ソロキャンあれこれ

キャンプで安眠を求めて

シートとサイドのポール このポールを両脇に差し込み固定する

キャンプ泊をする時に安眠の手段を手に入れるのは、焚き火の次くらいに重要なことだ。基本的にはテントで寝る時は地べたに寝ることになる。だいたいの季節は地面が冷たく、湿気も多いので防寒防湿対策が必要だ。テントの底面下にグランドシートという防湿物を敷く。テントの床面には通称銀マットとよばれるアルミコーティングしたウレタンシートを敷いたり、マットレスを使う。マットレスは防湿以上に防温性が重要で、おまけにクッション性も要素として加わる。
このマットレスとの相性はなかなか難しいもので、いくつかの製品を試すことになる。ただ結果としては、気にいるものが見つからなかった。厚さが10cmを超えるマットにすればかなり快適になると思うが、持ち歩く時の大きさが問題だった。車で運ぶにしても丸めた直径が50cmを超えるとなれば、これはもうほぼ布団だろう。(重量は諦めてマットの二段重ねも試してみたが、これはなかなか調子が良かった)
そこで考えたのが簡易型ベットであるコットだ。これであれば足の高さの分だけ地面と離れるから防湿性は高いはずだし、寝心地も良いだろう。
だが、最初に買ったコットは携帯性の高いものを選んだのが裏目に出て、組み立てることが難しい。特に足をはめる段階で一人では組み立てるのが難しいほど力が必要だった。そこで組み立てやすさに重点を置いてみつけたのがワークマン製品だ。
米国軍放出品があればそれでも良いかなと思ったが、手近なところでは見つからなかった。自衛隊放出品も探せばどこかにありそうだが、官給品だから、存在するとしても横流しの危ない品物かもしれないしと諦めた。ただ、自衛隊だと簡易式ではない金属ベッドだけかもしれないなあ。

まず組み立てだが、シートの両脇にポールを差し込み固定する。最初に買ったコットは、このシートとポールの固定が大変だった。ポールがはみ出てこないように、入り口穴の形状が袋状になっているのだが、その部分が固定するのにテクニックが必要だった。
ワークマン製品はそこが改良されている。開口部の穴を広げる紐がついていて、それを引っ張りながらポールを押し込むと、固定できるようになっている。道具は進化するものだ。ちなみにワークマンの宣伝文句が「声のする方に進化する」なので、まさにその通りの使いやすさ向上が図られているということだろう。素直に「えらい」と言いたい。
他社製品で最大の難関だった足の固定だが、他社製品はポールに空いた穴の向きを下に揃えて、シートに目一杯貼りを持たせた上で(これが大変むずかしい)、穴に足の金具を差し込むという方式だった。
こちらのワークマン製品は、金具を片方のポールに差し込んだ後(位置を揃える必要はない)、シートを引き気味にしてハンドル付き(てこの原理で金具をボールに押し込む形式)金具をセットする。ちょっとコツがいるが、比較的力を使わずにセットできた。これが最大の改良点だろう。
足の高さは金具の基礎部分に脚部金具を差し替えることで高低二段に変えることができる。これは実に簡単だ。

慣れれば5分程度で組み立てることができる簡単設置仕様に仕上がっている。シートはパンパンに張っているので、寝心地は快適だった。昼寝に使うのであれば申し分ない。夜になってテントの中で使った経験で言うと、やはりちょっとシートが硬い。寝返りをうてる幅はギリギリあるので、寝心地改善には薄手のキャンプ用マットレスを敷くと良いのかもしれない。今回は気温が高く寝袋も使わなかったからクッション性が皆無だった。冬場には厚手のシュラフと防寒マットなどを使うと快適に寝られるような気がする。
冬が来るまでは、昼寝専用になりそうだが、屋外用ベッドとしては優秀と言うしかない。やはりキャンプ道具は使ってみないとわからないことが多いが、快眠性追求マニアとしては、もう少しあれこれ試してみたい気もする。次はお値段のお高い簡易ベッドを買ってみるかなあ。でも、寝心地以上に値段で後悔しそうな気もするし、そもそもそんなにキャンプ行くのかも……………

ソロキャンあれこれ

焚き火飯 2号

夕方になり焚き火飯の2号に取り掛かった。こちらは最近ネットで見つけた簡単レシピーの完コピで全くオリジナリティーはない。ただ、自宅のキッチンで調理すると何となくすごい匂いが出るのではないかと、野遊びがてらお外で料理することにした。

材料は挽肉とニンニクのみ。挽肉は豚でも牛でも良いのだろうが(そこはレシピーの確認をしていなかった)、今回は牛豚合挽きを使ってみた。肉の量は自分の腹具合に合わせて決めれば良い。今回は300g弱のパックを買ってきた。

このひき肉をスプーンで上からぎゅうぎゅうと押す。飽きるほど押す。これでもかと押す。高さが半分くらいになるように押す。以上だ。

押した肉の上に適当なスパイスをかける。今回は左半分が塩コショウで、右半分は鳥取砂丘スパイスにしてみた。好みでハーブをかけたり、モンゴルのピンク岩塩を使っても良いだろう。

鉄板に油を入れてニンニクの薄切りを茶色になるまで炒める。ガーリックオイルが出来上がったところで、焦げたニンニクは取り出す。後から調味料にする。

押し固めたひき肉を鉄板で焼く。ものすごい量の油が出てきたので、ティッシュペーパーで油を吸い取った。鉄板の淵から溢れそうな具合だったから、ひき肉をは半分以上が脂身なのだなと改めて感じる。

裏面に火が通ったところでひっくり返す。またしばらく焼く、出てきた油をティッシュで拭い去る。ただし全量は取らないのが大事だ。焼いているというより、揚げていると言いたくなるほどの油だった。

調味料としてオリーブオイル少々、甘口醤油、日本酒、砂糖を肉を取り出した脂の中に放り込み、甘辛ソースを作る。

その甘辛ソースを肉にかけて調理終了。つなぎが何も入っていないひき肉なので、多少ボソボソした食感だが、肉を食っているという感じは強い。肉を切り取るのにナイフはいらない。箸でちょっと強く押せば、適当な塊に切り分けられる。手抜きなステーキというか、インチキな焼き肉というか。それでも肉を食べている感は強い。
大きめの塊を、先に揚げておいたガーリップチップと合わせて口いっぱいに頬張る。いや、肉だ、まさに肉を食っている、という気分になる。ただ、ステーキ肉のような塊肉感は全くないから、人類の歴史に存在した「原始人の骨付き肉」的な満足感はない。純粋に肉感を楽しむのであれば、合挽き肉ではなく牛肉、あるいは豚肉のひき肉の方が良さそうだ。
どちらにしても、肉で腹がいっぱいになる膨満感というか飽食感がお手軽に得られるのは間違いない。この脂身たっぷりのひき肉を食べ切ると、米の飯の入る隙間はない。この肉を焼きながらメスティンで炊いていたくるみご飯は、そっくり次の日の朝食へと先送りされた。肉を食いすぎて、当分は肉料理はいらないなと思う程には満足した。
ただ、これはやはり焚き火飯というか野外調理が向いているようだ。室内で焼くと、脂の匂いがこもってしまいそうだし、それを避けるためにフライパンで蓋をして加熱すると、何やら別物の蒸し料理になる感じがする。乱暴な料理は屋外で、がよろしいかと思います。

ソロキャンあれこれ

焚き火飯 1号

小型の焚き火台は暖房器具というより調理器具といった趣がある。調理加熱用の便利な道具はたくさんあるのに、わざわざ面倒くさい使い勝手の悪い焚き火で調理をしたがるのか。これはキャンプ愛好者の中で大きく趣味が別れ、かつ決定的な価値観の差だ。(だいぶ偉そうだが)
個人的には、ガスコンロなどを使ってチャチャっと料理をするのが好みだが、そこはソロキャンプの宣教師である〇〇〇先生に従って、焚き火飯がキャンプの醍醐味だとしておく。
当然、微妙な火加減などできるはずがないので、仕立て上げるものはワイルドなメニューになる。

アスパラのベーコン巻きならぬ、岩下の新生姜の豚バラ巻きを再び挑戦することにした。これは以前も作ってみたが、その時は豚バラ肉の切り身が短すぎて、巻き方がうまくいかず潰れただんご状になってしまった。そこを改善するべく、今回は長いバラ肉を選んできた。バラ肉の産地などにはこだわらないのだが、この肉はスペイン産だった。ヨーロッパ産の豚肉といえばデンマーク産と決めつけていたが、産地が広がっているようだ。世界の物流が元に戻ってきているのかもしれない。

生姜を適当な細さに切り分け、それを並べて豚バラで巻くだけなので作業は簡単に終わる。生姜と豚肉の量はほぼほぼバランスしていたが、ちょっと余ったバラ肉は後から焼きそばの具材にすることにした。

薪の火が多少落ち着いて熾火になったあたりで、鉄板を使い一気に焼き始めた。バラ肉のためか予想外に油が出てきて、焼いているというより揚げている感じがしてきたので、ティッシュペーパーで油を吸い取る。その作業中にティッシュペーパーに火がついて慌ててしまったが、そのまま薪の上に突っ込んで燃やしてしまった。この辺りが焚き火調理の鷹揚と言うかいい加減さだ。
自宅のキッチンで調理中に火が出たら相当に慌てるだろうと思うが、野外では他に火がつくものもないし、そこらへんに火がついた紙を投げ出してしまっても、踏み消してしまえば良い。とにかく、そこまで大ごとになることもなく、発火処理は無事に終了した。

焼き上った豚バラ生姜巻きは軽く塩胡椒をしただけなので、つけダレとして北海道が誇る豚しゃぶのタレを使うことにした。これは、北海道限定で販売されている商品で、原型はジンギスカンのタレだ。ジンギスカンのタレ風のしゃぶしゃぶアレンジという感じで、脂の多い豚しゃぶにはよく合う。北海道ではラム肉のしゃぶしゃぶもよく食べられているが、このタレとの相性は豚肉よりラムシャブの方が良い。
東京周辺で好まれる牛しゃぶにはあまり相性が良くない気がする。だから、しゃぶしゃぶ食べ放題の店に行っても、そしてそこに十種類以上のタレがあっても、この「醤油味スパイス系」は見当たらない。北海道限定販売であっても、北海道に行くたびに、二、三本ほど現地調達してくるので家で使うには不自由はしない。
ただ、10年以上前のジンギスカンブーム以来、首都圏であればどこのスーパーでもジンギスカンのタレは買えるようになったが、このシャブタレはお目にかかることがない。次はラムしゃぶしゃぶが流行して、このしゃぶタレブームが訪れてくれないものだろうか。簡単に手に入るようになると良いなと思っている。
ちなみに首都圏各所にある北海道ショップでは、このしゃぶしゃぶタレを置いていないところが大半で、おまけに置いてある店でも季節商品だから、手に入れるのはなかなか難しい。
もし見かけることがあれば、一本調達するのをお勧めします。

ソロキャンあれこれ

塩と焚き火の因果関係は深い

高知の友人から紹介されてご一緒した、中土佐町の塩職人?からのいただきもの「天日塩」で、焼き肉を食べたいと思い、焚き火で肉を焼くことにした。天日塩とは海水をお日様に当てて乾燥させるものだそうで、大鍋に入れた塩水を火を使い水分を蒸発させて作るのではないため、塩の結晶の粒が大きい。
その塩の結晶をそのまま齧ってみると、塩以外の成分が微妙な味付けをしていて、旨味や甘みを感じる。まさに自然の恵みという言葉がぴったりくる。細かいサラサラした塩化ナトリウム粒ではなく、旨みを感じる「旨塩」というべきだろう。
その天日塩は3種類があり、赤い袋は肉用だと聞かされた。肉用塩の違いは説明を受けて、その時は納得していたのだが、今では思い出せないのが残念だ。それでも、肉と合わせて食べて美味ければそれで良いだろうと開き直って試食開始だ。
単純に塩だけで食べるのであれば、安い輸入牛肉で赤身肉が良いなと思った。いつもであればオーストラリア産牛肉にするところだが、今回はちょっとお高いカナダ産牛肉にしてみた。

焚き火を始めてしばらく時間が経ち、薪が熾火に変わった頃、網焼きで肉を焼いた。そこにバラバラと赤い袋の天日塩をかけた。肉を大きめに切って頬ばる。いや、とてつもなく美味い。焼いた肉と塩だけでこんなにうまいものができるとはと感激した。
確かに、焚き火の効果もあるだろう。肉に軽く煙の匂いがついている。オキになって安定した火だから遠赤外線による効果もあるだろう。何より、肉の上で半分溶けかかった塩の結晶が、ガリっとくる歯触りが良い。
肉を切っては焼きながら、噛み締める。切って、焼いて、喰らう。その繰り返しだ。おそらくこれこそが、文明が始まる前から人類が楽しんで来た、先祖返りに近い原始のグルメだなと思う。火と塩と肉と、それがあれば荒野で人類は生き延びることができたのだ、などと軽く酔いの回った頭で感動していた。
キャンプ向けに色々な塩入スパイスが発売されているが、スパイスなしの塩だけで楽しむのも良いものだ。次は、天日塩標準版である「白い袋」の塩で焼き魚を楽しんでみようと思った。

もう一つの塩も試してみた。これは東京都目黒区にある会社が発売している「燻製塩」で、その粒度は実に細かい。いわゆるサラサラの塩だ。そのサラサラした塩に煙の匂いがついている。その燻製塩を、まだ凍っている冷凍枝豆にかける。しばし放置して、半解凍くらいになったかなというタイミングで食す。
枝豆の皮が燻製香に覆われて、実に美味なのだ。これぞお手軽クッキング(調理していないが)の至高レベルだと自負している。こだわるのであれば、冷凍枝豆は多少値段を張るものにして、「茶豆」にするのが良い。枝豆はスーパー各チェーンでNB・PB 色々発売されている。その冷凍枝豆を散々に食べ比べた結果を独断と偏見でのべると、一番のおすすめはCGCの茶豆だ。(個人的な感想です)
そして、茶豆を食べながら晩飯の用意をした。塩で肉を食らう時の必需品、米を炊く。

一人用の飯を炊くには、メスティンが便利だ。熱伝導が良いせいなのか、米を炊いてもおこげにならない。コメにこだわりはないが、無洗米にするのが便利だ。無洗米は事前に水につけておく時間を長めにとればふっくらと炊き上がる。パエリアのような炒めた後に茹で上げるコメ料理にも向いているのでキャンプ向き食材だ。
火にかけてしばらくすると、蓋の隙間から米汁がぶくぶくと沸騰して溢れてきたら火を弱めぶくぶくが止まったらメスティンに耳を近づける。パチパチ音がしたら火を止める。そのまま15分ほど放置する。以上でメスティン飯の炊き方だ。これも、ほぼ究極の手抜きメニューだと思うが、うまいものは美味い。

ちなみに、今回は白飯ではなく炊き込み飯風にアレンジした。金沢で買った能登のエビ塩をスプーン一杯ほど炊く前の米に投入する。フライパンで塩胡椒で炒めた鶏肉をその上に適当に乗せる。以上で仕込み完了。
炊き上がったら、上から白胡麻をたっぷりかける。エビの出汁が効いた白飯に鶏肉の旨みが混じる。いわば魚介と肉のWスープ状態で、米が抜群に上手くなる。炊き上がった米の上に乗っかっている鶏肉をつまみ、スパイスを追いがけして食べれば、これは絶好の酒の肴だ。名古屋が誇る味噌ソース「つけてみそ、かけてみそ」をかけて鳥味噌仕立てにするのも「あり」だろう。
焚き火飯のうまさは、こんなふうにシンプルかつ手抜きで美味いものを食べられることにある…………と思うのです。

ソロキャンあれこれ

調味料もお試し あれこれ

一番右の木製テーブルは、ソロキャンプ(車移動)であればちょうど良い。木製なので鍋底などが熱いと、直接置いた時に焦げができる。ただ、それを避けるには100円均一店で買った木製鍋敷で十分だ。10秒で折りたためるお手軽さは抜群の使いよさだ。
左側にある二つの金属製組立てテーブルは、徒歩キャンプに行く時には軽量小型なので重宝する。場合によって木製と金属製テーブルを使い分けるのが良いだろう。特に、オートキャンプ場でサイトまで車が乗り入れられる場合は大型道具も気にならないが、駐車場からサイトまで歩いて荷物を運ぶような時はコンパクトな方が良い。
お試しで持ってきたテーブルを3個並べて、あれこれ使い道を検討していた。そして、これまた冬の間に買っていたスパイスなどの調味料をお試しすることにした。

ケイジャンスパイスはキャンプでの焼肉に万能調味料だと思っていたが、最近のキャンプブームであちこちから焼肉用スパイスが開発発売されている。宮崎のマキシ〇〇は、ステーキ用スパイスとしても有名だが、焚き火焼肉にも向いている。
その焼肉用スパイス・ブレンドで新しく見つけたのが、その名も砂丘スパイスで、名前通りに鳥取県発の製品だ。これを肉にかけて焼くのではなく、焼いた肉につけて食べてみようと思った。
個人的には大好きな熊本県産「馬刺ししょうゆ」も焚き火焼肉に外せない重要メンバーだ。これを初めて熊本で見つけたときはずいぶんと驚いた。こくというか甘さというか、自分の中にある「醤油」のイメージが変わってしまった。
今では自宅に常備する九州系醤油の筆頭だ。銀座の熊本県アンテナショップで安定的に調達できるのも嬉しい。ちなみに砂丘スパイスは新橋にある鳥取・岡山県アンテナショップで発見したものだ。

ステンの仕切り皿はB-palの付録についてきたもので、ちょっとおしゃれかも………

ケイジャンスパイスをまぶして馴染ませてから焼いた鶏もも肉は、それだけでかなり塩辛いのだが、あえてそれに馬刺し醤油と砂丘スパイスをつけて食べてみた。砂丘スパイスは予想外にマイルドだったが、砂丘の味というのはイメージしにくい。ひょっとして、スパイスの顆粒を砂丘の砂に見立てているのではないかな、などと勘ぐってしまった。鳥取県では「すなばこーひー」という前例もあるし………  試してみた結果としては、普通にうまい肉用スパイスだと思う。クセの強さで言えば宮﨑マキシ〇〇の方がはるかに強いので、やはり自分の定義としては「マイルド系スパイス」できれば春秋用といった感じか。夏は、もっとガツンと辛くてヘビーな方が良さそうだ。

燻製塩は自作もできるが、お手軽に購入するので十分

冷凍の茶豆(枝豆)は、我がソロキャンプには絶対定番のお供だが、今回は埼玉県ローカルスーパーチェーン・ベルクのPB「茶豆」をゲットした。大手スーパーでは枝豆、茶豆の袋はずいぶんと大型パックのものが多いようだが、ベルクの枝豆はその半分くらいと小ぶりなサイズだ。キャンプで食べ切るにはちょうど良い。
冷凍の枝豆を皿に開けて半解凍状態にしたところで、必殺「燻製塩」をパラパラかける。この燻製塩は、コロナの間すっかり見かけなくなっていたものだが、たまたまデパ地下で発見した。その後、都会のカルディーでも見つけたので、本格的に販売が再開されたのだろう。巷では枝豆の燻製がよくみかけるメニューになっているが、これは燻製枝豆をお手軽に実現できる便利商品だ。
パッケージの色が変わってイメージチェンジしたみたいだが、燻製香は以前と比べておとなしくなった感じもする。燻製好きであれば少し多めにかけると良さそうだ。
キャンプ飯はアウトドア雑誌に載っているダッチオーブンを使った本格料理みたいなものを目指す方も多いのだろうが、マイスタイルとしてはお手軽で非日常的な「ゆで卵の燻製」とか「フライパンで作るなんちゃってベーコン」とか「冷凍ポテトを焼いてケチャップとフライドオニオンとフライドガーリックをかけたもの」で十分だ。
色々なスパイスミックスを買ってきて味変すれば、併存な素材でも一気に野外のご馳走に変身する。食べるのは自分だけなので、自己満足さえ出来れば十分にゴージャスな料理なのであります。だから、馬刺ししょうゆとマヨネーズで生ハムを食べる、なんていうのが最高なんだなあ。

ソロキャンあれこれ

市街地キャンプ場の楽しみ方

Amazonのテントは、お手軽遊び向けでコスパ良し

NHK-BSの番組に、テントを背負って………という番組がある。大きめのリュックサックを背負って、山や海に出かける。歩いて、泊まって、翌日はまた歩く。テントの横で、簡易調理をした夕食を食べる。それだけのシンプルな構成だ。野遊び好きな人には、過不足ない満足を与えるだろう。ただ、こちらは野遊びというか、野山を歩き回りはしないノン・トレッキング派なので「いやいや、この寒い時に雪の野原を歩くとは……」とか、「低い山とは言え3時間もかけて登るのか………」などと、お気楽な感想を抱くだけな自堕落ぶりだ。
その番組内で気になっているのは登場するアウトドアギアで、NHK番組だけありブランド名がはっきりとは露出しない。そのブランド名のチラリズムを楽しんでいる。だから、わざわざ録画して何度も再生し、テントのブランド名やガスストーブのメーカー名を見つけ出しては喜んでいる。
何が言いたいかというと、アウトドアギアではブランド名が命だ(大袈裟だが)と思っているからだ。ただ、それは冬山登山のような命に関わる環境でサバイバルする時に必要な機能で、いつも遊びに行っている都市近郊のお手軽キャンプ場では全くオーバースペックというしかない。100円ショップで売っているアウトドア用具は、その点でなんちゃってキャンプにはちょうど良い仕様だと考えている。

ダイソーフライパンは、お手軽ャンプ向けにとてもおすすめ品

ダイソーで売っていた300円のアウトドア用フライパンは、まさにその典型というべき代物で、フライパンというより縁に高さがついた円形鉄板といったものだが、一人で焼肉をするには重宝する。カセットコンロに乗せるとちょっと小さいので滑りやすいが、下敷きに網を置けば全く問題はない。
何より、焚き火の上に乗せて乱暴に扱うには、お値段の安さもあり抜群にコスパが良い道具だ。付属の持ち手では短すぎて、焚き火調理には不向きだが、そこは火挟みやバーベキュー用トングを使えば難なくクリアできる。
昔々ダイソーで買った鉄のフライパンと合わせて使えば、お高いチタン製調理道具など目ではない。何度か使えば、全体にしっかり焼きが入って黒くなることを期待しているのだが、その前にサビが出てくるかもしれないなあ。

夜になると気温が下がる春先キャンプなので、焚き火で湯を沸かし熱燗にしようと持ってきたのが、ワンカップの日本酒だ。全国ブランドのワンカップはスーパーなどで簡単に手に入るが、ローカルメーカーのワンカップは銀座周辺のアンテナショップに行ったついでに調達してくる。飲んだことのない酒蔵の酒をお試しするにはちょうど良い。この時期であれば、まだ濁り酒も売っているので、飲み比べをしながら焚き火を続ける。
ソロキャンプは、当たり前だが誰とも話すことがないので、自分の周りは環境の音しかない。この時も、陽があるうちは鶯が鳴いていた。夕暮れになればカラスがやってきて大声で鳴いていた。知らない鳥の声も聞こえたが、それ以上に周辺を走るトラックの音が響いてくる。周りが音を遮るものが少ない平地なので、かなり遠くの幹線道路からの音が伝わってくる。
そして陽が沈むころには、鳥がネグラに帰るように、入間基地と横田基地に帰ってくる?輸送機の爆音が連続して20-30分ほど聞こえていた。あと何回かこのキャンプ場にくると、輸送機のエンジン音を覚えて機種が推定できるくらいになれそうだ。
戦前昭和の軍事オタク少年は、陸軍海軍の戦闘機、攻撃機などの機種のエンジン音が聞き分けられたそうだが、それに近い軍オタレベルに到達できそうだ。爆音で空を見上げると、頭の上に機体がはっきり見える低空飛行している。主翼とエンジンの取り付け位置すら確認できる。
だからと言って、それがキャンプに来て覚える楽しみではなさそうだが。

キャンプ場といえば、周りに人家もなく夜は真っ暗闇みたいなイメージがあるが、ここは意外と明るい。首都圏の郊外市街地キャンプ場では、都市の灯りが空一面に広がっているので、暗闇というより白夜的な明るさがある。その都市光を背景に浮かび上がる雑木林というのも、なかなか趣はあるものだが。これもキャンプ場の楽しみとはちょっと違う気も……………

ソロキャンあれこれ

グッズ試用で早春キャンプ

良くも悪くもAmazon品質 コスパは良いが、登山などには向かないような………

春めいてきて気温が上がった日に、のこのことキャンプに出掛けてきた。家から車で20分ほどの近場キャンプ場だが、平日は空いている。週末は予約が取れないほどの混雑ぶりらしいが、平日であれば翌日の天気を見て予約をすることもできる。当然雨の日は避けるので、タープなどの大道具は必要ない。
冬場に手に入れていたいくつかの道具のお試しも兼ねてのお気楽キャンプだったが、花粉飛散はピークを迎えているので、アウトドアには全く向いていない季節だという自覚はある。薬を用意して野外に行くというのも何だか変な話なのだが。
さて、Amazonのタイムセールで手に入れた1-2人用テントは、お値段がワークマン並みでお手軽なものだが、作りは普通で廉価版製品にありがちなチープさはない。(厳密にいえば細部のこだわりはないのだが)ただ、山登りのような厳しい環境で使用することは個人的に全くあり得ないので、これで十分だろう。今回は初めて組み立てたのでちょっと手間取ったが、テントとしては基本的な構成なので、次回以降は15分もあれば設営完了だろう。
翌日になってバラす時に気がついたが、前室あたりの結露が強い。通常であればフライ天井部分が結露の多い箇所だが、ベンチレーションの穴が空いているせいで、天井の結露はほぼない。これは、撤収時の乾燥工程が早いのでありがたい。
風も吹いていないのでペグだけ打って、ロープは張らずじまいだった。形が歪んで見えるのはそのためだ。二人寝るスペースはあるが、それを一人で使えば荷物を置くのにも困らず、天井部分が高いので閉塞感もない。携帯時のサイズもそれなりの大きさだが、車移動であれば気にならない。

キャンプ用のテーブルは組み立て式でコンパクトになっているものも多いが、値段がずいぶんなのだ。山登り用のヘビーデューティーな性能は必要ないので、ホームセンターなどでお手軽価格なものを探すと、これがまた結構簡単に壊れてしまったりする。そんなこともあり、ガーデニング用の木製折りたたみテーブルを使っていたが、ワークマンの製品が年式落ちで処分セールになっていたのでハイ・ローテーブルを一つずつ買ってみた。
大きさ、強度は十分だし、天板が金属製なので鍋などの熱いものも置ける便利さだ。組み立ては、慣れればどちらも5分はかからないだろう。ただ、個人的な感想を言えば、ローテーブルはニトリのキッチン棚(大)のステンレスフレームの方が、組み立ても簡単だし軽いので使い勝手は良いような気がする。今年のワークマン新作はなかなか良さげだが、今更テーブル入らないし。これで10年は十分に使えそうだ。良い買い物をした。

焚き火をすると予想を遥かに超える便利さだった。 魚も焼けそうだ。

某BSのキャンプ番組で毎回お馴染みの焚き火台、海外ブランドのピコ〇〇〇のインスパイア製品(コピー品は大陸製でたくさんあるが、バリ取りなどの仕上げの問題があり手を出したくない)を手に入れた。これもAmazonでは人気の商品で、タイムセールで一割引だった。Amazonのタイムセールで一割引というのは、相当強気の売り方だが、日本メーカーなのでとりあえず信頼して買ってみた。
インスアイア元の製品より重量が重いが、それ以外は見た目も似ている。焚き火台は何度か使っていると金属板が熱変性したりするので、耐久性を確認するには時間がかかる。が、値段が元製品の半分以下ということもあり、ダメになったら買い替えるくらいの気持ちで良いだろう。収納袋に収めると、A3サイズより若干小さくて、厚めのダンボール程度の幅になる。コンパクトで大変便利だ。
薪を燃やしてみても、とてよく燃える。板に開いている穴が通気口として活躍しているようだった。焚き火台の上に乗せているのはシーズニング作業中の鉄板だが、フレームに鉄板2枚乗せても強度的に全く問題ない。これは良いお買い物だった。今使っている、大型の風呂敷みたいな焚き火台はしばらく物置の中にしまっておくことになりそうだ。

かなり大型サイズでファミリー向けという感じ。 かっこいいなあ。

そんな道具のお試し実験をやっていると、隣に立派なテントが設営されていた。テントから煙突が出ているので、中ではストーブが使われているのだろう。テントから出てきたおとなりさんは半袖のTシャツ姿だったから、中は南国気分なのかもしれない。いやはや、贅沢なキャンプだ。設営はちょっと時間がかかっているようだったが、翌朝の撤収は予想外の速さでびっくりした。
ワンポールテントで、ストーブがあれば冬キャンプも問題ない。ちょっと羨ましくなったが、この手の物欲に負けると、またあれこれ大変なことになるので、見なかったことにしておこう。 と言いながら、家に帰ってきて一人用ワンポールテントをAmazonで検索していました。

ソロキャンあれこれ, 街を歩く

ソロキャンプ 何をする?

ソロキャンプの何が楽しみかというと、誰にも気を使わずに自分のしたい事をする。それに尽きる。それが料理であれ、昼寝であれ、誰にも何も強制されないことが重要だ。ファミリーキャンプとの違いは、あるいは友人とのキャンプと異なるのは、その「一人でわがまま」できることにある。
そして、自分がしたい事と言えば一択で「焚き火」になる。火遊びといっても良い。3時間でも4時間でもただただ薪を燃やし続ける。それだけだ。
ただ、陽が落ちて暗くなってくると、焚き火の灯りしかない暗闇の中で、ヒト族が原始の時代に刷り込まれた「火の記憶」が戻ってくる気がする。ひ弱だったヒト族が強靭な捕食動物から逃れる術、「火」を手に入れた。そんな時代の記憶がDNAに刷り込まれているのではないか、などと焚き火をしながら考えている。

その焚き火の脇に置くか細い照明がオイルランプだ。現在のキャンプギアであれば、もっと明るい照明はたくさんある。LEDライトなどは簡便でかつ明るい。ただ、照度の足りないオイルランプの、揺らぐ灯りが焚き火によくあう。生理的に心地良い。このあたりはソロキャンプ達人の受け売りに近いが、楽しみ方は達人から学ぶのが一番効率良い。遠慮なく真似をさせてもらう。

シンプルなキャンプギアしか持っていかない

カセットコンロはキャンプギアとしては邪道のような気もするが、防災用にやたらと買い込んだカセットボンベが余っているので、スタイルなど拘らずに使っている。登山用のプロ仕様ギアに憧れたこともあり、コンパクトなガスストーブも道具としては持っているのだが、あまり使う気にならない。徒歩でキャンプに行くのであれば、ガスストーブも小型化を考えるのだが、車で行くお気楽キャンプしかしないので、最近は埃をかぶっている。
あとは、焚き火台とガス照明がキャンプギアの全て。簡素というか怠慢というか、道具にこだわりがないというか。

100均ショップで買った簡易型のボール(鍋ではないと商品説明には書いてある)で湯を沸かし、カップ酒を温める。ソロキャンプを楽しむのには、これだけあれば十分だ。こった料理をする気もしない。この日は、小型のスキレットで作ったコンビーフのアヒージョと、魚肉ソーセージをケチャップで炒めたものでおしまい。翌日の朝は、その残りをパンに挟んでホットサンドにした。コーヒーもドリッパーなど持っていかない。瓶入りインスタントコーヒーで十分と思うようになった。

もう少し幅が広ければ、80年代SFの傑作、リングワールドに見えるかもしれない。

サイトの上に荒川を渡る歩行者専用の橋がかかっていた。橋を下から見上げていると、「荒川アンダーザブリッジ」を思い出した。あの物語に出てくる、元気なホームレス住人になったような気がしてきた。確かにキャンプをしているつもりではあるが、周りから見るとホームレスぐらしとほとんど同じことをしているような気もする。
このキャンプ場も荒川沿いにあるから、「荒川」アンダーザブリッジという意味では同じだ。キャンプ場があるのは、荒川でも相当な上流に当たるが、荒川を流れ流れていけば東京と埼玉の境目くらいで、あの物語の場所にたどり着く。「荒川上流アンダーtheブリッジ」と「荒川下流アンダーtheブリッジ」みたいな違いしかないなと笑ってしまった。

日が暮れると、たかが歩道橋なのに、なにやら切ない景色に見えてくる。写真には写っていないが、背景には綺麗な星空が広がっている。そして、反対側の川岸には秩父鉄道が通っているので、列車が通過する音が聞こえてくる。都会であれば騒音にしか聞こえない通過音が、妙に心地よく聞こえてきたりするのが不思議だ。

キャンプ場の受付はハロウィーンの飾り付けでお出迎えだった。いつの間にかすっかり定着したハロウィーンだが、キャンプ場にお化けが出るとは思わなかったなあ。

ハロウィーンの後は、一気に冬キャンプになるのだが、この日からライトアップが始まったようだった。自分のサイトで焚き火の準備をしていた時に、工事の人たちがトラックでやってきてなにやら作業をしていた。木の伐採でもしているのかと思っていたが、ライトを設置していたらしい。

これはこれで綺麗なものだが、夜でも明るいキャンプ場というのは不思議な気がする。アウトドアは自然のままの暗闇を楽しむものだと思っていたが、どうやら最近のアウトドアは外で「明るい文明」を楽しむようだ。それも時代の変わり目に立ち会っていると思えば、一緒に楽しむべきだろう。おそらくクリスマスや大晦日も、ここは結構賑わうのだなと気がついた。

秩父には、今風のファッショナブルで楽しいキャン場もあれば、昭和中期で時間が止まったようなワイルドキャンプ場もあるようなので、次回はワイルド路線を楽しんでみようか。ワイルド路線は得意のつもりだが、課題はトイレだろうなあ……………

ソロキャンあれこれ

長瀞でソロキャンプ

今は空前のキャンプブームだという。確かに週末のキャンプ場はどこでも満員で予約を取るのも難しい。が、コロナの終息というか一般化が進んできたせいか、「おそと」で密集を避けて遊ぶというのは、トレンド落ちしてきているらしい。すでにアウトドア用品(キャンプ用品)業界では売上減少が始まっている。おそらく今年の冬から秋にかけて、ほとんど未使用のアウトドアギアがリサイクル店にどっと放出されるだろうという読みをしている。
人は易きに流れるものだし、自分で色々と支度をしたりするキャンプより、上げ膳据え膳の温泉旅行の方に人気が戻りそうな気がするからだ。ただ、それが嫌だとか困るとかいうつもりもない。晴れた日にはソロキャンプという、我が趣味の世界を楽しめるようになるのありがたい。

夏の終わりというタイミングで、秩父にあるキャンプ場に行ってきた。比較的サイト数の多い川沿いのキャンプ場だが、平日であれば利用客も少ない。(ちなみに土日は全く予約が取れない)
川沿いサイトが人気なので、そちら側には5組ほどがテントを貼っていた。ただ、どの組も男一人のソロキャンプだった。自分のことをすっかり棚に上げ、この男だけの世界は「人類絶滅後の生き残り難民」みたいだなと笑ってしまった。
もう一つすごいなと思ったのだが、こっそり周りのサイトを観察してみると、ソロキャンプなのに重装備なことだ。なんだか、荷物の積み下ろしだけで1時間以上かかりそうだ。テントを貼るにも、あんなに大きなテントとタープとなると……………やはりソロキャンプというのは、買いまくったキャンプギアの展示会みたいなことをしたいのだろうと納得した。

さて、自分のサイト周りだが、そもそも車中泊の延長でキャンプを考えているので道具は少ない。テントは一人用で中にはマットと寝袋だけ。照明は電池式LEDという明るくて便利なものができたから簡素にできる。
折りたたみ式の椅子もローチェアという小型化が進んでいて、あとは焚き台と小物を置く折りたたみテーブルがあれば十分だ。オイルランタンはテレビで見て欲しくなったので通販で買った。昔使っていたコールマンのガソリンランタンは明るさが取り柄だったが、それも子供連れファミリーキャンプだから必要だった。今ではソロキャンなので明るさはそこそこで良い。
一人バーベキューなどもしないので、調理器具は家で使わなくなったカセットコンロがあれば十分だと思っている。もっとシンプルにするのであれば、100円ショップで買ったアルコールランプか固形燃料でことたりる。
暇つぶしには読みかけの文庫本一冊とBT接続できるスピーカーがあれば十分だ。(これでスマホに入れたお気に入りの楽曲をBTで飛ばして聴くことができる)
焚き火台の横にある銀色の筒は100円ショップで買った火付け器だが、この中へ周りに落ちている枯れ葉を放り込みひをつける。簡単にたきびの火種ができる。予想以上に便利で役立つ道具だった。ただし、すぐに壊れそうなので、戻ってから追加で買ってきた。

夕方になり焚き火を始めた。これがやりたくてソロキャンに来ている。最近では自宅で焚き火をするなど考えられない時代になったから仕方がない。昔からキャンプでは焚き火をするのが楽しみだったが、最近は焚き火が目的になっている。
ただただ薪を燃やすだけで一晩が終わる。そんな時間が楽しい、という人は多いようでネットでは「焚き火」を目的にキャンプ場を選ぶこともできるようになっている。

夜になり暗くなると、ちょっと多めに薪を投入し炎を大きくしてみる。おー、ファイヤーだ、と実感できるのが嬉しい。夏であれば、これはちょっと暑すぎませんかという気分になるのだろうが、秋ともなれば夜の焚き火で暖を取るのが本望というものだろう。

薪がすっかりおき火になった状態で、これまた100円ショプで買ってきた足つきの網を載せる。ここで、事前に密封袋に入れて味付けをしておいた鶏肉を取り出しじっくりと焼く。夕食はすでに済ませているので、この鳥モモ焼きは家に持って帰って食べるために焼く。焼き上がりにケイジャンスパイスをたっぷりふりかけ、あら熱が取れたらラップで包みクーラーボックスに放り込む。
ソロキャンのお土産というか、次の日の肴を仕上げるというか。長い夜を楽しむのは時間がかかるズボラ料理がよい。

ちなみにこの日の夕食はプレスサンドメーカーで焼いた生餃子で、まだ陽があるうちに焼き始めた。陽が落ちた後であたりが暗くなると焼き目を確認するのが大変だ。プレスサンドメーカーは、当然だが朝食用プレスサンド作りにも使う。その他に簡易型のフライパンや蒸し器としても使える。ソロキャンでは活用度が高い調理道具だ。
ちなみにカセットコンロが油だらけになっているのは、この直前にコンビーフのアヒージョを作ったせいで、アウトドア料理は匂いや油をあまり気にしないでできることがありがたい。

昔使っていたガスランタンを取り出してみたらまだまだ使えた。最近ではガスボンベ直結型のランタンは少なくなっているようだ。ホヤがガラスではなくステンの網で囲われたランタンもなかなかレトロで良いななどと思いながら、のんびり星を見ていた。5mも離れれば聞こえなくなるくらいの小さい音量で聴いていた楽曲は、キングトーンズのファルセットボイス。これぞソロキャンの醍醐味というものでしょう。

翌日の朝は5時起床、コーヒーを飲み陽が昇るまでしばらくボーとした後、テントをたたみ始めて1時間で撤収完了。ソロキャンはお手軽に、が大切ですねえ。

ソロキャンあれこれ

ソロキャンプ飯の作り方

ニトリのキッチン棚と100均で手に入れた鉄製フライパン(ただし20年前)と段ボール製風覆いでキャンプ飯を作ってみる。一歩間違うとホームレス的な雰囲気モデルだが、そこはあえて孤高のアウトドア飯なのだと言い張る。加熱道具は固形燃料なので調理時間は10分程度に限定される。フライパン料理としてはさくさく進めなければならない。

たっぷりとオリーブオイルをいれて温まってきたらコンビーフを缶の半分くらい放り込む。事前に缶を開け少しほぐしておくとよい。コンビーフをフライパンの上でほ炒めながら、塩胡椒、その他のスパイスを適当にバラバラ振りかける。コンビーフは塩味がついているので、まさに量は適当だ。

その後、これまた量は適当にオリーブを丸のまま放り込む。こだわるのであればオリーブは丸ではなく二、三等分しても良い。味はどちらでも変わらないような気がする。要するに炒めたオリーブを楽しむのが目的なので、さほどのこだわりもない。缶詰オリーブだから火が通るのもあまり重要ではないし・・・。

その後、1cm程度の厚みで輪切りにしたバナナを放り込む。この焼きバナナは火が通ると甘みが増す。投入前のバナナは硬めの方が焼け具合も良くてうまいと思うが、二、三日置いて茶色のスイートスポットが出てきた、柔らかかくなったバナナもおすすめだ。この場合はバナナにねっとりとした食感が出てくる。

仕上げにはフライドオニオンや型焼きそばのようなカリカリ系の食材をふりかけると、さらに美味くなる。味というより食感の違いがバナナを引き立てる。最後にスパイスや調味料でアレンジする。今回はケイジャンパウダーを使ってみたが、全国あちこちにあるステーキや焼き肉用のローカルだが有名なスパイスを使ってもうまいと思う。
まあ、失敗しても被害者は自分だけだし、食べられないほど不味くなることもない。缶詰とバナナがあれば、またちがう無敵アレンジにも挑戦できる。
ソロキャンプ飯に必要なのは、こうしたチャレンジ精神だ・・・と思う。