ソロキャンあれこれ

ハロウィーンキャンプでかぼちゃ

完成品 自画自賛だが、とてつもなくうまかった

キャンプに行っていちばんの楽しみは焚き火。野遊び=焚き火と言いたいくらいだ。その焚き火でのんびりと調理を楽しむ。最近手に入れた一人用ダッチオーブン、要は蓋付きの鉄鍋でかぼちゃを焼いて見ることにした。
たまたまハロウィーンに近い日だったこともあるが、昔あれこれお世話になった小型のかぼちゃ「坊ちゃんかぼちゃ」を手に入れたからだ。サイズがダッチオーブンにちょうど良かった。

まずは坊ちゃんかぼちゃの上部1/4くらいを切り取り、蓋がわりにする。中身・タネをくり抜いて、そこに具を入れてダッチオーブンでのんびり仕上げるという、実に怠け者向きな料理だ。テクニックは全くいらない。これぞ野遊び料理の真髄と言わずしてどうする!! とテンションだけは上げまくりだった。

ひき肉は豚肉にした。かぼちゃの甘味と合わせるには鳥より豚が良さそうだ。挽肉を醤油と砂糖で味付けをして炒めたものを、くり抜いたかぼちゃの中にぎゅうぎゅう押し込む。それをダッチオーブンに入れると、かぼちゃの直径がわずかに鍋の内側より大きいので、かぼちゃがダッチオーブンの中で宙吊り状態になる。これが良い結果になった。

かぼちゃに火が通るに従って、挽肉の具から油と醤油がかぼちゃの底部に染みこんでいく。ダッチオーブンにも多少こぼれ落ちたようで、カボチャを取り出したら鍋底にコゲができていたい。
かぼちゃが焦げ臭くなる前に火から下ろしたのは、たまたま偶然の結果オーライだったが、それでも1時間以上は火にかけていたので、タイミング的にはあまり難しくない。
かぼちゃに箸を刺してスルッと通れば出来上がりという、適当な火加減などわからなくてもなんとかなる。野遊び料理だし。
ダッチオーブンから取り出したカボチャを、スプーンで具と合わせながらホジホジして食べる。予想通り、甘辛系の挽肉がかぼちゃの甘い身と合わさって、思わずうまいと叫んだが、周りには誰もいないのでOKだ。
一人で食べ切るにはちょっと多いかなとも思ったが、ビール片手に完食してしまった。秋の夜長に熱々のダッチオーブン料理、空を見上げれば丸いお月様が…………気分はすっかりワイルドなのでありました。

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平日のソロキャンプ

最近すっかりお世話になっている近場の公園キャンプ場だが、平日はソロキャンプサイトがガラ空きなので、すっかりお馴染みになった。愛用しているといってもよいくらいだ。秩父のキャンプ場も平日は混雑するほどではないが、それなりに人は多い。ここは穴場なのだ。
この公園キャンプ場は、ワーケーション(もはや懐かしい言葉になりつつある)対応なので、ソロサイトでもWi-Fiがしっかり使える。たまたま午後にWEB会議が入っていたが、なんとテントの傍でお仕事ができてしまった。ただ、頭上を通る軍用機がうるさい時間帯だったので(午後3時くらいは在日米軍、空自の定期便がやたらと飛んでいる上に、戦闘訓練終了で基地に戻ってくるらしい練習機も多い)、音声はミュートにしたままだった。
やはり実践してみるとわかるが、ワーケーションというのは霞ヶ関あたりに生息する、頭の中だけで作戦を立てる「現実逃避型お馬鹿さん」の妄想だろう。
興味本位でワーケーション対応と名乗っている施設を見に行ってこようかとも思うが、きっと官公庁主導型の施設だから、今でも「みんな、休暇にはワーケーション施設に来てね」などという訳のわからない宣伝をしているに違いない。
それを見たら腹立たしくなりそうなので、やはり視察はしないほうがよさそうだ。

新型天幕のお試しに来た

やはり官営施設は設備が立派だ。トイレはウォシュレット対応だし、ファミリーサイトの芝はハゲチョロ状態になったりはしていない。メンテナンスも行き届いている。最近のキャンプ場では標準装備らしいが、水回りも湯沸かし付きで温水対応だ。
焚き火で遊ぶには良い季節になったので、今年はあと何回かお世話になりそうだ。ただし、ワーケーションではなく単純にお休みの日の野遊びということで。

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ソロキャンプ なぜか熱帯夜

オイルランタンの灯が照らす、何やら良さげなキャンプ風景だが

天気予報を見て、今日で暑い日は終わりと聞いた瞬間に、明日はキャンプに行こうと思い立った。そんな衝動的な行動なので、車に詰め込んだキャンプ道具を確かめることもなく、朝飯を食べたらふいっと出かけてしまった。それが間違いのもとで…………
せめて天気予報くらい見てくるべきだった。つまり天気予報はハズレで、残暑が1日のび、おまけに日中は時折り雨が降るというアクシデント発生。雨にぶち当たってスマホで天気情報を見れば、夜は熱帯夜になるらしい。あれまあな気分だ。
おまけに荷物チェックをしなかったから、椅子を忘れるという痛恨のミス。ローチェアを積んだままにしていたと思い込んでいたのだが。先月の荷物移動をした時に物置に仕舞い込んだままだった。
暑い夜であり、椅子もなくでは、焚き火をする気分も失せた。この日は焚き火なしという珍しいキャンプになってしまった。

テーブルに置いたナイフとカップの位置くらいはわかる

オイルランプの灯りは、風情があって良いのだが、何かしようと思うと照明としては全くと言っていいほど役に立たない。昔の人が、ランプで読書をしたというが、およそ信じられない。こんな夜は何もせず、静かに酒でも飲んでいるべきだろう。しかし、暑い………

肉をたっぷり食べた後で、仕込んでいた白米を炊いた。エビ塩で味付けし、乾燥たらの身をむしって炊いてみた。メスティンの飯はいつも水加減がうまくいかず、今回もパラパラな仕上がりになったが、乾燥たらの出汁が出たのか和風ピラフ風な味わいになった。狙いとは違うが、怪我の功名というやつか。エビとたらの風味がなかなか良いではないか。次回もこのバージョンの塩味飯を炊いてみようという気になる。

暑い夜なのでテントの中も寝苦しい。朝5時過ぎに明るくなるとテントを出て涼んでいた。トイレに行く時に、芝生サイトに出現した難民部落のようなテントに驚いた。
登山では、ベースになる山小屋周辺でキャンプ団地ができるという映像は見たことがあるが、都市郊外型のお手軽キャンプ場でこのテント集団はすごいなと思った。昨夜、続々と集結して宴会をしていた、アウトドアのサークルらしき人たちだった。テント泊が気にならない人であれば、こういうお泊まり宴会もありなのだろうと、改めて感心した。
ちなみに、このサイトはファミリーキャンプ用の芝生サイドで、多分3ー4個分を共用して貸切にしたものだろう。面白いものだ。ソロキャンをやるものには考えつかない荒技(笑)だ。コロナの落とし子みたいな宴会スタイル、パーティースタイルなのかもしれない。
今回も反省することと学ぶことは多かったなあ。帰って来て、すかさず椅子を車に積み込んだ。それも二脚………

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うまいソーセージが食いたい

アメリカ在住時代には随分とお世話になったブランドのソーセージが、今では日本でも売っているのに気がついたのは去年の冬だった。これは一度食べてみたいと思っていたのだが、なかなかお値段が高い。どうも高級ソーセージのようだ。日本ではプリマハムが生産しているようなので、日本向けにアレンジもされているのかもしれない。あのアメリカ塩でたべた塩味効きすぎソーセージが懐かしいのだが、味はどうなのだろう。
あれこれ考えているうちに随分と時間が経ってしまったが、キャンプで焼いて食べるにはちょうど良さそうだ。ということで、今回のメイン料理はソーセージになった。

軽く切れ目を入れて皮が弾けるのを避ける。切れ目は適当だが、予想以上にうまそうに焼けた。表面のパリッとした感じが、焼きソーセージのうまさだが、残念ながら日本の普及品ソーセージを食べると弁当のおかず的な気分になり、肉の塊を食べている感動に欠ける。
全国あちこちにあるソーセージ工房の手作りソーセージは、確かに肉加工品を食べる満足があるが、如何せん値段が高すぎる。手近な所では、ハムソーセージメーカーのお歳暮用商品があれば、なかなかの味の良さを感じるが、これもお歳暮用を自分で買わなければいけない。当然、お歳暮用のお値段は気楽に楽しめるようなものでもない。うまいソーセージを手に入れるのはなかなか難しい。
あれこれ悩むのであれば、この米国ブランドソーセージがコスパを含め良さそうだ。

粗挽きの胡椒をたっぷりとかけ、あとはケチャップだけで食べる。ああ、これは美味い。体に直結するうまさだ。肉の塊を食べるのも嬉しいが、ソーセージという加工肉は人の知恵が加わった肉の旨さだ。大きめのソーセージを2本、独り占めして食べる快感はなかなか捨て難い。

うまいソーセージといえば、北欧を旅した時、街道筋に立って居るホットドッグ屋(二大ソーセージブランドがあるのだが)が、まるで日本の立ち食い蕎麦屋のような軽食店、究極のファストフードであることに気がついた。ソーセージメーカの直営店であるらしい。
同行してくれた現地の方は、こんな食事で申し訳ないと頭を下げられたが、その店で食べたホットドッグ、というよりソーセージは感動の美味さだった。やはり伝統の味付けなのか、塩味は日本製ソーセージと比べるとはるかに強い。ただ、肉の旨みが格段に違う。混ぜ物が少ないせいなのかもしれない。あの立ち食いソーセージを日本で食べられないものだろうか。
じゃがいもとソーセージというと、何か貧しげな食べ物のような響きがするが、おそらく欧州、米国では(店をきちんと選べば)、ほぼほぼ「お袋の味の定食屋」的な意味合いで、現地のうまい日常食を楽しめると思う。

その美味しいソーセージの記憶に浸りながら、自分で焼いたソーセージを食べると、これは当然のように、至福の時間だった。ちなみに、この時のケチャップは国産メーカーだったが、ソーセージは外国ブランドのケチャップの方が相性良さそうな気もする。
久しぶりに自分でソーセージを作ってみようかと思った、ソロキャンのシンプルディナーでありました。

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キャンプ飯2 プルコギを食う

キャンプでは輸入肉のステーキを食べるのが楽しみの一つだ。赤身の肉を焚き火でじっくり炙るというのは、まさに最高の調味料になる。はずだったが、今回の食材調達に入ったスーパーで「プルコギ」用の味付け肉が売っていた。普段であればあまり口にしない脂身の多い牛肉だが、頭の中にあの甘辛いチープな焼き肉のイメージが浮き上がって来て……………結局、しょうもない衝動買いをしてしまった。
豚の細切れ肉というのは普通に肉売り場で見かけるが、牛の細切れ肉、それも脂身多しというのは目にすることが少ない。それが味付き、タレ付き加工肉になっているのだから、なんとなく肉屋のロス対策という匂いがプンプンする。まあ、それでもチープな美味さを否定する気もないので、えいっと3人前はありそうなパック肉を買ってしまった。

ニラ玉を作った残りのニラを大量に投入してみた。玉ねぎも追加したのは、やはり牛肉とのバランスを考えてだ。

まずニラと玉ねぎをいためる。ニラは火が入るとあっという間に量が減っていく。玉ねぎには全然火が入っていないが、そこはあっさり無視する。仕上がるまでには熱が通るはずだ。

ニラ玉ねぎの上に肉をドンと乗せる。しばらく蒸し焼き状態をたもつ。この時、むやみやたらに掻き回さない。どちらかというとニラが軽く焦げるくらいまで放置する。味付き肉なので、ニラと玉ねぎにタレの味をなじませる。

しばらくしたら、下のニラをひっくり返すように肉と混ぜ合わせて火を通していく。牛肉ではあるが、味付け肉だし完全に火が通るまでよく炒める。

プルコギなので、地元の酒マッコリを用意すれば良いのだろうが、そこまでの根性もない。代わりに持って来た濁り酒と合わせることにした。会津若松で買って来たもので、お江戸界隈では珍しい酒だろう。クーラーボックスで冷やしていた。冷えた濁り酒はアペタイザーと合わせると良いと思う。

大根のつけもの(キムチ味)をつけ合わせて、プルコギ定食風に仕上げてみた。肉は予想通りの、甘辛で脂多め。一口食べると口の中が濃厚な味で一杯になる。そこで、大根の漬物を一口、辛味とニンニク風味がプルコギの濃い味付けを違った意味で中和する。そこに濁り酒をグビリとやれば、これまた濃厚な米の味と甘さが脂分を洗い流す。あとは、このプルコギ、大根、濁り酒の無限ループになる。
チープな焼き肉はうまい。肉は正義なのだ。仕上げに白飯を食べたくなるが、そこはキャンプ飯なので後回しになるのはしかたがない。この肉を食べ終わる頃には、すっかり陽が落ちてしまった。早い夕飯になるが、キャンプの夜はここからが本番。(いつもだと……………)

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キャンプ飯 ニラ玉の作り方

キャンプ飯は単純なものほど美味いと思う。料理の技術より、最低限の手間暇で仕上げるいい加減さ。そして、出来立てを一気に喰らう熱さが美味さの原因だろう。だから、カレーのように下ごしらえの多い料理は、キャンプで作ることはない。ダッチオーブンを使っても、煮込み料理より蒸し焼きで丸まるの鳥一羽みたいな方が良さそうに思う。
今回はニラたまにコンビーフ缶を追加したアレンジで挑戦してみた。ちなみに、フライパンの大きさから、使用した卵は2個だったが、家庭用の大きなフライパンが使えれば卵は3、4個使ってみたい。

まずコンビーフとニラを適当に炒めた後、フライパンに卵一つ目を投入する。溶き卵にするのも面倒なので、直に卵を入れて目玉焼き状態にする。

その卵をフライパンの中で一気に潰しスクランブルエッグ状態に移行。この時はスピード優先で卵をかき混ぜる。

そのスクランブルエッグの上にニラ・コンビーフを移動して、空いたスペースに2個目の卵を投入。同じくスクランブルエッグ作業を開始する。卵は半熟になった程度の火加減で、最初に焼いた卵を裏返しにして合体させる。

合体後は、フライパンをゆすり形を整える。キャンプ飯でも見た目は大事だと思うので、それなりに努力はする。卵が半熟でゆるゆる状態だから、意外と簡単に形は整ってしまう。火通りを均等にするべく、二、三度卵全体を裏返す。

残念ながら、映え要素は低すぎるが………

軽く焦げ目がついたら完成とした。ニラとコンビーフが予想以上に多いせいか、なんとなくぼってりとした仕上がりに見える。コンビーフから出る塩味を期待して、あえて味付けなしにしてみた。

これがモデルにした、焼き鳥日高屋のニラ玉

頭の中にあったモデルは、焼き鳥屋で食べたニラ玉だが、やはりプロの手にかかるとルックスが違う。食べてみて気がついたが、出汁(うまみ調味料)とみりん少々(甘さの調整)は使った方が良かった。
まあ、それでも酎ハイを飲みながら食べる酒のつまみとしては及第点だろう。卵は1日1個までとかいう健康標語を昔聞いたような気がする。ただ、一個では寂しすぎる。ドカンと食べる卵焼きは美味いものだし、狂乱の卵値上がりも落ち着いてきているから、キャンプでは(キャンプでも?)好きなものを好きなだけポリシーを貫いて、大いにニラ玉を楽しみたい。
今回は持って行くのを忘れてしまったが、甘めのソース(おこのみ焼き用)がおすすめで、甘めの九州醤油に鰹節たっぷりかけるのも美味い。味変としては海苔を多めに散らすのも好みだ。
キャンプ飯は、気合いで旨くなる。と実感しております。

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キャンプ飯 下町カクテル

気温が下がってきたということで衝動的にソロキャンプに出かけた。が、まだ暑いというか猛暑日になってしまい、アテが外れた。それでも、キャンプ場について一息入れて、簡単な設営も終わり焼酎のバイス割りを飲み始めた。
暑い時にはこれが美味い。お江戸ローカルなアルコールドリンクといえば、浅草にある神谷バーの電気ブランがイチオシだと思う。が、その銘酒の裏に隠れてあちこちにある炭酸系の割材が怪しく美味い。
一番メジャーになったのはホッピーで、今ではどこのスーパーでも置いてある。ビールテイストな割材だ。お江戸の先輩に「ビールの搾りかす」と騙されて敬遠していたが、今ではすっかり愛用している。
長く通っていた恵比寿の街ではローカル的に有名なのがホイスで、これは都内のあちこちに散在しているらしい。ホッピーとは異なり、ハイボール系の薄味だ。これもウイスキーの絞りカスとか言われたら信じたかもしれない。当然ながらグビグビと飲める。
そして、どうやらお江戸の東側で局所的な勢力を誇っているのが、このバイスという割材らしい。ほんのりと梅の味がする。
昔の焼き鳥屋で見かけた「梅割り」は、焼酎を梅酒のエキスみたいなもので割ったものだった。それが炭酸割りになっ超な感じだろうか。今で言えば梅サワーの甘くないやつという感じだ。これに氷をたっぷり入れ焼酎を注ぎバイス割りにする。下町の雄らしく、北千住発祥であるIY系のスーパーではよく見かける。
まあ、個人的には好みだが、おおよそジジイの飲み物と言って良い。(多分)

この現代ではありえないほど簡素なデザインのラベルが、今でも現役というのが素晴らしい。そう言えば、ホッピーのラベルもレトロを通り越して簡素だったなあ。これもあと一息間違えば、手抜きデザインと言いたくなるシンプルさだ。

アウトドアでの飲み物として、いくつか準備した。まず、焼酎は冷やした後、保冷ボトルで持ち運ぶ。(ちなみに魔法瓶は死語らしい)氷はブロックアイスを買ってくる。クーラーボックスの中でバイスは冷やしておくとなお良い。
グラスは屋外では使い勝手が悪いので、ステンレスのマグカップ(ロックグラス風)にする。これで氷が溶けにくくなる。暑いとついつい一気飲みしてしまうので、飲むペースにも注意が必要だ。
つまみには、ペンシルカルパス(細身のカルパスの長いやつ)をちびちびと齧りながら飲む。ポテトチップスのような口内脱水系ではなく、干し肉、干しイカなどの噛めば噛むほど旨味が出てくるものが良い。

うー暑いと唸りながら飲む酒は、冷えたビールより氷をたっぷり入れた下町系炭酸ドリンクが良さそうだ。

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手抜きテント飯

Amazonテントは大きめ フライ上面の空気抜き穴がよく機能して結露しない優れものだった

キャンプに行ってテントを張って寝る。まあ、当たり前のことだが、このテントは二人用なので一人で寝るには中が広い。その分、畳んであるときの荷物としては大きくなるが、車で行くソロキャンプなのであまり問題にはならない。このテントではちょっと大きすぎる梱包サイズも、極小サイズのテントであればバイクに積んでいくことも可能だ。が、快眠性という点では極小テントは圧迫感が強いのでTPOを選ぶ。使う場面といえば、リュック一つで鉄道旅をする時くらいだろうか。
今回はコット(簡易型ベッド)のテストのために大きめのテントにした。コットを入れると寝る時に頭がシートについてしまうのではないかと心配していたが、そんなことにはならなかった。ソロキャンプ用の極小テントではコットを入れるとシートに頭がべたっとつくのは明らかで、大きめのテントにするしかない。
ソロキャンプで荷物は最低限にしたいが寝る時は快適にというバランスをどうするか、これが結構悩ましい。解決策はタープを諦めるかな。晴れた日にしかキャンプに行かないことにすればタープは不要で、これが一番荷物の減量・整理に役立つ。ワンポール型のテントもコットを入れるには、一人用サイズであると小さすぎるみたいだし。そうなると大きめのサイズにするしかないが、これ以上テントを増やすのもねえ……………と悩んでいる。

これにちぎった大葉でもあればパーフェクトかな?

テントを張った後は、のんびりと本を読んでいた。最近よく耳にするチェアリング(椅子だけ持っていき、公園とか河原の土手でのんびりするお手軽アウトドアスタイル)みたいなものか。ただ、そうなると椅子の座り心地も改善したくなってくる。これが、アウトドアのギア地獄というやつだ。アウトドアで快適さを求めすぎると、莫大なギア投資が発生する。まさに中毒症状だ。アウトドアは不便さを楽しむものだと自分に言い聞かせる。
陽がだんだん傾いてきたので、おもむろに晩飯の用意を始めた。今回は全くの手抜きで、主食はカップ麺にするつもりだったが、アペタイザーは冷凍鰹のタタキにしてみた。追加食材は、ニンニク一欠片と切掛けの玉ねぎ半分を自宅から持ってきた。こういうところは省スペース志向、荷物軽量化を徹底している。ゴミが大量に出る「焼肉パーティー」みたいなことを考えてはいけない。
ニンニクスライスでカツオを食べるのは高知流だが、玉ねぎスライスで食べるのはお江戸的なアレンジだと思う。個人的には、青ネギより玉ねぎの方がカツオのワイルドさには合っている気がする。たたきは厚めに切り、その上にニンニクと玉ねぎのスライスを乗せて食べる。準備時間5分で開始できるお手軽ディナーだ。たたきのタレもついていたが、甘めの九州醤油とポン酢を合わせてタレにした。
今回はメスティンで炊く飯もなし。焚き火で焼く肉もなしだから、簡素の極みだが、ソロキャンプで料理にこだわってみても仕方がないかなあ、と最近思うようになった。お手軽料理の典型であるアヒージョや、焚き火が熾火になればあとは焼くだけというカルビ焼肉もなんとなく興が乗らない。そんな日には、切って食べるだけの冷凍刺身とか塊のハムやチャーシューが良さそうだ。
フランクフルトを買ってきて、串を刺して焼くだけとか、魚肉ソーセージを炙ってマヨネーズで食べるとか、手抜き料理?はあれこれ思いつく。そもそもソロキャンプの楽しみ方は、テキトウな時間をテキトウに使うという自堕落さが良いので、手抜き料理を楽しむのが本どうだろう。有名ソロ・キャンプ番組を見ていて一番共感するのが、この手抜き料理だ。
焚き火と野宿が目的のキャンプであれば、そんな手抜きレパートリーで十分だろう。キャンプ道具のミニマリストを目指す方は多いのだが、自分もそっち方向に進み始めたみたいで………というのが、手抜きの言い訳であります。

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100均のダッチオーブン

100均の店で時々登場するエース級のキャンプグッズがある。この小型版のダッチオーブンは、キャンプギア専門店でもあまり見かけない。いわゆるニッチ商品なのだが、お見事な仕上がりだと思う。ネットニュースでも売り切れ情報が出ていて、見つけたら即買いのおすすめ品だった。自宅周辺では全く見つからず、なんと旅先で発見したので後先考えず買ってしまった。
ちなみに数日前に渋谷にある大型店では山積みされていたから、店長の仕入れ感覚に在庫が左右されているのかもしれない。
標準的なダッチオーブンは大小二個持っているが、当然ながらどちらも直径25cm程度の大型鍋で、重さも数kgあるからキャンプ道具としては重装備な代物に入る。車で行く時には特に問題はないが、焚き火で調理しようとすると周辺道具も必要で、やはり大掛かりなお道具になってしまう。その点、この超小型版はまさにおひとり様向けの大きさで実に良い。

これを何に使うかは脇に置いておき、とりあえず使う前の下準備、シーズニングをしなければならない。下準備は、工場で製造された後に錆止めのために施された表面の機械油を取る作業だ。南部鉄瓶では内部に漆を塗っているようだが、それも使いはじめには下準備がいる。ダッチオーブンなどの洋物鋳物鉄器は表面の機械油を取り除かないと食用調理には使えない。
このシーズニングを室内でやると、機械油が焦げ、その臭いが部屋の中に籠るので、室内作業はあまりお勧めできない。だから通常は晴れた日に表でやることにしている。

まず鍋を火にかけて熱する。温まってきたら、サラダ油をたっぷり入れる。鍋の温度が上がってくると表面から薄く煙が出てくる。機械油が熱せられるせいだ。その頃には、注いでおいたサラダ油も高温になり煙が出始める。そこに、屑野菜(にんじんの皮やキャベツの芯のような料理の途中で出てくる)を放り込み、野菜が焦げる寸前くらいまで炒める。目的は鍋全体の表面に塗られている機械油をサラダ油と合体させて取り去ることなので、鍋の底だけではなく横の部分もしっかり炒め野菜を押し付けて行く。今回は焼きそば用に用意したキャベツの外側を使った。

適当に炒め終わったらキャベツを取り出す。これは機械油まみれになっているのでゴミとして捨てるしかない。(だから、屑野菜を使う)
野菜を取り出したら、底に油が残っている。それをしばらく放置し、ある程度鍋の温度が下がったら、ティッシュペーパーなどを使い油を拭き取る。その後、ぬるま湯で鍋を洗い油を流し終わったら、ティッシュペーパーなどで水気を拭き取る。そして、また日にかけて表面を熱する。水分を飛ばすためだ。その後、改めて表面に錆止めとして少量のサラダ油を塗る。
これで準備作業が完了する。慣れれば5分もかからない作業だ。一度シーズニングを済ませて仕舞えば、焚き火の中に突っ込んで加熱調理することもできる。ワイルド系が好みであれば、焚き火に直で突っ込んだ鍋で塊肉を焼き上げるのも良い。お手軽ローストビーフだ。
芋やカボチャなどを適当なサイズに切り、鍋に放り込み焚き火の上で放置する。時々串などで野菜の真ん中部分を刺し、串がすっと通るくらいになったら火から下ろし、オリーブオイルを回し掛けする。ここに多少お高い高級塩をかける。モンゴルの岩塩とか、地中海の塩とか、いかにも高そうなものを選ぶのがお勧めだ。塩の味よりも、高級な塩を使っているという自己満足的気分の問題だ。ただの野菜がご馳走に変わる。
西部劇に出てくるカウボーイスタイルで遊びたければ、軽くベーコンをと玉ねぎを炒めた後でトマト缶と豆缶を放り込んで軽く煮詰める。好みで鷹の爪などを放り込み、最後にオリーブオイルをかけてかき混ぜれば、あっという間に西部男のワイルド飯になる。
などなど、ダッチオーブンは夢想が広がるキャンプギアなので、見つけたらぜひ一つお買い上げすることをお勧めする。ちなみに、冬になればこれを使って一人すき焼きをするつもりだ。鋳物鉄器は男のロマンだぜー・

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今回のお試しグッズ 

特売で売っていた保温型マグカップと100均で購入したまな板、小型のスウェーデントーチを試してみることにした。
まず、マグカップだが内側がステンレスで保温性がある。寒い季節より暑い季節に冷たい飲み物を保温するのが便利そうだ。小型のステンレス保温瓶に入れた氷水をつかい、暑い盛りに冷たい水割りを作るのが楽しみだ。予想以上に重宝しそうだ。これまで使っていた軽量のステンレスマグはお払い箱になった。
竹の集成材らしい小型のまな板は、ソロキャンプ向けにお手頃サイズだと思う。2枚用意して一枚はまな板として、もう一枚は皿代わりに使うと言うのがよさそうだ。汚れがひどくなったら、焚き火で燃やして自然のリサイクル?に戻して行く。
最近は焚き火で出る燃え滓、灰を持って帰って肥料の代わりに使うので、土に帰るという意味では自然の焼畑農業みたいな感じのリサイクルだ。厳密に言えば集成材にする時の化学物質も含まれるのだが……………

今回の目玉は超小型のスウェーデントーチだ。丸太に十文字の切れ目を入れて、その中に火をつけるとロウソクのように燃えて照明になるというのがスウェーデントーチだが、通常は直径50cmくらいの太い丸太を使用する。木の内部から燃えて行くので、鍋を置いて調理にも使えるという、なんとも魅力的なものだ。
この小ささでは調理は難しそうだが、ロウソクがわりのおしゃれな照明になるだろうと、いくつ買い込んでみた。夕方になり石油ランプに火を灯すタイミングで火をつけようとした。
焚き火で燃えている枝を取り、切れ目の内部に入れてみるが、何度やっても火がつかない。どんどん暗くなってきて、点火作業もままならなくなってしまった。残念ながら諦めた。
やはりアウトドアの新型グッズを試すのは、日中の明るいときでなければいけないと反省した。おそらく、なんらかの点火用の仕組みが必要なのだ。100均の商品と舐めていたこともあるが、無計画すぎだ。小型の着火剤を切り取り、切れ目の中に押し込み、それをライターやマッチなどで火をつけないといけないだろう。小型とは言え木の塊なのでマッチ一本で火がつくはずもない。
次回は日中に一度点火した上で、夜に備えることにする。ただ、100均の商品なので何本か失敗しても惜しくはないし、失敗したとしてもこれはまさにそのまま薪になる。
相変わらず極楽キャンプというより実験室見たいなキャンプをしているが、それもまた一つの楽しみ方だろう。