
サイゼリヤに行ってよく食べるのはランチセットのハンバーグ。それもオニオンソースというランチの時だけに使われるソースが好みだった。ところが、ランチを含めたメニュー改定がありオニオンソースはなくなってしまったようで、実に残念なことだ。ではサイゼリヤにランチを食べに行かなくなるかといえばそんなことはない。価格と品質のバランスを考えれば、やはり日本最大の「良いファミレス」であることに変わりはない。
他のファミレスチェーンのように価格帯を守ることもせず2割3割という理不尽な値上げをして客数激減になることもない。それどころか決算成績を見れば絶好調だ。他の値上げしたファミレス企業と比べると、その差は明らかだ。特に便乗して必要以上逃げ上げしたチェーンは客に見限られて大幅な客数減を起こしている。その客を引き込んだのがサイゼリヤとしか思えない。
ネットにあげられていた決算論評を見てあれこれ考えた。メニューを絞り込んだことで客離れが起きたようなことを書いてあるが、そもそもネットの書き込みは無責任な「感想のダダ漏れ」でしかない。メニューを減らしたサイゼリヤ批判をしたものは、基本的に年に一回行くか行かないかのどうでも良い客だろうと思うのだ。そんな奴(客)が来なくなっても大した影響はないだろう。逆に毎週一回来てくれるような常連客をどう大事にできるかに注力し、腐心しなければならないのが外食業の基本中の基本だ。
今回のメニュー改訂で最大の課題はメニューが減ったことではない。ランチの合挽肉ハンバーグをなくしたことだろう。もともと低価格ランチ販売のためのコスト低減策が、合挽ハンバーグの導入意図だったはずだ。オペレーション的にも牛肉100%と合挽の二種類を準備することは負荷が大きい。それでも500円ランチを維持するために無理して行っていた。
だから、値上げを期に肉の一本化を図るのは意味がある。ただ、そこに残るのは熱烈なランチの合挽肉ハンバーグファンがいたかどうかだ。
ランチではしばらくの間、お安い合挽肉とちょっとお高い牛肉100%を選べるようにしていた。その間にじっくりと合挽肉ファンの存在量を確かめていたのだろう。合挽肉ハンバーグより高くても牛肉100%という選択が多かったのではないかと推察している。お安い合挽肉はドロップしても大丈夫そうだという見極めをつけて、ハンバーグの一本化に踏み切ったようだ。
評論をするもの、論評をするものにはこの辺りをもう少し見極めてほしいものだ。
ネットで散見する少数の文句に注目するのではなく、沈黙を守る常連客(主力客)の表に出てこない意見をどうやって見つけ出すか。そこに経営の力量が試される「ビジネス遂行力」があると思うのだがなあ。
論評者の経営体験やビジネス経験がそんなことから透けて見える。まともなことを書くためにも、サイゼリヤに行って値上がりしたハンバーグを実食した上で、あれこれ推論してほしいものだ。ちなみに、ドロップした商品の大半は安売りのために「見せもの」として並べていたサイドアイテムだ。また、それとは逆にサイゼイリヤとしては非常に高価格帯にあり、プライスラインとして異質だったものの排除もおこなっている。だから、主力商品の出し入れをしたのはランチ専用のハンバーグだけだったといっても良い。
それよりも注目すべきは、オペレーションの改善にある。営業利益改善の最大ポイントは、会計処理のセルフ化によるホールオペレーションの効率化にあるずなのだ。人員採用不足が引き起こす最大の課題を機械化で解決した。(会計は実に時間がかかるし、客の不満を起こしやすい)
セルフレジ導入はあれこれ試行錯誤は必要だが、従業員の効率化にとっては最大の業務改革になる。店舗の現場を見ていない評論だというのがバレバレだなと、とってもお得なミックスグリルを食べながら思っておりました。
































