街を歩く

小さな街の駅前で

実家のある街に新球場が建てられて、なんだか賑やかになったのかと思っていた一年だが、結局何が変わったというわけでもないらしい。唯一変わったといえば、ゲーム開催に伴って増えた迷惑駐車と、その対策で値上がりしたスーパーの駐車料金くらいだろうか。
秋晴れの気持ちの良い日だったので、普段は決していくことのない駅の反対側まで散歩してみた。昔は何もないところだったはずが今ではすっかりビル街もどきになっていた。ただし、建っているのは大きな病院とその周りにいくつかあるドラッグストアー(調剤薬局)、後は市民会館・ホールと図書館だ。商業地区ではなくこじんまりとした文京地区という感じだった。

駅の入り口から図書館に向かうまでの道が、この時期にもかかわらず花で飾られていた。人口5万人程度の地方小都市なのだが、文化レベルは高いのがわかる。(初めて知ったかも)
花のある街は文化度が高いと思い込んでいるだけかもしれないが、北の大都市でも大通公園だけは花が見事に植えられている。道路に落ちているゴミを拾う事と、道路や公園に花を植えることは、街の美観を高める意味で同じ価値があると思うのだが。

しかし、その文化レベルを高く評価した駅前に、実は当然存在するべき喫茶店やレストランが存在しない。これは実に残念だ。駅前のローターリー周辺をうろうろしてみて、ようやく見つけた喫茶店は長期休業中だった。

素敵なマダムか渋いマスターがやっていた雰囲気が漂う喫茶店はお休み中

駅の反対側にはスーパーと焼き鳥屋がある。ただ、コンビニもなければラーメン屋もない。高い文化レベルも大事だが、ラーメン屋は街の必需品だと思うのだ。多分、駅前ではなく、自動車で移動した何処かに喫茶店や食堂やラーメン屋やその他諸々が存在しているはずだが、散歩で行ける場所ではなさそうだ。地方都市の現実は、こんなものなのですね。

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トイレの個室で発見した切なさ

すすきの近くにあるトイレの個室で、放置されたままになっているドリンク剤の空き箱を見つけた。場所が場所だけに、これから一戦を控えて頑張るぞという、哀しい決意が見えるようで…………

無双したいのか、無双を期待されているかで、その同情の度合いは多少変わるが。トイレの個室で封を切り、キリッと瓶を睨みつけ腰に手を当て一気に飲み干す。うーん、そんな銭湯で飲むコーヒー牛乳みたいな健康的イメージは感じられない。多分、自信がないのだろうなあ、己を奮い立たせるためには手続きが必要な歳になったのだろうと邪推してしまう。にしても、公衆トイレでそれをするというのも、何だかなあ……………

同じ性別として、心の底から込み上げてくる深い感情を、何と呼べば良いのか。かける言葉があるとすれば「ガ・ン・バ・レ」でしょうかねえ。

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仙台の回転寿司を楽しむ

秋シャコは本当に美味い

北の街にある人気回転寿司店は、実は札幌発の店ではない。北見や根室といった島の東側にある街で生まれ、大都市に攻め込んできた「インベーダー」だ。だが、北の街の市民は誰もそんなことには気にせず、グルメな回転寿司を楽しんでいる。平日昼でも大行列になる店ばかりで、それも観光客はほとんどいない住宅地にある店が多い。
都心部では鮨屋も回転寿司屋も少ないから、そこには観光客が押し寄せるので、これまた何処の店も行列ができる。そんな鮨屋大人気の街に昔からあるのが、仙台で生まれた回転寿司屋だ。
都心部ではなく郊外のターミナル駅に直結する駅ビルにある。ずいぶん昔からあるが、そのスタイルは相変わらずで昔のままだ。寿司の皿が回っているし、注文は紙に書いて渡す仕組みだ。タッチパネルなどない。そして寿司の値段も、わかりやすいしお安い。全国チェーンの三大回転寿司とは全く異なる。寿司ネタもオーソドクスなものばかりでおとなしめだ。
北の街で大人気のグルメ系回転寿司ではなく、昔ながらの安いお値段ありながら寿司を職人が握っている。シャリロボットはいないみたいだ。

だから、当たりと言いたくなるネタ(皿)とハズレのネタが混在している。例えば、ちょっと残念だったのがタコで、これは世界的にタコが取れないことから、値上がりしているネタの典型なのだが、この店はタコが安かった時代から値段を上げていない。その分、ネタが薄くなっている。できれば値上げをして良いので、厚めのネタにしてもらいたいなあ。

逆にお得なネタはヤリイカだった。小ぶりなせいなのか、お値段同じで3貫乗っていた。おまけに好物のゲソまでついている。できればこの皿だけあと4−5枚注文したいくらいだった。

湯呑みもこれまた懐かしい、寿司ネタ・イラスト付きで、とても気分が和む。全国チェーンのプラスチック製湯呑みは風情がなさすぎるから、あまり好みではない。

さばは標準的なネタサイズだったし、今月のおすすめネタらしい黒ガレイもうまかった。もはや100円均一では無くなった低価格寿司とグルメ回転寿司の中間路線を行く貴重な存在だが、北の街でウケはあまり良くないようで、昼でも行列はできていない。
ただ、個人的にはこの店がすっかり気に入ってしまって、しばらく通うことになりそうな気がする。日本人にはやさしいけれど、外国人観光客には使い勝手が悪いというか難しい店だろうな。

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すすきの 新ランドマーク

2年くらい前から建て壊しが始まり街が平らになっていたが、ようやくビル全体が出来上がったようだ。建築は最終工程に移っているようで、もうすぐ開業になるのだろう。地下鉄駅と直結する場所にあるので、地下鉄駅も覗きに行ってきた。駅構内でも封鎖壁が撤去され内装工事が始まっていた。駅の耐震補強も行われていて、鉄の丸い柱が剥き出しになっていたのが印象的だった。
すすきのといえば映し出されるウイスキーの看板と比べてみれば、新ランドマークはずいぶん現代的で、おまけに没個性的な感じもする。ススキノの入り口を代表する顔になれるのか、ちょっと心配してしまった。

もっとそそり立つような高層ビルになるのかと思っていたが、予想外に低層な感じがするのはビルのデザインのせいだろうか。摩天楼みたいなイメージを勝手に抱いていたので、それもまた意外な点だ。
ホテルや映画館も入る一大商業施設だということだが、印象に乏しい。新宿にあいだ歌舞伎町タワーと見比べてしまったのがいけないのかもしれない。
完成したらまた人が押し寄せるのだろうけれど、その混雑が落ち着いた辺りで見物に行こうかな。

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駅前のラーメン屋

実家のある駅で、いつもは行くことのない駅の反対側に行ってみた。確かこのあたりにラーメン屋があったはずだが、と思っていた場所には、なぜかハンバーガー屋があり、一人前1000円を超えるグルメバーガーを売っていた。
そこから道の反対側に歩いてみると一軒のラーメン屋があり、なんだかうまそうな面構えの店に見えた。ふらりと暖簾をくぐってみたら、意外と空いている。昼前のタイミングだったせいらしく、自分が注文したあたりから次々と客が入ってきた。

メニューを見ると、どうやら推しの一品が「我流味噌ラーメン」らしいとわかる。とりあえずそれを食べてみるかと思ったのは良いのだが、値段がなんと1000円越えではないか。税込価格とはいえ、これにはちょっと驚いた。元々お江戸と比べてもラーメンの値段が高い土地柄だが、ついに1000円超えてしまったかあ。

我流というからよほど変わった味噌味なのかと思っていたが、出てきたのはオーソドックスな味噌ラーメンだった。スープに多様癖があるくらいで、嗅ぎ慣れない香りが強いのは、中華系の香辛料を使っているのかもしれない。チャーシューの柔らかさが印象的だった。普通に美味しい、ご馳走様だった。

ラーメンを待つ間に、ふと思いつきビールを頼んでみた。出てきたのは、最近では久しぶりに見るサッポロ黒ラベルだった。やはり、ホームタウン贔屓というのだろうか。そうして気がついたのは、北の街のラーメン屋で出てくるビールはいつもサッポロだったようだ。スーパードライや一番搾りを飲んだ記憶がない。これは他のラーメン屋でちょっと確かめてみようか。

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水族館前

この夏に狸小路に開いた新商業ビルは、水族館が入居している。新規オープン時期はだいぶ混雑していたようで、入場券は事前にネットで購入する仕組みになっている。
ビル内は、未だ一階のテナントが入居していなかったりするので、なかなかビル経営も厳しい環境なのだなと思う。
このビルの高層階はタワマンらしく、個人的にはこの町で一番便利なタワマンではないかと思う。金があればこんなところに住むのも良いかなと、ちらっと思ってしまった。地下街直結なので雪の季節にも煩わされることはない。地下街続きで日用品、食料品などはデパ地下で問題なく買い物ができる。地下鉄を使えば、J Rとの接続も外に出ないで可能だから、本当に雪知らずの生活が保証されている。素晴らしい。
おまけに、すすきのまでは徒歩2分、これも地下街を使えば傘なしで行ける、全天候対応なご機嫌極まりない環境だ。
道を渡った向こう側にはどんきもあるし。周辺には飯屋飲み屋が選び放題に並んでいる。
シティーライフとはこういう場所に暮らすことだな、とつくづく感じてしまいました。

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かしわ抜き

北の街で昼下がりの蕎麦屋に入り,かしわ抜きとぬる燗で一息ついた。昼のピークをはずしたつもりだったが、なぜか続々とオヤジ一人客が入ってくる。誰もが、酒付きの注文をするので思わず笑ってしまった。考えることは皆同じなのだ。

かしわ抜きにざるそばをセットしたものがお得だというので、お勧め通りザルセットにした。この後に食べた蕎麦も、たいへん結構なもので、休日の昼下がりには過ぎたご馳走という感じもする。

蕎麦屋の正しい使い方があるとすれば、こんな感じになるのではと。個人的な感想ですけどね。

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図書館に行った

何年かぶりに地元の町にある図書館、それも本館に行ってみた。普段は自宅近くの分館で済ませているから、本館に行くのは5年ぶりくらいだろうか。最近読んだ本のモデルが、この図書館であるとのことで、なんとなく懐かしくなった。図書館本館はそれなりに大規模な建物だが、蔵書というか展示棚をみると意外と置いてある本が少ない印象がある。
というのも、図書館には分館がたくさんあり、そこに本が分散されているからだろう。今ではネットで全図書館の本を一度に検索できる。その上で、借り出し請求をすれば、図書館間で移動をしてくれるので、多少時間がかかっても本を借り出すのに問題はない。分散型の図書館だと言われれば、まさに時代にあった感がある。ついでに本の返却には、一部のコンビニも使える。
おまけに、隣の町の図書館とも連携が取れているので、一枚の図書カードで隣町で本を借りすこともできる。ありがたいことだ。

図書館の入り口に子供向けイベントの告知があった。書かれているのが全部ひらがなというので妙に感心してしまう。図書館の最大の顧客?は、間違いなく字を覚え始めたばかりの小さな子供で、その時期に本を読む楽しみを覚えれば一生本好きな人になる。図書館にとっては、重要顧客の育成と早期囲い込みを図る重要戦略だろう。
自分の読書体験を思えば、幼児期に大量の本に囲まれているのが本好きになる最良のきっかけだろうと思う。今では、幼児期からスマホやゲームを覚えたりするので、幼児期でも遊び時間の取り合いが起こる。すると、本を読む時間とゲームをする時間のバーター問題が考えられるし、どうも本を読むよりゲームをする方が即時的な面白さで優っているような気がする。
そうすると幼児期に読書の楽しみを覚えてもらうには、対面式の読み聞かせ、つまりライブメディアとしての読書体験が有効だろう。そんな仕事であればボランティアで参加してみようかなと、これまでとは全く違う視点で図書館をとらえることになった。
図書館のお仕事を描くコミックは、少なくとも個人的には、影響の大きい名作だったのだな。書店でもお勧め本扱いになっているらしい。

「税金で買った本」  良書です。

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ありし日の夢

駅前に蒸気機関車が飾られている駅は、世の中そこそこ存在する。が、航空機が置かれているところはそんなにないだろう。昔、浜松の喫茶店にF86セイバーが置かれていて度肝を抜かれたことがあったが、どうやらそれは空自出身の元ファイターパイロットの方の情熱あふれる喫茶店だったらしい。それに負けず劣らずだと思うのが、このY S11だ。戦後、飛行機の製造が禁じられた日本で、10年以上続いた航空機製造の空白期を乗り越え作られた名機だ。戦前の名戦闘機機を製造した三菱重工でも、10年以上空けば技術の継承ができなくなる。その間のギリギリに作られたものだ。

ただ、この後で日本の航空業界では大型旅客機の製造は行われない。自衛隊に使用する機体を作ることはあっても、民間機ではエンジンや翼の提供という限定的な開発しかしてこなかった。(政治的にできなかったというのが正しいのだろうか)
つい最近も、三菱がビジネス機にチャレンジしてついにギブアップした。やはり、戦後の空白期間は技術の継承だけでなく、飛行機ビジネスの継続という意味で、取り返しのつかないものだったのだろうなあ。

この機体には2度ほど乗ったことがある。プロペラ機なので巡航高度が低く、飛んでいる間ずっと地上の風景を見ていた記憶がある。(道路を走る自動車が見えるのだ)
これもジェット機が当たり前になるまでは、一般的な空の旅の楽しみ方だったのではないか。
などと、古き日本を思い出してしまいました。

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かぼちゃぱんと人気者を発見した

確か去年の今頃、金沢で見つけたかぼちゃパンは実に美味しいものだった。あれから一年が立ち、そろそろ街のかぼちゃのお化けの姿がチラホラしてくると、パン屋も思い出すのか、かぼちゃぱんが登場してきた。
見た目は随分と緑だが、食べてみると表面はメロンパンの食感で、変形のメロンパンだとわかる。
中にはクリームが入っているので、二つに切ってみればかぼちゃっぽく見えるだろう。自宅から一駅隣の駅ビルにあるパン屋は、なかなかユニークなパンを販売している。

おそらく小学校低学年くらいまでの子供たちには圧倒的な存在感を放つ、狭山丘陵のどこかに生息する妖精?だと思われる。とりあえず買ってみたが、中はあんこが入っているので変形のあんぱんだった。表面の緑は狭山茶を使用しているらしい。郷土愛に満ち溢れた「甘いパン」だった。

このパンを見つけて、初めて店頭のバス停の意味がわかった。このこだわりは、店主の情熱なのか、スタッフの愛情なのか。

不覚にもパン屋で泣きそうになるとは人生初めての体験だった。子供が小さかった頃に、このパンを食べさせてやりたかったなあ。