分の売っている商品は「毒」ではないのか?という方向に思考は進まないらしい。嫌なことからは目を背けてないことにする。困った人たちだった。
さて、うま味調味料に関する最近の論調についてだが、汚名挽回というか、正しい使い方をすれば便利なものですよというお墨付きを受けたようなので「味の素」も正当な評価をうけられるようになったか?と思う。


その味の素がコラボ商品を売っていた。おまけに第二弾だという。

この人気アニメキャラとのコラ部はなんとも不思議だ。中身は通常品で、瓶の表面がキャラになっているだけなのだが、そのキャラが実に多彩だ。まさか全キャラコンプリートなどという荒業が目的ではあるまいと思うが、第二弾が始まったということはそれなりに第一弾の人気があったのだ。
ただ、この「味の素」ひと瓶を使い切るのにはどれくらい時間がかかるだろう。少なくとも一ヶ月や二ヶ月では無理だと思う。値段はたいした金額でもなかったので二瓶も買ってしまったが、これを使い切るには年単位の時間がかかる。3年は大袈裟にしても、相当長持ちしそうだ。

この企画を考えたのは誰なのだろうか。味の素側に仕掛け人がいたとも思えないのだが、ひょっとすると味の素の社長が「わん○ース」の大ファンだとか、原作者が味の素大好きだとか、そんな裏話があるなら知りたいものだなあ。

もしこのまま、第三弾、第四弾などと続いていくと、熱烈ファンの家には死蔵された味の素がずらっと並ぶのかな。探してみたけれど瓶の表面に賞味期限は見当たらないし、中身は腐りそうもないからライフタイム商品で良いのかもね。

補足 ネットで調べてみたら夏に発売の第三弾で終了していた。どうやら手に入れたのは、売れ残っていた在庫処理品らしい。どうりで安かったわけだ。それはそれで希少品ということかもしれない。

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フォトジェニックなラーメン

旭川に本店がある山頭火の塩ラーメンは、ビジュアル的な点で日本屈指の美しいラーメンだと思う。それと比べると、最近流行のトッピングもりもり、オーバーデコレーションなラーメンはあまりにもけばい。
比較的シンプルなトッピングと白いスープの対照が美しさを生むと思うのだが、なんと言っても真ん中に置かれた紅一点、小梅の働きが素晴らしい。


見栄えだけでなく、この塩ラーメンのスープは完成度が高い。濃厚淡麗という相反した仕上がり具合だ。塩味控えめなので最近の人気ラーメンと一線を画している。麺は旭川ラーメン特有の多加水麺で歯触りを硬めに茹で上げているところが好みだ。札幌ラーメンの麺は西山製麺製造が主流のようだが、その歯応えがある麺はちょっと違っている。固いというよりもちっとした歯応えだ。有体に言えば麺の違いこそが札幌と旭川のラーメン差ではないか。

二種類の異なるチャーシューを使うというのは現代ラーメンでは当たり前の手法だが、これも山頭火が始めた頃は実に斬新なものだった。
古典的とも言える三平の味噌ラーメンと山頭火の塩ラーメン、この二つのどちらを選ぶかでいつも心が揺れる。味の三平、様式美の山頭火とでも言いたくなるが、次に行くのは三平になるだろうなあ。
オフィスビルの地下にある山頭火は、夜になるとちょい飲み対応の店になるのだが、そのちょい飲み時間帯もずうっと気になている。餃子に唐揚げという鉄板のつまみ以外に、あれこれ酒の肴が登場するようで、それはまたラーメンとは別の興味で試してみたいと思うのだ。次回は昼の三平、夜の山頭火という組み合わせかな。

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お気に入りの味噌ラーメン

北の街には行列のできる有名ラーメン店は多い。ただ、観光客が訪れにくいようなところに本店がある店の方がうまいような気がする。それでも、札幌市郊外で実力をつけた店が都心部に出店すると、たちまち行列店になる。地元客に加えて観光客が行列に参戦するからだ。特に市内中心部の店になると、その行列の中にインバウンド客が混じり始める。
この店も昼のピークを外して行ったのだが、20分待ちになった。中には10人ほどの待席も用意されているが、それではピーク時には足りない。そして店内にいる客の半分ほどが日本語を話さない客だった。もはやラーメンは国際観光食らしい。

焦がし味噌ラーメンというのがこの店の売り物なのだが、おそらくこの界隈で一番濃厚な味付けだろう。豚骨スープの味噌味はスープに負けるので上手にできないという話があった。今では笑い話になるような「伝説」だが、要するに作り手側の手抜きだったというわけだ。濃厚スープに負けないように大量に味噌を使う、そして味噌味に負けないバランスのスープをブレンドする。その手間を惜しんでいただけだろう。原材料をけちり技術を磨かないとは、料理人としてどこか間違っていると思うのだが、それがちょっと前までのラーメン屋の常識だった。
現在の人気店では考えられないことだが、原価を高くして客の満足度を上げるのが、ラーメン店には邪道であると考えれれていた節がある。
濃厚なスープと2種のチャーシュー、太めのメンマというのが現代人気ラーメン店の標準仕様のようだが、この店もそれに従っている。あとはおかしなことにスープ少なめというのも最近の流行りのようだ。丼の大きさとスープのバランスが悪いように思えるのだが、穿った見方をすると出来上がったラーメンを運ぶときに、スープがこぼれないようわざと大きめのどんぶりにしているのかもしれない。美観より運用を選んだのだろうか。

ラーメンに白飯は魅力的だが腹が膨れすぎる せめてご飯の量が1/3だったらなあ

一番シンプルなこがし味噌ラーメンを注文したが、それ以外のバリエーションも豊富で、何度か通って見る気にさせる素敵なラーメン屋なのだが、一つだけ課題がある。ランチタイムは小ライス無料というサービスがあるのだが、個人的にはこれだと量が多すぎる。
ライスはいらないと伝えたつもりだが、なぜか提供されてしまった。もう、ラーメンライスが嬉しい歳ではないのだが、久しぶりにラーメンをおかずに白飯を食べる羽目になった。初めの一口二口は良かったが、あとは苦しい。ささやかなお願いとして、無料ライスは希望者が自己申告する仕掛けに変えてもらえないかなあ。
あるいは一口ご飯サービスとか……………

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はじめてのラーメン居酒屋

島原で夕食難民になった。地方都市では平日、火曜とか水曜に飲食店が休みになることが多いようで、この日の島原では営業している店が少なく、どの店も満員だった。いよいよコンビニで弁当でも買うかと思った時、線路の向こうに明るく輝く店を見つけた。
店の前に来て思わず笑ってしまった。ラーメン・居酒屋とはありそうで、なかった業態な気がする。町中華を居酒屋使いすることはたまにあったが、この店ははっきり自分で居酒屋と宣言している。いさぎよい。

店の入り口横にもしっかり書いてある。確かに昼と夜で営業スタイルを変える二毛作店舗はよく見かける。お江戸の蕎麦屋なども昼は食事屋、夜は居酒屋というところが多い。が、蕎麦居酒屋と名乗っているのを見たことはない。大阪の天満にうどん居酒屋があったことは記憶しているが、今でも営業指定いるのだろうか。香川県で讃岐うどんの店は、夜だけ居酒屋になっていることもあるらしい。
だから、ある意味で「ラーメン」居酒屋は新鮮に思える。ひょっとして素晴らしい業態ではないかと期待感が高まってしまった。

店内はほぼ満席状態だった。大人数のグループが二組ほど宴会をしている。大盛況だ。その中に、子供を連れた家族客が普通に食事をしているのが、なんとも場違いに見えてくる。そちら家族客の方がラーメン屋としては普通だとは思うが。
メニューを見ると、町中華系の定番が並んでいるが、一番びっくりしたのは地魚の刺身があることで、なるほど、これは居酒屋だなと改めて感心した。ただ、ラーメン屋で刺身を食べるのはちょっと抵抗がある。
九州ではよく見かける甘酢の鶏皮を注文したら、なんとびっくりするボリュームで登場した。お江戸の居酒屋もこれを見習って欲しいものだ。お江戸スタイルを想像して注文したのだが、これだけで腹が膨れそうな勢いだった。

その後、つまみを追加した後に「ラーメン」を注文した。いわゆる九州系とんこつラーメンだった。よく考えれば、ここは長崎県なので豚骨ラーメンではなく、ちゃんぽん文化圏ではないかという疑問が浮かぶ。
出てきたラーメンを見ると、博多ラーメンに近い。食べてみれば、見た目とは若干異なり博多ラーメンよりあっさり系の豚骨スープだった。福岡県、佐賀県、長崎県の北部九州は食文化的には近しいのだろう。ただラーメンということで言えば、隣県である天草諸島を挟んだ熊本県とはちょっと違うような気もする。地続きと海の向こうの違いかもしれない。

お江戸でラーメン居酒屋、成立しそうな気もするのだけど、なぜか見当たらない。不思議だ。

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九州のローカル名物 長崎編 2

昔々、フライドチキン屋で新商品開発のアイデア出しチームにいたことがある。その頃に検討課題に上がっていたのが、長崎の角煮バーガーだった。諸所の理由で開発は見送りになったが、そのときに学んだことは今でも覚えている。
豚の角煮はうまいのでバーガーの具材にするのは良いアイデアだと思ったのだが、コストの壁が高すぎた。ごろっとした肉を煮込むと、実は元の重量から随分と目減りしてしまう。豚肉の中の脂分や水分が流れ出すからだ。チャーシューを自作したことがある人はよくわかると思うが、ごろっとした塊肉を焼いていくとみるみると縮んでしまう。感覚的には半分くらいに縮む。角煮も同じことで、元の肉から比べると随分と歩留まりが悪い。当然、バーガーのパティーのような値段にはならない。
ただ、これは鶏肉でも牛肉でも同じことで、チキンバーガーなどを作るときも同じ縮み現象は起こる。それを回避する方法はあるのだが、そのやり方に関して一応各社とも企業秘密となっているはずだ。一般人が知ると買う気が失せるようなやり口でもあるのだが。

だから、角煮バーガーの本場である長崎でも角煮バーガーのお高い。正直な商売というか、おいしい角煮を挟み込もうとすると、販売価格を上げるしかない。お高いバーガーを売るためなのか、バーガー用のバンズではなく中華料理の花巻のようなもので挟んでいる。これもほんのり甘くてうまい。よく調和が取れた商品だと思う。


ハンバーガー大手の看板商品と比べると、値段は高いが大きさはかなり小さい。実食するとその小ぶりさというか軽さがよくわかる。まあ、見た目より中身で勝負という類の商品なのだ。
この角煮バーガー、気になって商品サイトを調べてみた。なんと、バーガーではなく「角煮まんじゅう」だった。ずっと角煮バーガーと思い込んでいた。店頭でも「まんじゅう」と書いて売っているはずだが、脳内で「まんじゅう」を「バーガー」と自動翻訳していたらしい。思い込みは恐ろしいと反省した。
しかし、食べたらうまいのは間違いので、高くても良いからどこかのファストフード店で販売してくれないかなあ。

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四海樓 再訪

弾丸旅で長崎ちゃんぽんの本場、四海樓に行ってきた。目的はシンプルで「ちゃんぽん」を食べるのみだ。確かこの店がちゃんぽん発祥日だったはずだ。
テレビ番組で見ただけだから定かではないが、長崎ちゃんぽんの本場である長崎市で一番有名なちゃんぽん店はリンガーハットだとのこと。長崎市内に店舗数が多いため、利用率が高いそうだ。これにはなんとなくモヤモヤしたものを感じてしまうが、名物料理の実際とは案外こんなものかもしれない。札幌ラーメンで一番有名なのはチェーン店の〇〇という話は聞かないが……………。

記憶の中にあったはずの、四海樓ちゃんぽんの味はすでに脳内から消え失せていた。忘却のかなただ。だから眼前に登場したちゃんぽんを見て懐かしさを感じることはなかった。ああ、こんな感じだったのか、というのが素直な感想だった。
食べてみた。思っていたより(記憶の中より)塩味が控えめで優しいスープだった。ただ、これがちょっと物足りないと感じる。
麺の量は多めでたっぷり感があるが、どんぶりがちょっと小ぶりかなという感じがする。これと(つまり元祖長崎ちゃんぽん)一番ポピュラーなリンガーハットちゃんぽんの味がどうにも一致しない。
確かにリンガーハットのちゃんぽんは好きなのでよく食べる。一番たくさん食べたちゃんぽんだから、舌がそちらに引きずられているのかもしれない。本物?は優しい味のちゃんぽんだなというのが、最終的な感想だった。

ちゃんぽんがくるまで一品食べようと注文したのが、最近ちょっとこだわっているエビチリだった。これは明らかに失敗で、一皿の盛りが多すぎた。二口み口食べたところで、いったん食べるのをやめた。これを食べ切るとちゃんぽんを入れる腹の余裕がなくなりそうだった。
大ぶりのエビとあまり辛くないチリソースは満足のいくものだったので、ちゃんぽんを食べ切った後で完食した。腹が膨れすぎてちょっと後悔した。食べ過ぎだ。
中華料理屋に一人で行くとこういう悲しい結果になる。いつも失敗して、いつも反省するのだが、いつまでも同じ間違いを繰り返す。全国の中華料理店の皆さま、一人向けにハーフサイズで注文できるようにしてください。
ちなみに王将はジャストサイズというなで小盛りを提供しています。「ありがとう」。

街を歩く, 食べ物レポート

天ぷらに満足した博多の夜

福岡に来たのはひさしぶりだが、前回来た時には時間がなくて訪れることができなかった「天ぷら」屋に立ち寄ることにした。この店は10年以上昔から、知人に紹介されて何度も来ている。天ぷらはうまい、間違い無い店だ。そして価格がお手頃という事もあり、いつでも長い行列ができる人気店だ。
この店を見る来ると、外食企業に働いている人間は、必ずと言っていい方ど模倣店を作りたくなる。知っているだけで3社がこの店のデッド・コピーに挑戦し、これまた皆さん失敗している。簡単に真似ができそうだが、実は真似をして成功するのが難しい「コンセプト」だ。外食関係者には罠というか、禁断の魔力があると言っても良い。

基本的に天ぷらの組み合わせが違う「定食」を注文する。ただ、この天ぷらの組み合わせがジグソーパズル的難しさがあり、初心者は選ぶのに時間がかかる。名前を見て、天ぷらの中身が想像できるのはとり天かエビくらいだろう。

席に着くと、まず最初に濃いめの天つゆと塩辛が出てくる。実は、この塩辛こそこの店の看板商品だと思うのだが、天ぷらが出てくるまでチビチビと塩辛を食べるのが楽しみだ。この塩辛は、塩味がとても薄い。うっすらと柑橘系の香りがする。塩辛というよりイカの漬物、浅漬けといったふうだ。さっぱり味の塩辛というのも珍しい。これだけで丼飯が食えそうだ。

天ぷらは揚げたてのものが、一つ二つとバットに並べられる。食べると火傷をしそうな熱々だ。魚と野菜が順番に出てくる。

それぞれの定食は6−7種の天ぷらが出てくるので、完食するころにはすっかり満腹になる。体調を万全にしていかなければ、店内に立ち込める油の匂いに負けそうになるのが注意点だ。ご飯は大小サイズを選ぶことができる。昼時であれば1時間待ちは覚悟しなければいけないが、3時過ぎだと行列がなくなるので、遅い昼飯、あるいは早い夕食として午後遅くに行くのがおすすめだ。

なぜか客の1/3くらいが外国人だった。福岡の名店がインバウンド・ジャックされているのは微妙な違和感というか複雑な心境になる。が、何より迷惑だったのは隣の席に座ったカップルで天ぷらを食べながら大声でずっと知人の噂話、痴話話をしている。明らかに外国人よりタチの悪いのは日本人だなと、天ぷらとは全く関係ないことに感心してしまった。

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田中鮮魚店にて 鰹を喰らう

お盆過ぎから10月上旬まで、中土佐町久礼はシンコで賑わう。この超鮮度重視の魚を求めて、高知県中、いや高知県外からも朝早くから人が押し寄せてくる。朝9時、魚屋の開店前から行列ができ始める。暑いのに、ご苦労なことだと思う。

その昔ながらの市場の奥まったところに、田中鮮魚店があり、これまたうまい鰹を求める人が群がっている。魚屋と言いながら、鰹の他に数種の刺身が並べてあるだけで、普通の魚屋でならぶような大衆魚は一切見当たらない。自家製の干物はあるから多少は魚屋っぽくはあるが、基本的には鰹専門店と言って良い。

朝仕入れた新鮮な魚の切り身が並ぶ。鰹も朝のせりで仕入れたものが午前中にはたたきに加工され並んでいる。その日の獲れたて魚でラインナップは変わるが、この時期の好みで言えば飛び魚がある。ウツボのたたきもうまいし、タイミングが良ければシイラもある。

それを魚屋の向かいにある食堂で食べることができる。ご飯と味噌汁のセット券を買い、魚は好きなものを選び刺身におろしてもらう。昼時には席待ちの行列もできるが15分も待てば入れる。

本日はカツオと飛び魚、そしてメジカの生節だった。カツオは大将にお任せという乱暴な注文の仕方だ。この見た目四人前はあるかという大量の刺身を女性スタッフと二人で完食した。満腹感もさることながら、鰹を食い切ったという達成感が凄い。ちなみに、鰹大好きの高知人でも鰹のたたきは一人前3−4切れらしい。
うまい鰹を食べさせる店は高知県内のあちこちにあると思うが、達成感を感じるほどの良品にであうのはなかなか難しい。高知市内から高速道を使えば1時間程度。JR土讃線で特急を使えば、1時間弱。高知観光するのであれば、このカツオの町久礼までわざわざ鰹を食べに行くというのありだと思う。ちなみに、水曜は定休なので平日に行くのであれば、営業日時を確認した方が無難。季節によってはカツオが上がらない日もあるしね。

以上、宣伝でした(笑)

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チキン4個で1,500円とは……………

ハニーメープルというが、ハニーもメープルもどれくらい入っているか知っているだけに……………

仕事柄、ビスケットのことを説明しなくてはいけなくなり、久しぶりに現物を調達してきた。流石に、ビスケットを一つだけくれと注文するのは、長い間関わってきた会社だけにちょっと心が咎める。そこで、オリジナルチキンとサイドアイテムのセットを注文した。
長い間関わっていたブランドだから、値段の見当はついている。と思っていたのが間違いだった。
チキン4個とサイドアイテム2個のセット、これは平成の30年余りの間は、ずっと1000円程度だった。オリジナルチキン2個とサイド1個(ポテトかサラダかビスケット)は500円のはずだ。
何も考えずに会計したら、1500円もした。ちょっと前であればチキンが8-9個買えた値段だ。今浦島とはこういうことを言うのかと、チキンが入った袋をもらい呆然とした。現金で会計していたら、「値段間違っていない?」と聞き直していたかもしれない。


それでも、初めてアルバイトをした頃のことを思い出せばまだこの値段でもマシだ。チキン屋で初めてアルバイトしたとき、一時間働いても2ピース買えなかった。今では一時間働けば時給は1000円を超えるから、チキン3ピースは買える。4ピースは……………無理だ。 

などと考えていたら随分と落ち込んでしまった。チキンが想定以上に値上がりしていたせいなのか、ウン十年前にアルバイトを始めた頃の時給を思い出したせいか、はたまたチキン屋で仕事をしていた時のブラックな記憶がフラッシュバックしたせいなのか。
当分チキンは食べないことにしよう。あまりにもダークな気分に巻き込まれすぎる。ジジイは予想以上にストレスに弱い生き物なのだ。うまさを求めるよりも、不要な精神的ダメージを避けなければいけない。チキン如きでメンタルケアを放棄してたまるかあ!